PSYCHO-PASS サイコパス2 #08「巫女の懐胎<AA>」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

予想は当たるが、キモ金さんがワロエない…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


東金を怪しむ美佳は、鹿矛囲と東金財団の繋がりを調べようと経済省特許局で東金財団の所有特許について調べる。するとそこにあったのは「多体移植・生体移植用複合体の製造方法」――184名の遺体を使った結合手術が…。
前回、「鹿矛囲はとんでもない数の人体パーツの集合体なんじゃ…」とか言ってたら当たったwww
とんでもねぇフランケンシュタインだな、鹿矛囲。
あと、その下に「無細胞化方法及び人体移植用人工組織――他の人体から採取した腱や靭帯について、固有DNAの残存量をゼロにする無細胞化と可能…」というのもあって、サイマティックスキャンがDNAにも関連するなら、フランケンシュタインであるが故に1人の体から複数のDNA反応が出てサイマティックスキャンがエラーになるというよりは、この「固有DNAの残存量をゼロにする」っていうのが鹿矛囲の透明人間化の原因っぽい気が…。

そして升嵜医師も鹿矛囲が飛行機事故の犠牲者184名の遺体からパーツを移植された存在であることを明かす。鹿矛囲いわく「7人の脳を含む184人の肉体と人格的存在」――そう語る升嵜。
脳まで継ぎ接ぎ…だと!? おい、そこは予想外すぎたぜ!
…ってことはだよ? 鹿矛囲桐「」から鹿矛囲桐「」になったのは、「斗」=7人の脳(人格)…ってこと!?
あー…ようやく腑に落ちたわ。鹿矛囲が色んなことに精通しすぎてて「ひとりで犯罪を立案・実行している」って気にならなかったのは、この「7人の脳=人格」だ。多分、この繋ぎ合わされた脳の7人それぞれが精通してるものが、薬物だったり医学知識だったりホロだったりプログラム制作だったりクラッキングだったり…ってことなんだ。
そして鹿矛囲が「多層的」なのも、多重人格のように人格がそれぞれ独立して切り替わるんじゃなく、繋ぎ合わされているが故に7つの人格がレイヤー的に重なりあうことで、ひとつの「鹿矛囲桐斗」という人格を作ってるんだ。
「脳の多体移植なんてことが可能だとは驚きだな」と雑賀先生。執刀した升嵜自身も成功する見込みはほとんどなかったという手術だったが鹿矛囲は生きた。そして升嵜は言う。鹿矛囲は「機械サイマティックスキャン)の認識上は繋ぎ合わされた死体にすぎない」…と。
鹿矛囲が透明人間であるカラクリは明かされた――。
しかし、鹿矛囲のシビュラに対する挑戦は、それだけが理由じゃないよな…。
「シビュラに認識されないから」という理由だと、それは槙島と同じ理由になってしまうし、何より鹿矛囲がシビュラを「裁く」、その「罪」の理由には薄すぎる。
とすると、鹿矛囲が恨んでいるのはシビュラというよりは「シビュラの中の人の誰か」なんじゃないだろうか?
シビュラの中の人の誰かが飛行機事故もしくは移植手術の黒幕で、自分を透明人間にした、その「シビュラの中の人」の「罪」を「裁く」のだとしたら、5話で局長の中の人が変わった時に「担当者は『私』」「どんなに責められても、『私』には責任の取りようがない」「過去を覆すことなんてできない」「生まれてしまったものは、せいぜい活用」と言ってたことと符牒が合致するする気がするんだ。
…ん? シビュラと東金、鹿矛囲の点が線で繋がってきたぞ!?
同じように5話で局長が「朱が『あれ』にどんな影響を受けるのか」と言ってた「あれ」はキモ金さんのことでいいんだろうな。前回出た過去の経歴を見ても、シビュラ(局長)が何らかの意図を持って東金が執行官として再配属したことは明らかだし、となると、シビュラと東金(東金財団)は繋がってて、鹿矛囲はそのシビュラ(と繋がりがある東金財団も含む)に恨みがある…ってことか。
現在の局長の中の人が自らを「担当者」って言ってたし、鹿矛囲が恨む「シビュラ(の中の人の誰か)」は、現在の局長の中の人だろうな。
残る見えない線は、シビュラ(現在の局長の中の人)と東金の関係か…。


升嵜いわく、鹿矛囲は手術直後はまだスキャナに認識されていたという。鹿矛囲が自分の特異性を自覚したのは日常生活が送れるようになってから。移植した部位が生着するに従いスキャナに認識されなくなったという。
うーん、待てよ。さっき「固有DNAの残存量をゼロにする」技術の話を出したんだけど、最初はスキャナに認識されてたってことは、(サイマティックスキャンがDNA識別にも関係するという仮説のもとでの話なんだけど)最初は鹿矛囲自身のDNAしか識別されなかったんだけど、生着するに従ってゼロにしたはずの各部位のDNAが鹿矛囲自身のDNAに置き換わらず、元々のDNA反応が出てきて「一つの体から複数のDNA反応」が出てサイマティックスキャンがエラーを起こした…ということ?
通常の臓器移植なら割合で誤差の範囲内で済むけど、鹿矛囲は184人の集合体だからDNAの割合を考えると誤差の範囲なんてもんじゃない。だからサイマティックスキャンがエラーになって計測できない…ってこと、なのかなぁ?
やがて透明人間として社会から切り離された鹿矛囲。初めのうちは何とか認識されようと人目につく犯罪を起こし裁かれるのを期待したこともあったが、それでも認識されなかった。医者やカウンセラー、信頼できそうな人間にも相談したが、鹿矛囲の特異性を目の当たりにすると皆、離れていった。
「だろうな」雑賀先生は言う。シビュラに認識されない人間を肯定するということは今の社会に疑いを持つことに等しい。
そして鹿矛囲*1は言う。「僕はシビュラだけでなくそれに縋る全ての人間から存在を否定された」
なるほど、人々を洗脳するのはそれが理由か…。
槙島も鹿矛囲も、やってることは「シビュラに縋る人間たち」を嘲笑ってるんだけど、槙島は「魂の輝き」と称して「人の本性」を暴き出し、「ほら、人の本性ではシビュラの檻の中で生きるなんて愚かだ」と嘲笑ってたのに対し、鹿矛囲は「自分を否定した者たちへの復讐と嘲笑」なんだよね。そして「シビュラを『裁く』」と言うように、「シビュラは神ではなく『罪人』。それは本当に縋るに値するものなのか」と人々を嘲笑ってる。
そしてシビュラに縋るが故にクリアになることを求める人間を利用し、洗脳する。だから鹿矛囲の犯罪に関わる人間は「自分の意志でそれを実行しているようで、実は自分の意志がない」ってことね…。。
槙島も鹿矛囲も「シビュラに認識されない」という根源と、「だからシビュラに反逆する」という行為、そしてシビュラを倒したその先で己が支配者になろういう気はない(壊すこと自体が目的)という着地点は一緒だけど、やはり「決定的に何かが違う」というのは、その方向性というか、「シビュラに認識されない」から芽吹いた枝葉というべき感情だよな。
槙島が「誰かに認めて欲しい」という「寂しさ」からなら、鹿矛囲は「自分を透明人間にした者への復讐」という純粋な「憎しみ」だもんな。
「何故、自分は誰にも認められず消えねばならないのか」鹿矛囲はその理由を探し、辿り着いた。
地獄の季節」に――。

かつてシビュラシステムに変わる国民支援制度が経済省から発案されたことがあった。交通と銀行を管制しその全てを把握する「パノプティコン」と呼ばれるシステム。
1期19話で出てきた「パノプティコン」がまさかここで出てくるとは…!!
ジェレミーベンサムが収容所の建築形態として構築した全事象展望監視システム。1期19話では雑賀先生と狡噛さんが槙島について語る中で(狡噛さんが見る)槙島の幻影が「最少人数で多数の囚人を監視できる」としてシビュラシステムを皮肉ってたアレね。フーコーも絡めた皮肉についてはウィキペディアさんがそこそこ詳しいのでそちらを参照
「市民の行動と経済活動を監視・記録することで犯罪を未然に防ぎ、最適な生き方を導く――至極単純ではあるが理想的な提案とも言える」と言う鹿矛囲に、雑賀先生は「全てを監視される市民にとっちゃ、まさしく監獄だ」と笑う。
しかし鹿矛囲は「今の社会とどう違うと?」と返す。
…あー、でもなんかこの「パノプティコン」、なんかパノプティコンをロングパスにするために無理やりこじつけた感が…w
シビュラシステムに変わる対案として設定したんだろうけど、なんかこれには緻密さがない気がする。
もっとも「シビュラに変わる対案」としてシビュラ同様「最少人数で多数を監視できるシステム」のため――要はこの場面のためだけに設定されたものだから緻密さはなくてもいいんだろうけど、2期は後付け設定の宝庫であることを活かしまくって色々と緻密に仕上げてるだけに、この設定はちとお粗末で残念かもしれん。
しかし、「市民の行動を監視して犯罪を未然に防ぐ」システムとして考えたら、シビュラが「市民の行動と精神状態」だから、あと犯罪を防ぎそうなものったら経済活動ぐらいしかないっちゃないわな。ここらへんは来年出るらしいオフプロ2で補完されるかもしれないし、されないかもしれないしw
ただ、シビュラによって厚生省がとんでもない既得権益を持っていることに対して、経済省がそれに変わるために出した案という、いわゆる「お役所間の権益戦争」が背後にあることは分かったわ。…てか、この「お役所間の権益戦争が背後にある」ってための設定だからパノプティコン自体が緻密さ皆無のお粗末設定でも別に成立するのかw

交通分野で試験的に運用されるようになったパノプティコンだが、ある時期から多大な不具合が発生し始めた。それが原因でパノプティコンの採用は見送られ、そうしてシビュラによる統治は今に至るまで続くこととなった。
もしそれが何者かに導かれた結論で、それを得るために全てが仕組まれていたとしたら…
それを陰謀論だと一蹴する先生。しかし鹿矛囲は「何が陰謀論なものか…」と呟く。経済省への横槍や人材の操作と流出、予算の奪い合い、政治家同士の取引…それらは実際に起ったことだ…と告げる鹿矛囲。
事実その結果として、その周辺時期の航空および交通事故は例年の数十倍にも跳ね上がり、多大な犠牲者を出したその期間を後に「地獄の季節」と称した。
…ははぁ〜ん、やはり鹿矛囲の飛行機事故は仕組まれたもので、そこに鹿矛囲の復讐の動機があったか
そして鹿矛囲はその事故が「現在の局長の中の人」によって仕組まれたもの…ってとこまで調べてる…と。
なるほどね…それが鹿矛囲が「シビュラを裁く」理由であり、脳の集合体であるシビュラに向けるのは無意味そうなドミネーターをシビュラに向けようとしている理由はそれか。
ってことは鹿矛囲はシビュラの正体=免罪体質者まで行き着いてて、今までの事件はその免罪体質者をあえてドミネーターで裁くための実証実験…ってことか。
うわー、これは面白くなってきたぞ!
多分これ、キーワードは「パラドクス」だ。
前回、シビュラにとっても都合が悪いのに水絵のドミ認証を止められないのとか、取り込めないイレギュラーである鹿矛囲を殺処分したがっているのとか、「シビュラ自身も遵法者であるが故に(法を曲げる=自信を否定することに繋がるので)、自身に都合の悪い存在であってもどうにもできない」というパラドクスが明らかになった。
おそらく鹿矛囲が局長にドミネーターを向けた時、「シビュラは自身を裁けるのか」というパラドクスが発生するんだ。
そのパラドクスをどう解決するのか。ひいてはそれが未だ朱が出すことのできない「法(シビュラ)で裁けない者をどう裁くのか」という答えに繋がる…ってことになるんじゃないかな?
…おぉ、なんか2期最終盤、そして劇場版へ繋がる部分へ進んできた感じがするぞ!?
「君はそこに答えを見出したわけか」鹿矛囲の犯罪動機を知った先生。頷いた鹿矛囲は言う。「全てを知り、自分の為すべきことを見出した僕は、現代のメディスンマン(呪術医)として目覚めた…」
そして鹿矛囲ではなく、升嵜自身に戻った升嵜は鹿矛囲との出会いを語り始める。

5年前、医者という重責に耐えられず薬漬けになっていた升嵜を救ったのが鹿矛囲だった。鹿矛囲は升嵜ら医師が知ることを禁じられた医療データを手に入れ、正しい瞑想と薬物投与で人のサイコパスをクリアにする術を身につけていた。
正しい瞑想と薬物投与…って胡散臭すぎるだろ!www それって完全に洗脳の手口じゃん!
…とも思ったが、逆に考えるとそれが「禁じられた医療データ」ってことは、それこそラクーゼとかの、いわゆる既得権益がある薬物を売るために「あえて正しい医療データ」を教えてない…ってことだな。
本来はクリアにするための医療技術がちゃんとあるんだけど、そこに製薬会社の既得権益が絡んで「正しい医療データ」を封印(隠蔽)している…ってことか。
なるほどぉ…シビュラと東金財団の繋がりはそこか。てか、そこまでいくと、むしろシビュラを支配しているのが東金財団に思えてくるんだけど…。
サイコパスをクリアに出来る技術か…。それ自体が過去への復讐となり得るな」と先生。しかし升嵜は言う「単なる復讐にとどまらない。鹿矛囲なら全てを覆してくれる…そんな夢を見させてくれるような男なんだよ」と、これまでの犯人たち同様、鹿矛囲への心酔ぶりを見せる升嵜。
全てを覆す――それが鹿矛囲の目的
「ふぅ〜ん、そういうこと」それをモニターしていた局長は呟く。
裁きたいのは『私』だけでなく、シビュラシステム全体というわけね…桐斗くん」
さすがはシビュラシステムさんやで…と言うべきだろうか。案の定、局長は鹿矛囲の目的というか復讐動機を分かってたのねw
うーん、となると、シビュラ=局長は、何らかの理由で2期が始まる前から鹿矛囲が自分に復讐してくることを知ってた…と考えたほうがよさそうだな。
あと局長が東金財団関係者であることも確かそうだから、キモ金さんを再度執行官として配属したのも、東金一族として何らかの関係があるだろうことから、(自分の息のかかった者として)鹿矛囲を殺処分するために送り込んだと考えたほうがいいのかも?
ただ、キモ金さんの朱ちゃんに対する執着については、逆に局長の差し金で送り込まれたことを利用してそうだけど。

一方、鹿矛囲の手術について調べる美佳。「死体を繋ぎあわせて作られた人間なんて…気持ち悪い」と嫌悪感を露わに。
するとファイルの閲覧記録に2ヶ月前の日付が…。閲覧者を調べると、鹿矛囲のホロの一人と一致。
「鹿矛囲が、ここに来た!?」鹿矛囲もまた、東金財団について調べていた。

1係では再び捜査会議。弥生の調べで、事故被害者の同姓同名の人物が都心部だけで54名いると判明。朱はその54人だけではなく、鹿矛囲本人を除く事故被害者184人分の外見は全て鹿矛囲が纏うホロと見て間違いないと断定する。
公安に出入りしていたカウンセラー、メンタルケア施設の薬剤師、最初の人質女性――全てが鹿矛囲だった。
「鹿矛囲は事故の被害者のホロしか使わないのかも」雛河が言う。朱もそれに頷き、「鹿矛囲は事故とそれにより植え付けられた184人に固執している」と判断。「その意味で鹿矛囲の顔は割れたと言っていい」東金もそう判断する。

また、ギノの調べで鹿矛囲の隠れ家に残されていた臓器から、入れ替わりの可能性がある人物を割り出したところ、揃いも揃って各界の大物ばかりだと判明。社会に影響のある人物を別人に入れ替えていたのは升嵜であることは、本人が認めている。
「治療と見せかけて殺していた…それだけのことをしながらサイコパスをクリアに保てるとは」感嘆する東金。だがそれが鹿矛囲の特異性。薬物調合とカウンセリングで重篤な潜在犯でさえサイコパスをクリアにしてしまえる――洗脳と言っていいレベルで。
「医療こそが最大の武器か…厄介だな」呟くギノ。
朱は「洗脳」と言うけど、前述した通り、もしかしたら鹿矛囲の手法(特に投薬部分)が「本当は正しい医療行為」だって可能性のほうが高そうなんだよな…。ただ、その後自身を心酔させるまでに至る部分(暗示)は確かに洗脳だと思うけど。
そして、鹿矛囲の攻撃対象が、薬品会社・メンタル医療施設と医療関係に限定されていることに気づいた朱。しかし東金は、港を隠れ家にしていた点が妙だと言う。「何かメリットがあったはず」
港のメリットを考える朱は、この数か月の間に未解決の行方不明事件がないか弥生に尋ねる。しかし記録にはない。
「それ…変。人、減ってないとおかしいのに」雛河は気づく。そして朱も「内臓を抜き取られて殺された人がいるなら、移植される前の人物は消えていないとおかしい」と気づく。「消えたことが認識されない人物となると…」東金も考える。
「…待てよ」ギノは現場に国外の新聞や紙幣が残されていたことを思い出す。
「そうか…密入国」朱は成りすましているのが密入国者である可能性がに気づく。「そこまでして何をするつもりなんだ…!?」ギノは首を傾げるが、まだその目的までは分からない――。
密入国者…ここで劇場版につなげてきたか!!
劇場版の敵は密入国者…ってことになってるんで、おそらく劇場版の犯罪(テロ計画)はこの時点から仕込まれていた…という繋げ方だと思うんだけど、どう上手く繋がってるんだろうかと楽しみになってきた。ひょっとすると、これまでにも劇場版に繋がる伏線とか布石はあるんだろうなぁ…。そこら辺、劇場で「あぁぁぁぁ!!」って気持ちよくさせてくれると信じてるぜ!

その後、雑賀先生を待ち伏せた東金は「以前からあなたには興味がありました」と尋ねた理由を語る。
「受講生を黒く染めた講師」と、かつて受講生のサイコパスを濁らせたことを引き合いに出す東金。「他者のサイコパスを操る能力――そんなものがただの技術であるはずがない」と先生が技術で受講生のサイコパスを濁らせたわけではないだろうと言う東金。先生も「そんなものが伝達できるなら、この社会は成り立たなくなる」と否定。
「技術でないなら、それは才能」「人をクリアにする鹿矛囲とは真逆の、サイコパスを濁らせる才能を、あなたは持っている」と先生を評する東金。「そしてそれ故に、どんなに自分が干渉してもサイコパスが変化しない常守監視官に依存している」とも指摘。
「ほぅ…」対峙する先生と東金。
…なんだ、この狡噛さんが1期19話で先生に「お前と槙島は似ている」と指摘された時に、ものっそ嫌そうな顔をした時にも似たこの緊迫感は。
おそらくあの時狡噛さんが抱いていたものは「同族嫌悪」だろうから、先生と東金も同族嫌悪の波長だよな…。
しかし、そこで東金に呼び出しがかかり一触即発の自体は回避されたかのように見えた。
「依存か…。ならお前はどうなんだ?」問う先生。「あなたはキレすぎる」そう言い残し、去っていく東金。
あぁ…でも先生が朱ちゃんと積極的に関わろうとしてるのって、そこにあると思うわ。先生が社会から隠遁していたのって、シビュラによって職を失ったこともあるけど、自分に関わった相手のサイコパスが濁ることを知って、自ら社会から遠ざかった…というのが最大の理由じゃなかろうか?
狡噛さんは結果的には潜在犯になってしまったけど、最初に雑賀先生と関わった時期は朱ちゃん同様濁りにくい部分があったから親密にしたのだろうし、朱ちゃんに請われて分析官になったのも、自分と関わってくれる(必要としてくれる)サイコパスが濁りにくい存在だったから…と考えると、先生自体は自ら社会から遠ざかったとはいえ、実は社会に参加したかった(必要とされたかった)ってことだよね。
ただ、朱を「黒く染めたい」という欲望を持つ東金としては、先生は同族嫌悪の波長を感じてしまったわけだ…。そして何より先生のその洞察力を始めとしたキレ者であることが、自分の正体を暴きだしそう…と感じたのではなかろうか?
そう考えると、美佳だけじゃなく、先生もキモ金さんの正体を暴きそうだな…特に内面の。


鹿矛囲が閲覧したデータを調べる美佳は、そのデータが薬品関連の項目に偏っていることに気づく。その中には第1の事件で喜汰沢が爆弾を仕掛けた新型ラクーゼの生成技術、立てこもり事件のメンタルケア施設で使っていた数種類の薬品の閲覧履歴も残されていた。
いずれも背後にいるのは――「東金財団
「鹿矛囲は、東金財団に復讐しようとしている」…美佳はそう推理する。
ようやくここで美佳の有能ぶりが発揮されてきたな。性格に難があっても、さすがは飛び級で高等教育機関を卒業して未成年で公安局監視官の適性が出ただけはあるわ…。多分、情報を分析して推理する能力は狡噛さんや朱レベル…ひょっとしたらそれ以上かもしれんぞ。
航空機事故の手術で東金財団が保有していた特許技術が使用されている――脳を生きたまま摘出する手術、摘出した脳を繋ぎ合わせる技術。
「何故こんな技術を保有していたの?」謎に思った美佳は関連項目を調べる。ドローンによる全自動での脳の摘出、人間を必要としない手術の提案…。「なにこれ…」唖然とする美佳。そして特許出願者を調べると「東金美沙子」の名が。
そこに載っている顔写真に、美佳はハッとする――東金の部屋で見た写真に映っていた女性だった。
東金朔夜の母親…」
調べ続ける美佳。美沙子は5年前に死亡していた。ならば…と父親を調べるが、その情報は封印されていた。
「アイツの出生にも特許技術が絡んでるってこと!?」関連データを調べると、1つの項目に行き当たる――「サイコパスに関わる特異体質『AA』の先天性実証例
…ほほぅ、サブタイの「巫女の懐胎<AA>」って、局長の中の人であろう東金美沙子、そしてその息子・東金朔夜のことか。シビュラ=信託の巫女=免罪体質者から生まれた子…ね。
でもって<AA>は何の略かは分からんけど、「サイコパスに関わる特異体質」とあることからも、免罪体質者のことで間違いなさそうだな。
なるほどね…。シビュラと東金財団の繋がりは、東金美沙子がシビュラの中の人(現在の局長の中の人)で、その美沙子は免罪体質者を人工的につくろうとしていたってことか!
…てか、また予想を当てさせてくれたんだけど、いいのか2期!?
しかし、鹿矛囲たちが人工的に免罪体質者を作り出そうとして失敗したので事故に見せかけて処分された…と予想してたんだけど、これは東金朔夜=美沙子が人工的に免罪体質者を作り出そうとして失敗した存在なんじゃ…。
だとすると…あ、なんかキモ金さんの「黒く染めたい」欲望の裏から感じる「愛して欲しい」という叫びが繋がってきた。
「AA」を調べようとする美佳だが、その項目も封印されており、美佳は「サイコパスが濁っちゃう」と溜息をつく。「どうしたら…」呟く美佳。しかし美佳は「そうだ…そうか!」といい案を思いついたようで…。

すり替えられた人間を虱潰しに当たるつもりだったが、不発に終わった朱と東金。そこに朱の自宅の床の荷重センサーに反応があったと通知が。
「やはり自分を囮に使っていたのか…」呆れる東金。「ごめん…苦情は後で聞くから」自宅へ急行する朱。…ってか、朱ちゃん、アンタ、自分でも気づかんうちにかなりのところまでキモ金さんに心開いちゃってますぜ…!? 完全にキモ金さんの術中にハマってるよ朱ちゃん!!
自宅へ到着すると、そこに怪しい人影が…。しかし、住宅システムのメンテナンス職員で、管理人に合鍵の使用許可を出していたこと忘れていた朱の、ある意味早とちりだった。
自宅を鹿矛囲に侵入された時のままにしていることに驚く東金。「鹿矛囲の心理と重なるにはヤツの見た景色を保持しておくのが一番」そう呟いた東金にハッと息を呑む朱。「図星ですか」と指摘され、朱は「さすがですね」と東金の洞察力に感心する。
「感服しますよ。あなたは生まれながらの刑事(デカ)だ」と言う東金に「ありがとうございます」と苦笑う朱だが、「可愛げが足りないという意味です」と付け足され、顔を真っ赤にする。
そこに公安局から、自宅の警報を感知したため、葵おばあちゃんの警備レベルが変更されたとの通知が。それを目にした東金は「祖母か…」と呟き…。
アカン、これは葵おばあちゃんに死亡フラグや!!
朱ちゃんを「黒く染めたい」のなら、身内…葵ばあちゃん殺すのが一番*2だもの…これは…キモ金さん、やる…てか殺る!!

公安局の食堂で、ある報告書を作成する美佳。

事件の発端は15年前の航空機事故に遡る。
死亡した201名の乗員乗客のうち184名が児童という悲惨な事故を利用して、莫大な利益を享受した者たちがいた。それが、東金財団。
そして、この時の唯一の生き残りが鹿矛囲桐斗である。
当時、財団を仕切っていた東金美沙子は「AA」という特異体質の研究に執心しており、その実証実験のひとつが、脳を摘出し繋ぎ合わせるという財団が持つ特許技術を最新の環境で試すことだった。
彼女は鹿矛囲や事故犠牲者の遺体を使い、自らの研究を推し進め、結果、財団が持つ特許技術は更なる進化を遂げた。
鹿矛囲桐斗の犯行目的は、そうした東金財団への報復である。財団をマークすることで、鹿矛囲逮捕に近づける。

しかし、現在の一係は重大な問題を抱えている。それは常守朱と東金朔夜の存在だ。
東金朔夜は「AA」を人工的に作り出そうとした東金美沙子の実験によって生み出された。それが史上最悪の犯罪係数を持つに至った経緯と推測される。
つまり、事件の首謀者である鹿矛囲と東金朔夜は「AA」というキーワードで繋がっていることになる。
鹿矛囲桐斗と東金朔夜は等しく危険である。
東金朔夜は他人の犯罪係数を上げることに悦びを覚える異常者だ。現に今まで彼の担当となった監視官5名全員が潜在犯化しているという実例がある。
東金朔夜の影響により、常守監視官も近い将来、犯罪係数が上がると予想される。しかし常守監視官本人は意にも介さず、忠告も受け入れようとしない。これは由々しき事態である。
常守監視官はすでに己の判断ミスにより、多数の監視官および執行官を犠牲にしている。このままでは鹿矛囲の逮捕や東金朔夜の排除はおろか、公安局存続の危機にも繋がりかねない。
故に私は、常守監視官の更迭もしくは権利停止の必要性を強く訴える。

禾生局長なら、きっと分かってくれるはず」…美佳、死亡フラグ
…ってか、美佳は有能すぎて墓穴を掘るタイプだったか。これまで「無能の象徴」みたいに描かれていた美佳が、ここで情報探索能力と推理力を発揮したことで「実は有能」ってことが分かったんだけど、それでもなんか「できる子」に見えないのは…まぁ、しょうがないわなw
先輩と揉めてんだけど、「自分のほうが正しい」って譲れないから、なら更に上の役職に訴える…っていうのは、実は1期で朱がやらかしてるんだよね。ギノに「子供だ」って言われて局長に抗議しに行くって征陸のとっつぁんに止められた時のアレ。
社会人でも新人というか、ある程度仕事覚えて自分に自信がつき始めた頃にありがち…というか、自分(の仕事)に自信がついてくると「自分のほうが正しい」って凝り固まっちゃって、人の意見を聞けない時期ってありませんでした? 社会人の皆さん…。
多分、今の美佳ってそんな時期なのかもしれない。ただ、それでもまだ経験年数が浅いから、職場で自分の意見を円滑に通す、自分の意見と他者の意見を上手に折衷する(折り合いをつける)、自分とは相違しすぎてる他者の意見で角度を変えてみると分かってくることがある…みたいなのができない。
だから、自分の意見を通すための方法が、更に上の役職に訴えて上から押さえつけてもらう…ってことしか知らないんだろうな…って、まぁ微笑ましいわ…って社会人を10数年やってるオバちゃんは生暖かい微笑みすら浮かべてしまうわけですよw
朱と美佳の悲劇って、朱が刑事として尊敬する狡噛さんを失い、ギノという先輩監視官を失い、「自分が1係を引っ張っていかないといけない」という重責で余裕がなくなってしまったことで、美佳と先輩後輩として…というか同じ職場で働く人間同士として向き合うことをしなかったのが大きな要因なんだよな。
「どうしてそれが必要なのか」という美佳の疑問に、確かに朱は丁寧に答えてはいる。けど、それはとても事務的かつ一方的で「共感」できないの。言動にぬくもりがない…とでも言うのかな。
人から物事を教わるときにあると思うんだけど、教え方が上手な人と下手な人っているじゃない? これはあくまでも私感なんだけど、教え方が下手な人って「自分が解ってるから相手も解ってる(解るはず)」という考えなんだよね。どれだけ懇切丁寧な言葉でも理解できないのって、それだと思うの。そして朱もそれだと思うの。
逆に教え方が上手な人って、相手が(言葉にしなくても)疑問に思っていることを拾い上げて、自分から理解への糸口をつかめるように導いていくようなところがあって、「あぁ、だからそうなのね」って最終的にちゃんと納得できるのよ。
確かに美佳も凝り固まった部分があるから、雑賀先生のように年の功で有無をいわさずに社会の現実を見せて、苦労させて勉強させる必要もあるけど、先生が来るまでの1係にはそんな存在もいなかったからなぁ…。ギノではまだまだ荷が重すぎるというか、若すぎて。
でも、美佳はこの有能さからも見て、朱や執行官たちをちゃんと理解して共感できれば、1係にとっては大きな戦力になるし、何よりも朱の参謀となれると思うんだ。
さて、この美佳の死亡フラグがどう転がるのやら…。8話放送前に公開された劇場版の予告にいたことで生存は確定だから、あとはこの死亡フラグで朱との和解しかないんだが…。

公安局に戻った朱は雑賀先生に現状報告。すり替えられた人間たちの自宅・別宅はもぬけの殻。「このタイミングでの失踪は単なる逃亡とは考えられない」と言う先生に同調する朱。「彼らは目的に向けて動き始めた。何としても止めなければ」と決意する朱に「まるで相手の狙いを把握しているような物言いだな」と先生。
升嵜を信じるなら、鹿矛囲の目的は革命。社会を転覆するため、その社会を体現する存在を裁く。そんな存在はひとつしかない――そう言われ、朱は気づく「シビュラシステム…」
ここで1度監視カメラ映像っぽい描写になるんだけど、これはこの会話もモニターされている…という描写よね? モニターしているのは局長なのか…?
ついに明らかになった鹿矛囲の目的。そして繋がった鹿矛囲・シビュラ・東金の点と線。
鹿矛囲と事故犠牲者を利用した東金美沙子=東金の母。そして東金美沙子=免罪体質者=シビュラの中の人。あとはキモ金さんが何故朱に執着しているのかという理由だけか…。
これで鹿矛囲がシビュラにドミネーターを(あえて)向けたい理由も分かったわな。シビュラシステムではなく、その中の人である「東金美沙子」に向けたいんだもん。そして東金美沙子をシビュラシステム=ドミネーターで裁くことに皮肉を持たせている…と。
今思えば、「シビュラを裁く」と言ってる時点で鹿矛囲は最初からシビュラが支配者=人であることを知っていたんだよな…今思えば。

局長に報告書を提出し、死亡フラグビンビンの美佳。「短期間でこれにたどり着くとは君の捜査能力は大したもの」と褒められたのも束の間、美佳は真相を知らされてしまう。
ところでこの『AA』だが、これはオープンドア・データと呼ばれるものだ」意味が分からない美佳に局長は続ける。「重要機密を暴こうとする社会不適合者をおびき寄せて把握するための罠。君はそれにまんまと引っかかった」
美佳の死亡フラグがバリ3ぐらいに!! …ってか、今時「バリ3」とか死語よ、BBA!w
「AA」とは「Apriori Acquitアプリオリ・アクィット)」――先天的免罪体質
先天的があるなら、後天的もあるのかね、免罪体質って…とも思うのだが、ともあれ1期では「免罪体質者は先天的な体質」と説明されてるから、今のところ免罪体質は生まれながらの素質・体質ってことなんだろうな。
「シビュラの重大な秘密だ」
つまり、美佳は鹿矛囲と東金財団を調べるうちに、免罪体質まで辿り着いてしまったのだった。そしてシビュラはその秘密に辿り着いた者を消すために「AA」というキーワードをワザと仕込んでいた…。
「え!?」意味が分からない美佳。「さて、捜査から逸脱してこのようなデータの収集に勤しんだ君の処理、どうすべきか…」そこでようやく美佳は自分が知ってはいけない秘密を知ってしまったことに気づく。
後ずさる美佳に突きつけられたドミネーター。「まだこの程度の悪化でとどまっていられるとは…」東金だった。何故ここに東金がいるのかと驚く美佳。
「彼女はまだ使えます。私に任せていただけませんか…母さん
やっぱり親子ぉぉぉぉぉぉ!!
現在の局長の中の人=東金美沙子=東金の母…が確定した。
そしてこれ…「法で裁けない者をどう裁くか」というのが、鹿矛囲と美沙子の2人にかかってるのか!!
おそらく…おそらくなんだけど、鹿矛囲が事件を起こしたことでシビュラの総意が美沙子を「担当者」にして局長の義体に入れたってことは、美沙子以外のシビュラの総意として(この鹿矛囲の事件を利用して)「東金美沙子の排除」を目論んでいるんじゃなかろうか?
シビュラの脳からあの局長義体に入る描写がアニメと深見小説ではちょっと異なってて、小説ではパッケージングされた脳が義体に入れられる描写があったんだけど、アニメではうなじのコネクタでデータの入れ替えをしているような描写なんで、義体の脳を壊してもシビュラ本体の脳は無事みたいに思えるんだけど、でも1期で槙島が局長義体の藤間の脳を破壊したことで藤間は死亡したような描写だから、アニメだと義体の脳が破壊されると脳のデータが死ぬので必然的にシビュラ本体の脳も死亡…ということになってるのかしら?
ともあれ、シビュラ社会がいかに東金財団に利益をもたらすようにできているかはこれまでの描写で明らかだし、シビュラの中の人として美沙子は利己的すぎてふさわしくないと思うシビュラメンバーがいてもおかしくはないんだよね。
となるとシビュラ自身にとっても美沙子は「法で裁けない者」で、その美沙子を排除するためにあえて鹿矛囲を泳がせて利用している…と考えることもできるわな。恣意的にドミネーターのモード(犯罪係数)をいじれるはずのシビュラが、本来なら自身にとって都合の悪いはずの鹿矛囲を恣意的にドミネーターをいじってまで裁こうとせず、シビュラ社会、ひいてはシビュラシステムそのものに対するリスクを冒してでも、ある意味「法の外にいる」鹿矛囲を使って「法そのもの」である美沙子を排除したい…とすると、シビュラ自身も遵法者なのを差っ引いても、これまでの整合性がちっとおかしいんじゃねぇのって部分に納得がいく。

「好きにしていいわ。処分はいつでもできるし」母親の声で答える局長=美沙子。ひとまず美佳の命は保証された…?
「やはり問題なのは…」美沙子が美佳よりも危険視する存在――「常守と鹿矛囲のことなら心配ありません。2人とも私が仕留めてみせます」と東金。…そういえばさ、キモ金さんがなんで字幕では「朔夜」って書かれてるのと思ったら、朔夜と美沙子で「東金」が2人存在して紛らわしくなるからだったのか…。
しかし局長の中の人(榊原良子さん)スゲェな…。2期は特にスゲェ。禾生」としての声と「美沙子」としての声が全く違うのな! 「声は一緒なのに芝居が違う」というのが正しいところなんだけど、コレ、多分1話から見直して局長の声に注目すると、禾生としての声と、美沙子としての声と、芝居が違う部分が思った以上にあるのかもしれんで…。
…なるほど、美沙子が朱を危険視するのは、朱がいずれはシビュラシステムがなくなる方向を望んでいる=シビュラが無くなる方向に進めば東金財団が得る利益が減るから…ってことか。
母さんとシビュラを美しく清らかにするのが、私の役目です
やっぱりマザコンか――――――――――っっっっ!!
もう、キモいのフルコンボだよキモ金さん!!
しかし、これで彼の「黒く染めたい」っていう欲望の裏から感じる「愛して欲しい」という叫びも繋がったわ。
美沙子が人工的に免罪体質者を作る実験で生まれてきたのが東金で、その東金自身は失敗作だった…。失敗作だったことで母に愛されなくなった(愛されなくなったと思い込んだ)東金は、愛されるために母に盲従するしかなかった。しかし、その業に疲弊した東金は終わりを望み、その業を断ち切ってくれる(自分を殺してくれる)相手としてサイコパスが濁りにくい朱を選んだのだとしたら…。
朱を「黒く染めたい」というのは確かに彼の欲望だろう。だがそれは支配欲ではなく、朱の濁らないサイコパスが濁る=憎しみに反転した時、自分に向けられるだろう殺意の大きさを期待しているとしたら…。
異常なまでに朱を分析し、朱が信頼していた狡噛さんを模すことで朱の信頼を得る。その上で朱を裏切り、その反動が憎しみを増幅させ、自分を殺してくれることを狙っているとしたら…。
なんかキモ金さんが朱に執着する理由がだんだん分かってきたような…。
だとすると、東金は死ぬんだろうな、多分…というか、9割ぐらいの確率で。
愛されたいが故に美沙子をかばって死ぬか、愛されたいが故に美沙子を裏切って殺されるか…。もしくは、朱が狡噛さん依存を卒業するために、「あなたは狡噛さんじゃない」的な展開で結果的には殺してしまう形(エリミネーター執行)になるのも考えられるけど、今のところはこの3パターンかな? どのパターンであれ、朱が狡噛さん依存から卒業するためには、東金は2期で退場しないといけないと思う。
「何? 何の話をしているの!?」目の前の現実が理解できない美佳。しかし生命の危険に晒されていることだけは理解し「やめて、聞きたくない!」と耳をふさぐ。
そんな美佳を引きずり、局長の机に叩きつける東金。「私、何も知りませんから! 何も話しませんから! 全部忘れるから…」悲鳴を上げ、泣きながら命乞いをする美佳。そんな美佳に美沙子は言う。「賢明な判断ね。やはりあなたは理想的な市民だわ――退屈なほどに」
「この反応、いずれシステムを公開する時のモデルケースなるかもしれません」東金は美佳の利用価値を語る。
「そうね、試してみましょうか」美沙子はシビュラシステムとリンク。
「霜月監視官、あなたに世界の秘密を教えてあげる」
嫌と悲鳴を上げる美佳。しかし、助ける者はいない――。
これで美佳も朱同様、シビュラの秘密を知るフェーズ2になるのだけど、美佳は一体どんな反応を示すのか…。
濁って落ちるのか、それとも踏みとどまるのか。ただ、劇場版の予告では2期と変わらぬビジュアルなので、おそらくは踏みとどまって監視官のままだと思うけど、朱と同じ反応にはならないと思うんだよなぁ…。
朱がシステムの秘密を知っても現実を受け止め、嫌悪感を抱きながらも、社会秩序維持のためには必要…と折り合いをつけたように見せつつ実はシステムに抗い続けているのに対し、美佳はまず「現実」を受け止めない気がするんだよな…。「恐怖」で思考停止して、それ以上は何も考えない。それを「保身」と言うかもしれないけど、シビュラにとってはシステムを開示してなお支配を継続するためには、それは最も理想的な反応だと思う。
もっとも、シビュラ自体が人間の思考を停止させるシステムなのよね。「あなたにはコレが向いてますよ」って学業から職業から結婚まで、とりあえず選択に困ったらシビュラ様の御託宣を受ければいいのだから、これ以上思考停止させるシステムはない。そして色相および犯罪係数が思考の範囲を縛るから、シビュラにとって都合の悪いことを考える人間もいない。なんともまぁ、人間に「考える」ということをさせないディストピア――それがシビュラ社会なんだわ。
そのディストピアにおいて、自分の意志で「考える」「選択する」ということをした人間が社会の中で抗う姿を描いたのがサイコパス。でも支配者のほうが何枚も上手で、簡単に打倒されないのもサイコパス。そして人間たちは同じようなことを繰り返しながら、それでも少しずつ前に進んでいく…そういう話なんだよね、サイコパスって。
美佳の死亡フラグの折り方を考えると、シビュラの秘密を知り、危機に陥ったところを朱に救われて覚醒する…というルートと、これまでずっと自力で突き抜けていることを考えると、この危機すらも自力で脱してしまう可能性もあって、もしかしたら美佳の立ち位置は朱ともギノとも弥生たちとも交わらないんじゃないかって気もしてきた。

やっつけの図を作ってみたけど、図にするとこんな感じ。
シビュラの秘密を知るか否か、シビュラに疑問を抱くか否か…で軸を分けた時に

  • シビュラの秘密を知る者―シビュラに疑問を抱く者 〜 朱
  • シビュラの秘密を知らない者―シビュラに疑問を抱く者 〜 ギノ、雑賀先生
  • シビュラの秘密を知る者―シビュラに疑問を抱かない者 〜美佳
  • シビュラの秘密を知らない者―シビュラに疑問を抱かない者 〜弥生・志恩ほか

ここでは予想で美佳を「シビュラの秘密を知る者―シビュラに疑問を抱かない者」に分けたけど、現状ではこの立ち位置がいないので、もしかしたら美佳はこの枠に入る可能性が高いかな…と。
シビュラとしても同じフェーズ2でも朱と美佳では反応が違うと思うから、観察のし甲斐はあると思うw

そしていよいよ残り3話なんだが…未だに本当に残り3話でちゃんと終わるのかが心配だわw
でもノイタミナ発表会で山本Pが「2期は2期でちゃんと終わります」と断言したから、終わるんだろう。
あと、熊谷が「劇場版に繋がるようにアプローチを変えた」という点もチェックかな…と。多分、劇場版を見たら「あぁ!」ってなるんだろうな…ってか、そうであってくれ。

PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)

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PROPLICA ドミネーター

PROPLICA ドミネーター

*1:語っているのは升嵜だが、ここでは「升嵜の口を借りて鹿矛囲が語っている」という描写

*2:朱の家族が保護対象になった時に朱が言っていたように、朱の両親は公安局の保護施設にいるものと思われる

劇場版PSYCHO-PASS サイコパス 予告編

8話放送前に予告編を公開したので、劇場版に出る=2期生存者が判明してしまい、美佳に至っては生命の危機に陥ったのに「劇場版に出るから死なないよね」という反応になってしまって、ドキドキ感がかなり台無しになった気がするんだけど、1/9公開だと、もう2期放送中に予告編出すしかない…というのも分かる。
前から言われていたように、国外からテロリストが潜入したことで舞台は海外になり、そこで朱はついに狡噛さんと再会するらしいんだけど、どうも狡噛さんは敵に回るっぽい…?
しかし、敵に回ったと見せかけて実は同じ犯人を追ってましたよ…という展開も考えられるけどさw
2期〜劇場版が朱の守破離の物語として、劇場版で狡噛さんが敵に回るか否かは、彼がシビュラの真相を知っているか否かにもかかってくる気がするんだけど、彼が朱の前に現れるってことは、狡噛さんが認めた朱の正義とそれが行使する姿勢が納得できるものであるかどうかを確かめるためって気がする。それが偶然でも必然でも。
おそらく、1期で狡噛さんが出した宿題(法で裁けない者をどう裁くのか)に対して朱が2期で出した答えが、狡噛さん自身納得できるものであれば、彼は望んで朱に裁かれるだろうなって気がする。シビュラに裁かれるのが気に食わないだけで、自身が犯した罪を裁かれること自体は狡噛さんは望んでるしね。
槙島を殺したことで狡噛さん自身「殺される側に回る」ことは覚悟済みで、あとは「誰が自分を殺すのか」と考えたら、彼が望む最も自分を殺すにふさわしい人間は常守朱以外にいないのよね(次点・ギノ)。槙島風に言うなら「常守朱に殺されることしか想像できない」なんだけど、サイコパスが「同じことを繰り返している」なら、狡噛さんの最後の落とし前として、ひょっとしたらある意味壮大な自殺ストーリーにもなり得るかもしれないな…って。
そして本当の意味で朱が狡噛さんから卒業し、狡噛さんも朱に全てを託すのなら、結局のところ狡噛さんの生命は失われないといけないんじゃないか…って。
あと、これは2期が終わってみないと分からないことではあるんだけど、朱が出した「答え」と、狡噛さんとの対峙の行方いかんでは、朱もまた、あのシビュラ社会(日本)を脱して、シビュラが導入されたばかりのシャンバラフロートなら朱の正義と理想の社会が築けるかもしれないという希望を見出す…という可能性もなきにしもあらずかな? ただ、その場合は朱の意志を継ぐ者が現れないといけないんだけどさ。
そしてね、何に驚いたって、ギノの後ろ髪!!
ポニ座? ポニちか!?
もうほら…狡噛さんの場合は何があっても「外国行って何があったの!?」で済むけど、ギノ…その後ろ髪は「お前、ホントに何があった!?」って小一時間問い詰めたいレベルよ!
そんなところにツイッターで回ってきたのが「男性のポニーテールは社会規範への反発」っていうので、スーツ(社会規範への隷属)とポニーテール(社会規範への反発)という組み合わせは、そのまま「執行官」という立ち位置を上手く記号化しているな…と。
潜在犯でありながら社会秩序の維持に当たる「執行官」って、まんま社会規範に反発しているのに隷属しているというアンビバレンツだもの。2期制作より先に劇場版の脚本があったことを考えると、ギノの立ち位置を記号化した結果がスーツにポニテなのではないかと…。そして髪の毛伸ばした理由を語るとしたら、2期最終回でいくらでも後付は可能だしね。
あと意外すぎて驚いたのが、須郷さん生存! そして劇場版も登場!!
狡噛さんが登場しない2期で、この狡噛ファン・理彩さんがドツボにはまったキャラが、東金でも雛河でもなく、須郷さんなんだよ! でもメインキャラじゃないから2期で死ぬよねーとか思ってたら、まさかの劇場版ですか!?
…あぁ、どうりで須郷さん、2期のグッズにいたはずよね。途中から1係に加入するのもあったろうけど、そのまま劇場版にも登場するんならなるわよね…と納得したわよ。
ともあれだな…早く狡噛さん見たい。


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PSYCHO-PASS サイコパス2 #07「見つからない子供たち」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

2期ってば俺たちに予想当てさせすぎ吹いたwwwでござる…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


「事件はまだ続いてるっていうのに、私たちはもうドローンに頼ってる」分析室で自嘲する志恩さん。モニターに表示されているのは今回の死傷者7名。
こうして刑事課メンバーのIDが表示されると、今更だけど00475-AEまでは刑事課全員共通なのね。そしててっきり監視官が末尾1で執行官が2、分析官が3だと思ってたら、そうでもないらしく、末尾の区分は一体何だろうと気になる件。
街では正常に戻ったはずのパトドローンが不審な動きを…。「ゲームはリアルじゃなきゃ」あの現実を見てなお、ゲームを続けている市民がいた。…あ、そうか。現実を見せてプレイヤーにゲームをやめさせただけであって、ゲーム自体を止めたわけじゃないんだったな。
「公安局です!」エリアストレス警報の場所を虱潰しに回る美佳たち。雛河がパラライザーで執行するも、次の場所を指示する弥生。「キリがない!」苛立つ美佳。しかし、これに対処できるのは美佳たちしかいないという現実。

鹿矛囲の隠れ家を現場検証するギノ。そして増田の聴取を続ける雑賀先生は言う。「スキャナに監視されたこの社会で、他人になりすますことは不可能だ」「ただし、意図してサイコパスをクリアにできるなら話変わってくる」「例えば臓器移植だ。多くを取り替えることはサイコパスの移植に等しい
やっぱりかー!! 5話で予想した臓器移植説が当たったぞ、オイww
…なるほどな。人間の生体反応の何を読み取ってるのかは謎技術のサイマティックスキャンだけど、人間の「生体反応」を読み取るってことは、サイコパスがクリアな人間の臓器(部品)を移植すれば、それはそのままサイコパスの移植になる…ってことか。
1期のドローン工場の事件とか泉宮寺さんの時にもあったけど、この世界のDNA鑑定技術は、スキャンしただけで登録されたDNAを割り出して個人を識別できる技術だからな。
「クリアな人間なら誤差の範囲で処理されちまうだろうからな」…あぁ、なるほどねぇ。臓器移植されてるってことは、その人間の体が「複数の人間の部品」でできてるってことだから、スキャンすれば複数のDNAが出るわな。しかし、臓器が1つ2つぐらいだと、割合の問題で誤差の範囲内になるってことか。
多分、鹿矛囲はそれこそ5話で立てた「オリジナルパーツはあっても脳ぐらい」という仮説通り、とんでもない数の移植パーツ複合体なんじゃないか?
「鹿矛囲の隠れ家には大量の臓器が保管してあったそうだ」その言葉に反応する増田。しかし、そこに秘書が迎えに来てタイムアップ。
「お前と同じように他人になりすました人間がいる。そいつらが鹿矛囲の仲間か?」問う先生。しかし、増田は答えることなく去っていった。

埠頭では「また撃てませんでした」と、鹿矛囲を目前にしながら逃してしまったことを悔やむ朱。
「また」っていうのは、1期11話のゆきちゃんが殺される時に、手にした猟銃で槙島を撃てなかったことに続いて…ってことだよな。しかし、あの時と違って朱は明確に「自分自身の正義」を描き、実行しているし、なによりその中に「遵法精神」が根付いている。ただ、1期からずっと継続しているだろう朱の迷いっていうのは、「法(シビュラ)で裁けない犯罪者をどう裁くべきなのか」ということ。
犯罪係数の概念が間違っていることを朱は認識しているんだけど、それがこの世界の法である以上、遵法者である朱はそれに則って対処するしかない。1期でかつての裁判制度を調べたりもしたけど、未だに朱の中には「法(シビュラ)で裁けない犯罪者をどう裁くべきなのか」というビジョンがないんだよね。そのビジョンをこの2期もしくは劇場版で描くことができるのか…っていうのも、朱の成長物語に含まれるのかもしれない…っていうか、含まれてなければいけないものな気がしてきた。
ただ、かつての狡噛さん(法で裁けない者を自分が犯罪者になることによって裁いた)と重なった東金を止めたように、「法で裁けないからといって法から逸脱して裁くのは間違ってる」ということだけは朱の正義の中にあるんだけど、あれから1年半経ってるのに、朱があの時から自分自身の正義の行き着く先を描けてないってことは、結局のところ朱は1期最終回の時点から先へは進めてないんだってことだよね。
言い方を変えれば、朱の時間は1期最終回で止まってる…ってことなのだろう。
狡噛さんに「常守朱の正義は正しい」と言い切られ、「自分の正義は正しいと常に証明し続けなければいけない」という「呪い」をかけられた瞬間――正確にはその「呪い」をかけられた上で自分の正義が正しいと証明しようとしたけど、狡噛さんが法で裁けない者(槙島)を自分が殺人者になることで裁いた時に朱の正義は1度負けている。その「負けた」瞬間から朱は立ち止まったまま…ってことなんだろう。
2期…というか現時点での朱って、「自分の正義が正しいと常に証明し続けること」に精一杯で、じゃあ自分(の正義)はどう未来へ進んでいくべきなのだろうかっていうビジョンを描くことができないままなんだよね。
推理において狡噛さんに依存してしまうのも、狡噛さんが朱の師匠だということもあるけど、なにより狡噛さんが朱の正義を負かしている(朱の正義が結果的には狡噛さんに負けてしまった)ことで、朱自身が「狡噛さんには勝てない」と対等な立場から1段低いところにいる…というのも関係していそうだ。
そういった意味では2期で朱が(東金を通して)狡噛さん依存から卒業して、狡噛さんと「対等な立場」にならないと、おそらく劇場版で再会するだろう狡噛さんに「やっぱりあなたの正義は間違ってるんですよ」って彼を納得させることはできないと思うよね。
「しかし、あなたがいなければ我々は全滅していた」「なにより、透明人間の目前まで辿り着いた」と、鹿矛囲を逃しはしたが、その実在を確認したことには意味がある…と東金。
「やはり、鹿矛囲を逮捕できるのは、あなただけだ」…って、なんでドヤ顔なんですか、キモ金さん!
てか「やはり」っていうのが引っかかるな。「やはり」って言うには、東金がそれだけ朱を見込んでるってことでしょ? 朱を分析しまくってる意味からしても。ってことは、やっぱ東金はシビュラの何かしらの思惑によって差し向けられた存在…っていう線はますます濃厚だよねぇ?
だけど、シビュラと東金、東金と鹿矛囲、シビュラと鹿矛囲という3つのラインが複合的というか多層的に繋がっているのと、その繋がりにしてもまだ足りないピースもあって、上手く組み上げられないんだよなぁ…。
東金の言葉を聞いているのかいないのか…。朱は遠くを見つめたままだった。


推理の海に沈んだ朱。浮かぶ「WC?」の文字。
「適性を持たない人間がドミネーターを所持できるか試した」それが第1の事件。
「ドミネーターで監視官を裁けるのか知ろうとした」それが第2の事件。
そして今回「公安を襲い、複数のドミネーターを手に入れた。おそらく仲間に与えるため」――鹿矛囲の目的はひとりでは成し得ないということ。
手に入れたドミネーターを誰に向けようとしているのか。
そして、裁かれるどころかドミネーターに認識すらされないのは何故なのか。
「一体何故…」と問う朱にヒントを授ける声――え、この声は!?
こ…狡噛さん!? 狡噛さんじゃないっすか!!
ついに朱ちゃん、狡噛さんをスタンド召喚した!www
てか、狡噛さんがスタンド召喚とはいえ本編で喋ったぞ、ヒャッホーイヽ(゚∀゚)ノ
新規カットだけじゃなく新録セリフとは…ありがとうございます、本当にありがとうございます!!

「ありえない自体が起こったなら、疑うべきは2つだけだ。前提条件が間違っているか、それともアンタの頭がイカれちまったか」狡噛さんは朱にそう言った。しかし朱は「私だけが虚構に囚われているなら分かる。でもそうじゃない。鹿矛囲の存在はもう疑いようがない事実」と答える。
「だがドミネーターは認識すらしない」「槙島ともまた違う」朱から得た事実を整理していく狡噛さん。…って、自分で「朱から得た事実を整理していく狡噛さん」と書いておいて、実は私自身「この書き方ってちょっと変だよな」と思っている件。まるで狡噛さんと会話をしているみたい…というか、朱の中では狡噛さんと会話してるんだよな、きっと。
これって朱の脳内とか深層心理で行われてること…という描写なんだろうけど、これが実は「朱の中に狡噛さんを模した人格が本人も知らないうちにできてた」とかだったら色んな意味で笑ってしまいそうだけど、よく考えたら朱の自室に書かれた「WC?」については何ら解決してないことを思い出してしまった…。
ただ、たまにあるよね…。実は刑事や探偵のほうが狂っていた…みたいなオチの推理・ホラー小説。
とはいえ、2期で終わるなら「常守朱は狂っていたEND」も考えられるけど、劇場版に続くからなぁ…。でも最後のほうで「え、私狂ってたの!?」(「え、私の年収低すぎ!?」風)って気づく展開だったら可能な気もする…?
ともあれ、自分でも「この書き方は変だ」と思いつつも、朱と狡噛さんの会話…という形式で進めていこう。
「免罪体質とも違う特殊な体質? だからこの社会に認識されない」鹿矛囲がドミネーターに認識されない理由について考える朱。
「しかし、そこには必ず仕掛けがあるはずだ。個人を徹底的に管理するこの社会の隙間を突いた、重大な仕掛けが…」
個人を徹底的に管理する社会――この世界では出生時にDNA登録をすることが義務付けられてるんだけど*1さっきの「臓器移植」の話。アレこそ、この「隙間」を突いている部分だわ。
つまり、だ。この社会で個人を徹底的に管理する前提には「DNA」がある。「ひとりの人間にひとつのDNAパターン」というのが前提なんだが、もし「臓器移植」によってそれが崩されていたら。しかもひとりの人間に相当数のDNAパターンが存在する――ってことまでは前提にされてない…ってことよね。
そしてふと思ったのだが、この世界でDNAによって個人を識別しているとしたら、DNAパターンが同じである一卵性双生児はどうするんだろう? もっとも我々のこの現代社会の100年後には一卵性双生児すら区別できるDNA認証的なものがあるのかもしれないが。
「それは――案外近いところに転がっているのかもしれない」
鹿矛囲の正体、そして事件解決へのきっかけ――それは案外近いところに転がっているのかもしれない…と朱にヒントを出す狡噛さん。
そこに狡噛さんと重なる東金の声。

東金の声にハッとし、現実に戻る朱。その手にはタバコが。…あぁ、そういえば狡噛さん召喚アイテムだったな、タバコ。
サイマティックスキャンに認識されない鹿矛囲の体質を暴くことが事件解決の最善手ではないか…と言う東金。「その理由さえ分かれば、彼に色を付けられるかもしれない」とスタンド狡噛さんのアドバイスに従い同調する朱。
鹿矛囲が何故透明人間でいられるか。「現場に残されたヒントを探りましょう」と現場に戻る東金。しかし、朱はすぐに動こうとはせず、そこにはいない鹿矛囲に問う――「あなたは、何色なの?」
…しかし、なんだ…この東金が朱を鹿矛囲のもとに導こうとしている感。
朱が「狡噛さんならこうするだろう」と狡噛さんをなぞっているのとは逆に、東金は朱を分析して「朱ならこうするだろう」という予測を立てて朱がそう動くように仕向けている気がするんだよなぁ…。狡噛さん的な部分を匂わせてるのも、朱を思惑通りに動かすために、朱が狡噛さんを信頼していたのを利用して、自分に対してのガードを下げさせている。そして朱に自分を信頼させるように行動している…って気がする。
ただ、それが自分を朱に差し向けただろうシビュラの思惑に則って…ってだけではなさそうなんだよな。例の「黒く染めてやりたい」発言を考えると。
東金がシビュラと鹿矛囲の間を行き来する二重スパイなのか、はたまたシビュラの思惑を利用して自分の野望を達成しようとしているのか…それは今後見えてくるだろうけど、「東金朔夜という個人のレベルで常守朱に執着している」ってことは現時点でも分かるんだよね。ただ、その理由がさっぱり分からん。
だけど、どうも東金の「黒く染めてやりたい」という支配欲の裏から「愛して欲しい」「救って欲しい」という叫びのようなものを感じるんだよなぁ…。今のところ、それと繋がるようなものが、彼の机の上にあった母(or祖母)との写真ぐらいしかないんだけど…うん、イコール「マザコン」という要素からきている気が…する。
そして多分…いや、十中八九、東金は朱を裏切ると思うんだ。まぁ、さすがに朱はエヴァのシンジとは違って「私を裏切ったわね」って東金を殺しはしないと思うけど(とはいえ、結果的にエリミネーターで執行ということはあるかもしれない)、東金に裏切られたことで自分がどれだけ狡噛さんに依存していたのか、狡噛さんから独り立ちしなければ先に進むことはできない…ってことに朱は気づけないんじゃないかなって気はする。

鹿矛囲の隠れ家には移植用の臓器の他に、網膜パターンをトレースした生体コンタクトが置かれていた…と志恩さん。すると雑賀先生は「網膜パターンは酒々井水絵のものだな」と、アッサリと当てる。
…ん? 待てよ。もしかして鹿矛囲、水絵の目は移植してない? いや、移植していたとしても、生体コンタクトってことは、鹿矛囲自身は水絵の目を移植していたとしても、前回鹿矛囲が右手にしていた怪しげなデバイスも含めて複数でドミを使う手段はこれで確定したも同然じゃ…。
適性を持たない人間がドミネーターを扱うには適性者であるように誤認識させるしかない。「鹿矛囲にとって彼女(水絵)はそのための駒だろうからな」と先生。その言葉に「だから酒々井監視官の反応が複数感知されたわけね」と納得する志恩さん。
「奪われたドミネーターは8丁か…。なら酒々井水絵の反応は今後8人まで増えるだろうな」と予測する先生。発言内容に反した危機感のなさに「ずいぶん呑気なのね」と志恩さんは言い、「それとも、もう止める手立てを考えているのかしら?」と問う。
しかし先生は「そんなものはない」とこれまたアッサリと答える。
「シビュラが彼女(水絵)の行動を正しいと認め続ける限り、ドミネーターは使われ続けるさ」と皮肉を込めて言う先生。それ聞いた志恩さんは「シビュラに対する嫌味?」と咎めるが、先生は「疑念だよ」と返し、「余計悪いわよ」と志恩さん。志恩さんがシビュラに対してどう思っているかは今のところ明言されてはいないけど、先生が口にするシビュラに対する「疑念」ってやつがマズイ思想であると志恩さんは認識しているわけだ。多分、志恩さんや弥生は潜在犯ではあるけど、シビュラ社会に生きる一般的な人間なんだよな。
…あ、なるほど。弥生や志恩さんが「傍観者」という立ち位置にあるのはそういうわけか。彼女らは潜在犯ではあるけどシビュラ社会に生きる一般的な人間。潜在犯だから「社会」や「人間」に対して自由な見方はできるけど、あくまでもシビュラ社会に生きる一般的な人間だから「シビュラ」に対しては疑念を抱かないんだ。そしてそんな立ち位置の彼女たちでなければ、この話の「傍観者」は務まらないんだ…やっと分かった。
「本人ではない人間がまかり通り、犯罪者に協力する監視官が野放し…。事実を言ってるだけだ」苛立っているのか、先生は飲み干したコーヒーカップをテーブルに叩きつける。
そして雑賀先生が、きっと我々視聴者の反応に一番近いだろうね。我々視聴者というか、正しくは「我々がいるこの現実世界と、サイコパスという話の世界における価値観には相違がある」ってことを前提として見ていない視聴者…な。
1期の時にもあったんだけど、2期では脚本に関しての叩きが結構あって、それを見ているとどうもサイコパスっていう話…というか、この世界の基準とか価値観ってものを理解せずに、我々がいる現代での価値観だけで見ている人が多いなって感じるのよ。我々の社会の価値観で見ると、それこそさっきの雑賀先生のように「なんで水絵のドミ認証を止めないのか」とか、「ドミネーターで裁けないなら実銃で撃てばいいじゃないか」「法としてはザルだらけのシビュラになんで従っているのか」「公安の刑事たちは無能だらけ」って反応になるわけ。
しかし、「我々の世界とサイコパスの世界の基準や価値観には相違がある」ってことを理解して見ると、美佳や3係がどうしてそういう反応だったかが分かるのよ。更に言うと、少なくとも公安局サイドの人間は「誰も間違っていない」ってこと。
その立場によって、誰もが「正しい反応」をしているだけにすぎないのよ。この話は。
まぁ…なんだ、その、早い話が「我々がいるこの現実世界と、サイコパスという話の世界における価値観には相違がある」ってことを前提として見ていない人は、サイコパスって話を楽しむ上で損してるな…ってことですよ。

事後処理を終え、ギノと東金に引き上げるように指示する朱。しかし自分は残って鹿矛囲の隠れ家を探ると言う。そんな朱にギノは「少し休んだほうがいい」と言い、東金もそれを勧める。
しかし、朱はふたりに「でもあんまり休める状態じゃない」と侵入者事件のまま自宅を維持していると言う。それを聞いたギノは「ちょっと待て、お前引っ越してないのか」と心配性オカン属性が最大にw 東金も「まさか自分を餌にするつもりですか」と問う。
「そこまで怖いもの知らずじゃない」「手続きする時間が取れないだけ」と苦笑する朱だが、ギノは「呆れた」と溜息をつく。
そこに朱の祖母に異変が起きたとの報せが…。そして朱を意味ありげに見つめる東金。

朱の祖母が入院している施設で養護ドローンの異常が発生したとの報せに、駆けつける朱。「介護施設」って言ってるけど、「市川医療総合病院」って書いてあるから、病院…だよな。療養型…ってやつですか? いや、そこら辺の細かいツッコミはしちゃダメだなw おそらく設定した側も介護施設の種類なんてよく分かってないはずだw
朱ちゃんのおばあちゃんは葵さんっていうのか…。そして心臓外科…まさか、そこの医者も鹿矛囲とグルで、おばあちゃん、心臓持って行かれてないだろうな?
幸い、祖母は無事だった。ホッと胸を撫で下ろす朱。葵は「このくらいのことで仕事ほっぽってくるなんてさ」と大したことではないと言う。葵は朱を見て「あーちゃんは昔から自分のこと差し置いて人のために突っ走る」と、昔から変わらない朱に笑う。「ごめんね、迷惑かけて」と言う朱に、葵は「迷惑だなんて思ってない」と言い、朱は「命の大切さ、重さを知っている」と言う。そして「それは何があっても絶対失くしちゃいけない」と朱に諭す。
…あぁ、朱ちゃんって「おばあちゃん子」っていう設定があったけど、朱の価値観とかそういったものって、おばあちゃんから学んだり受け継いだりしたものなんだ。
「命の大切さ、重さ」――多分これ、この先、朱が突きつけられるものじゃないかな?
それが、鹿矛囲に対してなのか、それとも東金に対してなのか…更には再会するだろう狡噛さんになのかは分からない。けど、朱は「裁き」と「命の大切さ、重さ」を天秤にかけなければいけない時が来るんじゃないだろうか?
そこで朱が葛藤し、出した答えこそが、「常守朱の正義」が進む未来ってやつじゃないだろうか…と。
そして葵さん…なんかコレ、「遺言」に聞こえてきましたぜ…。1期で狡噛さんの手紙が朱の「正義」を決めたように、2期ではおばあちゃんのこの言葉が朱の「正義」を揺るぎのないものにするんじゃないだろうか…。
「おばあちゃん、ありがとう」と礼を言い、仕事に戻る朱。
この時、意味がありげに葵のピアスが光るんだけど、コレ、何かのフラグかなぁ…。葵さんがピアスをしていること自体は別に不思議ではないんだよね…なにせ葵さんはあー見えても我々の子供世代なので、ファッションとしてピアスをしていることには何ら違和感はないんだよ。ただ、わざわざキラリと光らせたところがね…もしかすると東金あたりが朱を陥れるために葵さんに仕込んだ発信機的何か…って可能性もあるよな。

局長の元を訪れた朱はシビュラの考えを聞きたいと、何故水絵のドミネーターに使用停止措置を取らないのかを問う。
しかし、局長=シビュラは答える。「酒々井監視官のサイコパスはクリアなままなのでね」「サイコパスがクリアなまま行動している監視官を、我々が止める理由はない」…と。
案の定のお答えでしたわ、シビュラ。犯罪係数でしか犯罪を裁かないから、どれだけ犯罪行為を行っていても、犯罪係数=サイコパスがクリアということは「罪を犯してない」のと同義だもんな。最も解決しないといけないシビュラの穴はそこなんだが、槙島事件からその部分は何も進歩していないんだな…。もっとも、進歩させたら免罪体質者を獲得できなくなるから、あえてシビュラはそこを放置している部分もあるだろうが。
「『あってはいけない』の間違いでしょ」シビュラの答えを予想していたかのように厳しく言い放つ朱。「それは自己の否定に繋がるから」
シビュラは「社会システムの最終進化形」を謳い、市民にはあくまでも「完璧なシステム」と見せかけてるんだよね。ただし、1期で局長が「『完璧』と見せることに意味がある」とギノさんに言ったように、シビュラ自身は「完璧なシステムなどない」という認識をしている。
つまり、ここではシビュラ自身は水絵の行動を危険視しているものの、法的には何ら問題がない水絵のドミ認証を停止してしまうことは、自身(法)を曲げることになってしまう――すなわち自己の否定に繋がってしまうためにできない…ってことか。
最初ね、このことを「チャンチャラおかしいわ」って私は笑ったのさ。第一、1期で自身に都合の悪い存在だった縢や狡噛さんを、ドミネーター(犯罪係数)を恣意的にいじることによって消そうとしたじゃん。
都合の悪い存在を恣意的に消せるはずなのに、何故そうしない? 矛盾してないか? ――そう思ったのよ。でも違った。
まず前提として、縢は狡噛さんは潜在犯だった。つまり、シビュラ社会から「排除された存在」だったってこと。元々シビュラ社会に排除された(シビュラの庇護下にない)存在である潜在犯=縢や狡噛さんには多少犯罪係数をいじったところで法的には不当ではない。だって元々彼らこの社会には要らない人間だから…多分そんな理論だろう。
でも今回の水絵はそうじゃない。確かにシビュラにとって都合が悪い…が、サイコパスがクリアな以上、「シビュラ社会に必要な人間」のままなので手を下せない。シビュラもまた、己が定めた法を守る遵法者であるってことだな。
もしかしたら局長がドミネーターを直に水絵に向けたら、それこそ恣意的にドミネーター(犯罪係数)をいじれるのかもしれないけど、都合が悪いのに恣意的にいじろうとしないところを見ると、シビュラは遠隔操作では犯罪係数をいじれないのかもしれない。
口を慎めという局長=シビュラに対し、「既存の制約に縛られたままでは、今回の犯人は裁けない」と法の例外措置(超法規的措置)を取るように求める朱。
「鹿矛囲か」朱の報告書を開く局長。そしてドミネーターが認識しないことはあり得ないと言う。「免罪体質ならいざ知らず、スキャン自体が不可能なイレギュラーなど存在するはずがない」と断じる局長=シビュラ。「しかし、現に存在するはずのないイレギュラーは現れた」と朱。「そんな相手に私たちはどう対処すればいい」朱は問う。犯罪係数ではなく犯罪行為そのもので罪を裁く――法を変えるしか手段はない。朱は言外に訴える。

だが局長は言う。「簡単なことだ。現に君は実行しようとしたのだろう?」――法を無視して殺す。かつて狡噛さんがそうしたように…。
「殺処分が適当だと?」できたらそうしている…と悔しさを滲ませる朱。
…あ、今気づいたけど、これスゴいわ…雛河じゃないけどw
1期で「法で裁けない者がいる。ならば法から逸脱して裁くまで」っていう狡噛さんの正義を朱は否定してるわけなんだけど、じゃあ2期でこの問題をふたたび突きつけられた朱はどう対処するのか、どう答えを出すのか。そうか、2期で全てに対して朱が出す答えは、1期で狡噛さんに突きつけられた宿題に対する答えなんだ。
そうか、2期は朱が狡噛さん依存から卒業するとともに、1期で狡噛さんに突きつけられた宿題に答えを出して、本当の意味で狡噛さんと「対等の立場」になって、そして劇場版で再会するための物語なんだ。そして多分、劇場版は狡噛さんに対して自分の正義を証明して、彼に納得させる話(狡噛さんがそれを受け入れるかは別の話として)…になるのかな?
鹿矛囲を実銃で撃とうとした東金を止めたのは誤りだったのではないかと言う局長=シビュラ。しかし朱は「不自然だわ」と答える。朱はシビュラシステムが免罪体質者というイレギュラーを取り込むことによってシステムを維持してきたことを引き合いに出し、「でも鹿矛囲に限っては観察対象にさえせずに社会から消し去ろうとしている。…つまり、あなたたちはすでに結論を出している」と、鹿矛囲がシビュラシステムに取り込めない種類のイレギュラー=シビュラにとって都合の悪い存在であることを指摘する。
…ん? ここで鹿矛囲が「シビュラシステムに取って利益をもたらす存在」という線は消えるの…か? いや、まだ朱の推理の段階であって、シビュラからそう明言されてないから可能性から捨てるのは早いとしても、「シビュラにとって都合が悪い存在だから秘密裏に消したい」理由から色々と考えられる線が出てきたぞ。
多分、シビュラシステムに取り込めない種類のイレギュラーってだけじゃなく、それこそ鹿矛囲誕生の秘密がシビュラや東金財団とかに繋がりそうな…。後天的免罪体質者の実験台とか、移植における東金財団の人体実験とか…そこら辺だと上手い具合にシビュラ・東金・鹿矛囲のラインが繋がりそうなんだけど。
「仮にそうだとしたらどうする」と問う局長=シビュラに、「鹿矛囲の謎は必ず解き明かす。その上で私たちの手で逮捕し、正当な法の裁きを受けさせるわ」と答える朱。…しかし朱。その「正当な法」って何処にあるんだよ? アンタ、犯罪係数の概念で裁けない者をどう裁くのか…っていう答えを出してないよね? 仮にその答えを出したとしても、それはシビュラに法を変えさせる…ってことだよね?
うーん、なんとなくだけど、劇場版に繋がる以上、朱は今回も鹿矛囲を(自身が思う)正当には裁けない気がするよ…。なにせサイコパスって話は、結局のところは「シビュラの手のひらの上で人間たちが転がされ続ける物語」なんだよね。「システムに支配された社会で人間たちがどう抗うのか」を描いてはいるけど、その「抗う」がシステムを打倒することとイコールになっておらず、むしろそのシステムが継続していく話がサイコパスなのであって、おそらくサイコパスって話をサーガ化するのであれば、その社会の中で抗う人間たちがその世代によってどう変化していくのか…って姿を描くんじゃないかな。
1期最終話で朱が「いつか誰かがシビュラの電源を落としにやってくる」と言ったように、朱自身、自分がシビュラを打倒する人間ではないことを知ってるのね。それは社会秩序の維持にシビュラが必要な以上、シビュラを必要としない社会を作る必要がある。そしてそのためには何十年という時間がかかることも朱は知っているから「いつか誰か」と言ったんだと思う。自分ではない「誰か」。自分より後の代であろう「誰か」。きっと、朱の望みは「人々が自分の意志でシビュラから決別することで、シビュラを必要としない社会」が作られることだと思うからさ。
鹿矛囲を自分たちの手で逮捕し、正当な法の裁きを受けさせることに「何か問題が?」と問う朱に、「いいや。引き続き職務に励みたまえ」と答えた局長。しかし、何か思うところがあるようで…。
しかしまぁ…この、シビュラが自らを完璧と見せなければならないが故に、鹿矛囲という存在が社会にとっても自身にとっても都合が悪い存在なのに、法(自身)を曲げられないがために野放しにしておくしかできないジレンマというかパラドクスというか…あぁ、やっぱり槙島はそんなシビュラシステムを笑ってる気がするよ。

一方、自室に戻った東金は、テーブルの位置と吸い殻、そして引き出しを開け「取り繕った跡があるが、順番と上下がズレている」と侵入の痕跡を確認。「詰めが甘いな」と、誰が侵入したかまで分かっているようで…。
PCを確認するとデータがコピーされた痕跡もあり、「俺の経歴か…」と目的も分かったようで…。
てか26歳当時の記録だけど、よく見ると東金の生年月日=2073年6月6日生まれ2114年現在41歳…おい、見事なまでに経歴(年齢)詐称じゃねぇかよキモ金さん!!
てか、どう若く見ても30代半ばぐらいなのに、よくもまぁ現在30歳の狡噛さんやギノさん*2より年下だって堂々と詐称できたもんですね!!
逆に感心するよキモ金さん!!
…まぁ、東金財団関係者だったら、アンチエイジング施術し放題だろうからな。てか、アラフォーなのにアラサーって詐称できるくらいの自信過剰さが羨ましいぜ、キモ金さん…。
しかし、アラフォーなのにアラサーと堂々と詐称するキモ金さんと、アラフィフなのに堂々と恐ろしいまでの若作りをしている叶姉妹のどっちがスゴいんだろう…という疑問w
そして部屋に仕掛けてあった監視カメラの映像を確認すると、そこに映っていたのは美佳…。映像を見ながら東金は呟く「よほど俺のことが気に入らないらしい」…美佳、大ピンチだぞ。

東金の古い人事ファイルに目を通した美佳は、東金が18年前一度執行官として配属されていることを確認する。更に、当時の担当監視官が全員潜在犯落ちしてエリミネーターで執行していることを知り、「何なの、コイツ」と東金に対する疑惑が深まる。
ちなみに東金の経歴部分の字幕なしのキャプ画はこちら↓

2096年〜99年まで執行官として在職してるってことは、間違いなく征陸のとっつぁん(2093年から執行官として在職)は東金を知ってるはずなんだよな。東金の過去の経歴を隠した上で再度執行官として配属したのは、東金の存在を知っているとっつぁんの存在がなくなったから…というのもありそうな気がするな。

朱の呼び出しで美佳が刑事部屋に戻ると、須郷以外の全員が集合していた。負傷した須郷は復帰までまだ時間がかかるとのこと。…ってことは、須郷さん今回お休みか…(´・ω・`)
美佳を確かめるとニヤリと笑う東金。…うん、これはもうすでに東金には美佳を陥れる策があって、下手すりゃ次回には美佳はピンチに陥る。
始まる捜査会議。当座の問題は港で消息を絶った鹿矛囲をどう追うかだが、接触する可能性のあった増田の行方を追ったところ、増田は釈放後に自殺していた。「迷うことなく死を選ぶ…それほど心酔しているということ」鹿矛囲の協力者から行方を追うのは難しそうだと判断する朱。
「入れ替わった人間だと分かっていながら、何もできなかった」と悔しさを露わにするギノに、「これ以上好きにはさせません」と朱。まずは現場に残された物証から洗っていくことに。

現場に残っていたもので目立ったのは、大量の臓器とストレスケアの薬。すると雛河が「これ、スゴい」と声を上げる。ほとんどが独自に調合された違法薬で、雛河も見たことがないもので、薬物に詳しい雛河でも「ここまで細かく調節するの、無理」と言う。
意味が分からない言う美佳に雛河は、適当な調合でそれなりの効き目を出すのだったら自分でもできるが、狙ってやっているとしたら普通の知識じゃない…と説明する。それを聞いた朱は「薬物に関して並外れた知識がある…そういうこと?」と問い、雛河は頷く。
そして雛河は「薬剤師のホロを纏ってたのは、案外フリだけじゃないのかも」とも言い、朱は鹿矛囲が薬剤師のホロをかぶっていたことを初めて知る。雛河は立てこもり事件の時にホロを纏った人物を見つけていたのだ…あの施設の薬剤師(大津)がホロだったことを。

「どうして報告しなかったの」と問う弥生に、データを美佳に送ったと答える雛河。メールで報告したという雛河に、メールチェックを怠っていた美佳は「何故口頭で報告しなかった」「これはあなたの伝達ミス」と逆に雛河を咎める。…さすが、安定の美佳。まだまだ自分の非は認めないな…。しかし、いつか自分の非を認めざるを得ない時は来るんだろうな。
しかし朱は「業務改善は後よ」と雛河にデータを分析室に送るよう指示。
分析室に送られたデータを解析するうち、志恩さんは鹿矛囲が使ったホロが成長復元ホロであることを突き止め、試しに例の航空機事故で亡くなった子供たちの中から検索したらピタリと一致。
15年前の航空機事故の犠牲者――鹿矛囲が第1の事件で使った女性のホロと同じ。
そして朱は気づく「私たちは前提条件を間違えていた」焦点にすべきは最初の女性じゃない。「この事故で死んだ、すべての子どもたちよ」
もし、鹿矛囲が纏っていたホロが、この事故の犠牲者の成長復元ホロだとしたら…――。

志恩さんに事故の詳細を出してもらう朱。
事故は15年前の5月、修学旅行に向かう小学校の生徒を乗せた旅客機が熊鷹山*3に墜落。原因は機体トラブル。犠牲者は185名の子供たちに、引率や乗員を合わせた202名…「待って! 生存者がひとりだけいるわ」と、生存者のデータをモニターに出す志恩さん「この名前…」
生存者の名前は「鹿矛囲桐人
「たった一人の生存者」…呟く朱。これが鹿矛囲の正体に迫る糸口になる。
…ってか、その飛行機事故(日空機321便墜落事故)って、思いっきり、あの日航機墜落事故にかけてるよね?
まぁ、飛行機事故の代名詞が、あの日航機墜落事故ではあるんだけど、これが鹿矛囲フランケンシュタイン説だと、これってものすごーく引っかけてあると思うの。墜落遺体でググれば分かるんだけど、ググることを私はおすすめしない。色相濁るなんてレベルじゃないから。
ただ、飛行機事故によって鹿矛囲というフランケンシュタインが生まれたのなら、これ以上上手い引っかけはないんだけど、あの事故をかけたことに対してニヤリとしていいのか私には分からない。あの事故が事故だっただけに。しかし、不謹慎厨ではないので、あの事故をヒントとして使ったことに対しては何ら異論はない。あの事故を知る者にとっては、これ以上にはない分かりやすいヒントだ。
あと、鹿矛囲桐「」が桐「」と名乗ってるということも引っかかる…。「斗」からパッと連想するものとしては「北斗」があるんだけど、もしかして、鹿矛囲って「7人」いるんじゃ…。
フランケンシュタイン鹿矛囲が7人のパーツを繋ぎあわせている…という意味なのか、他の6人が共犯者なのかは分からないけど、どうにも私は、鹿矛囲がいろんな事柄に精通しすぎているのと、例のゲームを使ってドローンを乗っ取った時に出てきた「クラウド」っていうのが引っかかってるのよ。
前回も言ったけど、例えばクラウド上にある「鹿矛囲桐斗」というデータを7人で使っているとか、もしくは「7人」のデータの集合体が「鹿矛囲桐斗」…とか。
ただ、私が鹿矛囲から感じるのは、「合体」というよりは「多層的な存在」。合体して「鹿矛囲桐斗」が出来上がってるというより、それこそレイヤーを重ねて「鹿矛囲桐斗」が出来上がっている…って感じ。
上手く表現できないんだけど、戦隊のロボみたいに同じところでパーツをガシャーンと合体させてるんじゃなくて、デジタル絵みたいにパーツ(レイヤー)重ねることでひとつの絵に仕上げる…みたいなのを感じるのよ、「7人いるかもしれない」鹿矛囲からは。
「斗」が北斗=7人を表すとすると、鹿矛囲の犯罪は「1人で起こしていると見せかけて実は複数の人間で起こしている」というか「1つの体を構成するそれぞれの層(レイヤー)が起こしている」いうことになっている気が…。
…ダメだ、なんか言葉では上手く表現できてねぇ気がする…orz
ともあれ、後半PVで出てきた謎のキーワードだった「185」が事故の犠牲者で、それが今回のサブタイ「見つからない子供たち」ってことか…。
そしてね…気づいたの。回を追うごとにどんどんAパートが長くなってるって。今回、録画開始から20分経ってCM入ったのよ…(秋田テレビは)。この調子だと、最終回なんかABパートが連結するんじゃないかって気さえしてきたわ…。


鹿矛囲についての記録を調べるも、公安の権限ですら閲覧不可能。理由は「医療上の機密保持のため」とあるが…。なんだその「医療上の機密保持」って…よっぽど後ろ暗い部分があるぞ、それ。
ならば「オペの関係者を当たってみましょう」と朱。志恩さんが一番詳しそうな人物を探すと、当時の執刀医がまだ現役だった。朱は美佳を同行させる。
「ありがとう雛河くん」と、雛河のおかげで鹿矛囲を見つけることができた…と朱。…ねぇ、朱ちゃん。あなた、雛河に対する態度って別に計算してないわよね? 天然でそれよね? 雛河がコミュ障のせいなだけであって、別に計算しての行動じゃないわよね!? …でもね朱ちゃん。その態度って、とっても男を勘違いさせる行動だって、オバちゃん思うの…。
飴と鞭…朱は雛河に事故被害者の子供たち185名の成長復元ホロ作成を命じる。「ぜ、全部!?」と驚く雛河。美佳も「それひとりで全部やらせるんですか!?」と驚くが、朱は「第3第4のホロが特定できるかもしれない」と冷静に言う。…ねぇ、朱ちゃん。ホントにそれ、計算してないんだよね!?
「雛河くん、できる?」問う朱。「やります…お姉ちゃん」顔を真赤にして答える雛河。
計算してようが天然だろうが、こうも飴と鞭を使い分けるなんて、常守朱恐ろしい子!!(白目)
そして朱は、弥生には事故被害者と同姓同名の人物がいないの調査を、ギノと東金には押収した臓器から入れ替わった人物の特定を指示し、美佳とともに鹿矛囲の執刀医の元へ向かう。

「必要な処置は全て終わらせた。あれが届けば君たちは全員ドミネーターを扱える」鹿矛囲の執刀医・升嵜は鹿矛囲の協力者だった。…なるほど、移植やら生体認証のコピーを作ったのが升嵜か。
あとはこの社会をこの社会たらしめている主(ぬし)の居場所を見つけるだけ」と言う鹿矛囲。…この社会の主=シビュラか。シビュラの居場所を突き止める…ってことは、ノナタワーはまたも襲撃されるわけだ
ってことは、鹿矛囲が真にドミネーターを向けたい相手って…シビュラシステム? しかし、あいつらにドミネーターを向けても意味がないんじゃ…。しかし、鹿矛囲はシビュラを「裁く」ことを目的としているのだから、そのシビュラが正義を執行するドミネーターでシビュラを裁く…という「皮肉」か。
そこに公安局=朱たちの到着の報せが入り、升嵜は通すように指示。朱たちが升嵜の元へ来ることまでは想定済みだった。
「あなたには感謝している」と礼を言う鹿矛囲に、「例を言うのは私のほう」と升嵜は答え「計画の成功を祈っている」と伝える。そこにやってきた朱(と美佳)は升嵜に任意同行を求める。
「私は口下手なほうでね」覚悟を決めた升嵜は朱に言う。「ちゃんと鹿矛囲の福音を伝えられるか、不安だ」…と。

朱から鹿矛囲の治療記録の調査を依頼された美佳だが、「それ必要なことですか?」「証言者を確保したんだから聴取で聞き出せば済む」と朱に反発。しかし朱は「升嵜も鹿矛囲の手でサイコパスをクリアにされているのなら聴取で偽りを述べるかもしれない。裏を取る必要がある」と返す。
面白くない美佳だが、朱の言うことも正論で、仕方なく弥生に手伝ってもらうとするも、刑事部屋にいたのは雛河だけ。しかも雛河、ご飯に錠剤かけて食ってるwwwどんだけ薬物依存www
「アンタでいいわ、手を貸しなさい」と、仕方なく雛河を使うことにした美佳。

そしてその頃、志恩さんの部屋では…キマシタワー!!
雛河は元々は重度の鬱病で、そのおかげで薬が手放せない体質になった。「かわいそうにねぇ…」と呟く志恩さん。「自衛のために磨いた技術が功を奏してホロデザイナーになってるとこなんて、彼らしくてカワイイわ」と評する志恩さんだが、弥生は「それだけで済んでいれば、執行官になることもなかったのに」と呟く。
弥生は黒のTバック…弥生は黒のTバック(大事なことなので2回言いました)。てか、青柳さんといい、弥生といい、多分志恩さんもそうだろうと思うけど、黒の下着率高すぎぃ!!
しかし弥生はクールというか、同僚の男たちに対して厳しいなぁ…。逆を言えば、同情などせず、常に一歩引いたところから彼らを見ている…ってことなんだろうけど。
そしてさぁ…2期でもあった弥生と志恩さんの事後シーンだけど、ホントにサイコパスにおいて乳首まで見せた人が未だに狡噛さんひとりという事実をどうしたらいいものか…w

鹿矛囲の手術記録の閲覧レベルの高さに疑問を抱く雛河。「後は任せたわ」と調査を雛河に丸投げする美佳。
「考えられるのは技術、もしくは薬剤で特許を取得するため…」雛河の呟きにハッとした美佳は、日本有数の薬剤取得団体を調べる…とそこには東金財団が。「やっぱりこの件は私が調べます」美佳は調査は自分が行うので、雛河には成長復元ホロの作成に戻るように指示。
ってことは、やはり東金との対決は美佳の担当か。そしてピンチに陥ることも確かだろうけど、東金との対決が朱との和解の糸口かね?

一夜明け、升嵜の聴取を雑賀先生に頼んだ朱。「こいつは全部話すつもりだ」と升嵜の意図を感じ取った先生。しかし升嵜は「誰でもいいわけではない」と言い、「幸いにもあなたは聡明で信用に足る人物」と雑賀先生を評価。
「お話しましょう。鹿矛囲のことを…」果たして升嵜の口から語られることとは…?

雛河が185人分の成長復元ホロを完成させた。…「ジェバンニが一晩でやってくれました」とはこのことか!!
分析室で展開される185人分の成長復元ホロ。その中にいたのは、第1のホロ・染水槇、第2のホロ・大津享平だけではなかった。
向島陸――公安局のカウンセラーもまた成長復元ホロだった。驚くギノ。
そして軍事ドローン施設のプログラマー、車両のメンテナンス係…次から次へと出てくる「見覚えのある顔」――。

升嵜は雑賀先生に言う。「あなた方は、鹿矛囲桐斗ひとりにいいように翻弄されていると思っていませんか。…だがそれは違う」と。
「彼はそもそも1人ではない」と言う升嵜。
展開される成長復元ホロ。そしてそのホロが見覚えのある顔の数に「第3、第4のホロどころじゃない」と驚愕する朱たち。
鹿矛囲は、ずっと私たちのそばにいた」――。
鹿矛囲と水絵、そしてそこに集った6人の仲間…。鹿矛囲は仲間に例のデバイスを渡し、笑う。「裁き」に向けて…。
つまり…なんだ。鹿矛囲の計画は1期の時点でもうすでにあった…ってことかよ。ってことは槙島の存在を知っている…?
とにかく、鹿矛囲のこの計画は用意周到に計画・準備されたものである…ってことだよな。
そして鹿矛囲の計画は動き出した…ってことは、ラスボスは鹿矛囲じゃなくておそらくは東金・シビュラのラインだな。東金とシビュラの思惑に鹿矛囲はどう繋がっているのか…。さて、8話はどうなる!?(この時点でまだ8話放送にぎりぎりセーフである…秋田は)。


PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)

PROPLICA ドミネーター

PROPLICA ドミネーター

*1:ゼロ参照。廃棄区画生まれは出生登録がされていないからDNAも登録されていなくて個人の識別・判別ができないという話があった。

*2:7話時点ではまだ誕生日前なので29歳

*3:字幕では「態」鷹山となってるけど、誤字?

PSYCHO-PASS サイコパス2 #06「石を擲つ人々」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

3週連続で虐殺祭に慣れてきたでござる…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


鹿矛囲の策略によって、またも虐殺祭の会場となった軍事ドローン実験施設。
とにかく今週は初っ端からアクションシーンで見入って実況ができないというw
志恩さんがドローンを遠隔操作しているのがゲームユーザー=一般市民だということを突き止め、朱たちに連絡。血気盛んな蓮池は「スクラップにしてやる」と、ギノと須郷の静止を振り切りドローンを追う…あ、蓮池死んだなw
なにせ1係に来たのに2期のグッズに須郷がいて蓮池いない時点でお察しだったけど、単独行動を取ったということは…死ぬわ、楓死ぬわw

国防省のドローンが乗ったられただけではなく、不特定多数にコントロールされるという前代未聞の事態。志恩さんの分析では、おそらくゲームをしている当人たちに(自分がゲームを通してドローンで人を殺しているという)自覚はなく、国境警備オペレーターが使う保護プログラムが利用されているとのこと。「保護プログラム?」と問う朱に、志恩さんは「(人を殺傷したことで)サイコパスが悪化しないよう違うホロ映像を見せるやつ」「ドローンのカメラ映像をゲーム画面に見せかけてる」と答える。
…あぁ、今週のサブタイの「石を擲つ人々」ってコレか。キリストが石打ちの刑に処される売春婦を見て、「罪を犯したことがない者が石を投げろ」と言ったら、誰も投げることができなかったというアレか。
この話においては、自覚のない犯罪というか、ゲーム画面という偽の映像を見ていることで罪を犯している自覚がないまま、実はドローンをコントロールして人を殺傷している一般市民=石を擲つ人々…ってことか。
サイコパスは1期でもサブタイが聖書からの引用だったことがあるけど、2期はより突っ込んできてるなぁ…。1期は深見の哲学引用が多かったから、そっちの要素のほうがデカかったけど、2期は哲学引用がない代わりに、サブタイの聖書引用多めで、更にそのサブタイ要素を「皮肉」としてぶっ込んできてる気がする。というか、2期は振り返ってみてもサブタイがそのまんま、その回における「皮肉」になってるよな…。
「殺意なく殺す人々…彼らの色は何色か。そういうことなの? 鹿矛囲」朱はこの事件で鹿矛囲が問いかけているものに気づく。


「ゲームは複数のサイトで公開。削除しても数分で再登録。イタチごっこね。港のドローン、全て乗っ取られるのも時間の問題」と志恩さんは朱に伝える。コントロールを奪って停止できないかと言う朱に「クラウドタイプのサーバだから大本のプログラムをどうにかすれば…」と志恩さん。ただ、サーバの場所が巧妙に隠されてて時間がかかる…とも。
早急な対応とプレイヤーへの警告を志恩さんに頼む朱。増殖を食い止めなければ被害は拡大する一方…。しかし、朱たちがこの場を対処するにも、デコンポーザーはひとり3発しか撃てない*1。「厳しい状況ですね…」と東金。すべてのドローンを破壊して止めるのが困難な以上、ドローンの停止を志恩さんたちに託し、全員この場から脱出することを朱は最優先とする。

増田代議士(の偽物)に「お前は公安を狩りに誘い込んだ」と言う雑賀先生。しかし、増田の反応に「いや、それだけじゃないな」と、その目的に気づき始める。そして朱も、鹿矛囲はドミネーターの機能を追求していたのなら、ドローンがデコンポーザーで無力化できるのはわかっていたはず…と、何か別の目的があることにに気づき、ハッとする。
この事件における鹿矛囲の目的に気づいた朱は、慌てて執行官たちに単独行動の禁止と監視官のそばへ集合の指示を出す。
「ドローンはおとりです。ドミネーターを持った敵が背後にいます!」
しかし、ドローンを仕留めるのに夢中な蓮池に、その声は届かない……死んだ、楓死んだw

ドローンを仕留めた蓮池の背後に忍び寄る人影。そして蓮池にドミネーターの照準が…死んだ、蓮池死んだw
気配に気づいた蓮池が振り返るとそこにいたのは酒々井監視官改め女海賊水絵!
エリミネーターで撃たれた蓮池は右足が爆散…死んだ、楓死んだw
「鹿矛囲の作る世界に猟犬はいらない」冷たい声でそう言い放つ女海賊水絵。出血多量で蓮池は絶命する…死んだ、蓮池死んだwwwフラグ通りに死んだwwwwwwwwwwくそっ、蓮池いいキャラだったのに殺しやがった!!
蓮池を撃った水絵に「気分はどうかな?」と訊く鹿矛囲。「とても澄んだ気持ち。サイコパスがクリアなままなのが自分でも分かる」と水絵は答える…が、ここでオフィシャルプロファイリングを持っている人は100ページを開いてみましょう。そこに「青空NG」という項目があって、そこを読むと

この作品では基本、青空NGです。
(中略)
本当に意図的に青空を見せるシーン以外は、時間帯をずらすか、濁った空という描き方をしています。

とある。
つまり、サイコパスという作品で「青空」が描かれることには「意味がある」。ということは、この青空には意味があるってことだ。
しかし、画面右が暗い…ということは、それにも意味がある…ってことか。おそらく、右側が暗いのは「水絵の閉ざされた右目(視界)」って意味があると思うんだが、それとはまた別に「澄んだ青空のようにクリアに見せかけて、実は濁り始めている」水絵…という意味もあるんじゃないか…と。
「クリアになったように見せかけて実は濁っている(後に濁る)」というのはこれまでの犯人たちがたどってきた道なんだよね…。ってことは、いずれ水絵もそうなる運命…ってことではないかい?
ともあれ、2期に「さやか枠」があるとすれば、現状では水絵が有力候補なので(東金の秘密を握ったことで美佳は回避しつつある気がする)、(サイコパスがクリアになれるという)力を手に入れてヒャッハーした水絵は、この先、自滅の道をたどるとしか思えないのだが…。
その「澄んだ気持ち」が「それこそ、君が本来持っていた心だ」と言う鹿矛囲。
「君は開放された。おめでとう」水絵を祝福する鹿矛囲。

「あなたのおかげよ」鹿矛囲に礼を言う水絵に、「そんな言葉を受け取る資格はない」と鹿矛囲。「僕は君に酷いことをした」と水絵の右目を自分に移植したことを詫びる鹿矛囲だが、水絵は「自分の目が嫌いだった」と、そんなことは取るに足りないこと…とでも言いたげに答える。
そういえば、ギノも「自分の目(目元)が嫌いだった」とメガネで隠してたけど、「目が嫌い」=「人の目を気にしている」ということでいいのかな? 
ギノの場合は父親似の目元を気にしてメガネをかけて隠してたけど、父親を認めることでメガネを必要としなくなった。もっと深いところへ突っ込めば、「潜在犯の息子」として「人の目を気にしていた」ギノは、自身も潜在犯に落ちることによって人の目を気にする必要がなくなったから、メガネという仮面を必要としなくなった…ということにもなるんだけど、水絵の場合だと、官僚一家のお嬢様とか「自身のサイコパスにコンプレックスを持っている」という設定からも、「人の目を気にしていた」のは明らかなんだが、かといってギノのように「嫌いな自分の目」が物理的になくなったことで人の目を気にしなくなったかというと、どっこいそうじゃないんだな。
確かに水絵は自分の目が嫌いだったろうけど、その目を抉り取ったのは鹿矛囲で、鹿矛囲によって目を失わされたことで「クリア」になって「人の目を気にしなくなった」のだろう。しかし、ギノが自身の力で解脱して人の目を気にしなくなったのは真逆で、水絵は完全に鹿矛囲の手によってそれを行われているから、水絵は鹿矛囲に「依存」しなければクリアな状態を保てず、鹿矛囲は水絵に今の状態が「本来持っていた心」と言ったが、それこそが偽りであることに気づいてない。
鹿矛囲って、決して相手を否定せず、肯定しかしない…というところに悪意を感じるんだよな。「笑顔の悪意」…とでも言おうか。
槙島も「笑顔の悪意」ではあったけど、槙島は悪意のある者に手段を与えて、あとはスタンドアローンで犯罪を起こさせるという「毒麦を撒く」的なものだったけど、鹿矛囲はそれこそ「悪意のない者に悪意を植え付ける」という「ウィルス」的なものを感じる…いや、ウィルスとも違うな、「染める」だ。
槙島が悪意ある者に「最後の一滴」を落とすのなら、鹿矛囲は悪意なき者に洗脳という「悪意の一滴」を落とし続けて「染めて」しまう…。だんだん槙島と鹿矛囲の違いが分かってきたぞ。
ともあれ、「相手を尊重しているようで実は尊重していない(利用している)」「相手が自主的に動いているようで実は相手を自分の思い通りに動かしている」ってのは槙島も鹿矛囲も一緒なんだけど、それでも槙島は相手の自主性を重んじたのに対し、鹿矛囲は相手を肯定しかしないことで洗脳して実は自主性を奪ってるんだよな…。
槙島は「人はこうあるべき」という姿を求めた結果が「悪意」に帰結してたけど、鹿矛囲は「悪意」によって「人はこうあるべき」という「偽り」の姿を植え付けている…多分、槙島や狡噛さんに言わせれば、鹿矛囲は「思想がない」って言われそうな気もする。
まだ上手く言い表せないんだけど、鹿矛囲が槙島と決定的に違う部分って「思想がない」って部分な気がするんだよ。鹿矛囲からは槙島のように思想的なものを感じないの。薄っぺらいっていうのかな…多分、どっちも犯罪の根源が「駄々っ子理論」だから、狡噛さんなら槙島も鹿矛囲も「どっちもガキだ」って言うんだろうけど、鹿矛囲のほうが悪意がストレートな分、薄っぺらい気がするんだよなぁ…。
水絵が「嫌い」という目だが、「僕にとっては大切な目だ」と言い、受け取ったドミネーターが自分が持っても水絵のIDで認証されることを確認した鹿矛囲は「完璧だ」「これでこのドミネーターは僕を君(水絵)だと認識し続ける」と満足そうに笑みを浮かべる。
この時、鹿矛囲が右手にしてる手袋型のデバイスらしきものが映ったんだけど、これがまた非常に怪しい…怪しすぎるほど怪しい。
「あなたの目になれて嬉しい。役に立つなら私の身体をいくらでも使って」と喜ぶ水絵。「私の身体をいくらでも使って」…ね。目以外にも水絵のパーツが使われてる(この先使われる)可能性がある…ってことか。
水絵の申し出に礼を言うも、鹿矛囲は「今は計画を進めよう」と水絵を促す。

この事件の目的が執行官の殺害ではないことに気づいた朱。そして雑賀先生もまた、事件の目的に気づいていた。
「今までの事件を考えれば、答えはひとつ」「…なるほど、お前たちの目的は」
――ドミネーターの回収
これまで、鹿矛囲が何故ドミネーターを複数必要とするのかを考えてたんだけど、ひとつは「予備のドミネーターが必要」である…ってことだと思ってたんだ。フル充電時でエリミ4発、デコポン3発っていう弾数制限があるからね。でも、どうやらこれは本当の理由じゃないらしい…ってことがこれで分かった。
さっき出てきた鹿矛囲が手にはめてたデバイス。これが槙島のヘルメットよろしく、水絵のID(生体認証)をコピーして、より多人数の人間がドミネーターを使えるようにしているとしたら…。
そのために、より多くのドミネーターを集める必要があって、今回の虐殺祭を引き起こしていたとしたら…?
監視官・執行官ではない複数の人間にドミネーターを持たせることで鹿矛囲が何を企んでいるのか、ハッキリとは分からないにせよ、次にシビュラの穴を突いた犯罪を起こすとしたらこれしかない…気がする。

一方、東金の部屋に忍び込んで彼の秘密を探り出そうとする美佳は、東金のもつ膨大な朱の写真の他にも、朱のサイコパスの変化を配属されてから毎日記録していることを知り、「気持ち悪っ!」とドン引き。
…えぇ、美佳でなくてもドン引きです…が、やっぱり写真といい、「配属されてから」のデータといい、シビュラでなければ知り得ない情報ばかりで、東金とシビュラは繋がってる…という線は濃厚だよな。とはいえ、東金は鹿矛囲とも繋がってる気がするから、その繋がりが何処で出てくるのか…。そして、シビュラ・東金・鹿矛囲がどう繋がっているのか…。
その瞬間、志恩さんから「先輩がピンチの時に、何処ほっつき歩いてんの?」と志恩さんから通信が入り、突然の通信に驚き、椅子から転がり落ちる美佳。
この時、転げ落ちた拍子に後ろのテープルにもぶつかって、その拍子に灰皿から吸い殻が1本落ちた…って描写があるんだけど、これで東金は美佳の侵入に気づく…って流れだろうな。美佳、ピンチだぞw
ただ、逆を考えると東金は美佳が侵入することまで計算ずく…という気もしないではない。

志恩さんと弥生は、水絵のIDでドミネーターが2丁起動し、別々に動いていることを確認。「彼女に成り代わった誰かがドミネータを扱ってる」と言う志恩さんに「あり得ない」と言う弥生だが、「それ以外に説明がつかない」と志恩さん。
ここで今回、ドミネーターのGPSによる各人の位置表示で、各係の監視官と執行官のコールサインが判明したんだけど

  • 1係
  • 2係
    • 監視官=BALTO(バルト/犬ぞり犬。アラスカでジフテリアが発生した際、猛吹雪の中、犬ぞりチームのリレーで血清を届けた。その最後の輸送区間を走った犬ぞりチームのリーダー犬の名前に由来)
    • 執行官=CHIPS(チップス/軍用犬。第二次大戦中、敵陣に突入して勲章を受けた軍用犬の名前に由来)
  • 3係
    • 監視官=GUARDING(ガーディング/牧羊犬。群れの見張りや外敵を防ぐタイプ「ガーディングドッグ」に由来)
    • 執行官=LURCHER(ラーチャー/狩猟犬種の混血犬)

となってるので、刑事課全員が揃ってもコールサインが混乱することはない…ってことだったか。
しかし、1係と3係が犬種由来のところに、2係だけが犬の名前由来というところにエリート集団というイメージを感じるわ…いや、壊滅しちゃったけどさw
美佳を待って応援に出る…と言う弥生に、「敵にドミネーターがある以上、執行官は来るべきじゃない」と局内に留まるよう命令を出す朱。

その間、鹿矛囲の手によって倒れていく3係…噛ませ、乙。
鹿矛囲の手で會川執行官がエリミネーターで撃たれ死亡、それを目の当たりにした兵頭執行官もまた撃たれるが、こちらはパラライザー。そして乗っ取られたドローンによって蜂の巣にされた錫木監視官が死に、堂本監視官も負傷する…って、「3係の監視官・錫木萌の話がある」っていうのは、奴が死ぬ話…ってことだったんかいw

朱・東金組と合流したギノ・須郷組。3係の監視官と連絡が取れなくなり、朱は志恩さんに水絵のドミネーターの位置を両方とも転送するように指示。追うつもりか…と言う東金に、自衛を最優先に3人ともこの場から脱出しろとに指示する朱。「ひとりで行く気か!?」と止めるギノに、「ドミネーターでは監視官は殺せない」「鹿矛囲は私が捕えてみせます」と納得させようとする朱。しかし、ギノは納得するはずもない。

一方、分析室に向かう道すがら、その通信を聞いていた美佳は、「何、勘違いしてんの」「ちょっとサイコパスがクリアだからって調子に乗って…」と相変わらずの朱への悪態。そして「濁っちゃえばいいのに…」と呟くが、自分の発言にハッとし、「私、何言ってるんだろう」…と立ち止まる。
おそらく美佳って1期に出てきた時もだけど、人の悪口言ってストレス解消…みたいなところがあったんじゃないかな。自分が「人の悪口言ってる」って自覚がないから濁らなかっただけで、それこそ神経が図太いから自分の悪意に自覚がなくて、それでメンタル美人だった部分が往々にしてあったんだと思う。
ただ、今ここで美佳は自分の悪意に気づいて「何言ってるんだろう…」って、ひょっとしたら自分自身に恐怖すら抱いたかもしれない。これがこの先サイコパスが濁って破滅に向かう「終わりの始まり」になるのか、それとも自分の中の悪意を克服するために朱(や執行官たち)を理解しようとする=成長の芽になるのか…。
前回、美佳は「自分が変わらないという自信が欲しい」と言い、自分が変わってしまうことを恐れているところがあるので、ここで自分の中の「悪意」に気づいてしまったことはちょっと嫌な予感がする…ましてや東金の秘密を知ってしまっただけに。…と考えると、美佳にもまだ「さやか枠」の可能性が残ってるんだよなぁw

ドミネーターの周囲はドローンだらけで「それは無謀です!」と朱を止める弥生。だが、執行官たちがドミネーターで撃たれることなく事態に対処できるのは朱しかいない…。
そこに雑賀先生(と雛河)が分析室に入ってきて、「ゲームのクラウドサーバ…灯台下暗しなんじゃないのか」とアドバイスを。
「…そうよ」志恩さんは「どうして気が付かなかったのかしら」と、国防省のドローン管理サーバのハッキングに成功。「次はゲームプログラムをクラックしてサイコパス保護のホロを解除しろ」と指示を出す先生。サイコパス保護のホロを解除するということは、すなわち…。
「見せるんですか!? プレイヤーに現実の光景を」とサイコハザードが起きかねない状況を危惧する弥生。しかし先生は「それが一番手っ取り早い」と意に介さない。…確かにそれしかプレイヤーのほうからゲームをやめる手段はないわな。
「さっすが国防省のプログラム。ホロ情報を解除するだけでも骨が折れそう…」と、やや苦戦気味の志恩さんに、「僕が…やる」と手を上げた雛河。「お姉ちゃん、助けなきゃ…」と作業に向かい、弥生もサポートに入る。
…お、お姉ちゃん!? 朱をお姉ちゃんって呼んだ!?
お前は某リュウタロスか、雛河!wwwwwwwww
もっとも、雛河に姉がいる可能性もあるわけだが、「雛河の朱に対する信頼」とか「報われぬ雛河の想い」とか言われてるので、雛河に姉がいる説を捨てないまま、とりあえずは雛河に「お前はリュウタロスか」と言っときたいと思いますw

「悪い魔女を倒せ」と、ゲーム内でラスボス扱いされた朱。志恩さんのナビでドローンが手薄なところへと逃げこんでいくが、疲労が蓄積されていく…。
そして志恩さん・雛河・弥生はホロの解除を急ぐ…が、8体のプレイアブルホロに、その全てが15層のホロレイヤー構成と、そう簡単に解除させてくれない。…うん、よく分かんないけど、とにかく手が込んでて難しいっていうのだけは分かったよ、弥生。
朱に襲いかかるドローン。そのピンチを救ったのは、須郷。
…うん、須郷、アンタここで今、その前職(元この施設の職員)を生かしてGJなことしてくれる!! 分かってた!!

ドローン2台に挟み込まれた朱と須郷。しかし、ドローンは撃ってこない。ゲームのプレイヤーも突如、敵が撃てなくなったことに困惑する。デコンポーザーでドローンを破壊する朱と須郷。一方、ゲームプレイヤーは一方的に敵に攻撃されてゲームオーバーになったことに納得いかず腹を立てる。
2人と合流したギノと東金。「お守りは監視官の仕事だぞ。逆なんてやらせるな」と朱を咎めつつ、心配するギノ。監視官時代もさることながら、執行官になっても心配ばっかしてないといけないとか…もうギノはそんな星の下に生まれたとしかw
「それより、今のは?」と尋ねる東金。須郷は「同士討ちを避けるための安全装置」と答える。一定の射角内に同機種が存在する場合、銃にロックがかかるようになっている。それを知っていた須郷はその機能を逆手に取って朱を救ったのだった。
須郷GJ! 超GJ!!
前回、ここが須郷の元職場だというバックボーンが描かれた時点で須郷GJフラグとして存在してたけど、期待通りのGJぶりだよ須郷! そりゃ蓮池死んでも須郷は生き残るわw そしてグッズに存在するということは、まだまだ生き残る=活躍するんだな、須郷!?
「勝手知ったる職場か」と須郷を振り返らないものの、その仕事を評価はするギノ。まだまだ青柳さんの件でのわだかまり残りすぎてるなぁ…。
「自分に作戦があります」ドローンの大半を無力化できるかもしれないと朱に切り出す須郷。「失敗した場合は?」と問う東金に、「自分が死ぬだけです。損害とはいえない」と答える須郷。
この時、ギノが嫌そうな顔するんだよね。そういや監視官時代のギノも、執行官を使い捨ての存在とは考えてなくて、どちらかと言うと前線に立ちたがる監視官だったことを思い出した。あとギノ自身、自分の部下だった執行官を何人も死なせてるから、尚更「執行官は使い捨て」って考え方を嫌ってるんだと思う…執行官になってもなお。
かといって執行官である現在のギノが死ぬことに躊躇があるかというと、多分そうではないと思う。自分の命を使うべきだと思ったら、ギノは躊躇なく死ぬと思うんだ。ただ、父親であるとっつぁんにもらった(救われた)命だから、軍師官兵衛の言葉じゃないけど「命の使い道」をギノはちゃんと知ってて、間違った使い方をしない(してない)だけだろうって。
須郷に説明を求める朱。そして「私がやります」と言う。もちろんギノはそれを止めようとする。

そこに3係・新庄執行官から「みんな死んじまった」と応援要請…というより「助けてくれ」って言ってるから救援要請だな。
そういや新庄も1期では2係の監視官だったけど、2期では執行官として3係に配属されている、いわばギノとは元監視官仲間だったんだな。1期で狡噛さんが元監視官って明らかになった時は、監視官の執行官落ちはレアケースかと思ってたけど、ギノが落ち、新庄が落ち…だと監視官の執行官落ちなんて日常茶飯事なんだろうな、公安局…って2期の組織図見た時に思ったわなw
しかし、そこに迫る足音――鹿矛囲。為す術なく、新庄もまたエリミネーターで殺される。
そしてリアルタイムで見た時にはこれで3係全員死んだと思ったんだけど、実は半分は生きている模様。
 ←クリックで原寸になります
放送終了後に確認したら、堂本・兵頭・芳賀が生きてて、この現場に波多野の姿が見えないのと合わせると、半分は生きててビックリしたものw
そして前々から3係の芳賀の名前がどこかで聞いたことがあると思ったら、あの所ジョージの本名だったwww
新庄と連絡が取れなくなり、いよいよ後がなくなった朱たち。朱は須郷に「命令です。私に指示を!」と、彼の作戦を実行に移すことを決意。「お前がやる必要は…」と制止するギノだが、「早く! これ以上犠牲が出ないうちに!」と叫ぶ。
朱に圧された須郷は、この先の運用試験場へ移動し、そこで作戦を実行に移すと告げ、朱たちはそこへと走る。
そして東金は、先を行く朱の背にドミネーターを向け、サイコパスを計測。
「この状況で…なんて美しい」「だからこそ、黒く染めてやりたい…
ウットリと東金は呟く。
へ…変態だ―――――――――――っっ!!
キモい、キモいよキモ金さん!!
前回言った、後半PVにあった気になるセリフが、この「黒く染めてやりたい」なんだけど、まさかこんなにもキモい表情でウットリと言うとは思ってなかったわ…。
しかしなんだろう…。この「黒く染めてやりたい」って言葉は、ともすれば支配欲や征服欲といったサディスティックな感情に思えるんだけど、実は裏を返せば「救って欲しい」とか「愛して欲しい」という欲求の裏返しなんじゃなかろうか?
このセリフを聞いた時に私が思い出したのが、銀河英雄伝説ロイエンタールだったんだわ。漁色家で野心的なキャラクターなんだけど、実は幼いころに母親に殺されかけたトラウマで女嫌いになってて、でもその実は愛を求めていた…っていう金銀妖瞳(ヘテロクロミア)のアンチクショウですよ。
東金の目的が今のところ明らかになってはいないんだけど、朱にここまで執拗にこだわることには絶対に理由があるはずで、この「黒く染めてやりたい」っていう欲求の奥にあるものが、その執拗さの理由なんじゃないかなぁ…?
でもね、キモいもんはキモいです、キモ金さん!!(キッパリ)
ストーカーのストー金さん通り越して、もうキモ金さんでいいですか、キモ金さん!?
そしてね、この東金さんの執着っぷりに何かデジャブを覚えると思ったら、シンケンジャーの腑破十臓だったw アイツに匹敵するキモさだね(多分褒めてる。ドン引きしながらも褒めてる)


ドローンが朱に標的を絞っている。朱を囮にドローンを目的の場所まで誘導し、例の安全装置を逆手に取って動きを止める。そして保管されていたドローンの装備用火器を利用して一気に叩く…というのが須郷の作戦だった。志恩さんのナビでドローンを引きつけながら作戦の場所へと走る朱。
そこで美佳が分析室に到着。「何を…」自分の預かり知らないところで作戦は着々と進行していたことに呆然とする美佳。
持ち前の身体能力があるとはいえ、さすがの朱も疲労の色が隠せない。しかし、ついに朱は作戦の実行場所場でたどり着く。集まってくるドローン。しかし…というか、予想通り安全装置が働き、銃にロックがかかる。
ドミネーターを構える朱。そして、ドミネーターはデコンポーザーに…。

「今よ!」志恩さんの合図で東金が吊り下げフックを下ろす。タイミングを逃さず掴まる朱。同時にギノ・須郷組がドローンの装備用火器を撃ち、ドローンを殲滅していく。撃った弾は積み上げられていた弾薬にも引火し、爆発。ドローンが全滅したことで、連動していたゲームもゲームオーバーに。
そして、水絵のもとに5丁のドミネーターが集まっていると伝える志恩さん。そして動いている方角から、海路で逃げるつもりかもしれない…とも。

ただ、この絵で見ると水絵(と鹿矛囲で)2丁、3係監視官のが1丁、3係執行官の2丁で計5丁…ってことになってるようにも見えるんだよな。確か蓮池のドミを回収した描写もあったし、殺傷された人数と集まったドミの数が合ってない気がするんだが?

ドローンから銃を外した朱に「どうするつもりだ」と問うギノ。「鹿矛囲はドミネーターで裁けない可能性が高い」と、まるで槙島の時の狡噛さんのような行動を取ろうとする朱。「サイコパスを濁らせたいのか」とギノは銃を取り上げるが、朱は「お守りですよ」と取り返す。
すると東金はパトドローンの怪しい動きに気づく。街ではゲーム画面にコンティニュー表示がされ、ゲームの再開と同時に、今度は公安局のドローンが乗っ取られた…!
「ウチ(公安局)にも仕込んでたなんて…」と驚く美佳。「いよいよもってマズイかもね…」呟く志恩さん。為す術なしなのか…。
「で…できた」そこに上がる雛河の声。そして、雛河が作ったプログラムをすぐにゲームプログラムに打ち込んで、ゲーム画面のホロを解除しろと指示する雑賀先生。

しかし「待って!」と止める美佳。プレイヤーに今までの現実を見せることで、サイコハザードが起こることを危惧する美佳。しかし、志恩さんも弥生も雛河も、誰一人としてその手を止めようとしない。
「そいつはお前さんの仕事だ」と美佳に説く先生。「このまま全てのドローンがコントロールを奪われたら、どうなると思う?」街ではドローンが人を殺傷し始めていた。
多数の人間がサイコパスを濁らせることと、多数の人間が殺されていくこと。先生たちにとっては天秤にかけるまでもないことなのだが…。
「そんなの公安のやることじゃない!」人々のサイコパスを濁らせてまで、それを行うのか。果たしてそれは正義なのか…美佳は叫ぶ。しかし、先生は言う。「マニュアル通りじゃどうにもならないこともある」…と。
2期で雑賀先生がレギュラーになった理由って、朱の師匠としてという意味もあるんだけど、征陸のとっつぁんがそうであったように、若い者に対して道を説く先人としての役割もあるんだよね。朱はいっぱいいっぱいであるがゆえに先輩として美佳に対して道を指し示す役割を放棄してるし、同じ先輩でもギノではまだ押しが足りない。しかし、先生には年の功から美佳に有無を言わさない押しの強さがある。確かに美佳は素直に聞くタイプじゃないが、先人でなければ出せない「説得力」を先生が持っているからこそ、先生を分析官として登場させた意味はデカいな…と。
やっぱね、おっさんには説得力があるんだよ…。おっさんでなければ出せない「深み」ってやつがね…。うん、おっさんはいいものですよ。
「…っ」言い返せない美佳。…そうよ、美佳ちゃん。この場の責任者は、あなたよ、ア・ナ・タ♪

一方、乗っ取られたパトドローンを止めるのに必死なギノたち。負傷した須郷が倒れ、それを救いに入る東金。しかし、デコンポーザーを何発も撃ったため、もう残弾がない。そこに襲いかかろうとするドローン…にギノパンチ!! まるでタツノコヒーローの作画だぜ、ギノ…。
ギノの義手が活躍する時が来るとは思っていたが、まさか…まさかこんなにカッコよくギノが活躍する日が来ようとは!!
1期2期通して今まで一番カッコいいぞギノ!!
カッコ悪いところはみんなメガネが背負ってくれたんや…。そして今なら狡噛さんに勝てるぞ、ギノ。ワンパンチで狡噛さんを沈められるぞギノ!!
ギノ(と東金)に抱えられた須郷は「すいません、宜野座執行官」と詫びるが、ギノは「黙って走れ」と安全な場所へと移動する。…あ、なんか今、ギノと須郷のわだかまりがちょっと解けた気がする。
そして鹿矛囲を追う朱。その手にはドミネーターとドローンの銃が握られていた。
多分これ、1期11話のドミネーターと泉宮寺さんの散弾銃を持った朱のリプレイ的なものなんだろうけど、あの時の朱は実弾の銃を撃つ覚悟がなかったけど、今の朱は撃てる(少なくとも本人的にはどうしても必要であればやむを得ず撃つことも覚悟している)という対比でもあるんだろうね。そしてそんな2期を通して劇場版では実弾の銃を持っている(本当の意味で撃つことも辞さない)朱がいる…ってことか。

解除プログラムの転送も終わり、「OK〜行っちゃおうかしら」とエンターキーを押す志恩さん。…この時の志恩さんに「やっておしまい!」なんてセリフをフォロワーさんがつけてくださったので、暫くの間、みゆきちボイスで脳内再生が止まらなかったわよwww
ホロが解除され、ドローンのカメラに映る現実が、それぞれのプレイヤーの端末に映る。「なんだよこれ!?」悲鳴を上げるプレイヤーたち。
そしてプレイヤーたちがゲームをプレイする手を止めたことにより、乗っ取られたドローンもまた停止していく。「よし!」とガッツポーズする雛河。

同時に都内各所にエリアストレス警報が…。「だから言ったのに!」危惧した通り、ゲームプレイヤーは現実を見たことでサイコパスを濁らせた。「こんなの全部対処しきれるわけないじゃん!!」叫ぶ美佳。しかし、「泣きごと言うな、監視官だろ」と雑賀先生。そして弥生もまた「出動しましょう」と美佳を促す。
朱の指示もあったとはいえ、雑賀先生たちは監視官=美佳の制止を無視してこの作戦に出た。しかし、先生も志恩さんも弥生も雛河も「人が死に続けるよりはマシ」とサイコハザード覚悟でプレイヤーに現実を見せることを選んだ。それは間違いなく、彼らの「正義」がそうさせたものだ。
今の1係の中で、唯一「自分の中に」正義を持っていないのが美佳だ。「正義」を決めるのはシビュラであり、シビュラこそが「正義」。それはかつて朱がそう思っていて打ち砕かれたものだ。おそらくこれから美佳は「正義の在処」を試される。そこで成長するのか、はたまた濁るのか。美佳が成長するだけの尺は…足りるのか!?
「集団的なサイコパス汚染か…」先生は呟く。
まるでシビュラによる秩序の弱点を、ひとつひとつ確認してるみたいだな…
前回、「シビュラ社会に対する脅威」は必ずしも「シビュラシステムに対する脅威」とイコールではない。むしろ槙島がシビュラ社会の脅威でありながら(免罪体質者として)シビュラシステムに求められたように、鹿矛囲もまたシビュラ社会の脅威でありながらシビュラシステムにとては有益な存在なのではないか…と言ったんだけど、ここで鹿矛囲がシビュラにとって利益をもたらす存在である可能性について整理してみる。
鹿矛囲もまたシビュラシステムにとって有益な存在であるから鹿矛囲を泳がせているとすれば、考えられるシビュラの思惑として考えられる可能性は3つ。

  • シビュラが量産しようとしているであろう「強化人間」に繋がる存在
    • 1期最終話で朱に語ったように、シビュラはそう遠くない将来、自身の正体を市民に開示することを前提としている。そのためには朱のように強靭なサイコパスをもった人間が必要だが、シビュラ自身は薬物等で人間のサイコパスを維持することが困難であることに気づいている。故に、次の段階への進化のためには、どうしても朱のような強靭なサイコパスを持った人間(ガンダムになぞらえて仮に「強化人間」と呼ぶ)を人工的に増やす必要がある。そこで東金を差し向けて朱を分析していたのだが、そこに現れた鹿矛囲は「強化人間」を作るより、もっとお手軽にサイコパスが濁りにくい(どころか濁らない)人間を作り出せる可能性を持っている。
  • シビュラ輸出にあたって人工的に免罪体質者を作り出せる可能性としての存在
    • サイコパスが測定できない存在ということは、免罪体質者にも似た存在である。(劇場版でシビュラシステムを海外に輸出するという設定があるので)シビュラを海外に輸出するにあたって、免罪体質者(の脳)が今以上に必要になる。そのため、鹿矛囲には人工的・後天的に免罪体質者を作ることができる可能性がある。
  • シビュラシステムがセルフデバッグのために使用している存在。
    • 強襲型ドミネーターの開発など、シビュラ自身、槙島事件で突かれたシビュラ社会の穴を埋めようとしている部分がある。そのためシビュラがセルフデバッグとして、この一連の事件を鹿矛囲に主導させている可能性。ただしこれは鹿矛囲による裏切りまでもを前提としている可能性が高い。

2期が劇場版に繋がるという前提を考えると、「人工的・後天的に免罪体質者を作り出せる可能性としての存在」かな…と思っているのだけど、すべての可能性が可能性であるうち(=真実が明らかにされるまで)は捨ててはならなのが、このサイコパスという話なんだけどねw
ともあれ、劇場版でもシビュラが健在な以上、2期も結局は「常守朱、抗いなさい」ENDは確定だし、やはりシビュラの思惑としちゃ、槙島同様、鹿矛囲は脅威ではなく「取り込みたい存在」として泳がせている…んだろうなぁ。

船で逃走を図ろうとする鹿矛囲と水絵。そこには新たに5丁のドミネーターが…。5丁ってことは、蓮池・會川・錫木・新庄の殺された4人と、兵頭・堂本の負傷した2人のどちらかの1丁…ってことか。殺傷された描写がない所さん芳賀は無事…と解釈していいのだろうか?
つまり、鹿矛囲側には、水絵・山門屋・青柳の3丁+今回の5丁の計8丁のドミがある…ってことか。ただしこれまでにエリミで4人*2殺してるから、少なくともエリミ弾数が残り1〜2発のドミは存在するよな。ドミの充電設備を持っていなければ…の話だが。てか、鹿矛囲のことだ、ドミを充電できる設備は持ってるだろ、絶対。
そこに朱が追いつき、鹿矛囲にドミネーターを向けるが、ドミネーターは鹿矛囲を認識すらしない。そして鹿矛囲もまた、朱にドミネーターを向け、「これが君の色…やはり驚くほどクリアだ」と満足気に呟く。
そんな鹿矛囲と朱を見て、水絵が嫉妬すら感じさせる表情を浮かべるのがまたなんとも…。文字通り身を捧げているのに、朱にこだわる鹿矛囲に対して、なにかアクションを起こしそう…というか、逆に朱にアクションを起こしそうだな、水絵。昼ドラ展開、お待ちしておりますw(そんな尺は多分ない)
「あなたは何者? 何が目的なの」と問う朱に、「君に裁きを見届けて欲しい」と告げる鹿矛囲。
果たして鹿矛囲は「何を」裁こうとしているのか…――。「シビュラを裁く」と鹿矛囲は言ったが、一体シビュラの「何」を裁くのか。鹿矛囲が裁こうとしているシビュラの「罪」…それが鹿矛囲が犯罪を起こした「動機」…だよな。
船を動かし、逃げる鹿矛囲。ドローンの銃を構えた朱。しかし鹿矛囲は「君が撃てないのは知ってる」と笑う。埠頭から離れていく船…って、よく見たらこの船、船体に「What Color?」って書いてあったよね…鹿矛囲ダセェwww

そこに東金が朱に追いつき、朱から銃を奪い取る。「汚れ仕事は我々の役目だ」と銃を構える東金。
夕日を背後に銃を構える男――朱はその姿にハッとする。
東金の姿に、あの日の狡噛さんの姿が重なった朱。
まさかの狡噛さん新規カットキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
ありがとう!! 本当にありがとう!! もう狡噛ファンはOPと名前以外には出てこないと思ってたから、この新規カットに狂喜乱舞せずにはいられなかった!!
もうこの際、作画がどうとかいう問題は取るに足りない。あの伝説の1期18話に比べたら全く問題ありませんよ!!
ありがとう!! 本当にありがとう!!
「ダメ!!」朱は叫び、東金を止める。そして鹿矛囲の船は沖へと去っていく…。
ハッとした朱ちゃんの顔がさ、1期の朱ちゃんに戻ってるの。きっと朱ちゃんは、あの時狡噛さんを止められなかったがずっとトラウマになってたんだな…。もちろん、ここで東金を止めたことで、そのトラウマが解消されたわけではないけど、「同じ轍を踏まない」ことはできた。でも多分、朱ちゃんが「狡噛さんを止められなかった(救えなかった)」というトラウマが解消されるとしたら、それは本当に狡噛さんを救った時じゃないと解消されないんだろうな…とも思う。
そしてここでハッキリと分かったのが、2期は東金を通して朱ちゃんが狡噛さん依存を卒業する話だ。
前から2期は「朱の守破離の物語」とは言ってたんだけど、朱が明確に東金を狡噛さんに重ねたことでハッキリとした。そして…うん、確実に朱を裏切るよね、東金さん。
多分、東金は「意識して」自分を狡噛さんっぽく見せてるんだろう。それこそ朱を「黒く染める」ために…。朱から信頼されるために狡噛さんを意識させ、その信頼が高まったところで朱を裏切る…それが東金の筋書き…か?
だとすると、尚更、東金は鹿矛囲と繋がってる説が濃くなってきたな…。そのためにシビュラを利用している…か。
そしてまたもや意味ありげに見せられた鹿矛囲の顔の傷だけど、前回出てきた手術室に移植パーツとか人体(義体っぽい)パーツがいっぱいあったし、やはり鹿矛囲は移植パーツだらけでサイマティックスキャンがエラーを起こして認識されない…ということだろうか。
あと、今回「クラウド」って出てきてふと思ったんだけど、鹿矛囲があまりにも様々なことに精通しすぎてて、逆に「鹿矛囲桐斗」って存在が複数…というか、それこそ「鹿矛囲桐斗」というデータ的なものがクラウド上に存在してて、そこで様々なスキルがアップデートされて身体(義体)にDLされてるんじゃないかって気さえしてくるのよ。もちろん、ゴルゴ13みたいに様々なことに精通しすぎてる完璧超人も存在してはいるけどさw
もちろん、鹿矛囲フランケンシュタイン(人体パーツ継ぎ接ぎ)説も捨ててないから、「鹿矛囲桐斗」=鹿矛囲の身体の元になった人間の名前から取った説も考えられるけど、鹿矛囲の正体を考えると、どうやっても「気持ち悪さ」に辿り着くんだよなぁ…。
ともあれ、まだまだ鹿矛囲・東金・シビュラの繋がりと、それぞれの思惑が見えてこないので、それがいつ、どう繋がるのか…。残り5話でどう描くんだろうな…楽しみすぎるわ。

でもって、ひとまず虐殺祭は今週で終わり…よね?
青柳ハザードの時は色相が濁りに濁ったけど、こうも続くと人間慣れるもんだね…。そういや1期で狡噛さんが言ってたわ…「人間は過酷な状況に慣れるもんだ」ってw
だけど残り5話もあるし、あと何人死ぬんだろうね…(遠い目)。


PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)

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Fallen(初回生産限定盤)(DVD付)

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*1:ドミネーターはフル充電時でパラライザーは無制限、エリミネーターは4発、デコンポーザーは3発という弾数制限あり

*2:1話の山門屋+今回の蓮池・會川・新庄

PSYCHO-PASS サイコパス2 #05「禁じられない遊び」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

今回も虐殺祭ェ…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


潜伏場所に戻ってきた鹿矛囲と、「上手く行ったのね」とそれを出迎える酒々井さん。…完全に取り込まれてますやん、酒々井さんwww
バッグから青柳さんのドミネーターと取り出した鹿矛囲に「(青柳さんを)殺したの?」と尋ねる酒々井さんに、「執行官がね」と応える鹿矛囲。青柳さんが死に至った発端は酒々井さんの通信だっただけに「心が痛む?」と問う鹿矛囲。しかし酒々井さんは「分からない…。でも少し悲しい」と言う。…あぁ、これは洗脳されてますわw 判断能力が奪われてる。けど、「少し悲しい」とも答えたあたりはまだ彼女自身の心が残ってる…のか? もっとも、この彼女自身の心の最後の片鱗すら次回あたりには消えてしまってそうだけど。
「ちゃんと教えた容量を守ってるね」と酒々井さんが薬を服用したあとを認めた鹿矛囲は「色相を見てようか」と彼女にドミネーターを向ける…って、あぁ、やっぱり鹿矛囲はドミネーターを使うために酒々井さんの目を自分に移植したんか。
「綺麗だ…」と呟く鹿矛囲。「効かないって言われていた薬を少し飲んだだけで、こんなにも楽になれるなんて…」と言う酒々井さんに「人には固有の処方がある」「それを無視して、ただ強い薬を飲ませるのは暴力を振るっているのと同じ」と薬品への精通ぶりを見せる鹿矛囲。…しかし、元鬱病患者である私はちょっとその酒々井さんの気持ちは分からないでもない。精神科薬を飲むのに抵抗はあったけど、実際飲んだら楽になって「薬飲んで楽になるんだから、素直に薬飲んで鬱病と付き合っていくぐらいの気持ちでいたほうがいい」って思ったもんな。そして鹿矛囲の「ただ強い薬を飲むのは暴力と同じ」っていうのはメンヘラ界隈にはびこる『お薬ヒエラルキー』に対する風刺にも聞こえるわw
もっとも、この鹿矛囲の「ただ強い薬を飲ませるのは暴力を振るっているのと同じ」というのは、厚生省と製薬会社のズブズブの関係を指してるんだと思う。多分、特定の薬を売るためにその処方が厚生省から推奨されてて、その薬使うと医者にも金が入るからとにかく処方を乱発するという、我々の世界にもあるアレだろうな。
「どうして私をクリアにしてくれるの?」と問う酒々井さんに、鹿矛囲は「君自身の意志が欲しいから」と答える。…うわぁ、鹿矛囲も上手いこと暗示かけんてんなぁ…。判断能力を奪っておきながら、相手を隷属させているとは見せかけず、あえて自分の意志で選択させるように導く…っていうのが悪質だわぁ…。
「そばにいてくれ」と微笑む鹿矛囲に、酒々井さんは「私、何でもする」と陥落。…てか水絵、完全にダメ男に引っかかってる女だよ!!w
そして鹿矛囲は呟く。「シビュラよ、お前を裁くまであともう少しだ…」

一方、メンタルケア施設を現場検証中の1係。裏口を調べてくると朱から離れた東金。あまりの凄惨さにトイレでリバース中の美佳。物陰から朱にドミネーターを向けた東金は、あんな凄惨な現場を目の当たりにしてなお濁ることのない朱のサイコパスに「きれいなものだ…」と驚嘆する。そしてトイレから出てきた美佳がそれを目にし、「何なの、アイツ?」と怪しがる。
1期の小説版でメンタル美人と称されていた美佳だけど、実際はメンタル弱いんだな…というか、彼女がメンタル美人なのは、朱とは全く正反対の理由だよな。サイコパスが濁る危険性があるものは本能的に避けてきたのと、ネガティブなことは自分の内に抱え込まない(基本的に人のせいにする)とか、「心が強い」んじゃなくて「神経が図太い」。早い話が「自己中心的」ってやつなんだけど、自身のサイコパスを守ることが何よりの至上命題とされているこの社会って、究極の自己中心的社会だから、美佳の姿は間違ってはいないんだよね、この社会では。何よりこの社会の支配者である当のシビュラそのものが究極の自己中心的存在だしw


ついに…ついに雑賀先生が分析官に就任したぞー!!
…といっても臨時分析官という立場らしい(?)が、とりあえずサイコパスにおっさん枠が戻ってきたわけだ!
征陸のとっつぁんは相手を息子や娘のように包み込んで、そして背中を押してくれる父性なら、雑賀先生は基本自立した人間が相手だけど、時には寄りかからせてくれる、そして相手が自分からまた歩き出していくのを見守る父性だよなぁ…うん、おっさん枠はいいものですよ。
そしてな、私、ホントに今頃になって、雑賀先生の中の人と、軍師官兵衛安国寺恵瓊の中の人が同一人物であることにようやく気づいたわ…どっちも最初から見ているにも関わらず(私ってホントアホ)。
就任早々、事件の資料を全部読み終わってしまった先生に「さすが」と驚く朱。しかし先生は「流石なのはお前さんのほう」と、メンタルケア施設の事件から、まだたったの一晩なのに落ち着いている朱に嘆息する。「ホントに人間か」とからかう先生に「人聞きが悪いです」と返す朱。…先生、それは言っちゃならん。朱ちゃんにとっては、ゆきちゃんが死んだ時や狡噛さんがいなくなった時でもサイコパスが濁らなくて、「心とサイコパスが一致しないこと」で「自分は薄情な人間なのか?」というある種のトラウマになってるから。とはいえ、先生だからまだ許されてるところもあるけどな。
「ショックじゃないと言ったら嘘になる」「でも、それ以上に『やらなきゃ』っていう気持ちのほうが強い」と、落ち着きの理由を答える朱。1期の時もだけど、朱ちゃんって、悲しむ時間があったら、その時間で自分ができることをしなきゃ…ってひたすら前を向き続ける人間なんだよな。ゆきちゃんが槙島に殺された直後あたりはそれが頼もしさに見えたけど、狡噛さんがいなくなって以降はその姿に悲壮感を覚えるわ…。
5話後のニコ生ではなざーさんが「2期の朱は、狡噛さんがいなくなってしっかりしなきゃ、自分が1係を引っ張って行かなきゃ…という思いでいっぱいいっぱいになってる」と言ってたんだけど、はなざーさんのその言葉でその悲壮感の理由がハッキリと分かった。2期の朱が暴走監視官気味なのも、その「いっぱいいっぱい」な部分から発してて、多分2期の朱ちゃんって、突っ走ってしまってるがゆえに1期よりまわりが見えてないんだよね。その分2期のギノのほうがまわりが見えてるだけに、朱の理解者たろうとしてるし(でも止める時は止める…ただ朱は止まらないけどw)。
1期の朱ちゃんなら美佳ともっと上手くやれてるはずなのにな…という疑問も、「朱がいっぱいいっぱいでまわりが見えてない」とすれば合点がいく。1期のギノとのように互いに分かり合うために美佳とぶつかりあってる余裕がないから、美佳を受け流すので精一杯で、それが逆に美佳の神経を逆撫でしているという悪循環で1年半やってきたとすれば、この2期1係のギスギスっぷりには納得だな。そりゃギノどころか弥生も苦労するわけだ…。
「早速で悪いんですが…」と先生に増田代議士の聴取を依頼する朱。不自然なほどに落ち着いているという代議士に、「ヤツの存在自体がトラップの可能性」と朱の推理に同調する先生。

携帯端末のログの解析により鹿矛囲が潜伏している場所の特定にも成功し、そこにドローンを向かわせている、と朱は言うが、「結局、直接出向くハメになるだろうな」と先生。青柳さんを呼び出した酒々井さんの声は本人のものだった。監視官を懐柔するような相手が簡単に尻尾を掴ませてくれるはずがない…と言う朱に「買っているわけだ、鹿矛囲を」と、先生は指摘。
先生はサイコパスが測定できない、そして簡単に尻尾を掴ませない鹿矛囲の存在に、「槙島聖護を思い出しているのか」と朱に問う。
しかし朱は「似たような不気味さは感じる」「でも何かが決定的に違う」と槙島とは違う存在であることを感じていた。「その『何か』が分かれば、鹿矛囲の正体に大きく近づけるんだろうな」と言う先生に「だから先生と話している」と答える朱。…うーん、やっぱり2期の朱ちゃんの基本って「狡噛さんならどうするだろう」ってのがあって、雑賀先生と話をすること自体も「狡噛さんならどうするだろう」に含まれてる気がするよ。雑賀先生だから頼ってるというより、狡噛さんが雑賀先生を頼ったから頼ってるって感じ。雑賀先生から得る知識自体は朱自身も勉強になってるんだろうけど、回が進めば進むほど、朱がここまで狡噛さん依存というか、「狡噛さんならどうするだろう」っていうことに縛られすぎてるとは思わなんだ。
ただ、朱も我々も、「鹿矛囲が槙島に似ていること」、そして「槙島とは何かが決定的に違うこと」には気づいてるんだが、まだその「何か」には気づけてないんだよな。ぼんやりとした「違い」としては、

  • 槙島は「白」という色がまだあったが、鹿矛囲は「無色透明」であること
  • 槙島も鹿矛囲も「シビュラへの挑戦」という部分は共通しているが、その根源はおそらく正反対であろうということ
  • 槙島がシビュラを「暴く」なら、鹿矛囲はシビュラを「裁く」と目的が違うこと
  • 槙島はシビュラの正体を暴くことで人々が自らシビュラを捨てることを望んだが、鹿矛囲はシビュラを打倒することで人々をシビュラの支配から無理やり開放しようとしていること
  • (シビュラに認識されない)槙島が誰かに「見つけて欲しい」という欲求なら、鹿矛囲は「見つけられるかな?」と挑戦的であること
  • 槙島の犯罪は裏で槙島が手を引いていたとはいえ、犯罪自体はスタンドアローンだったが、鹿矛囲の犯罪は鹿矛囲が主導していること

他にも、槙島と似て非なる事柄はあるんだけど、まだ鹿矛囲が槙島と決定的に違う「何か」が何なのかは分からないにせよ、鹿矛囲と槙島の違いは回を進めるごとにハッキリとしてきている気がする。
おそらく、槙島も鹿矛囲も「シビュラに対する憎悪」という点では一緒なのかもしれないけど、そこから芽吹いて枝葉を伸ばしたベクトルが正反対なんじゃないかって気がする。…とするとだ。今のところ両者の一番の決定的な違いって「人間らしさを求めた槙島に対して、人間らしさを(洗脳で)消していく鹿矛囲」…かな?
だとすると、シビュラに認識されないことで「誰でもいいから自分を見つめてくれる存在」を欲した槙島に対して、鹿矛囲は「シビュラに認識されないなら、みんなシビュラに認識されなくなっちゃえ」という、槙島以上の駄々っ子理論に行き着いてしまうのだが…。…いや、でも多分、(槙島以上の存在にはしないと明言されてるだけに)鹿矛囲の動機って槙島以上にくだらない気がするよ。
朱からの信頼を感じつつ、「俺は手品師じゃない」と先生。
捜査は3係と共同で行うという朱に注意を促す先生。朱が立てた作戦に「よく局長が許可したもんだ」と漏らしつつも、作戦自体は後ろ向きだが、行う以上はリスクヘッジすべきという判断か…と、局長の判断にも理解を示す先生。「ホント…さすがです」と呟く朱。局長=シビュラの手のひらで転がされているされている自覚は…やっぱりあったかw

その頃、局長はシビュラと合議中。「彼女の行動には何ら正当性はない」「しかし単独で動かれるよりは命令系統の下に置いたほうが、まだ御しやすい」「いずれにしても現状の損害は問題にすべきほどではない」…ここで局長の言う「彼女」が誰を指すのか…朱なのか酒々井さんなのか…ミスリードを誘ってるんだろうけどw
彼女=酒々井さんだとすれば、ドミネーターを持ったまま行方不明の酒々井さんを泳がせていることに何か思惑があることになるし、朱だとすれば、朱の動きが実はシビュラには邪魔…ということになる。…いや、むしろそのどちらでもある…ってことも考えられないか?
ここまで来てるのに未だ酒々井さんを連れ戻そうともせずに泳がせていることにシビュラの思惑があることは、もはや疑いようがない。そして鹿矛囲を追おうとする朱の動きもシビュラにとっては邪魔。かつて槙島がシビュラ社会にとって脅威でありながら、シビュラシステムは免罪体質者として彼を求めたように、鹿矛囲もまたシビュラ社会にとっては脅威でありながらもシビュラシステムにとって何か利益をもたらす存在…なのではないだろうか?
シビュラ社会にとっての脅威は、イコール「シビュラシステムにとっての脅威」…ではないんだよな、そういえば。
だとすれば、シビュラが酒々井さんを泳がせ続け、鹿矛囲を追う朱の動きを邪魔に思うのも合点がいくぞ!?

壊滅状態になった2係の執行官たちは、1係と3係に割り振られることに…。
2係がどう割り振られたかはこちら
 ←クリックで原寸サイズに
1係に転属になった蓮池が荷物を持って引っ越してくると、刑事部屋にいたのは雛河ひとりだけ。チラリと蓮池を見ただけで全く気にも留めない雛河の態度に、「手厚い歓迎だ」と苦笑する蓮池。

一方、カウンセリング帰りのギノの前には須郷が…。なんかなー、このカウンセラー怪しいんだよなぁ…というか、前回出てきた時となんか違う気がする。前回出てきた時は胡散臭かったけど、今回のこのカウンセラーは1期の時にギノさんを気遣ってたあのカウンセラーっぽさが出てる気がする。もっとも、まだまだこのカウンセラーが鹿矛囲の協力者説は捨てきれないが。
須郷もまた1係に転属になっていた…というか、2期のグッズに須郷がいたのはコレか…ってことは、いない蓮池は…………あっ(察し)。
「青柳監視官はあなたの同期で友人だった」と、結果的に青柳さんをドミネーターで撃ったことになる須郷はギノに詫びようとするが、「お前は潜在犯を執行しただけだ。何も間違ったことはしていない」とギノはあくまでも職務を果たしただけ…と詫びを入れさせない。
しかし、やっぱりギノは割り切ることができず「しばらく俺の前には顔を見せないでくれ」と、ロクに須郷の顔も見ないで立ち去ってしまう。
でもギノの気持ちは分からないでもない。執行官としてのギノは、須郷は職務を果たしただけって割り切ろうとしてるんだけど、宜野座伸元個人としては「友人・青柳璃彩を殺された」って思いがあるから割り切れないんだよね。ましてやあのメンタルケア施設で青柳さんに何があったかギノは知らないわけだから、彼女が自身の正義を貫いた果てに死んでしまったなんて知る由もないし、彼女の死自体がギノにとっては納得行かないものだろう。とはいえ、ギノが彼女の死の真相を知ったところで納得できそうにもないけどな…ただ、彼女が正義を貫いた果てに死んだことにギノが救いを見出すかは別として。
結局のところ割り切れなくて自分でも感情を持て余してしまうギノさんって、1期からずーっとサイコパスという話において一番人間くさいキャラだなぁ…としみじみと感じたわ。

その頃、美佳は弥生の部屋を訪れいていた…。そういや1期では弥生の部屋だけ出てこなかったら、2期で初出か。意外に普通の女子の部屋でビックリだw 元ギタリストだからもっとロックしてるのかと思ってたけど、刑事部屋の私物とかから見ても、弥生自体はごくごく年齢相応の女子なんだな。感情を表に出さない*1彼女の内面が私物とか部屋から垣間見えた気がした。
「怖いんです…」と、正直な気持ちを弥生に吐露する美佳。メンタルケア施設での惨状を目の当たりにし、「自分が変わらずにいられるって自信が欲しい…」と弱音すら吐く。…あぁ、美佳もまだ19歳の女の子だしなぁ。
こうして弱音を吐かれると、彼女は彼女なりに気を張ってきたんだろうな…というのが分かるな。本当はそれを朱にぶつけていれば分かり合えただろうに…と思うのだが、この際、弥生に感情を吐露してくれただけでも御の字といえば御の字か。
ただ、このメンタルケア施設の惨劇を目にしてしまった美佳は、この先も目をそらすことはできない悲惨な事件を見続けていかなければいけないって分かったからこそ、「自分が変わらずにいられる自信が欲しい」と思ったわけで、これは成長の芽と期待していいのだろうか…?
そんな美佳の頭を優しく撫でた弥生は、「いいのよ…。監視官にだって泣く権利はある」と美佳に言う。…あぁ、1期8話のリプレイか。

ただ、ここで美佳は泣き出すようなことはせず、逆に子供扱いされたことに不貞腐れた表情を見せる。
そして、気持ちが落ち着いた美佳は、弥生に東金のことをどう思うかと問う。「判断力と実行力に優れた優秀な執行官だと思う」と言う弥生の答えに、「そうですね…」としか返せない美佳。
ともあれ、この場面での行動を見て、美佳に対して思うことはあれど、弥生は弥生なりに朱と美佳の間を取り持とうとしているのかな…とも感じた。ガチレズでレディーキラーの弥生さんなので、おそらく美佳が自分に気があることにはとっくに気づいてて、それを逆手に取ってる部分が多々見られるんだよねw それとなく美佳との間に入って、朱なりギノなりとの緩衝材に進んでなってる感じ。
結局のところ、彼女もまた「残された者」であり、残された者として1係を守ろうとしている…ってところに、1期から2期における弥生の成長を見た気がする。

シビュラの合議により中の人が変わった局長。「なるほど、この件に関しての担当者は『私』というわけ」…うぉ、演技が変わってる。ん? 女性っぽい? 今度の局長の中の人。
「しかしどんなに責められても、私には責任の取りようがない」「過去を覆すことなんてできない」「生まれてしまったものは、せいぜい活用しましょう」「我々の進化のために」と意味深なことを呟く局長。そして、「それに気にならない? 彼女が『あれ』にどんな影響を受けるか…」と朱を試しているような発言も…。
…ん? 今度の局長の中の人は、この事件=鹿矛囲に関係のある人物?
だとすれば、OPでも匂わされている飛行機事故を起こした犯人…とか? 見返してないからうろ覚えなんだけど、1期でシビュラが自分たちも免罪体質者(の脳)で、中には槙島よりも残忍な行為をした個体もいる…っていう説明のところに9.11を思わせる飛行機事故の絵もあった気がするんだよ。
だとすれば、鹿矛囲が生まれるきっかけになったかもしれない飛行機事故の犯人だから「責任の取りようがない」「過去を覆すことなんてできない」と言ってる…のか? そして、その事故によって鹿矛囲が生まれたのなら、だから「生まれてしまったものは活用する」…ってこと?
シビュラにとってはイレギュラーの出現すら想定の範囲内…だったな、そういえば。1期で「一定数のイレギュラーの出現はしょうがない」みたいなこと言ってたしな。
そして朱を試しているような発言は…そうか、自身の進化のために朱を観察しているんだったな、シビュラは。

鹿矛囲が潜伏していると思われる場所は軍事ドローンの実験場。1係と3係の共同作戦であるため、執行官は担当監視官にこだわることなく状況判断で適切な指示に従えと命令を出す朱。そんな中、須郷は「まさか、ここに戻ることになるとは…」と呟く。
そんな作戦に美佳は大所帯で行く意味があるのかと不満を漏らすが、人員配置に関しては局長の指示と言う朱にバッサリ切られる。増田代議士の聴取に、立てこもり現場の解析、朱から依頼されたホロの解析と美佳チームもやることがありすぎてパンクしそうだと訴える美佳だが、朱はそれぞれに作業を割り振ってあるから充分にこなせると判断したと返す。…あぁ、やっぱり朱、まわりが見えてそうで見えてないわ。
2期のちょっと雑な点って、朱の推理や捜査に対する対案を出すキャラがいないところだよね。1期だと狡噛さんの推理にギノさんがそんなわけないだろってギノさんはギノさんなりの捜査をしたりしたんだけど、2期は朱がすべてを主導してしまって「朱様スゲー」にしてるせいで、ぶっちゃけ「朱以外全員無能」に成り下がってるの。そのせいもあって、朱の「いっぱいいっぱいな部分」とかほとんど見えなくて、それが余計に朱が実はまわりが見えていない暴走監視官であることを描き切れてないという雑さが見えてきた気がする。
元々1期から尺が足りなくて必要最小限の情報量にとどめた結果、本編以外のところ(アニメ誌とかニコ生とか)で製作陣やキャストの発言で補完してたダメな部分はあったけど、2期の朱の描き方に関してはそのダメな部分が出てきちゃってるわぁ…。
ともあれ、2期の朱が「いっぱいいっぱい」で余裕がないから「自分がやるべきこと」にだけ突っ走ってて、そのために周囲をいいように巻き込んでる…から美佳が不満を漏らすのであって、美佳もただ嫉妬やプライドから朱に噛み付いてるわけじゃない…っていうことだよね。ようやく、美佳の立ち位置が立場を逆にした1期ギノさんだってことが分かってきた。…てか、確かに視聴者をイラッとはさせるけど、憎まれるだけのキャラじゃないってカワイイ部分も出てきた気がするわ、今回。
ドローンが調査済みの現場に向かう必要性を問う美佳だが、朱は実際に行ってみないと分からないこともあると答える。それを「時代遅れ」と否定する美佳に「進んだ時代が常に正しいとは限らない」と言い、現場に到着したと通信を切ってしまう。
…ねぇ、正直に言っていい? 私、今、最高に朱ちゃんにイラッとしたんだけど…
多分このイラッとした理由って、それこそ朱の「まわりが見えていなさ加減」なの。狡噛さんものめり込むとまわりが見えていないところはあったけど、それでもこんなにイラッとはさせなかったの(多分、狡噛さんの場合は、彼自身人を乗せるのが上手かったのと、それによる周囲のフォローもあったせい)。でも何だ…この朱ちゃんのイラッとさせ具合。なんか今回ばかりは美佳に同調しちゃう。
別に朱の行動が間違ってるとかそういうんじゃないの。ただ、ホントにあの1期の朱ちゃんと同一人物かと思うほどのまわりが見えていなさ加減で、ある意味、自ら周囲から孤立していってるとすら感じるほどの突っ走りぶりにイラッとする。
なんかね…朱ちゃん、アンタもっと周囲を頼りなよ!! って叫びたいほどイラッとする!!
…あぁ、そういうことか。「朱が孤立する」って意味は、朱が誰にも理解されないっていうより、朱が(周囲を頼らないことで)「誰にも理解させない」から自ずと周囲から孤立していってしまう…ってことか。
朱が周囲を頼らないのは、それこそ狡噛さんがいなくなってしっかりしなきゃ、自分が1係を引っ張っていかなきゃ…っていう「いっぱいいっぱいな部分」から生じてるんだけど、この朱ちゃんに対するイライラさ加減は、やっぱり彼女が真の覚醒(狡噛さん依存からの脱却)をしない限り解消されない気がしてきた…。
朱の対応に舌打ちする美佳。あやねるが音響監督から「いいわー、霜月イラッとするわ〜」と褒められた(?)舌打ちw
すると弥生が、増田代議士の色相改善を理由に釈放を求める通達が厚生省から届いたと知らせる。「圧力ですね…」と腕組みする弥生。
同じ頃、志恩さんも厚生省からの通達を突っぱねるわけにもいかないし、あれこれ誤魔化してもせいぜい1日か2日…と、雑賀先生とともにどう対処するか考えあぐねていた。

現場の軍事ドローン実験場は元々貿易港だったところが破棄され、無人倉庫となっていたところを、装備や部品の保管と安全面から、国防省の軍事ドローン開発研究部門が転用したところだった。
…ここか? 今週の(虐殺)祭の会場は(CV浅倉威)
そこで須郷は実験場の職員に声をかけられる。須郷が施設送りになって以来の再会を喜ぶ職員に、「今は公安の執行官だ」と答える須郷。それを見たギノは、かつて須郷がここに勤めていたことを知る。
…ってことはだ、わざわざ須郷のバックボーンを描くあたり、これは須郷がここで起こる事件でGJな働きをする…んだな?

施設内に異常がないことを確かめると、3係は「やる気満々の1係さんに任せて」「付き合わされるほうはたまったものじゃない」と待機に入る。…噛ませの3係確定じゃねぇかよw どう考えても次の餌食こいつらじゃねぇかよ!www しかし、3係に転属になったはずの元2係・波多野はどこ行った!?
倉庫区画を探索する朱と東金。関係者以外立入禁止で人が住んでいる可能性はない…と主任オペレーターは言ったが、透明人間にサイマティックスキャンは意味がない。逆に注意すべきは「人間の目」。スキャナーが配備された上で人通りがほとんどない場所。そこに目をつけた朱と東金は怪しい建物を見つける。
非常口を正面に設けた設計でありながら、裏側に当たるスペースが壁に区切られているのは不自然…と指摘する東金。構造上不必要な壁、サイマティックスキャンによる監視範囲内、そして人通りの少ない通路の最深部…東金が壁に手を差し入れると…それはホロだった。
「刑事の勘ってやつですよ」ホロをくぐる東金の後ろ姿に、朱は狡噛さんの姿を重ねたのか、かすかに微笑む。



一方、美佳は局長に幾度目かの朱の問題行動について抗議。「何度も報告書を提出」と言ってるんで、これは相当回スルーされてるんだなw 美佳ちゃん、告げ口は嫌われるで…されたほうにも受けたほうにも。
美佳が問題としている朱の行動を「大したことはない」と一蹴する局長。そりゃ美佳でなくても朱を「局長のお気に入り」って嫌味のように言うわなw
朱の問題行動を「大したことはない」と一蹴することは危険ではないか…と、なおも局長に食らいつく美佳。「過度な現場主義。確信のない事柄に執着する偏った思想。執行官の扱い。それら全てにおいて常守朱監視官は大きな問題を抱えています」と訴える美佳。…ただなー、それってなー、征陸・佐々山→狡噛→朱って受け継がれてきた刑事の勘とか魂なんだよなぁ…それを今の美佳に理解しろっていうのは難しいだろうなぁ…。
しかし、局長は「だから何だね?」と更に一蹴。ホント局長、美佳のことは駒にすら思ってないんだなw
「同僚の目を覚まさせるのも、職務の一環と心得ています」と言う美佳だが、局長は「要件はそれだけか?」と取り合おうともしない。「いえ、もう一点」と美佳は東金が朱にドミネーターを向けたことも問題行動として告げ口報告。それに対して局長は手段としては少々問題はあるが「君のように常守監視官の精神状態を知りたかったのかもしれない」と問題視せず。
局長にまともに取りあわれないものの、潜在犯である執行官の危険性を考えもしない朱が監視官では、いずれ必ず大きな問題が生じる。その時は朱の処遇について考えて欲しい…と訴える美佳に「考えておこう」という局長の返事。「今のお言葉、忘れないでください」と、ひとまずは満足して退出する美佳。
そして美佳が退出すると局長は溜息をつき、呟く。「あれは食われるな…」と。
美佳は駒にする価値もない…ってことか。「食われる」というのは、おそらくは美佳自身の負の感情…というやつにだろうか。美佳自身がまだまだ子供なせいもあるけど、美佳って基本的に問題を自分で対処しないで人に押し付けたり、自分の失敗も人のせいにすることでサイコパスをクリアに保っているタイプみたいだから、こうして局長にまともに取り合ってもらえなかったり、この先あるだろう、人のせいにしようがない明らかな自分の失敗によってどんどんサイコパスが濁っていく…という展開かしら?
ともあれ、局長=シビュラが美佳を駒にする価値すらないと判断した理由は、どう見ても美佳のその自己顕示欲…だと思うわね。シビュラが求めているのは「システムに従順な人間」であって、たとえ朱の行動に問題があるとしても、局長=シビュラが良しと判断したものに対して異を唱える存在は要らない…ってことよね。
ホント、シビュラさん、損得勘定と見切りの早さには定評があるわぁ…w

ホロの壁を抜け、鹿矛囲が潜伏していると思われる場所を探索する朱と東金は、ある部屋にたどり着く。
手術室とおぼしきその場所にあったのは、臓器や、顔の皮膚といった移植パックがズラリと並んでいた。「おかしい…。何故こんなものを…」と首を傾げる朱。
もしかして…なんだけどさ、こうして移植パーツがズラリとあるのって、鹿矛囲が人々をクリアにする…ひいては自分がクリアなことに関係がある? たとえばサイコパスがクリアな人間の組織を移植することでクリアにしてる…とか。
そしてその最たる鹿矛囲なんかは自身のオリジナルのパーツがひとつもなくて(あっても脳ぐらい)、様々な人間のパーツの繋ぎあわせだからサイマティックスキャンが効かない…とか?
もし、鹿矛囲が件の飛行機事故に関係あるとすれば、鹿矛囲はその事故でオリジナルの肉体を失い、臓器やその他もろもろを移植されることで助かった。サイマティックスキャンが(我々視聴者には)謎技術なので何を測定しているのかは分からないけど、複数の人間のパーツが存在することになる鹿矛囲では、サイマティックスキャンが複数の人間の反応を感じ取ってしまってエラー扱いになる→故に測定できない=透明人間扱いになる…ってことなんじゃないのかな?
あの槙島でさえ、(グソンのハッキングによって自身のID登録を消していたとはいえ)サイマティックスキャンは効いていた=犯罪係数は測定できてたのをみると、鹿矛囲にサイマティックスキャンが効かないのは免罪体質者とイコールではない。
そして、死人扱いだからサイマティックスキャンできない…というのも、1期1話でID登録されていないだろう廃棄区画の人間の犯罪係数を測定できたことから、また違う気がするんだ。
免罪体質者でも死人扱いだからでもない、他のカラクリがある。そんな気がしてならない。

増田代議士の演説映像を分析していた雑賀先生は何かに気づき、「とんだ茶番だ」と言い放つ。分析室を出て増田代議士の聴取に向かう先生。
ここ3年分の増田代議士の演説をすべて見たという先生。増田代議士の演説の特徴のひとつは、巧みな抑揚の付け方。聞かせるポイントであえてトーンを下げ、結果的に聴衆の注意力を高める。その加減が絶妙…と増田を褒める先生。しかし、先生は更に言う「だった…というべきか」と。
「最近の演説ははまるでなっちゃいない」…先生の気づいた部分はそこだった。
志恩さんが「膨大な情報を分析して取捨選択すること」に長けているのに対し、雑賀先生は「人間を分析してそこから情報を得る」ことに長けているので、これは分析室が最強の体制になったな!
個人的には今後の志恩さんと先生の絡みとか関係性が気になりますw
「よく似せちゃいるがな…」先生は増田代議士に問う。「アンタ…誰なんだ?」
そして表情を買えなかった増田代議士が、まるで機械のようなモーションで笑った。…え、まさか…義体!? 義体に皮膚パーツを移植してた…とか!? うぉぉぉ…ますますさっきの移植パーツが怪しいじゃねぇかよ!!
てか、鹿矛囲が酒々井さんの目を移植してる時点で、移植技術がある…ってことに気づけよ、俺w もっともこの世界じゃ手術はみんなロボットが行うから、医療技術というよりは知識…だろうな。もちろん、ある程度の技術も有してはいるんだろうけど。

車内でサボり待機している3係・錫木は人気ゲーム(ハングリーチキン)の新作の配信通知を受け、堂本の苦言にも耳を貸さず「ちょっとだけ」と遊び始める。しかし、これが今週の虐殺祭りのはじまりとも知らず…。
ゲームを始めると、施設内の軍事ドローンが起動。ゲームは軍事ドローンとリンクしていた。
ゲームで敵を攻撃するとそれはすなわち、現実世界でドローンが人や物に対して攻撃することになるのだった。もちろん、そんなことには気づきもしない錫木は「死ね、ザーコ」とゲームの敵を攻撃。現実世界ではドローンの攻撃によって職員が殺されていく…。

部屋の探査を続ける朱と東金は、部屋中にぶら下がる人体パーツ(義体パーツ?)を見つける。そして「我々が来ることは想定済みだった」と、またも東金が見つけた「WC?」の文字…。
…てか、なんかさ、ここまで連続して東金さんが「WC?」を見つけてると、東金さんが朱を鹿矛囲がいる場所へ導いているんじゃないか…って気さえするんですけど?
なんだろう…鹿矛囲・東金・シビュラって繋がりがある気がする。なんか東金さんからはスパイの匂いがするんだよなぁ…それもただのスパイじゃないっていうか、エヴァの加持さんみたいな二重スパイ的な。
そして雑賀先生は増田代議士(の偽物)に「お前はメッセンジャーだ」と言い、わざと逮捕され情報を公安に与え誘い込んだ…その目的は何だと問う。「公安の人間をおびき寄せ、何をさせたい…」
…しかし先生、なんかもう、遅いみたい…。

異常に気づいた職員がドローンを停止させようとするが、止まらない。そこに現れるドローン。爆発が起こり、地下にいた朱と東金も異常に気づく。そして現場に駆けつけたギノさんたちが目にしたのは、燃え盛る施設と、殺された職員の死体。
一方、市民たちはまさかゲームと軍事ドローンがリンクしていることなど知る由もなく、ゲームに熱中していた…。ひとり、またひとりとゲームを始めるごとに起動していく軍事ドローン。
停止信号が拒否された挙句、次々とドローンが起動していき、為す術がない施設職員たち。

ついに管理室も破壊され、ドローンを止める術を失った実験場。そしてそこから現れた鹿矛囲。
「ゲームスタートだ、公安局」刑事たちを皆殺しにし、鹿矛囲は何を企むのか…。
そして異常を察知し、地上に出た朱(と東金)は、その光景に驚く。

その頃、東金が気になる美佳は彼の部屋に侵入。執行官宿舎の103*2ってことは、どうやらギノはとっつぁんの部屋を受け継いで、東金さんが狡噛さんの部屋に入った…ってことでいいみたいだな。
部屋を調べる美佳は、東金の机の引き出しにしまわれた、膨大な朱の写真やデータに驚愕する。
…へ、変態だー!! 変態という名の紳士だー!!
…というのは置いておき、写真に書かれたメモを読む限りでは、朱ちゃんの表情とかを分析しているんだよな…。確かに東金さんは元セラピストだけど、それを差っ引いてもなんかおかしいんだよな…。もしかしてさ、東金さんってシビュラが朱ちゃんを分析するために差し向けた?
1期最終話でシビュラは朱ちゃんに対して「サンプルとなる」って言い放ってんのよね。
そう遠くない未来、シビュラはいずれ自分たちの正体を市民に開示することを明言している。おそらくシビュラは薬物でサイコパスをクリアに保ち続けることに限界を感じていて、自分たちが次のステップに進むためには、朱ちゃんのようにチートレベルなサイコパスを持ち、かつシステムに従順な人間を多数必要とした。そして朱ちゃんを分析することで「常守タイプ」ともいうべき強化人間を量産しようとしてるのではないだろうか?
その分析のためにシビュラから差し向けられたのが東金…ってことではなかろうか? もっとも、その東金自体もシビュラに従っているように見せかけて鹿矛囲と繋がっているフシもあるので、ここら辺は今後描かれるという彼が執行官になった経緯で明らかになりそう。
でもって前述した、鹿矛囲がシビュラ社会にとって脅威でありながら、シビュラシステムにとっては利益をもたらす存在なのではないか…という点は、もし鹿矛囲がそれこそ人体パーツの寄せ集めであるフランケンシュタインであることによって、どんな心理であろうとサイコパスがクリアであるのなら、それは常守タイプの強化人間を作り出すよりも手軽にシステムが求める人間を作り上げられる。もしくは(劇場版でシビュラシステムを海外に輸出することから)人為的に免罪体質者を作り出せる可能性を見出しているのではないだろうか。
ともあれ、おそらくシビュラは自分たちが時に「怪物」生み出すことは分かってて、その怪物たちを「いつでも潰せる」「自分たちの側に取り込める」と思ってるからこそ自分の手のひらで踊らせて楽しんでいるんだろうなとさえ思えてきた。
そして鹿矛囲フランケンシュタイン(移植パーツの寄せ集め)説なら、そこで鹿矛囲にサイマティックスキャンが効かない秘密がパーツによって反応が違うのでサイマティックスキャンは判定不能と出てしまう…とかだろうか? ともあれ飛行機事故が鍵だろうな…と。
飛行機事故でオリジナルの肉体を失い、そのオリジナルの肉体をホロで再現(成長)させている…から鹿矛囲がホロに強いこだわりを持つ…とも考えられそう。ともあれ、2話で出てきたホロの元になった女の子(飛行機事故の犠牲者・染水槇ちゃん)のことを頭の片隅においておく必要を、俺は藤間幸三郎の時に学習している…*3。鹿矛囲本人でなくても鹿矛囲に関わりのある人物(例えば事故の犠牲者たち)をホロで再現(成長させている)してる…とかさ。

でもって、もうひとつ出てきた怪しい部分が、東金さんの机の上にあった写真の女性(東金母or祖母)が局長に似ている…ということ。
もし東金母or祖母が局長と何らかの関係があるとすると、局長が言ってた「過去を覆すことなんてできない」「生まれてしまったものはせいぜい活用しましょう」っていうのが、鹿矛囲ではなく東金を指していることにもなる。朱が「『あれ』にどんな影響を受けるか」という部分は確実に東金さんを指してるんだろうけど、ますますここはミスリードを誘ってるなぁ…。
むしろ、やはりここは、鹿矛囲・東金・シビュラは何らかの繋がりがある…と疑ったほうがいい気がしてきたな。東金二重スパイ説とともに。

そして5話後のニコ生で2期後半のPVが公開されたんだけど

そこで出てきたのが「透明人間」「奪われたドミネーター」「最高値の犯罪係数」「シビュラへの挑戦」「185」というキーワード。
「185」だけが現時点では意味不明なので、この先出てくるキーワード…か。
このPVの新規カットやセリフに関しては先行組から6話で回収されているというので、気になるセリフについては次回6話のブログで…。

…ということで、なんとかギリギリ1週遅れで間に合ったよ!!
次回は何日遅れかなぁ…w もはや1週2週遅れようが最後まで完走することに意義を見出している、自己満足日記帳的な感想考察ブログなのでリアルタイム性はツイッターのほうでお願い致しますm(_ _)m
そしてコメントや拍手ありがとうございます。個別にお返事は致しませんが、励みになっております。


PROPLICA ドミネーター

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Fallen(初回生産限定盤)(DVD付)

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*1:SFマガジンのスピンオフ小説では、捜査協力者の少女から「感情を表現するのが苦手」と評されていた。

*2:ゼロにおいては佐々山が、1期においては狡噛さんが入っていた部屋

*3:のちのち振り返ってみると、あの時の藤間のデータや写真は意味ありげに出てきてた

PSYCHO-PASS サイコパス2 #04「ヨブの救済」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

青柳ハザード…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime

老人(美馬)が籠城したメンタルケア施設。2係の執行官は青柳さんに連絡を取るも、青柳さんは気絶中。
老人はメンタルケアが「生きている実感を奪っている」と説き、監視カメラを破壊。「私は偽りの君たちを開放する、鹿矛囲のように…」と何かを始めようとする。…まぁ、大体予想はつきますわなw
一方、なおも「鹿矛囲を呼んでくれ」と叫ぶ増田代議士を移送中の美佳たち。美佳は増田代議士を公安局へ連行後、朱がその聴取を担当することに不満を抱く。
被疑者の口から立て続けに出てきた「鹿矛囲」の名。しかしギノさんは「偶然とは思えないが、確たる証拠がなければ喜汰沢の時の二の舞いだぞ」と朱に釘を刺す。朱はドローンからインパクト・アブソーバーが外されたスペースが人間ひとりを収納するにはちょうどいいサイズであることに気づく。…あぁ、なるほど、そこに酒々井さんを入れたのか。
しかしギノは、それが人為的に起こされたものなら記録に残るはず…と指摘。朱は鹿矛囲がドローンの記録を改ざんできる手段の持ち主だと推理する。
「あくまで(鹿矛囲が)実在することが前提か」と、朱の推理の軸を確認するギノに「捜査に賛同できませんか」と、反対しているのかと問う朱。だがギノは「気が済むまで付き合う」と朱の考えに一定の理解を示す。
一応、ギノは「朱の理解者」ではあるんだけど、どうしても心配症のオカン属性が働いてしまうのはしょうがないんだよな。ただ、朱が止めても止まらないのはギノ自身よく分かってるから、ある程度までは「しょうがないな」って朱に賛同する。だけど、かつてギノさんは狡噛さんを止めようとして止められなかった経験が2回(潜在犯落ちの時と槙島の時)もあるから、尚更、朱に関しては「コイツが道を踏み外すようなことがあれば今度こそ止めてみせる」という思いが強いんだよな。ギノが朱の理解者ではあるけど信者じゃないのはこういった部分があるからだと思う。
これは計画的な行動。自分たちが確証を得られず迷っている隙に鹿矛囲は動き続けているはず…と、朱は一刻も早く自分たちも対抗するために動かなければとギノに説く。
「私は疑わない。鹿矛囲は実在する」――朱はもう迷ってはいなかった。


青柳さんと連絡が取れない2係執行官は、志恩さんに施設内部の様子を伺えないかと相談するも、監視カメラにもスキャナにもアクセスできず、建物全体(の監視システム)が死んでいるのでは…と志恩さん。過去にそんな例はあるかと問う2係・須郷執行官に、あるとすれば火災などの大きな災害だが…と答える志恩さんだが、とてもそんな風には見えないとも答える。すると2係・蓮池執行官が建物内のエリアストレスが注意報レベルまで上昇したことに気づく。「監視官は何をしているんだ…」と中の様子が分からないことに焦る須郷。
ちなみに蓮池執行官の下の名前が「楓」で吹いたwww
施設内部では美馬老人が惨劇を始めようとしていた。…てか、サイコパスにおいて「女性の下着は上下が揃っている」のが当たり前なんですねw あと女性の下着に補正下着だのガードルだの妙にリアリティあるところにジワッと笑ったのだが、そういえば1期ではゆきちゃんがブラ外した時に跡まで描いたほど妙なリアリティにこだわるんだよな、ここの作画陣はw
「生きている喜び」を感じるかと人質たちに問う美馬老人。そこに人質のひとりが襲いかかるが、老人は意に介さず「そう、いいぞ」と逆に襲ってきた男を殴り倒す。恐怖に慄く人質たち。
美馬老人は説く。「誤った処方で心を癒やされるどころか、殺される寸前なのだから…」「ストレスを受け入れろ」「この世界に生きている証を…」と。そして無表情のまま先ほど倒した男の頭を踏み潰す。
「感じたまえ、苦痛を、命の鼓動を、君の人生を…」「生きてるって素晴らしいね…」表情なく、老人は言う。
この美馬老人の表情のなさが怖いんだけど、これが鹿矛囲の洗脳なのかもなぁ…。とはいえ、虐殺を楽しむよりも淡々と無表情に行われれる方が断然怖いんだけどね。あと、この無表情さが逆に老人の犯罪係数の低さをあらわしているって意味もあるのかもな。もちろん鹿矛囲の手によってサイコパスをクリアにされている部分が大きいんだろうけど、虐殺行為をなんとも思っていないからクリアという、「犯罪心理と犯罪係数が一致しない」怖さも見せている気がする。1期・2期とも「犯罪心理と犯罪係数が一致しない人間の怖さ」を描いてるしさ。
一方、もはや自分たちでは手に余る上、監視官不在では動きようがないと判断した2係・須郷は応援を要請。

2係からの応援要請は美佳で受けることに。タイミングがタイミングだから注意して処理に当たるよう助言する朱に対し、美佳は「大したことない」「閉じ込められた人たちがパニックになっているだけ」と、自分ひとりでも軽く対処できると聞き流し気味。逆に美佳は朱に「鹿矛囲がいるという証言者が増えて気分がいいのでは」と嫌味を言うが、朱は「むしろその逆」と苦笑う。聴取に向かうべく朱の背を見送る美佳は呟く。「余裕ですね…」と。
1期からエレベーターの扉のシーンは、「心の扉」のシーンと言われてるんだけど、これもまさにそれだなぁ…と。

1期18話の狡噛さんと朱ちゃんのエレベーターのシーンって、朱ちゃんが狡噛さんの心の扉をこじ開けようとするも、結局、狡噛さんはその扉を閉ざして朱の前から去る…っていうのをあらわしてたんだけど、このエレベーターのシーンは美佳が自分の心の中に入ってきた朱やギノさんを拒絶(排除)して心の扉をシャットダウンしている…というのをあらわしてるんじゃないなと。
美佳は視聴者からの憎まれ役なんで、とにかくこうイラッとさせるんだけど、「この世界においては美佳の反応が普通」だということを忘れちゃいかんな…と(とはいえ、かく言う私も結構忘れがちなんだけど)。
自分のサイコパス(メンタル)を守ることが何よりも最重要とされる世界だから、朱のように敵対する者とでさえ分かり合おうとする人物のほうが「異常」なのであって、美佳のように理解できないものを理解しようとすることを拒絶することがサイコパスを守る手っ取り早い手段。そしてシビュラに沿う(シビュラが指し示す通りに生きる)生き方こそが「(あの世界での)正しい生き方」。だからこそ、そのシビュラ世界で(というかシビュラの意に沿う)最も理想的な生き方をしている美佳が、その世界の価値観で生きていない我々視聴者に「異常」と見えるのは当たり前なんだよね。
そういう意味では、美佳は1期のギノさんに当たる立ち位置なんだけど、2期で美佳が1期ギノさんをはるかに上回る「視聴者からの憎まれ役」に据えられたのは、2期である=1期で説明されている部分の世界観の説明はしない以上、「この世界における一般的な人間の考え方」をあらわす立ち位置に美佳がいるからなんだよな。
単純に美佳にイラッとするのも反応としては間違ってないけど、サイコパス世界の価値観と、我々視聴者が生きるこの現実世界の価値観は違うってことを思い出して、頭の片隅においておく必要があることを思い出したわな…。
あとはまぁ…1期と違って狡噛さんや槙島という飛び抜けて超人的な人間がいないのと、1クールしかないという尺の関係で朱age美佳sageで、朱の未だ発展途上にある超人性を出していくしかない部分も少なからずあるんだろうけどw

何故、青柳さんがメンタルケア施設にいるのか疑問を抱くギノに、朱は今は聴取に集中するほうが先だと言う。
増田代議士に鹿矛囲とは何者かを問う朱だが、増田は「そんな奴は知らない」「記憶にない」と黙秘。「今更黙秘か」と呆れるギノだが、朱は聴取前とは打って変わって無表情の増田に違和感を覚える。
鹿矛囲の暗示(+薬物)→サイコパスがクリアになる→効力が切れる→スキャナに引っかかる…という流れなんだろうけど、美馬老人といい増田代議士といい、異様というか異質に感じられるまでの無表情さが気になるな。鹿矛囲がサイコパスをクリアにする方法って、何か副作用がある気がするんだよな…。

その頃、意識を取り戻した青柳さんは、自分が拘束されていることに気づく。
青柳さんの下着は期待を裏切らない黒!!
そうか、青柳さんは下着が黒でシャツに透けるからキャミソールを着ていたのか…(納得)。
動こうとする青柳さんにネイルガンを向ける施設職員・大津は、「何してるの?」と問う青柳さんに「(美馬老人に)命令されて…」と答える。見返しててふと思ったんだが、全員下着姿に剥かれてるのに、コイツ(大津)だけ服着たままという怪しさ…はこの先に繋がるのでここでの言及は先延ばし。
なおも人質に暴力をふるう美馬老人は「君たちは生きている」「人生は素晴らしい」と、まるで痛みや苦痛こそが生きている証のように言う。その光景を目の当たりにした大津は背後から老人にネイルガンを向けるが、青柳さんが制止。「全員必ず助ける。それが私の仕事だから」と、その役目は自分にあると言う。
…あ、青柳さん、死ぬわ。

メンタルケア施設前で2係の須郷・蓮池と合流した美佳たち。以前、施設内部の状況は分からず、エリアストレスは上昇する一方だった。「ここが(事件)現場なのはほぼ間違いない、外からこじ開けては」と提案する弥生に対し、「この場合はストレスの原因を調べるのが先」「迂闊に(中の人間を)開放すれば更に悪化する可能性ある」と、美佳は別の方法を取ることを選ぶ。それを聞いた須郷は内部との連絡の手段を探すしかないと言い、蓮池はエリアストレスの予想範囲を絞ってみた結果、余裕で警報レベルであることを美佳に伝える。
先程のエレベーターのシーンで、美佳がサイコハザードの類が苦手であることが示唆されてたんだけど、美佳が心の扉をシャットダウンしていることとも併せてみると、美佳はとにかくサイコパスが濁る…というか他人に濁らされるのを恐れている…ってことか。
1期でも確かにそういった部分はあった気がする。璃華子を怪しいと思ったのも、そういったサイコパスが濁るようなものを本能的に忌避する部分があったのだろうし、親友(加賀美)が危ない目に遭う可能性に気づいていながらも自分は関わりたくない(サイコパスを濁らされたくない)から突き放したり…。
美佳が監視官を志した理由も、「正義感」というよりは、犯罪者(潜在犯)に対する復讐…なんだと思う。璃華子(潜在犯)がいなかったら加賀美は殺されなかった→だから監視官になってこの世から潜在犯をすべて抹殺する…ぐらいは考えてそうだよ、あの子。そして子供だけど「犯罪係数の高い人間はすみやかに処分するべき」という考え方がシビュラに迎合したからこそ監視官の適性が出たんだろうと思う。…というか、基本的に監視官の適性って、エリート人種からそうやってシビュラに見出されてるんじゃないだろうか? 優秀でサイコパスが濁りにくくて、なおかつ潜在犯を憎悪して…って。まれに狡噛さんや朱みたいに「潜在犯だって同じ人間だよね」って珍種が採用されちゃうこともあるけど、逆にその珍種さがシビュラの興味を引いたのかもしれんし。
ただ、「犯罪係数が高い人間はすみやかに処分されるべき」っていうのは、実はあの世界では至極真っ当な「正義」なんだよね…。そういった意味では美佳の「正義感」は間違ってはいないんだな、コレが。

一方、朱は雑賀先生に連絡を取り、また鹿矛囲の名前が出たことと爆弾解体ドローンの部品損失を告げる。「それらが悪魔の証明の突破口になる…そう言いたいのか?」と朱に問う先生。連行された人物は何かを知っている…が、自分ひとりの力では正解にたどり着けない。「力を貸していただけませんか?」朱は先生に協力を求める。
いよいよ雑賀先生が分析官になる時が来るのだろうか…?
尺的にそろそろなっていただかないとキービジュアルとED詐欺です、先生!!
それにしても朱は先生を頼りすぎだなぁ…って思うんだけど、逆にそれは朱がまだまだ未熟な証拠なんだよな。師匠=狡噛さんがいなくなってしまったことで急激に成長するしかなかったんだけど、やっぱり朱はまだまだ未熟で、それで師匠の師匠=雑賀先生に頼るのは仕方のないことではあるよな。
今の朱は守破離で言えばまだまだ「守」の段階にいるんだよなぁ…。多分2期が「守」から「破」に至るまでを描いて、劇場版で「破」から「離」に至る朱を描くんじゃないかな…と思うんだけど、こういう師匠を頼る朱の未熟さに1期の朱ちゃんの部分が垣間見えるな。朱様・朱ニキさんな朱は頼もしくはあるんだけど、それが逆に切なかったりもするのよね…。あの「朱ちゃん」がこんな風になってしまったのか…って。でも「朱ちゃん」の部分が垣間見える時にホッとするというかといえば、実はそうでもなかったり…。結論=結局のところ、切ない。


施設内では、なおも美馬老人の暴力ショーが続行中。「私は救世主になりたいんだ! 救いたいんだよ、鹿矛囲のように!」と老人は叫ぶ。時々、美馬老人がドローンから酸素マスクを取って吸入してる場面があるんだけど、もしかしてその中に薬物入ってんのかしら…? 後々明らかにされる気もするけど。
隙を突いて青柳さんは大津と連携して手錠を外してもらうと、ネイルガンでドローンを行動不能にしてドミネーターを取り戻す。「そこまでよ!」と老人にドミネーターを向ける青柳さんだが…………なんだろう、死亡フラグがビンビンすぎて絶望感しか感じられないのは(´;ω;`)

増田代議士の色相が濁ったのが演説前であることを確かめた先生は、「そういう手合いは常に同じ状況下で色相が悪化するケースが多い」と、ここ数ヶ月の増田代議士の演説会の日程と通話履歴を洗ってみるよう朱に指示する。…なるほど、そこで鹿矛囲との線が繋がる…と。

美馬老人にドミネーターを向けた青柳さんは「何が救世主よ」と彼を執行しようとするが、犯罪係数は76でロックがかかってしまう。「どうして…」と戸惑う青柳さんに「いいぞ、その調子だ。だがもう少し私の話を理解したほうがいい」と、殴った人質をドミネーターの射程内に入れる老人。案の定、犯罪係数が112に上がってしまった人質のほうにドミネーターは照準を定めてしまう。「違う…彼じゃない」青柳さん…詰んだ。
ただ、青柳さんはもう、犯罪係数ではなく「犯罪行為そのもの」で裁くということを選んでるんだよね。前回ギノに「ドミネーターを握っている時だけは感情の蓋が外れる」と語った彼女はもう立派な「刑事」になってた。自分の中に「正義」をちゃんと持ってた。しかし、それはシビュラ社会じゃ死亡フラグなんだぜ、青柳さん…。同期である狡噛も宜野座も自分の中に「正義」を持った瞬間に潜在犯に落ちたんだぜ…。
これはもう、青柳さん死ぬな…。
同期3人のうち、狡噛と宜野座は自分の中に「正義」を持った瞬間に潜在犯に落ちた。でも最後のひとり、青柳さんは死を迎える…そうやって「監視官の死」を描くつもりなんだな、きっと。

一方、外では弥生がドミネーターの作動を確認し、青柳さんが使っていることに驚く美佳。それはイコール中に執行対象者がいるということ…。「どうしますか?」と問う須郷に、美佳は「どうもしないわよ」と青柳さんからの連絡を待つことを選択。「勝手に動いて何かあったら、私の責任になるじゃない」と呟く。
…おい美佳、お前また視聴者の色相濁らせたぞw とはいえ、美佳のこういうところは「まだ子供である」部分だよな。美佳自身は「1年半も監視官をやってる」と豪語するものの、実際のところ経験不足は否めないし(半年しか先輩でない朱が経験豊富に見えるのは朱がそれだけ壮絶な経験をし、それを糧に成長したということ)、自分の未熟さにすら気づいてない証左なんだよな。そして美佳が自分の未熟さに気づけないのは、飛び級で高等教育を卒業したのと、史上最年少で監視官の適正が出たという「エリートの自負」があるからで、おそらく1期から2期の間の1年半で美佳はこれといった挫折を経験してないんだろう。責任取りたがらないところを見ても、多分、失敗はあっても朱がフォローしただろうし、基本、彼女は失敗は人のせいにするタイプだろうな…そっちのほうがサイコパスも濁らんしw
おまけに相方は半年しか先輩でない朱だし、朱に対する恨みだってあるだろうからなぁ…璃華子事件の。美佳にしてみりゃ、朱(やギノ)は璃華子を取り逃がした「無能」でしかないんだもの。そこにエリートの自負があるから、(璃華子を取り逃がした無能である)朱より(飛び級卒業で史上最年少監視官登用のエリートである)自分が劣ってるわけがない…という思いがあるのは当たり前の流れかもねぇw
だとすると、美佳が覚醒するためには、明らかに「自分のせい」で取り返しがつかないこと(おそらく目の前で誰かが死ぬ)が起きる必要があるんだよな…。それを乗り越えるか壊れるか…は、彼女が劇場版に登場するか否かにかかってる気がするが。
そして増田代議士の通話記録を洗っていた朱たちに分析室からの返答が届く。予想通り増田は講演会前日に毎回誰かと連絡を取っていた。そしてその端末を特定する…と、使用者は不明だが、その端末の現在位置は件のメンタルケア施設だった――!

美馬老人によってまたも暴行される青柳さん。そこにタイミングの悪すぎる美佳からの通信。それによって施設前に公安局がいることが老人にバレてしまう…って、完全に美馬老人(と鹿矛囲)の思う壷だってばw
そして美馬老人は外へ向かってマイクで叫ぶ。「力で抑圧する者たちよ。私の言葉を聞きたまえ」と。「誤った処方により一切のストレスが消えた人間の成れの果てを」とユーストレス欠乏症の名を挙げた老人。
うおぉぉぉ、ここで1期と繋げてきたかー!!
それこそ璃華子事件の時に出てきた病名なんだけど、「メンタルケアの弊害」と「公式には秘匿されている」ことだけが語られてて、それ以上は切り込まれなかったんだけど、2期で切り込んできたぁ!! やっぱり2期は1期だのスピンオフだのあらゆるところから超ロングパスが飛んできてるなぁ…。
かつて美馬老人はユーストレス欠乏症で死にかけた身だった…。「私は告発する。生きる喜びを奪う、恐ろしいメンタルケアの実態を…」「そして、人々を救うのだ…鹿矛囲のように」と、この事件を起こした目的を老人は語る。
またも鹿矛囲の名が出たことに驚く弥生。一方、美佳は「イカれた人たちの共同幻想か何かなわけ!?」と取り合わない。ここで美佳は「ユーストレス欠乏症なんて、くだらない都市伝説」と信じてないんだけど、実はそのユーストレス欠乏症こそが璃華子が事件を起こした(父を殺した社会に復讐した)元凶であり、美佳が親友(加賀美)を失うことになり、監視官を志した発端に繋がっているというのが、なんとも皮肉が効きすぎてますわ。
青柳さんとの連絡が取れない。そして老人の演説。弥生は施設内で青柳さんらが老人に拘束されている可能性を指摘。美佳に犯人の制圧と人質の救出を訴える…が、案の定、美佳は「そんな要請は受けてない」と動こうと(執行官に命令を下そうとは)はしない。
…いや、スゲェ、1期のギノさんより使えないじゃーん! とか思うんだけど、「美佳はまだ子供」というのを差っ引くと、「お子様監視官の判断の限界はこんなもん」と諦めるしかないのかもな…。とりあえず極力、朱ageギノage美佳sageはやめよう…と思う。よく考えたら美佳ってシビュラの意に沿って生きてる人間の代表格なもんだから、「視聴者からの憎まれ役」「朱の優秀さの引き立て役」「1期ギノは決して無能じゃなかったという対比役」の3つを担う結構不憫な子なんだよな…。1話のギノじゃないけど「目の前の現実から目をそらしてちゃ大人になれないぞっ(*´艸`*)」って生温かく見守ったほうがいいのかもなw

メンタルケア施設へ急行する朱たち。朱は雛河に通信を入れ、周辺でホロをまとった人物がいないか調べるよう指示。「きっと雛河くんにしか見極められない」という朱…って、朱ちゃんよ、そういうのって絶対男を誤解させるから!! 雛河みたいなコミュ障とかは一発で誤解するから!! …あぁ、だから「雛河の片思い」とか言われるのかw 朱ちゃんさん、罪な女…。
異常なまで精巧なホロを作ることから、鹿矛囲はホロに強い執着を持っている可能性が高い…と東金。それをギノは「透明人間が着る服のようにか」と例える。
そして朱は「すべてが鹿矛囲の計画なら、目的は何? どうしてここまでするの?」と、鹿矛囲の思考に近づこうとする…。

すぐさま周囲でホロをまとった人間がいないかを探す雛河だが、該当する人物は見つからない。そんな雛河に気づき、咎める美佳。朱の命令と雛河は説明するが、美佳はあくまでもこの現場の指揮官は自分であると主張し、自分以外の命令は聞く必要がないと言う。
そこに到着する公安車両。3係が到着し、今からこの現場は3係が預かるのでこちらの指示に従えと美佳に告げる。納得できない美佳は「何の権限があって」と憤慨するが、3係・錫木監視官の「局長の命令だ」という言葉に、「局長が私を外した…」と信じられない顔をする美佳。
…え? 霜月さん、アナタ、あの局長に気に入られてるとか思ってたんです!? え…マジで!? それって幻想だったんじゃないんですか!? 大体ね、美佳ちゃん、監視官なんて所詮、局長=シビュラの駒なの。使えそうな監視官を駒にして公安局(警察機構)を動かして、(シビュラシステムおよびシビュラが支配する社会にとって)都合の悪いことは秘匿する…っていうのが局長なの。そしてね美佳ちゃん、アナタ絶対、その局長=シビュラからは駒にすら思われてないから!
まずもってね、美佳ちゃん、アナタが「(璃華子事件を解決できなかった無能のくせに)局長のお気に入り」と嫉妬している朱ちゃんでさえ、そのサイコパスの濁りにくさと遵法精神から「(そう遠くない未来)シビュラが市民に正体を開示するとき、市民を懐柔するための手法を探るためのサンプル」としてしか扱われてないの。だからね美佳ちゃん、アナタが局長に重用されてないと感じているのなら、それはアナタの歪んだまでのエリート意識が逆に局長にウザがられていると思うの。オバちゃん、あまりアナタをsageたくないんだけど、多分アナタ、「私は優秀です!(ドヤッ」って割に結果を出してないから局長に相手にされていないんじゃないかしら? 局長=シビュラ様は全部まるっとお見通しよ? なにせアイツら、損得勘定得意だから、使える人間に擦り寄るのと、使えない人間を切り捨てるのは早いでぇ…美佳ちゃん、気をつけなはれ。
3係に野次馬と報道機関の排除を命じる局長。その目的は、ユーストレス欠乏症の隠蔽…「そもそも、そんな妄言を信じる人間がこの社会に存在するはずもない」と呟く局長。
…そうだよな、普通であればその「妄言」を信じた瞬間に犯罪係数が上がって社会から排除されるんだから、「存在するはずもない」わな。そりゃ局長=シビュラも自信満々に言いますわw

朱は今回の事件と最初の(喜汰沢の)事件との共通点が「監視官を引き離し、孤立させること」であることを挙げる。狙いは監視官なのか…? しかし朱はもう一つの可能性を挙げる。それは、監視官自身ではなく「ドミネーター」ではないか…と。
普通ならありえないが、山門屋執行官を撃ったのは酒々井さんではなく、鹿矛囲――適性のない者が何らかの手段でドミネーターを使ったのではないか。あの事件そのものが、そのための実験だったのではないか…そう推理する朱。そして朱が深みに入っていくのを察したギノは「もういい加減にしろ」と止めるが、朱は推理をやめない。
「透明人間…姿は見えなくても残された足跡を追うことはできる」…と。

そしてついに3係が行動を開始。まずは施設の電力をシャットダウンする。人質はさらなるパニックに陥るが、美馬老人は「くだらんことを…」と動じない。
そこで意識を取り戻した青柳さんはガラス片を握り、老人に忍び寄る。「私は監視官」…あくまでも彼女は「正義を守る者」として戦おうとする。…アカン、アカンて青柳さん! 犯罪係数爆上がってるって!! 下手すりゃ死ぬって!!
雄叫びを上げ、青柳さんがガラス片で美馬老人を切りつけた瞬間、ついに現場にエリアストレス上昇特別警報が…。警報に驚きつつ、蓮池は「こりゃ中の奴はサイコパス保ってらんねぇな…」とドン引き。まさかその中で青柳さんが戦っているとも知らず…。

鹿矛囲がドミネーターの使い方を知ろうとしていることに気づいた朱は、今回の事件が公安局に包囲されることについても計算済みならば、今回の目的は自分が撃つことではない…と推理する。「誰かを(ドミネーターで)撃たせること」が目的なら、何故そんなまわりくどいことをして誰を? と問うギノ。
そして朱は気づく。目的は監視官――青柳さんではないか…と。

突然出てきた新型ドミネーター。とてもデジャブを感じると思ったら、戦隊のバズーカ系の武器だったわw でもさすがにこれはバンダイも作るまいw
障害物越しにでも犯罪係数を測定できる=撃てる…ってことか。多分、槙島事件での暴動の教訓から作られたんだろうけど、秘密兵器どころか穴だらけな気しかしないw そして測定された2つのうち片方が青柳さん…か。しかしドミネーターって監視官に向けたら警告出るはずじゃ…いや、犯罪係数が100を超えた時点で、もう「監視官」ではなくなる=「執行対象になる」ということか…orz
美馬老人から端末を奪った青柳さんは老人にドミネーターを向けながら施設のシャッターを開ける。美馬老人に向けたドミネーターがグリーンシグナル…ってことは、さっきの犯罪係数のもう片方は美馬老人で、そして青柳さんのドミネーターのロックは解除されている…ってことだよな?
「人と法を守るために、私はお前を――」そう叫び、ドミネーターの引き金を引こうとした瞬間、青柳さんが…青柳さんが…青柳さんが執行された―――――――!!
青柳さん死んだああぁぁぁ―――――――っっ!!
うあ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁうあ゙ぁあ゙ぁぁっっ!!
人質から悲鳴が上がるも、大津だけは無表情…てか、もしかしなくてもコイツ鹿矛囲だろ!! コイツだけ服を脱がされなかったのは、美馬老人の協力者なこともあるけど、ホロだから元から衣服を脱がせるのは不可能(おそらくレイヤーを重ねているので裸体の設定はあっても「服を脱ぐ」という行為ができないため逆に不審がられる)。そして青柳さんを助けるふりをして、彼女の犯罪係数が上がるように仕組んだ…とすれば、朱の言う「実験の目的」からしても合点がいくぞ!?
…あぁ、なんかだんだんぼんやりと…本当にぼんやりとだけど色々と繋がってきたぞ…点と点が。
多分、2話のカウンセラーもホロかぶった鹿矛囲…だったんじゃないか? そこで喜汰沢に暗示をかけて犯罪係数を下げ、朱の部屋に侵入したときに灰皿を見た=喫煙していると誤解した…とか。

遮蔽物があっても撃てる新型ドミネーター=強襲型ドミネーターの実戦投入の首尾は上々…と、満足気な3係・堂本監視官。しかし「エリミネーターが発動するほど、施設内の人々の心的負荷を高めるような真似をしておいてですか?」と憤る弥生。だが堂本は「命令に従ったまで」と取り合おうともしない。
「仕留めたのは犯人で間違いないな?」と撃った執行官に堂本は尋ねるが、「犯罪係数が高いほうを執行しただけ」と、青柳さんを撃ったことには未だ気づかず…。だよな、監視官がエリミネーターレベルまで犯罪係数を上げてるとか普通はありえないし、犯罪係数に従って執行するのが、あくまでも公安局監視官や執行官の仕事だよな…。
そして中から人質たちが飛び出してくるが、全員が執行対象。そしてエリミネーターレベル…。次々に執行されていく人質たち…彼らは被害者なのに…orz
…てか、エグいにも程がある!!
そりゃ、虚淵も「2期は俺が見ても引くくらいエグい」って言うわけだよ!!
ただな…ここで私が感じた「エグさ」ってグロ描写じゃないの。このレベルのグロいのは特段なんともないんですよ。なにせ仕事で鶏の解体…それも臓物担当して捌いてるもんで、臓物が飛び散るくらいの描写は平気でございます。
私がこの4話を見て「気持ちが悪くなった」のは、正義を貫こうとして執行された青柳さんの報われなさとか、何故に彼女が死ななければならなかったのかという憤りとか、「正義(システム)が(個人の)正義を殺す世界」に対してとにかく叫び出さずにはいられないような行き場のない気持ちがグルグルしたからなんだよ。
ただ、前述したように、サイコパスの世界は我々の現実世界とは価値観が違う。この世界における正義は「シビュラが定めた犯罪係数」…すなわち数字。「個人の正義」なんてものは「シビュラという正義」に殺される世界。この世界と我々の世界の価値観の相違を知った上で考えると、誰も間違ってないんだよ。
ドミネーターに従ってしか動けない美佳も、局長の命令を遂行しただけの3係も「正しいこと」しかしてないことには変わりないんだよ…。
だからこそ、その「どこにぶつけていいのか分からない胸クソの悪さ」がグルグルして気持ち悪くなった。…事実、放送後2時間ほど(夜勤中だったというのに)マジで寝込みました。
今回はな…我々視聴者が忘れていた「サイコパスって犯罪係数が正義を決める世界ですよ」という基本中の基本に立ち戻らさせてくれる話だったんだな。
1期で狡噛さんや朱が「己の正義」を貫き、2期も朱が己の正義を貫き続ける話なもんだから、すっかり忘れていた基本中の基本を、この4話で「忘れていやしませんか? この世界と貴方たち視聴者がいる現実世界では価値観が全く違うんですよ」と突きつけられたが故の胸クソの悪さ…これをエグいと言わずに何と言う。
そもそも、この世界においては「自分の中に正義を持つ」ことのほうが「異質」なんだよ。ましてやそれを最後まで貫き通すなんて困難。だから青柳さんは死ななければなかった…。彼女の中に芽生えた「正義」は間違ってはいない。だけどシビュラはそれを排除した。彼女は最後まで「監視官」――刑事たろうとし、それを貫き通したことで逆に命を落とさなければならなかった。おそらくこれがこの世界において「自分の中に正義を持った者」の末路としての普通なんだろう。
征陸のとっつぁんやギノのように「自分の中に正義を持った者」でも、社会と折り合いをつけることで生き残るものはいるけど、それでも潜在犯として社会から排除されてしまう。そして狡噛さんに至っては己の正義を貫き通すために社会から逸脱してしまったわけだ。
つまり、朱が「己の正義を貫き続ける力」がチートすぎることを我々視聴者は忘れてしまってたんだよな。あくまでも朱が己の正義を貫き続ける過程において犯罪係数が上がらない(サイコパスが濁りにくい)のは彼女のチートな部分であって、そのチートさ故に彼女は己の正義を貫き通すことができている。そこを忘れてしまっていただけに、極端な話「2期は朱以外全員無能」に見えてしまっていた。無論、そう思うのも間違いではない。我々の価値観ではそう見えるから。
ただ思い出させられたついでに忘れちゃいけないのは、基本このサイコパスという話における胸クソの悪さは、誰かが、何かが悪いではなく、あの世界の価値観と、我々がいる現実世界の価値観の相違から生み出されるものである…ということだ。
そしてそこまでたどり着く(考えを消化する)のに3日程かかりました、ワタクシ…。そしてなお、見返すたびに気持ちが悪くなるので、ようやくフォロワーさんの言う「癒やし枠」の必要性を真面目に感じましたw
マジでこの4話だけは色相浄化できるコンテンツを用意しない限り、見ちゃダメだと思う
そんな理由で私は配信組や録画組にはあえて視聴をおすすめしていません。次回(5話)と一緒に見なよ…と勧めているものの、先行組の「早く放送を見て欲しい」というコメントをどう受け取ったらいいのか分からない。期待して待てばいいのか震えて待てばいいのか…。
目の前の惨劇を目の当たりにし、美佳に止めるよう促す弥生だが、目の前の事実を受け入れられない美佳は「だって、もうこれは1係の事件じゃない」「私たちには関係ない」と現実逃避。そんな美佳に弥生が怒りすら覚えた瞬間、朱たちが到着。現状を目の当たりにしたギノは「やめろ!」と叫び、朱もまた「お前たち、何をやっている!」と怒りを爆発させる。
…んー、なんか朱ちゃんが「お前たち」とか「何をやっている」と言うのって、違和感。怒りでキャラが変わるタイプじゃないんだけどなぁ…朱は。ただ、この場を止めるためにあえてそういう口調にした…ってことも考えられはするんだけどさ。

監視官もドミネーターで裁く(殺す)ことができる…と確認した鹿矛囲は、美馬老人とともに逃走しようとするが、老人は「私は今、何色なんだろうか?」と鹿矛囲に問う。自分の存在を取り戻したことに満足した美馬老人は「このままここにいさせてくれ」と鹿矛囲だけ逃走するよう促す。「私にできるのはこのくらいだった」「君なら、世界を変えられる」「会えてよかったよ、鹿矛囲…ありがとう」…そう言い残し、老人もまたエリミネーターで執行される。
そして鹿矛囲はまた問う。
「見えているか。僕たちの流す血の色が」「僕たちが何色か」
…もしかしてさぁ、犯人たちが鹿矛囲に「自分は今何色だ?」って問うのって、それこそ鹿矛囲によって「色」をつけられてるからだよねぇ? そして鹿矛囲が「何色か」って問うのは、それこそ色を意図的につけることでしか存在できない自分の存在を問うている…ってこと?
どちらにせよ、自分の存在を否定するシビュラに対して挑戦する…という部分は槙島も鹿矛囲も一緒なんだけど、槙島が「シビュラでなくてもいい。誰でもいいから自分だけを見つめてくれる存在」を欲したのに対し、鹿矛囲には「シビュラが僕を見つけてくれないのなら、みんな僕と同じになっちゃえ」という槙島以上の駄々っ子理論を感じるんですけど…。
ともあれ、鹿矛囲の真相を知った時には「ああぁぁ…」ってなりそうな気がする。だから最初から「狡噛や槙島以上の存在は作らない」って示唆されてるわけよね…って。2期はまぁ、人物そのものが脅威なんじゃなくて、起こされる犯罪そのもののほうが脅威なんだろうとは思ってるけどさ。

施設内部に入った朱たち。そこでギノは血溜まりの中に破損した監視官デバイスを見つける。この中にいた監視官は――「嘘だろ…青柳」ギノは呻く。
そして東金はまたしてもあのメッセージを見つける。床に書かれた「WC?」の文字。
「これは、この社会のすべてに問いかけているのかもしれない」…そう呟く朱。「自分は何色か、そして…」
鹿矛囲もまた呟く。「シビュラ、お前は何色だ?」…と。
人混みに紛れて悠々と逃走する…というのが、1期11話の槙島のリプレイだなぁ…。「善良そうに見える人間が実は…」というこの皮肉感…いいね、これがサイコパスだよ!
胸クソ悪くなる青柳ハザードからのこの流れ…そう、この皮肉感こそがサイコパスだな。4話は何かと基本中の基本に立ち戻らせてくれる回だったな。今更世界観を説明しないから、こうしてズドンと視聴者を刺しにくるとか、上手いことやりやがったし、こちらはヤラれたわけだ。
でもって、サイコパスの世界の価値観と我々の現実世界との価値観の相違」がサイコパスの胸クソの悪さの源…と前述したんだけど、実はその価値観は地続きなんだよ…っていうのもなかなかの胸クソの悪さだと思う。
我々が「おかしい」と思うサイコパス世界の発端が、実はこの我々の現実世界にある…ということもサイコパスにおけるイイカンジの皮肉というか、SFにおける現代社会への警鐘なんだよなぁ…。今現在ある風潮だと「怪しい奴は犯罪者とみなせ」とか、モロにシビュラシステム的でしょ?
そういう「全く別世界の話」とはさせない、今現在から続く先に「あるかもしれない未来の可能性」という警鐘まで含まれてるからな、サイコパスの胸クソの悪さは。
改めて考えてみても、なかなかの「ディストピアもの」だわ、サイコパスって
そして鹿矛囲の顔にある傷…これはキーポイントだろうな。なんとなくだが、例の飛行機事故と繋がってそうな予感。徐々に…おぼろげではあるけど点と点が線で結ばれてきた…けど、果たしてどう繋がるのか?
ともあれ、塩谷いわく、この4話で2期の第1幕が終了。次回5話から第2幕…ってことなんで、もうひとつ事件が起こって、それが鹿矛囲に集約していって直接対決…ってことになるのかな?
…てか、4話にして青柳さん死ぬとか、あと何人死ぬんだよ!? 絶対最低でもあと2人は死ぬだろ!? 酷けりゃ5人は殺す気だろ!?
あとサブタイの「ヨブの救済」というので、サイコパスって意外と聖書引用が好きなんだけど、ヨブについて調べるとこれまたイイカンジの皮肉が効いてたわぁ…「信仰を保つために与えられた試練」とかさ…。「信じる者は救われる」を通り越して「信じなければ殺される」…それが正義(システム)が正義を殺す世界か。
確実に言えるのは、今のところ、この2期4話はサイコパス史上最高に胸クソの悪い、ただしサイコパスの世界の基本を最も描いている話だということだ冲方丁…恐ろしい奴め。
そしてお願いだから5話はライトにお願いします…マジで。

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PSYCHO-PASS サイコパス2 #03「悪魔の証明」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

青柳さんの死亡フラグスカイツリー状態でござる の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


鹿矛囲に囚われた酒々井さん。手にドミネーターを握らされたまま固定され、一体自分の身に何が起きているのかが分からない。
「時に興奮状態が色相の浄化に役立つ場合がある。常に穏やかでいようとするよりも」…そう声をかける鹿矛囲の傍らには溶液に入った眼球――「どうしても監視官の目が必要だった」と言う鹿矛囲に、それが自分の眼球であることに気づいた酒々井さんは大パニック。もちろん犯罪係数も爆上がり。
そんな酒々井さんに「恐怖は今だけだ」「君をクリアにしてみせる」と諭す鹿矛囲。
「君の苦しみはよく分かる」「君を縛りつけているのは君自身」「思い出すんだ。忘れてしまった本当の自分を」とまるでセラピーか暗示のように酒々井を落ち着かせていく鹿矛囲。すると酒々井の犯罪係数は85まで下がる。
…なるほど、薬物+暗示がサイコパスをクリアにするカラクリね。鹿矛囲が救世主然としてるのと合わせると、とっても宗教のニオイがしますなw
落ち着きを取り戻した酒々井に微笑みかける鹿矛囲は、彼女に言う。
「君とこの世界をクリアにしたい。限りなく透明に」
…うん、これは酒々井さんを使って公安局を内部から崩す作戦だ。

そして完成形ではなかったらしいOPにエフェクトがかかりました。

2期もOP比較をやってくれた職人がいたので、比較はこちらで。
D


自室の壁に「WC?」の文字を残された朱は、侵入者の痕跡を探るべく、ギノ・美佳・東金と調査。しかし、侵入者があった痕跡は皆無。
美佳は朱が正気を失って自分でやったと判断し、「今ならセラピーで解消できる」と言うが、当然そんなはずはない朱は憤る。ギノさんもスキャンデータなどから痕跡がない以上侵入者があったと判断できないと、ただ事実を言ったまでだが朱は自分を信用していないと受け取り、ならば自分にドミネーターを向けて正気かどうか判断しろと迫る。
「そんなことは…」とギノがたじろぐ間に美佳は朱をスキャンして色相と犯罪係数を調べるが異常なし。
その間も部屋内の調査を続ける東金は、「侵入者などいるはずがない。だが同時に監視官が正気を失ったとも考えられない。現状起こりえないことが2つ重なっている。しかし、必ずどちらかが起こった」「2つの可能性が等価なら、執行官は監視官を信じるべきだ」と、朱を信じるべきと言う。
狡噛さんほどの超推理ではないにせよ、起こった事象を客観的に分析して判断するあたり、やっぱ東金さんは狡噛さんをダブらせる人なんだけど、朱がどう傾いていくのか、それとも傾かないのか。1期最終回で朱が美佳に言った「執行官を信用する分、用心もしろ」とは元は狡噛さんの言葉(マンガ版)なんだけど、朱自身がそれを一番よく分かってるはずなので、たとえ東金さんがどれだけ狡噛さんを思わせる存在でも傾きはしないだろうと思うんだよな。当の狡噛さんであっても彼女の中にある「心の天秤」は揺れることはあっても絶対に傾かなかったし。それがある意味「正義の女神」*1でもある常守朱なんだよな。
もっとも、2期が「常守朱が自分の正義が正しいと常に証明し続ける戦い」である以上、彼女の心の天秤は揺らぐことはあっても決して傾いてはいけないんだけどな…なにせそういう呪いも狡噛さんにかけられてるし。ただ、朱の心の天秤を揺るがすことの2つ3つは起こるだろうし、それが朱の戦いなんだろうけど。
でもって美佳のコートが地味というかもっさりでビックリしたw これはノイタミナアパレルで商品化されないわ…商品化されたら笑うわ…というレベルでw

朱が何者かに狙われることになったため、(そのことに疑問は感じるが)規律に従い朱の両親は公安局に保護されることになるだろうと告げる美佳。しかし両親は大丈夫だろうが、動けない祖母はそうはいかないだろうと答える朱。
…これは朱の家族も狙われるフラグだな。

そして公安局へまっすぐ戻らずに朱が寄り道した先は潜在犯隔離施設。
先に戻ってよかったのにと言う朱に対して「監視官が隔離施設に何の用?」「私はそれを知る義務がある」と大見得を切ったものの、相手が雑賀先生と知って「気分が悪いので先に帰る」と踵を返す美佳。…ビビったなw
なんかこう…言うまでもなく美佳って「視聴者からの憎まれ役」なんだけど、なんでまた2期に限ってそれが必要なのかな…と考えてみた結果、2期って1期以上に群像劇だからかな…って。
1期は「狡噛と槙島の宿命の戦い」と「(それに巻き込まれた)朱の成長物語」という2つの軸があって、群像劇はそれに付随するものだったけど、2期は群像劇の中に「朱が自分の正義を証明し続ける戦い」があるんだな…と。
社会・組織の中で人はどう動くのか。その中で朱は自分の正義をどう貫くのか。
それが2期のドラマの描き方だとすると、確かに憎まれ役は必要だな…と。そしてその憎まれ役は主人公=朱のそばにいないといけないよな…と。

逃げ出した美佳を見て「あのお嬢ちゃん、よっぽど俺が怖いらしい」「俺と話せば犯罪係数が上がると思ったんだろ」と笑う雑賀先生。
「そういうものですかね」と不思議がる朱に「お前さんは変わり者なんだ。もっと自覚を持て」と言う雑賀先生…えぇ、朱ちゃんニュータイプですからw
雑賀先生に訪ねてきた理由を問われ、「私は正気に見えますか」と尋ねる朱。
事件の概要を説明し、「WC?」のメッセージを残せる可能性がある者の存在を雑賀先生に訊くが、逆に先生は「俺を鏡として使おうってわけか」と朱の目的を理解する。
「そういうのはもっと健全な人間にやってもらえ」と言う雑賀先生に「先生以上の人はいない」と答える朱。
多分、朱ちゃんがこうやって雑賀先生を頼るのって、狡噛さんとシンクロしきれない時とか、シンクロしてなお迷う時…なんだろうな。判断を仰ぐのではなく、知識や考察の違った切り口を見つける面で。狡噛さんがそうであったようにさ。
しかしキービジュアルやEDでは分析官になることが示唆されてる雑賀先生だけど、朱を突き放そうとしている面があって、さすが雑賀教授、一筋縄ではいかないぜ! そこにシビれる、憧れるぅ! なんだけど、この雑賀教授を朱ちゃんがどう口説き落として分析官にするのか…が非常に楽しみ。
朱の目的を理解した雑賀先生は「分かったんだろ、メッセージ」と、まずは朱の回答を聞く。
「【WC?】は『What Color?』のイニシャル」と答える朱に、「このご時世に妙なことを問うもんだ」と雑賀先生。
…待て、本当に「What Color?」でいいの!? 簡単に予想当たっちゃったけどいいの!? 2期ってば、犯罪ギミックは薬物+暗示とか、簡単に我々予想を当ててしまってるんですけど、本当にいいんですか!? 逆に「実はそうと見せかけて違う意味があるんじゃ…」って疑っちゃってますけど!?
色というのが色相を指すならわざわざ人に問う意味が分からない。その程度はチェッカーで簡単に確認できる…と「色を問う」意味が分からないと朱。そして「そもそも誰に対するメッセージだろうな」と雑賀先生。
現場にいた人物か、それを見ることになる公安の人間か…。
あるいは、自分自身への問いか――。
「自分自身への問いか」と言った朱を見た雑賀先生の表情が気になるな。そして多分これ、「自分自身への問い」…なんだろうな、鹿矛囲の。
…とすると、やっぱり鹿矛囲は槙島とは真逆…か。
「世界を透明にしたい」という鹿矛囲の動機を解き明かす必要があるにせよ、おそらく槙島と鹿矛囲は「シビュラへの憎悪」という根底の部分は一緒でも、そこから芽吹いて枝分かれした感情が真逆な気がする。シビュラに認識されないから誰かに見つけて欲しかった槙島に対して、鹿矛囲は自分がシビュラに認識されないから、みんな自分と同じ透明になってしまえばいい…という風に見えるんだよな。
あと槙島も鹿矛囲も人を引きつけるカリスマ性があるけど、槙島は周囲に人が(その個人の意志で)「集まってくる」のに対して、鹿矛囲は暗示で自分に従わせて「集めている」ようにも感じる。槙島の犯罪は(裏で槙島が手を引いていたとはいえ)スタンドアローンだったのに対して、鹿矛囲は現時点では起こった犯罪のその先にそのまんま鹿矛囲が見える組織的とも言えるものだし。
ともあれ、鹿矛囲を槙島以上の存在にはしないと言われている以上。鹿矛囲個人としては劣化槙島かそこまで至るかどうかというレベルなんだろうけど、彼が引き起こす犯罪が槙島事件以上の脅威を与えるのだろうな。
事件よりも槙島の存在が脅威だった1期に対して、鹿矛囲が起こした事件そのものが脅威の2期…そんなところか。

2つのメッセージの共通点は「現場の監視官以外書いた人物がいるはずがないということ」。青柳さんはそれを指して「透明人間」と言った。そして雑賀先生は「自分の色を失い、問うて回る透明人間」と、まるでお伽話だと言う。
この捜査を進めたい朱は、一筋縄ではいかない事を自覚し、「先生しかいない」と先生の助力を得たいと願う。
なんかね、「先生しかいないんです」って言う朱ちゃんの思いつめた顔がなんとも切ない…。多分な、朱ちゃんは捜査する時、「狡噛さんならどう考えるんだろう」って思考を狡噛さんとシンクロさせてるんだろうけど、当然シンクロしきれない時もあって、そういう時に先生を頼ってるのかもな…って。あの狡噛さんですら師匠=雑賀先生を頼ることがあったんだから、朱ちゃんはもっと頼るよな…と。
しかし、朱ちゃんから見たら雑賀先生は師匠(狡噛さん)の師匠なんだけど、雑賀先生から見たら狡噛さんと朱ちゃんは兄弟弟子…になるのか?
仕方がないとばかりに溜息をつきながらも、雑賀先生は朱に「変えようのない事象」「確実に起こった事実」を挙げさせる。
壁に書かれた「WC?」のメッセージ。そして一度は下がった喜汰沢の犯罪係数を挙げる朱。
ならば逆に「想像にすぎない事象」は?
スキャンをかいくぐり、メッセージを書いた人物の存在。喜汰沢の犯罪係数を下げたとされる鹿矛囲という存在。
「しかし、その鹿矛囲が存在しなくても、メッセージを書いた人物と喜汰沢の犯罪係数を下げた方法は確かに存在する」――いわゆる『悪魔の証明』だと答える先生。
現時点で「透明人間」の存在を証明する方法はない。だが逆にいないと断定することもできない。
つまり「お手上げ」だと言う先生。
だったら「透明人間」の存在を証明できれば、まだ手はあるということ…と尋ねる朱に、「俺と交渉しているつもりか?」と公安局に手を貸す気はないと突き放す先生。
酒々井さんが独走扱いのまま行方不明であることに先生なら思うことがあるはず。狡噛さんの逃亡に手を貸した自責の念から隔離施設に自ら進んで入った先生なら…と、朱は更なる協力を請う。先生は「情に訴えてどうにかなる相手だと思うのか?」と更に朱を突き放そうとするも、「僅かな可能性でも手を尽くすことの価値を知っている。先生はそういう人」と言う朱。
…おっと、先生の分析官就任フラグが立ったか?
そういやここでは「狡噛さんの逃亡に手を貸した自責の念」で先生が隔離施設に自ら進んで入ったことになってるけど、小説版にあった狡噛さんのお願い(公安局から何らかの取引があったら乗って欲しい)を受けて自ら出頭して*2隔離施設に収容された…ってことでいいのかしら?
とはいえ、先生が持ってる「自責の念」って、朱から見たら「狡噛さんの逃亡に手を貸した」なんだけど、先生自身は「槙島を殺すという汚れ仕事を狡噛さんに負わせた」ということなんだよな…。別に先生自身は狡噛さんが逃亡することも、狡噛さんが槙島を殺そうとする行為自体も否定はしてないし、それに手を貸したこと自体は間違ったことをしてないと思ってる。けど、「本来ならば社会(法)が裁くべきはずの犯罪者を狡噛さんに裁かせることで彼を犯罪者にしてしまった」ということを、先生は後悔しているというか、自分が社会に参加していたら違う方法があったかもしれない…と思っているフシはありそうなんだよな。ともあれ、この後、先生が分析官になるのに理由があるとしたら、「社会に参加してこなかったツケを払う」時が来たから…かもしれないな。

その頃、ギノさんの部屋を青柳さんが訪れる。
ギノさんの部屋はキッチンのイスやソファーを見るとどうやらとっつぁんの部屋をそのまま受け継いで、狡噛さんのところからトレーニング機材をもらってきた…ってところかな?

しかし、ギノさんとこにダイムがいて、なんだか安心した。失うばかりのギノさんだったけど、最後の「家族」だけは失わずに済んでいたんだな…と。そしてこうして見ると、インテリアとかコインのコレクションとか、「ギノの部屋」として個性を確立してるんだけど、とっつぁんの酒とか狡噛さんのトレーニング機材とかが同居してる部分が、ギノの「残された者」感(観)をあらわしてるな…と。
朱ちゃんが失った者を「なぞる」なら、ギノは失った者を「同居」させている。そして朱ちゃんが失った者をなぞって「消化(昇華)」していくのなら、ギノは失った者を同居させ、「澱のように沈殿させて」いくんだろうな…と。
…にしてもギノさんムキムキになりすぎwwwwwwwww

いつの間に狡噛さんレベルになりやがったwwwwwwwwwwwwww
そして素朴な(?)疑問として、そのラン…いや、タンクトップが部屋着なのか下着なのかと考えた挙句、下はどう見てもスーツのズボンである→ということは上着脱いでネクタイ外してYシャツ脱いだ状態→ギノは透け乳首気にしてYシャツの下に下着を着るタイプ…という結論に至ったよねw(しかもその議論をした相手は男性フォロワーさんだったw)
「親父の遺した酒だ」と青柳さんに酒を勧めるギノに青柳さんは「私は監視官よ」と断るが、そこに「そして人間だ」と言うギノは、青柳さんが自分を訪ねてきた理由をなんとなく察してるな。
なんかこう…ギノと青柳さんにはイイカンジの男女の友情を感じるよなぁ。ギノさんが監視官だった頃もこうだったとは思えないけど、ギノさんが執行官になってからはこういう穏やかないい関係なんじゃないかなぁ…って。あとよく考えたら青柳さんが愚痴とか弱音吐ける相手って、現状ギノさんしかいないんだよね。同期なのもあるし、もちろんギノさんが元監視官なのもあるし。しかし、お前らくっついちゃえよ…と思っても、ギノさんは絶対「いい人」で終わっちゃうキャラだよな。確かなんかのトークショーで「20歳ぐらいの時にギノさんは付き合ってるつもりの女性がいたが、相手はそんなつもりはなかった。ギノさんの彼女いない歴20年はそういう意味」*3って言ってたらしいしな…。
「監視官を10年勤め上げれば厚生省のポストが待っている。そこからは人生安泰のはずだった…。だけどうまくいかないものね」と愚痴る青柳さんに「嫌味か? 今の俺には耳が痛い」とギノは苦笑う。
ここで青柳さんの言う「うまくいかないものね」が何を指しているのかは分からないんだけど、小説版では狡噛さんの逃亡に手を貸した(局長命令を無視して狡噛さんをなんとか捜査に加えようとした)ことで昇進にストップがかかったされてるんだけど、もしかすると彼女も1期のギノさん同様、犯罪係数が結構危ない所まできてるのかもしれない…?
「どこで道、踏み外したんだろう?」…青柳さんは問う。1係に協力して狡噛さんを逃がそうとした時か、恋人でもあった神月執行官を撃った時か…。
「お前に責任はない。逃亡した執行官を撃つのは監視官の責務だ」と神月を撃ったことに非はないと慰めるギノ。まぁ、ギノにしてみたら、たとえ恋人でもドミネーターで執行官を撃つことができた青柳さんは、当時の自分より監視官の責務を果たしている、果たし続けている存在なんだよな…なにせギノは親友でもある執行官(狡噛さん)を撃てなかったわけだから。

「気持ちと責務は交わらない…そういうこともあるんでしょ」
当時のギノの気持ちを察してか、青柳さんはギノにそう答える。そして一度は断った酒を紅茶に入れた。
この酒のシーンで、「ギノのおかげでウィスキーが飲みたくなった。それもニッカを」と、サイコパスとマッサンの奇跡のコラボレーションが起こるというツイートを目にして笑ったw
「ふと思うことがあるの…。彼を殺した瞬間に、私の感情に蓋みたいなのができちゃったんじゃないか」と、青柳さんは監視官ではなく「ひとりの人間」としてギノさんに心情を吐露する。紅茶に酒を入れたのはそういうことか…。
「喜びも悲しみも一定量までいくとその蓋に引っかかってそれ以上溢れてこない。全力で何かを感じようとしても、蓋の外側の自分がどこか冷めた目で見てる。そんな感覚…」と言う青柳さん。なんだろう…1期で志恩さんが朱ちゃんに言ってた「心とサイコパスは別物」っていうのと一緒だな。ただ、朱ちゃんは悲しみに暮れてるのにサイコパスがクリアなことに苦しんだけど、青柳さんはそれと逆の状態にある気がする…。感情はフラットなのに犯罪係数がヤバい…みたいな。
「だけどね、ドミネーターを手にしている間だけは、その蓋が外れかける気がするの。外れそうになるから理性が止める。その理性こそが、私を監視官たらしめている」…青柳さん、それ、絶対ヤバいわ。
…あぁ、でもなんかな、青柳さんの苦しいところが分かってきた気がする。多分、青柳さんにとって神月って「生きてることを実感させてくれる存在」だったんじゃないかな? 佐々山が狡噛さんにとってのそれであったように。
多分、彼女も狡噛さんやギノさんと理由は違えども、「目の前の疑問を疑問として受け止めてた」わ…。生きていることを実感させてくれる存在=神月を失って感情に蓋をしてしまったけど、生きていることを実感していた過去がある以上、青柳さんは「そんな今の自分は果たして生きているといえるのか」という疑問を抱えてる。そしてドミネーターを手にしている間だけは生きていることを実感していることに気づいているけど、それがヤバいことだというのも自覚してる…。
青柳さん、アンタものっそ死亡フラグ立てましたぜ…
まずギノさん(同期、旧友)とこを訪れた時点で死亡フラグだし、あまつさえ心情吐露しちゃったらそれはもう死亡フラグ以外の何物でも…。おまけに青柳さん、アンタ「喜汰沢を撃った時も気分が良くなりかけた」って…。これはもう犯罪係数がぶっちぎってるのが原因でお亡くなりになりそうなんですけど…orz
でもって「今の私にはこの仕事しかない。しがみついてみせる」とか言わないで青柳さん!! そういうのものっそ死亡フラグですから! そして去り際に「もっと早く一緒に飲めたらよかったのにね」とか…あああああああああ、もうこれは青柳さん死ぬ…絶対死ぬ!!
青柳さんの背を見送ったギノは呟く。「昔の俺なら、酒など飲まなかったさ…」と。要するにこれはギノと青柳さんの「最初で最後の腹を割った会話」だ…うん、やっぱり死ぬ。青柳さんは死ぬ…(´;ω;`)
ギノの部屋を出た青柳さんに発信者不明の着信が。相手は酒々井さん…罠だ…青柳さん死ぬ!!
もう「青柳さん死ぬ」しか言えない…言えないよ、青柳さあああああん!!
2期は「監視官の死」を描くだろうとは思ってたけど、まさかの青柳さんか…もう8割以上死ぬフラグ立ててもうたよ、青柳さん!!


酒々井さんの失踪と何者かが残した「WC?」のメッセージの調査を、1係に優先的に行わせて欲しいと局長に願い出た朱(と美佳)。アッサリと局長に許可されると、美佳は局長から下がるように言われ、何故と思うも命令に従う。
2人だけになると、局長=シビュラは今回の件についての朱の見解を求める。すると朱は「質問があるわ」とシビュラに認識されない人間の存在を逆に問う。「そんなものは存在し得ない」と言う局長=シビュラだが、果たしてそれは真実か否か…。
「しかし今の問いで君(朱)がどう考えているのかは理解できた」局長=シビュラに「私の正気を疑う?」と朱。正気を疑うのが通常の判断だが、だが同時に興味深くもある。サイコパスがクリアな状態で正気を失うことがあり得るのか…と朱の行動を観察しようというシビュラ。
「勝手に観察者を気取ればいい」と退室しようとする朱を局長は呼び止め、東金さんの様子を逐一報告するよう命令。何故と問う朱にシビュラは語る。東金は(公式な記録では抹消されているが)観測史上最高値の犯罪係数を叩きだした人物だ…と。
「有用なモデルケース」だという局長=シビュラ。果たして東金は何者なのか…。
しかし、観測史上最高の犯罪係数ってどれくらいなんだろう? 1期の王陵璃華子が472だから、軽く500は超えてるってことかな…?
ともあれ1期の時点で犯罪係数は「どれだけ社会(シビュラ)と迎合する気があるか」を元にした数値と言われてたんだけど、それでも謎数値だからなぁ…。ただ、犯罪係数=「どれだけシビュラと迎合する気があるか」と仮定すると、最高値の犯罪係数を叩きだした東金さんは、それこそシビュラと迎合する気どころかその檻の外に抜け出して行った狡噛さんを彷彿とはさせるよな。
まぁ今のところ東金さんが執行官になった経緯がこの先描かれることは言及されているので、そこで彼の謎は明らかになるだろうが、明らかになった時に朱が揺らがされそうだな…。

酒々井さんの失踪と「WC?」のメッセージの調査を1係がすることを執行官たちに伝える朱だが、「本音を言え、常守。おまえが気にかかっているのは透明人間だろ」とギノさんには見抜かれていた。しかし、朱の気持ちは察しているので「業務の範囲内に収めろよ」と釘を刺す程度に留める。
まぁ、ギノさんは朱の副官ではあるんだけど、決して朱信者ではなく、「先輩」として釘を差すところは刺すし、異論だって唱えるんだよな。もちろんそれは朱を信頼してるからだし、1期の時とは違った意味で朱に自分たちの轍を踏んで欲しくないから苦言だって呈する。大体ギノさんだって、もうこれ以上は失いたくはないだろうさ、親しい人を…。あ、ギノさんやっぱオカンだわw そういや2期のギノさんのビジュアルが出た時に「ギノさんから未亡人の色気が漂う」って言ってたんだけど、割烹着が似合う未亡人系オカンだよな、ギノさんはw
志恩さんにも協力を仰いだところでエリアストレス上昇警報が鳴り、美佳は弥生と雛河を連れて出動。「鹿矛囲なんているはずがない。いもしない犯人を追いかけていればいい」と美佳は朱に吐き捨てる。…あぁ、1期でギノさんが狡噛さんに「(槙島という)いもしない幽霊を追いかけてる」と言ったアレのリプレイか。ギノさんはそのいもしない幽霊が実在した時に素直に狡噛さんに謝ったけど、美佳は…絶対素直に謝らないのがありありと想像できるわw

分析室に場所を移した朱たち。志恩さんがどれだけ探しても現場に不審な点はなかった。
鹿矛囲がいたとして、その人物は人質のふりをして公安をおびき寄せ、執行官を殺害し、監視官を誘拐した…「一体何故?」「目的は?」「メッセージの意味は?」「どうして私に目をつけたの?」推理する朱。そんな朱に「危険だ。のめり込みすぎだ」と警告するギノ。しかし東金は「常守監視官なら大丈夫。この程度で色相が濁る人じゃない」と自信たっぷりに言う。それは元セラピストとしての見解なのか、それとも…。
監視官が推理にのめり込んで執行官に「のめり込みすぎだ」って言われるのも、1期5話でギノさんが狡噛さんに「犯罪者の心理を理解しようとすると飲み込まれるぞ」って言われた時のリプレイなんだけど、それに対して朱はそんなタマじゃないってドヤ顔の東金さんを見たギノさんも多分、東金さんに狡噛さんとダブる部分を見たんじゃないかって気がする。…いや「テメーに常守の何が分かる!?」っていう気持ちも見え隠れしないでもないがw

そして美佳たちが急行した場所は国会議員・増田のパーティー会場。警報は増田の色相悪化によるものだった。何かの間違いだという増田を雛河に取り押さえさせ連行する美佳。それを見送りながら「これが正しいあり方なのに…。どうして局長はあんな人を」と朱を重用する局長に不満を抱く美佳。
そういや美佳は桜霜学園を飛び級で卒業した超エリートっていう設定があったんだったな。歴代最高得点で公安局入りしながらもエリート然としてなかった狡噛さんやエリートの自覚皆無の朱、父親が潜在犯であるがゆえに完璧なエリートであろうと努力していたギノさんとは正反対なんだな、美佳って。とにかく「自分はエリートである」という自負がありすぎるもんな。サイコパスがクリア(小説版で美佳はメンタル美人と称されていた)、飛び級で卒業、公安局監視官の適正…これはムダに高いプライドとやけに高い自己評価のコンボでもおかしくないわw 1期ギノの再来というよりは、ゼロに出てきた2係の霜村監視官(青柳さんの先輩で標本事件後に監視官10年務め上げて厚生省に上がっていった人)の再来だろうな。
その溢れすぎてるエリートである自負が、若さゆえ…といえばそれで片付くというか成長の余地が充分にあるんだけど、これはサイコパス…すでに1期で酷い目に遭った*4彼女がまた酷い目に遭わないわけがない。そして視聴者からの憎まれ役な点でも、朱と和解するにせよ、しないにせよ、美佳には何かしらの悲劇が待ってる気がするんだよなぁ…。悪いが私が彼女に期待しているのは「私ってホント馬鹿」な、さやか枠であるw(鬼だな)

一方、酒々井さんに呼び出された青柳さんは執行官を伴いメンタルケア施設へ。しかし「仕事を増やしたくないでしょ」と青柳さんは執行官たちに外で待機を命じ、単独で中へ。…罠だ、罠だよ、青柳さん!! 死亡フラグが立ちすぎてるよ青柳さん!!
青柳さんが酒々井さんとの待ち合わせ(?)の時間を気にしていると、施設の職員相手に「薬じゃ何も救われない」と叫ぶ老人が。「みんなも気づくべきなんだ。薬なんかに頼っていてはダメだって。本当に救われたいなら…」と興奮した老人は職員の首を絞める。なおも老人は訴える。「私は君たちを救わなければならない」と。
…あ、分かった。これ、「鹿矛囲教」だわ。鹿矛囲の暗示にかかった人たちが犯罪を起こすんだ。そして暗示にかかった人たちはサイコパスがクリアなままだからドミネーターが効かない…そういうことか。むしろ2期の犯罪ギミックは薬物よりも暗示(洗脳)のほうが強いのかな…? ともあれなんと言いましょうか…洗脳された(宗教めいた)集団が犯罪(テロ)を起こす…ってオウム事件を彷彿とさせますな。ものすごいチャチな理由なんだけどやってるほうは大真面目だったしガチだったという日本犯罪史上最悪のアレ…。
老人を止めるべくドミネーターを向ける青柳さんだが、案の定、老人の犯罪係数は23でロックがかかる。「そんな…」と驚く青柳さんに気づいた老人はそばにいた犬型ドローンに青柳さんを襲わせ、カウンターの非常ボタンを押して施設を封鎖してしまう。

その頃、朱たちは現場に出動した爆弾解体ドローンからインパクトアブソーバー(衝撃吸収シート)が外されていたことを突き止める。そんなものは自然に外れるとは考えにくい…では誰が? 「まさか…」と朱は何かに気づくが、その瞬間、美佳から着信が。
身柄を拘束された増田はしきりに「鹿矛囲を呼んでくれ。鹿矛囲ならクリアにしてくれる」と美佳に訴え、困り果てた美佳は朱に助けを求めた…のか?
そして封鎖されたケア施設では「私は救世主になりたいんだ…。みんなを救いたい。鹿矛囲のように」と、老人はサイコパスがクリアなまま青柳さんを殴打し始める。
青柳さんの死亡フラグスカイツリー状態!!
もうこれはね…青柳さん死ぬわ。絶対死ぬわ…。まさかの監視官死亡枠は青柳さんだよ絶対!! もうね…木曜に「貴重な谷間が…(´;ω;`)」ってお通夜ツイートするのが分かるもん! そうか…やっぱり2係壊滅で3係が投入されるという流れか…そうか、2係というか青柳さんは完全に噛ませだったのか…orz
そして先行組から4話バレを聞いて、虚淵が「2期は俺が見てもエグい」と言った理由が分かった…。もうね「うわあああああああああああ」って言うしかなかったよ、4話バレェ…orz

*1:朱のイメージは裁判所にある天秤を吊り下げている女神の像だそうな

*2:1期最終回EDに先生が局長室を訪れているカットがある

*3:ただし設定を考えた人(多分あの高羽だと思う)のイメージなので、公式設定ではないと言及されていた模様

*4:友人(想い人)を殺されている