PSYCHO-PASS サイコパス2 #08「巫女の懐胎<AA>」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

予想は当たるが、キモ金さんがワロエない…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


東金を怪しむ美佳は、鹿矛囲と東金財団の繋がりを調べようと経済省特許局で東金財団の所有特許について調べる。するとそこにあったのは「多体移植・生体移植用複合体の製造方法」――184名の遺体を使った結合手術が…。
前回、「鹿矛囲はとんでもない数の人体パーツの集合体なんじゃ…」とか言ってたら当たったwww
とんでもねぇフランケンシュタインだな、鹿矛囲。
あと、その下に「無細胞化方法及び人体移植用人工組織――他の人体から採取した腱や靭帯について、固有DNAの残存量をゼロにする無細胞化と可能…」というのもあって、サイマティックスキャンがDNAにも関連するなら、フランケンシュタインであるが故に1人の体から複数のDNA反応が出てサイマティックスキャンがエラーになるというよりは、この「固有DNAの残存量をゼロにする」っていうのが鹿矛囲の透明人間化の原因っぽい気が…。

そして升嵜医師も鹿矛囲が飛行機事故の犠牲者184名の遺体からパーツを移植された存在であることを明かす。鹿矛囲いわく「7人の脳を含む184人の肉体と人格的存在」――そう語る升嵜。
脳まで継ぎ接ぎ…だと!? おい、そこは予想外すぎたぜ!
…ってことはだよ? 鹿矛囲桐「」から鹿矛囲桐「」になったのは、「斗」=7人の脳(人格)…ってこと!?
あー…ようやく腑に落ちたわ。鹿矛囲が色んなことに精通しすぎてて「ひとりで犯罪を立案・実行している」って気にならなかったのは、この「7人の脳=人格」だ。多分、この繋ぎ合わされた脳の7人それぞれが精通してるものが、薬物だったり医学知識だったりホロだったりプログラム制作だったりクラッキングだったり…ってことなんだ。
そして鹿矛囲が「多層的」なのも、多重人格のように人格がそれぞれ独立して切り替わるんじゃなく、繋ぎ合わされているが故に7つの人格がレイヤー的に重なりあうことで、ひとつの「鹿矛囲桐斗」という人格を作ってるんだ。
「脳の多体移植なんてことが可能だとは驚きだな」と雑賀先生。執刀した升嵜自身も成功する見込みはほとんどなかったという手術だったが鹿矛囲は生きた。そして升嵜は言う。鹿矛囲は「機械サイマティックスキャン)の認識上は繋ぎ合わされた死体にすぎない」…と。
鹿矛囲が透明人間であるカラクリは明かされた――。
しかし、鹿矛囲のシビュラに対する挑戦は、それだけが理由じゃないよな…。
「シビュラに認識されないから」という理由だと、それは槙島と同じ理由になってしまうし、何より鹿矛囲がシビュラを「裁く」、その「罪」の理由には薄すぎる。
とすると、鹿矛囲が恨んでいるのはシビュラというよりは「シビュラの中の人の誰か」なんじゃないだろうか?
シビュラの中の人の誰かが飛行機事故もしくは移植手術の黒幕で、自分を透明人間にした、その「シビュラの中の人」の「罪」を「裁く」のだとしたら、5話で局長の中の人が変わった時に「担当者は『私』」「どんなに責められても、『私』には責任の取りようがない」「過去を覆すことなんてできない」「生まれてしまったものは、せいぜい活用」と言ってたことと符牒が合致するする気がするんだ。
…ん? シビュラと東金、鹿矛囲の点が線で繋がってきたぞ!?
同じように5話で局長が「朱が『あれ』にどんな影響を受けるのか」と言ってた「あれ」はキモ金さんのことでいいんだろうな。前回出た過去の経歴を見ても、シビュラ(局長)が何らかの意図を持って東金が執行官として再配属したことは明らかだし、となると、シビュラと東金(東金財団)は繋がってて、鹿矛囲はそのシビュラ(と繋がりがある東金財団も含む)に恨みがある…ってことか。
現在の局長の中の人が自らを「担当者」って言ってたし、鹿矛囲が恨む「シビュラ(の中の人の誰か)」は、現在の局長の中の人だろうな。
残る見えない線は、シビュラ(現在の局長の中の人)と東金の関係か…。


升嵜いわく、鹿矛囲は手術直後はまだスキャナに認識されていたという。鹿矛囲が自分の特異性を自覚したのは日常生活が送れるようになってから。移植した部位が生着するに従いスキャナに認識されなくなったという。
うーん、待てよ。さっき「固有DNAの残存量をゼロにする」技術の話を出したんだけど、最初はスキャナに認識されてたってことは、(サイマティックスキャンがDNA識別にも関係するという仮説のもとでの話なんだけど)最初は鹿矛囲自身のDNAしか識別されなかったんだけど、生着するに従ってゼロにしたはずの各部位のDNAが鹿矛囲自身のDNAに置き換わらず、元々のDNA反応が出てきて「一つの体から複数のDNA反応」が出てサイマティックスキャンがエラーを起こした…ということ?
通常の臓器移植なら割合で誤差の範囲内で済むけど、鹿矛囲は184人の集合体だからDNAの割合を考えると誤差の範囲なんてもんじゃない。だからサイマティックスキャンがエラーになって計測できない…ってこと、なのかなぁ?
やがて透明人間として社会から切り離された鹿矛囲。初めのうちは何とか認識されようと人目につく犯罪を起こし裁かれるのを期待したこともあったが、それでも認識されなかった。医者やカウンセラー、信頼できそうな人間にも相談したが、鹿矛囲の特異性を目の当たりにすると皆、離れていった。
「だろうな」雑賀先生は言う。シビュラに認識されない人間を肯定するということは今の社会に疑いを持つことに等しい。
そして鹿矛囲*1は言う。「僕はシビュラだけでなくそれに縋る全ての人間から存在を否定された」
なるほど、人々を洗脳するのはそれが理由か…。
槙島も鹿矛囲も、やってることは「シビュラに縋る人間たち」を嘲笑ってるんだけど、槙島は「魂の輝き」と称して「人の本性」を暴き出し、「ほら、人の本性ではシビュラの檻の中で生きるなんて愚かだ」と嘲笑ってたのに対し、鹿矛囲は「自分を否定した者たちへの復讐と嘲笑」なんだよね。そして「シビュラを『裁く』」と言うように、「シビュラは神ではなく『罪人』。それは本当に縋るに値するものなのか」と人々を嘲笑ってる。
そしてシビュラに縋るが故にクリアになることを求める人間を利用し、洗脳する。だから鹿矛囲の犯罪に関わる人間は「自分の意志でそれを実行しているようで、実は自分の意志がない」ってことね…。。
槙島も鹿矛囲も「シビュラに認識されない」という根源と、「だからシビュラに反逆する」という行為、そしてシビュラを倒したその先で己が支配者になろういう気はない(壊すこと自体が目的)という着地点は一緒だけど、やはり「決定的に何かが違う」というのは、その方向性というか、「シビュラに認識されない」から芽吹いた枝葉というべき感情だよな。
槙島が「誰かに認めて欲しい」という「寂しさ」からなら、鹿矛囲は「自分を透明人間にした者への復讐」という純粋な「憎しみ」だもんな。
「何故、自分は誰にも認められず消えねばならないのか」鹿矛囲はその理由を探し、辿り着いた。
地獄の季節」に――。

かつてシビュラシステムに変わる国民支援制度が経済省から発案されたことがあった。交通と銀行を管制しその全てを把握する「パノプティコン」と呼ばれるシステム。
1期19話で出てきた「パノプティコン」がまさかここで出てくるとは…!!
ジェレミーベンサムが収容所の建築形態として構築した全事象展望監視システム。1期19話では雑賀先生と狡噛さんが槙島について語る中で(狡噛さんが見る)槙島の幻影が「最少人数で多数の囚人を監視できる」としてシビュラシステムを皮肉ってたアレね。フーコーも絡めた皮肉についてはウィキペディアさんがそこそこ詳しいのでそちらを参照
「市民の行動と経済活動を監視・記録することで犯罪を未然に防ぎ、最適な生き方を導く――至極単純ではあるが理想的な提案とも言える」と言う鹿矛囲に、雑賀先生は「全てを監視される市民にとっちゃ、まさしく監獄だ」と笑う。
しかし鹿矛囲は「今の社会とどう違うと?」と返す。
…あー、でもなんかこの「パノプティコン」、なんかパノプティコンをロングパスにするために無理やりこじつけた感が…w
シビュラシステムに変わる対案として設定したんだろうけど、なんかこれには緻密さがない気がする。
もっとも「シビュラに変わる対案」としてシビュラ同様「最少人数で多数を監視できるシステム」のため――要はこの場面のためだけに設定されたものだから緻密さはなくてもいいんだろうけど、2期は後付け設定の宝庫であることを活かしまくって色々と緻密に仕上げてるだけに、この設定はちとお粗末で残念かもしれん。
しかし、「市民の行動を監視して犯罪を未然に防ぐ」システムとして考えたら、シビュラが「市民の行動と精神状態」だから、あと犯罪を防ぎそうなものったら経済活動ぐらいしかないっちゃないわな。ここらへんは来年出るらしいオフプロ2で補完されるかもしれないし、されないかもしれないしw
ただ、シビュラによって厚生省がとんでもない既得権益を持っていることに対して、経済省がそれに変わるために出した案という、いわゆる「お役所間の権益戦争」が背後にあることは分かったわ。…てか、この「お役所間の権益戦争が背後にある」ってための設定だからパノプティコン自体が緻密さ皆無のお粗末設定でも別に成立するのかw

交通分野で試験的に運用されるようになったパノプティコンだが、ある時期から多大な不具合が発生し始めた。それが原因でパノプティコンの採用は見送られ、そうしてシビュラによる統治は今に至るまで続くこととなった。
もしそれが何者かに導かれた結論で、それを得るために全てが仕組まれていたとしたら…
それを陰謀論だと一蹴する先生。しかし鹿矛囲は「何が陰謀論なものか…」と呟く。経済省への横槍や人材の操作と流出、予算の奪い合い、政治家同士の取引…それらは実際に起ったことだ…と告げる鹿矛囲。
事実その結果として、その周辺時期の航空および交通事故は例年の数十倍にも跳ね上がり、多大な犠牲者を出したその期間を後に「地獄の季節」と称した。
…ははぁ〜ん、やはり鹿矛囲の飛行機事故は仕組まれたもので、そこに鹿矛囲の復讐の動機があったか
そして鹿矛囲はその事故が「現在の局長の中の人」によって仕組まれたもの…ってとこまで調べてる…と。
なるほどね…それが鹿矛囲が「シビュラを裁く」理由であり、脳の集合体であるシビュラに向けるのは無意味そうなドミネーターをシビュラに向けようとしている理由はそれか。
ってことは鹿矛囲はシビュラの正体=免罪体質者まで行き着いてて、今までの事件はその免罪体質者をあえてドミネーターで裁くための実証実験…ってことか。
うわー、これは面白くなってきたぞ!
多分これ、キーワードは「パラドクス」だ。
前回、シビュラにとっても都合が悪いのに水絵のドミ認証を止められないのとか、取り込めないイレギュラーである鹿矛囲を殺処分したがっているのとか、「シビュラ自身も遵法者であるが故に(法を曲げる=自信を否定することに繋がるので)、自身に都合の悪い存在であってもどうにもできない」というパラドクスが明らかになった。
おそらく鹿矛囲が局長にドミネーターを向けた時、「シビュラは自身を裁けるのか」というパラドクスが発生するんだ。
そのパラドクスをどう解決するのか。ひいてはそれが未だ朱が出すことのできない「法(シビュラ)で裁けない者をどう裁くのか」という答えに繋がる…ってことになるんじゃないかな?
…おぉ、なんか2期最終盤、そして劇場版へ繋がる部分へ進んできた感じがするぞ!?
「君はそこに答えを見出したわけか」鹿矛囲の犯罪動機を知った先生。頷いた鹿矛囲は言う。「全てを知り、自分の為すべきことを見出した僕は、現代のメディスンマン(呪術医)として目覚めた…」
そして鹿矛囲ではなく、升嵜自身に戻った升嵜は鹿矛囲との出会いを語り始める。

5年前、医者という重責に耐えられず薬漬けになっていた升嵜を救ったのが鹿矛囲だった。鹿矛囲は升嵜ら医師が知ることを禁じられた医療データを手に入れ、正しい瞑想と薬物投与で人のサイコパスをクリアにする術を身につけていた。
正しい瞑想と薬物投与…って胡散臭すぎるだろ!www それって完全に洗脳の手口じゃん!
…とも思ったが、逆に考えるとそれが「禁じられた医療データ」ってことは、それこそラクーゼとかの、いわゆる既得権益がある薬物を売るために「あえて正しい医療データ」を教えてない…ってことだな。
本来はクリアにするための医療技術がちゃんとあるんだけど、そこに製薬会社の既得権益が絡んで「正しい医療データ」を封印(隠蔽)している…ってことか。
なるほどぉ…シビュラと東金財団の繋がりはそこか。てか、そこまでいくと、むしろシビュラを支配しているのが東金財団に思えてくるんだけど…。
サイコパスをクリアに出来る技術か…。それ自体が過去への復讐となり得るな」と先生。しかし升嵜は言う「単なる復讐にとどまらない。鹿矛囲なら全てを覆してくれる…そんな夢を見させてくれるような男なんだよ」と、これまでの犯人たち同様、鹿矛囲への心酔ぶりを見せる升嵜。
全てを覆す――それが鹿矛囲の目的
「ふぅ〜ん、そういうこと」それをモニターしていた局長は呟く。
裁きたいのは『私』だけでなく、シビュラシステム全体というわけね…桐斗くん」
さすがはシビュラシステムさんやで…と言うべきだろうか。案の定、局長は鹿矛囲の目的というか復讐動機を分かってたのねw
うーん、となると、シビュラ=局長は、何らかの理由で2期が始まる前から鹿矛囲が自分に復讐してくることを知ってた…と考えたほうがよさそうだな。
あと局長が東金財団関係者であることも確かそうだから、キモ金さんを再度執行官として配属したのも、東金一族として何らかの関係があるだろうことから、(自分の息のかかった者として)鹿矛囲を殺処分するために送り込んだと考えたほうがいいのかも?
ただ、キモ金さんの朱ちゃんに対する執着については、逆に局長の差し金で送り込まれたことを利用してそうだけど。

一方、鹿矛囲の手術について調べる美佳。「死体を繋ぎあわせて作られた人間なんて…気持ち悪い」と嫌悪感を露わに。
するとファイルの閲覧記録に2ヶ月前の日付が…。閲覧者を調べると、鹿矛囲のホロの一人と一致。
「鹿矛囲が、ここに来た!?」鹿矛囲もまた、東金財団について調べていた。

1係では再び捜査会議。弥生の調べで、事故被害者の同姓同名の人物が都心部だけで54名いると判明。朱はその54人だけではなく、鹿矛囲本人を除く事故被害者184人分の外見は全て鹿矛囲が纏うホロと見て間違いないと断定する。
公安に出入りしていたカウンセラー、メンタルケア施設の薬剤師、最初の人質女性――全てが鹿矛囲だった。
「鹿矛囲は事故の被害者のホロしか使わないのかも」雛河が言う。朱もそれに頷き、「鹿矛囲は事故とそれにより植え付けられた184人に固執している」と判断。「その意味で鹿矛囲の顔は割れたと言っていい」東金もそう判断する。

また、ギノの調べで鹿矛囲の隠れ家に残されていた臓器から、入れ替わりの可能性がある人物を割り出したところ、揃いも揃って各界の大物ばかりだと判明。社会に影響のある人物を別人に入れ替えていたのは升嵜であることは、本人が認めている。
「治療と見せかけて殺していた…それだけのことをしながらサイコパスをクリアに保てるとは」感嘆する東金。だがそれが鹿矛囲の特異性。薬物調合とカウンセリングで重篤な潜在犯でさえサイコパスをクリアにしてしまえる――洗脳と言っていいレベルで。
「医療こそが最大の武器か…厄介だな」呟くギノ。
朱は「洗脳」と言うけど、前述した通り、もしかしたら鹿矛囲の手法(特に投薬部分)が「本当は正しい医療行為」だって可能性のほうが高そうなんだよな…。ただ、その後自身を心酔させるまでに至る部分(暗示)は確かに洗脳だと思うけど。
そして、鹿矛囲の攻撃対象が、薬品会社・メンタル医療施設と医療関係に限定されていることに気づいた朱。しかし東金は、港を隠れ家にしていた点が妙だと言う。「何かメリットがあったはず」
港のメリットを考える朱は、この数か月の間に未解決の行方不明事件がないか弥生に尋ねる。しかし記録にはない。
「それ…変。人、減ってないとおかしいのに」雛河は気づく。そして朱も「内臓を抜き取られて殺された人がいるなら、移植される前の人物は消えていないとおかしい」と気づく。「消えたことが認識されない人物となると…」東金も考える。
「…待てよ」ギノは現場に国外の新聞や紙幣が残されていたことを思い出す。
「そうか…密入国」朱は成りすましているのが密入国者である可能性がに気づく。「そこまでして何をするつもりなんだ…!?」ギノは首を傾げるが、まだその目的までは分からない――。
密入国者…ここで劇場版につなげてきたか!!
劇場版の敵は密入国者…ってことになってるんで、おそらく劇場版の犯罪(テロ計画)はこの時点から仕込まれていた…という繋げ方だと思うんだけど、どう上手く繋がってるんだろうかと楽しみになってきた。ひょっとすると、これまでにも劇場版に繋がる伏線とか布石はあるんだろうなぁ…。そこら辺、劇場で「あぁぁぁぁ!!」って気持ちよくさせてくれると信じてるぜ!

その後、雑賀先生を待ち伏せた東金は「以前からあなたには興味がありました」と尋ねた理由を語る。
「受講生を黒く染めた講師」と、かつて受講生のサイコパスを濁らせたことを引き合いに出す東金。「他者のサイコパスを操る能力――そんなものがただの技術であるはずがない」と先生が技術で受講生のサイコパスを濁らせたわけではないだろうと言う東金。先生も「そんなものが伝達できるなら、この社会は成り立たなくなる」と否定。
「技術でないなら、それは才能」「人をクリアにする鹿矛囲とは真逆の、サイコパスを濁らせる才能を、あなたは持っている」と先生を評する東金。「そしてそれ故に、どんなに自分が干渉してもサイコパスが変化しない常守監視官に依存している」とも指摘。
「ほぅ…」対峙する先生と東金。
…なんだ、この狡噛さんが1期19話で先生に「お前と槙島は似ている」と指摘された時に、ものっそ嫌そうな顔をした時にも似たこの緊迫感は。
おそらくあの時狡噛さんが抱いていたものは「同族嫌悪」だろうから、先生と東金も同族嫌悪の波長だよな…。
しかし、そこで東金に呼び出しがかかり一触即発の自体は回避されたかのように見えた。
「依存か…。ならお前はどうなんだ?」問う先生。「あなたはキレすぎる」そう言い残し、去っていく東金。
あぁ…でも先生が朱ちゃんと積極的に関わろうとしてるのって、そこにあると思うわ。先生が社会から隠遁していたのって、シビュラによって職を失ったこともあるけど、自分に関わった相手のサイコパスが濁ることを知って、自ら社会から遠ざかった…というのが最大の理由じゃなかろうか?
狡噛さんは結果的には潜在犯になってしまったけど、最初に雑賀先生と関わった時期は朱ちゃん同様濁りにくい部分があったから親密にしたのだろうし、朱ちゃんに請われて分析官になったのも、自分と関わってくれる(必要としてくれる)サイコパスが濁りにくい存在だったから…と考えると、先生自体は自ら社会から遠ざかったとはいえ、実は社会に参加したかった(必要とされたかった)ってことだよね。
ただ、朱を「黒く染めたい」という欲望を持つ東金としては、先生は同族嫌悪の波長を感じてしまったわけだ…。そして何より先生のその洞察力を始めとしたキレ者であることが、自分の正体を暴きだしそう…と感じたのではなかろうか?
そう考えると、美佳だけじゃなく、先生もキモ金さんの正体を暴きそうだな…特に内面の。


鹿矛囲が閲覧したデータを調べる美佳は、そのデータが薬品関連の項目に偏っていることに気づく。その中には第1の事件で喜汰沢が爆弾を仕掛けた新型ラクーゼの生成技術、立てこもり事件のメンタルケア施設で使っていた数種類の薬品の閲覧履歴も残されていた。
いずれも背後にいるのは――「東金財団
「鹿矛囲は、東金財団に復讐しようとしている」…美佳はそう推理する。
ようやくここで美佳の有能ぶりが発揮されてきたな。性格に難があっても、さすがは飛び級で高等教育機関を卒業して未成年で公安局監視官の適性が出ただけはあるわ…。多分、情報を分析して推理する能力は狡噛さんや朱レベル…ひょっとしたらそれ以上かもしれんぞ。
航空機事故の手術で東金財団が保有していた特許技術が使用されている――脳を生きたまま摘出する手術、摘出した脳を繋ぎ合わせる技術。
「何故こんな技術を保有していたの?」謎に思った美佳は関連項目を調べる。ドローンによる全自動での脳の摘出、人間を必要としない手術の提案…。「なにこれ…」唖然とする美佳。そして特許出願者を調べると「東金美沙子」の名が。
そこに載っている顔写真に、美佳はハッとする――東金の部屋で見た写真に映っていた女性だった。
東金朔夜の母親…」
調べ続ける美佳。美沙子は5年前に死亡していた。ならば…と父親を調べるが、その情報は封印されていた。
「アイツの出生にも特許技術が絡んでるってこと!?」関連データを調べると、1つの項目に行き当たる――「サイコパスに関わる特異体質『AA』の先天性実証例
…ほほぅ、サブタイの「巫女の懐胎<AA>」って、局長の中の人であろう東金美沙子、そしてその息子・東金朔夜のことか。シビュラ=信託の巫女=免罪体質者から生まれた子…ね。
でもって<AA>は何の略かは分からんけど、「サイコパスに関わる特異体質」とあることからも、免罪体質者のことで間違いなさそうだな。
なるほどね…。シビュラと東金財団の繋がりは、東金美沙子がシビュラの中の人(現在の局長の中の人)で、その美沙子は免罪体質者を人工的につくろうとしていたってことか!
…てか、また予想を当てさせてくれたんだけど、いいのか2期!?
しかし、鹿矛囲たちが人工的に免罪体質者を作り出そうとして失敗したので事故に見せかけて処分された…と予想してたんだけど、これは東金朔夜=美沙子が人工的に免罪体質者を作り出そうとして失敗した存在なんじゃ…。
だとすると…あ、なんかキモ金さんの「黒く染めたい」欲望の裏から感じる「愛して欲しい」という叫びが繋がってきた。
「AA」を調べようとする美佳だが、その項目も封印されており、美佳は「サイコパスが濁っちゃう」と溜息をつく。「どうしたら…」呟く美佳。しかし美佳は「そうだ…そうか!」といい案を思いついたようで…。

すり替えられた人間を虱潰しに当たるつもりだったが、不発に終わった朱と東金。そこに朱の自宅の床の荷重センサーに反応があったと通知が。
「やはり自分を囮に使っていたのか…」呆れる東金。「ごめん…苦情は後で聞くから」自宅へ急行する朱。…ってか、朱ちゃん、アンタ、自分でも気づかんうちにかなりのところまでキモ金さんに心開いちゃってますぜ…!? 完全にキモ金さんの術中にハマってるよ朱ちゃん!!
自宅へ到着すると、そこに怪しい人影が…。しかし、住宅システムのメンテナンス職員で、管理人に合鍵の使用許可を出していたこと忘れていた朱の、ある意味早とちりだった。
自宅を鹿矛囲に侵入された時のままにしていることに驚く東金。「鹿矛囲の心理と重なるにはヤツの見た景色を保持しておくのが一番」そう呟いた東金にハッと息を呑む朱。「図星ですか」と指摘され、朱は「さすがですね」と東金の洞察力に感心する。
「感服しますよ。あなたは生まれながらの刑事(デカ)だ」と言う東金に「ありがとうございます」と苦笑う朱だが、「可愛げが足りないという意味です」と付け足され、顔を真っ赤にする。
そこに公安局から、自宅の警報を感知したため、葵おばあちゃんの警備レベルが変更されたとの通知が。それを目にした東金は「祖母か…」と呟き…。
アカン、これは葵おばあちゃんに死亡フラグや!!
朱ちゃんを「黒く染めたい」のなら、身内…葵ばあちゃん殺すのが一番*2だもの…これは…キモ金さん、やる…てか殺る!!

公安局の食堂で、ある報告書を作成する美佳。

事件の発端は15年前の航空機事故に遡る。
死亡した201名の乗員乗客のうち184名が児童という悲惨な事故を利用して、莫大な利益を享受した者たちがいた。それが、東金財団。
そして、この時の唯一の生き残りが鹿矛囲桐斗である。
当時、財団を仕切っていた東金美沙子は「AA」という特異体質の研究に執心しており、その実証実験のひとつが、脳を摘出し繋ぎ合わせるという財団が持つ特許技術を最新の環境で試すことだった。
彼女は鹿矛囲や事故犠牲者の遺体を使い、自らの研究を推し進め、結果、財団が持つ特許技術は更なる進化を遂げた。
鹿矛囲桐斗の犯行目的は、そうした東金財団への報復である。財団をマークすることで、鹿矛囲逮捕に近づける。

しかし、現在の一係は重大な問題を抱えている。それは常守朱と東金朔夜の存在だ。
東金朔夜は「AA」を人工的に作り出そうとした東金美沙子の実験によって生み出された。それが史上最悪の犯罪係数を持つに至った経緯と推測される。
つまり、事件の首謀者である鹿矛囲と東金朔夜は「AA」というキーワードで繋がっていることになる。
鹿矛囲桐斗と東金朔夜は等しく危険である。
東金朔夜は他人の犯罪係数を上げることに悦びを覚える異常者だ。現に今まで彼の担当となった監視官5名全員が潜在犯化しているという実例がある。
東金朔夜の影響により、常守監視官も近い将来、犯罪係数が上がると予想される。しかし常守監視官本人は意にも介さず、忠告も受け入れようとしない。これは由々しき事態である。
常守監視官はすでに己の判断ミスにより、多数の監視官および執行官を犠牲にしている。このままでは鹿矛囲の逮捕や東金朔夜の排除はおろか、公安局存続の危機にも繋がりかねない。
故に私は、常守監視官の更迭もしくは権利停止の必要性を強く訴える。

禾生局長なら、きっと分かってくれるはず」…美佳、死亡フラグ
…ってか、美佳は有能すぎて墓穴を掘るタイプだったか。これまで「無能の象徴」みたいに描かれていた美佳が、ここで情報探索能力と推理力を発揮したことで「実は有能」ってことが分かったんだけど、それでもなんか「できる子」に見えないのは…まぁ、しょうがないわなw
先輩と揉めてんだけど、「自分のほうが正しい」って譲れないから、なら更に上の役職に訴える…っていうのは、実は1期で朱がやらかしてるんだよね。ギノに「子供だ」って言われて局長に抗議しに行くって征陸のとっつぁんに止められた時のアレ。
社会人でも新人というか、ある程度仕事覚えて自分に自信がつき始めた頃にありがち…というか、自分(の仕事)に自信がついてくると「自分のほうが正しい」って凝り固まっちゃって、人の意見を聞けない時期ってありませんでした? 社会人の皆さん…。
多分、今の美佳ってそんな時期なのかもしれない。ただ、それでもまだ経験年数が浅いから、職場で自分の意見を円滑に通す、自分の意見と他者の意見を上手に折衷する(折り合いをつける)、自分とは相違しすぎてる他者の意見で角度を変えてみると分かってくることがある…みたいなのができない。
だから、自分の意見を通すための方法が、更に上の役職に訴えて上から押さえつけてもらう…ってことしか知らないんだろうな…って、まぁ微笑ましいわ…って社会人を10数年やってるオバちゃんは生暖かい微笑みすら浮かべてしまうわけですよw
朱と美佳の悲劇って、朱が刑事として尊敬する狡噛さんを失い、ギノという先輩監視官を失い、「自分が1係を引っ張っていかないといけない」という重責で余裕がなくなってしまったことで、美佳と先輩後輩として…というか同じ職場で働く人間同士として向き合うことをしなかったのが大きな要因なんだよな。
「どうしてそれが必要なのか」という美佳の疑問に、確かに朱は丁寧に答えてはいる。けど、それはとても事務的かつ一方的で「共感」できないの。言動にぬくもりがない…とでも言うのかな。
人から物事を教わるときにあると思うんだけど、教え方が上手な人と下手な人っているじゃない? これはあくまでも私感なんだけど、教え方が下手な人って「自分が解ってるから相手も解ってる(解るはず)」という考えなんだよね。どれだけ懇切丁寧な言葉でも理解できないのって、それだと思うの。そして朱もそれだと思うの。
逆に教え方が上手な人って、相手が(言葉にしなくても)疑問に思っていることを拾い上げて、自分から理解への糸口をつかめるように導いていくようなところがあって、「あぁ、だからそうなのね」って最終的にちゃんと納得できるのよ。
確かに美佳も凝り固まった部分があるから、雑賀先生のように年の功で有無をいわさずに社会の現実を見せて、苦労させて勉強させる必要もあるけど、先生が来るまでの1係にはそんな存在もいなかったからなぁ…。ギノではまだまだ荷が重すぎるというか、若すぎて。
でも、美佳はこの有能さからも見て、朱や執行官たちをちゃんと理解して共感できれば、1係にとっては大きな戦力になるし、何よりも朱の参謀となれると思うんだ。
さて、この美佳の死亡フラグがどう転がるのやら…。8話放送前に公開された劇場版の予告にいたことで生存は確定だから、あとはこの死亡フラグで朱との和解しかないんだが…。

公安局に戻った朱は雑賀先生に現状報告。すり替えられた人間たちの自宅・別宅はもぬけの殻。「このタイミングでの失踪は単なる逃亡とは考えられない」と言う先生に同調する朱。「彼らは目的に向けて動き始めた。何としても止めなければ」と決意する朱に「まるで相手の狙いを把握しているような物言いだな」と先生。
升嵜を信じるなら、鹿矛囲の目的は革命。社会を転覆するため、その社会を体現する存在を裁く。そんな存在はひとつしかない――そう言われ、朱は気づく「シビュラシステム…」
ここで1度監視カメラ映像っぽい描写になるんだけど、これはこの会話もモニターされている…という描写よね? モニターしているのは局長なのか…?
ついに明らかになった鹿矛囲の目的。そして繋がった鹿矛囲・シビュラ・東金の点と線。
鹿矛囲と事故犠牲者を利用した東金美沙子=東金の母。そして東金美沙子=免罪体質者=シビュラの中の人。あとはキモ金さんが何故朱に執着しているのかという理由だけか…。
これで鹿矛囲がシビュラにドミネーターを(あえて)向けたい理由も分かったわな。シビュラシステムではなく、その中の人である「東金美沙子」に向けたいんだもん。そして東金美沙子をシビュラシステム=ドミネーターで裁くことに皮肉を持たせている…と。
今思えば、「シビュラを裁く」と言ってる時点で鹿矛囲は最初からシビュラが支配者=人であることを知っていたんだよな…今思えば。

局長に報告書を提出し、死亡フラグビンビンの美佳。「短期間でこれにたどり着くとは君の捜査能力は大したもの」と褒められたのも束の間、美佳は真相を知らされてしまう。
ところでこの『AA』だが、これはオープンドア・データと呼ばれるものだ」意味が分からない美佳に局長は続ける。「重要機密を暴こうとする社会不適合者をおびき寄せて把握するための罠。君はそれにまんまと引っかかった」
美佳の死亡フラグがバリ3ぐらいに!! …ってか、今時「バリ3」とか死語よ、BBA!w
「AA」とは「Apriori Acquitアプリオリ・アクィット)」――先天的免罪体質
先天的があるなら、後天的もあるのかね、免罪体質って…とも思うのだが、ともあれ1期では「免罪体質者は先天的な体質」と説明されてるから、今のところ免罪体質は生まれながらの素質・体質ってことなんだろうな。
「シビュラの重大な秘密だ」
つまり、美佳は鹿矛囲と東金財団を調べるうちに、免罪体質まで辿り着いてしまったのだった。そしてシビュラはその秘密に辿り着いた者を消すために「AA」というキーワードをワザと仕込んでいた…。
「え!?」意味が分からない美佳。「さて、捜査から逸脱してこのようなデータの収集に勤しんだ君の処理、どうすべきか…」そこでようやく美佳は自分が知ってはいけない秘密を知ってしまったことに気づく。
後ずさる美佳に突きつけられたドミネーター。「まだこの程度の悪化でとどまっていられるとは…」東金だった。何故ここに東金がいるのかと驚く美佳。
「彼女はまだ使えます。私に任せていただけませんか…母さん
やっぱり親子ぉぉぉぉぉぉ!!
現在の局長の中の人=東金美沙子=東金の母…が確定した。
そしてこれ…「法で裁けない者をどう裁くか」というのが、鹿矛囲と美沙子の2人にかかってるのか!!
おそらく…おそらくなんだけど、鹿矛囲が事件を起こしたことでシビュラの総意が美沙子を「担当者」にして局長の義体に入れたってことは、美沙子以外のシビュラの総意として(この鹿矛囲の事件を利用して)「東金美沙子の排除」を目論んでいるんじゃなかろうか?
シビュラの脳からあの局長義体に入る描写がアニメと深見小説ではちょっと異なってて、小説ではパッケージングされた脳が義体に入れられる描写があったんだけど、アニメではうなじのコネクタでデータの入れ替えをしているような描写なんで、義体の脳を壊してもシビュラ本体の脳は無事みたいに思えるんだけど、でも1期で槙島が局長義体の藤間の脳を破壊したことで藤間は死亡したような描写だから、アニメだと義体の脳が破壊されると脳のデータが死ぬので必然的にシビュラ本体の脳も死亡…ということになってるのかしら?
ともあれ、シビュラ社会がいかに東金財団に利益をもたらすようにできているかはこれまでの描写で明らかだし、シビュラの中の人として美沙子は利己的すぎてふさわしくないと思うシビュラメンバーがいてもおかしくはないんだよね。
となるとシビュラ自身にとっても美沙子は「法で裁けない者」で、その美沙子を排除するためにあえて鹿矛囲を泳がせて利用している…と考えることもできるわな。恣意的にドミネーターのモード(犯罪係数)をいじれるはずのシビュラが、本来なら自身にとって都合の悪いはずの鹿矛囲を恣意的にドミネーターをいじってまで裁こうとせず、シビュラ社会、ひいてはシビュラシステムそのものに対するリスクを冒してでも、ある意味「法の外にいる」鹿矛囲を使って「法そのもの」である美沙子を排除したい…とすると、シビュラ自身も遵法者なのを差っ引いても、これまでの整合性がちっとおかしいんじゃねぇのって部分に納得がいく。

「好きにしていいわ。処分はいつでもできるし」母親の声で答える局長=美沙子。ひとまず美佳の命は保証された…?
「やはり問題なのは…」美沙子が美佳よりも危険視する存在――「常守と鹿矛囲のことなら心配ありません。2人とも私が仕留めてみせます」と東金。…そういえばさ、キモ金さんがなんで字幕では「朔夜」って書かれてるのと思ったら、朔夜と美沙子で「東金」が2人存在して紛らわしくなるからだったのか…。
しかし局長の中の人(榊原良子さん)スゲェな…。2期は特にスゲェ。禾生」としての声と「美沙子」としての声が全く違うのな! 「声は一緒なのに芝居が違う」というのが正しいところなんだけど、コレ、多分1話から見直して局長の声に注目すると、禾生としての声と、美沙子としての声と、芝居が違う部分が思った以上にあるのかもしれんで…。
…なるほど、美沙子が朱を危険視するのは、朱がいずれはシビュラシステムがなくなる方向を望んでいる=シビュラが無くなる方向に進めば東金財団が得る利益が減るから…ってことか。
母さんとシビュラを美しく清らかにするのが、私の役目です
やっぱりマザコンか――――――――――っっっっ!!
もう、キモいのフルコンボだよキモ金さん!!
しかし、これで彼の「黒く染めたい」っていう欲望の裏から感じる「愛して欲しい」という叫びも繋がったわ。
美沙子が人工的に免罪体質者を作る実験で生まれてきたのが東金で、その東金自身は失敗作だった…。失敗作だったことで母に愛されなくなった(愛されなくなったと思い込んだ)東金は、愛されるために母に盲従するしかなかった。しかし、その業に疲弊した東金は終わりを望み、その業を断ち切ってくれる(自分を殺してくれる)相手としてサイコパスが濁りにくい朱を選んだのだとしたら…。
朱を「黒く染めたい」というのは確かに彼の欲望だろう。だがそれは支配欲ではなく、朱の濁らないサイコパスが濁る=憎しみに反転した時、自分に向けられるだろう殺意の大きさを期待しているとしたら…。
異常なまでに朱を分析し、朱が信頼していた狡噛さんを模すことで朱の信頼を得る。その上で朱を裏切り、その反動が憎しみを増幅させ、自分を殺してくれることを狙っているとしたら…。
なんかキモ金さんが朱に執着する理由がだんだん分かってきたような…。
だとすると、東金は死ぬんだろうな、多分…というか、9割ぐらいの確率で。
愛されたいが故に美沙子をかばって死ぬか、愛されたいが故に美沙子を裏切って殺されるか…。もしくは、朱が狡噛さん依存を卒業するために、「あなたは狡噛さんじゃない」的な展開で結果的には殺してしまう形(エリミネーター執行)になるのも考えられるけど、今のところはこの3パターンかな? どのパターンであれ、朱が狡噛さん依存から卒業するためには、東金は2期で退場しないといけないと思う。
「何? 何の話をしているの!?」目の前の現実が理解できない美佳。しかし生命の危険に晒されていることだけは理解し「やめて、聞きたくない!」と耳をふさぐ。
そんな美佳を引きずり、局長の机に叩きつける東金。「私、何も知りませんから! 何も話しませんから! 全部忘れるから…」悲鳴を上げ、泣きながら命乞いをする美佳。そんな美佳に美沙子は言う。「賢明な判断ね。やはりあなたは理想的な市民だわ――退屈なほどに」
「この反応、いずれシステムを公開する時のモデルケースなるかもしれません」東金は美佳の利用価値を語る。
「そうね、試してみましょうか」美沙子はシビュラシステムとリンク。
「霜月監視官、あなたに世界の秘密を教えてあげる」
嫌と悲鳴を上げる美佳。しかし、助ける者はいない――。
これで美佳も朱同様、シビュラの秘密を知るフェーズ2になるのだけど、美佳は一体どんな反応を示すのか…。
濁って落ちるのか、それとも踏みとどまるのか。ただ、劇場版の予告では2期と変わらぬビジュアルなので、おそらくは踏みとどまって監視官のままだと思うけど、朱と同じ反応にはならないと思うんだよなぁ…。
朱がシステムの秘密を知っても現実を受け止め、嫌悪感を抱きながらも、社会秩序維持のためには必要…と折り合いをつけたように見せつつ実はシステムに抗い続けているのに対し、美佳はまず「現実」を受け止めない気がするんだよな…。「恐怖」で思考停止して、それ以上は何も考えない。それを「保身」と言うかもしれないけど、シビュラにとってはシステムを開示してなお支配を継続するためには、それは最も理想的な反応だと思う。
もっとも、シビュラ自体が人間の思考を停止させるシステムなのよね。「あなたにはコレが向いてますよ」って学業から職業から結婚まで、とりあえず選択に困ったらシビュラ様の御託宣を受ければいいのだから、これ以上思考停止させるシステムはない。そして色相および犯罪係数が思考の範囲を縛るから、シビュラにとって都合の悪いことを考える人間もいない。なんともまぁ、人間に「考える」ということをさせないディストピア――それがシビュラ社会なんだわ。
そのディストピアにおいて、自分の意志で「考える」「選択する」ということをした人間が社会の中で抗う姿を描いたのがサイコパス。でも支配者のほうが何枚も上手で、簡単に打倒されないのもサイコパス。そして人間たちは同じようなことを繰り返しながら、それでも少しずつ前に進んでいく…そういう話なんだよね、サイコパスって。
美佳の死亡フラグの折り方を考えると、シビュラの秘密を知り、危機に陥ったところを朱に救われて覚醒する…というルートと、これまでずっと自力で突き抜けていることを考えると、この危機すらも自力で脱してしまう可能性もあって、もしかしたら美佳の立ち位置は朱ともギノとも弥生たちとも交わらないんじゃないかって気もしてきた。

やっつけの図を作ってみたけど、図にするとこんな感じ。
シビュラの秘密を知るか否か、シビュラに疑問を抱くか否か…で軸を分けた時に

  • シビュラの秘密を知る者―シビュラに疑問を抱く者 〜 朱
  • シビュラの秘密を知らない者―シビュラに疑問を抱く者 〜 ギノ、雑賀先生
  • シビュラの秘密を知る者―シビュラに疑問を抱かない者 〜美佳
  • シビュラの秘密を知らない者―シビュラに疑問を抱かない者 〜弥生・志恩ほか

ここでは予想で美佳を「シビュラの秘密を知る者―シビュラに疑問を抱かない者」に分けたけど、現状ではこの立ち位置がいないので、もしかしたら美佳はこの枠に入る可能性が高いかな…と。
シビュラとしても同じフェーズ2でも朱と美佳では反応が違うと思うから、観察のし甲斐はあると思うw

そしていよいよ残り3話なんだが…未だに本当に残り3話でちゃんと終わるのかが心配だわw
でもノイタミナ発表会で山本Pが「2期は2期でちゃんと終わります」と断言したから、終わるんだろう。
あと、熊谷が「劇場版に繋がるようにアプローチを変えた」という点もチェックかな…と。多分、劇場版を見たら「あぁ!」ってなるんだろうな…ってか、そうであってくれ。

PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)

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PROPLICA ドミネーター

PROPLICA ドミネーター

*1:語っているのは升嵜だが、ここでは「升嵜の口を借りて鹿矛囲が語っている」という描写

*2:朱の家族が保護対象になった時に朱が言っていたように、朱の両親は公安局の保護施設にいるものと思われる