PSYCHO-PASS サイコパス 3 #04 コロッセオの政争

今回、ものすごくアクション多かったけど、スタッフ大丈夫!?

いいぞ、もっとやれ!!

 

 

 

 

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PSYCHO-PASS サイコパス 3 #03 ヘラクレスとセイレーン

満を持して登場した弥生、まさかの社会復帰!!

 

↑梓澤や榎宮はインスペクターでしたね。

↑コングレスマンじゃなくてインスペクターの誤りです。

 

 

 

 

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PSYCHO-PASS サイコパス 3 #02 テウメソスの狐

 

まさか…2話目にして狡噛さんとギノさんが出てくるとは!!

 

 

前回も書いたとおり、3期は録画見ながら実況した後の、まとめツイートを貼り付けていく形になります。どちらかと言うと「自分のツイートまとめ」として忘備録的な感じになります。

 

 

 

 

 

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PSYCHO-PASS サイコパス 3 #01 ライラプスの召命

PSYCHO-PASS3について

ご無沙汰しております。PSYCHO-PASS3、始まりましたね。

しかしながら、私も年齢を重ねてしまい、放送をリアタイする体力も、ブログを書く体力ももうありませんで、その上、2期→3期の間にPCが変わりまして、TV画面をキャプチャーすることができなくなりまして、1~2期のようなブログは書けない(これにはブログを毎週書く気力と体力が足りないことも含む)ため、「もうツイッターであれやこれや垂れ流すだけにしよう!」とブログを書くことを諦めました。

 

 

ツイート貼り付けただけのツイートまとめブログという手がないわけでもないですが、もし気にしていただけましたらツイッター理彩 (@allred_risa) | Twitter)をのぞいていただければ、金曜~土曜の夜あたりに録画見ながら実況して、それから感想やら考察やらを書きなぐっていると思いますので、そちらでよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

PSYCHO-PASS サイコパス2 #11「WHAT COLOR?」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

ホントに綺麗に終わった…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


「散れ、漆黒」と東金をドミネーター撃とうとした鹿矛囲と、鹿矛囲を殺すためにナイフで襲いかかる東金。しかし、「ダメ!」と朱が東金を押さえ、間に入られたことによって鹿矛囲のドミネーターは照準が朱に向いたことでロックがかかる。
揉み合いの末、東金を制圧する朱。…東金弱ッΣ(゚Д゚)!! …いや、朱がメスゴリラなだけだよな、絶対w
東金に手錠をかけ、身動きを取れなくする朱。
「ヤツのせいでお前の祖母は死んだ。何故守る!?」と、朱に対し鹿矛囲に殺意を向けさせようとする東金。しかし朱は「鹿矛囲はおそらく殺害に関与してない」と答える。
「正気か? その男が誘拐させたんだぞ」と尚も朱を煽る東金だが、朱は「確かに彼なら私の家族情報を得られた。でも、それは公安局の人間も同じ」と冷静に分析。
朱の答えに「犯罪者ではなく同僚を疑うのか?」と、朱はサイコパスが濁るのを恐れて鹿矛囲への感情から目をそらしているだけ…と、東金は言い、「憎しみも殺意も消せはしないぞ」と吐き捨てる。
その瞬間、朱の脳裏によぎったのは、槙島に殺された友人・ゆき、縢、征陸のとっつぁん、青柳さん、蓮池、そして葵ばあちゃん――死んでいった人たち。
私は、守らなければいけない大切な命を守れなかった。だけど、法を守ることを絶対諦めちゃいけないんです
1期で出した朱の答え――刑事としての信念。
1期最終回で、「法は人の思い、人の祈り」。だからその「思いや祈り」を無意味にしないために「法を守る」ことを信念として見出した朱。前回、その信念が揺らぎそうになるも、狡噛さん(のスタンド)がその信念を後押しした。
だからもう、東金が何を言おうと、朱は迷わないし揺るがない。
「行きましょう」鹿矛囲を促す朱。「待て!」その背に叫ぶ東金。
「ふざけるな。お前たちに母さんを汚させるものか!」

車両の対比区画では3係と鹿矛囲の仲間たちが交戦中。3係によって倒れていく鹿矛囲の仲間を援護するために水絵がボウガンで3係を襲うが、「そこまでだ酒々井!」とギノにドミネーターを向けられる。ボウガンとドミネーターを同時に撃つ水絵とギノ。しかし、ボウガンはギノの左腕(義手)に当たり負傷させることができず、ドミネーター(パラライザー)も水絵に当たるが、水絵は薬物を使っているために立ち上がってしまう。
「私…まだやれるわ、鹿矛囲!」再びボウガンをギノに向ける水絵。「神経刺激薬か、そうまでして…」水絵が薬物を使っていることに気づくギノ。しかしその瞬間ボウガンがドミネーターを弾く。
だが脇にいた雛河が水絵をドミネーターで狙撃したことでボウガンを取り落とす。「あと少しで鹿矛囲が世界を変えてくれる!」ボロボロになってなお、水絵はまだ鹿矛囲に尽くそうとしていた。

シビュラ本体へと向かう朱と鹿矛囲。「何故、案内する気になった?」と問う鹿矛囲に、朱は「あなたを正しく裁くためよ」と答える。朱の答えに「法の外で処分することもできた」と言う鹿矛囲。しかし朱は「そんな選択肢は存在しない」と言い切る。
「その断定が、あなたをクリアに保っているのが分かりますよ」と鹿矛囲のホロ――人格のひとつである向島は言う。
「君は、シビュラに何を期待しているの?」大津は問う。「シビュラに終わりをもたらすこと?」染水が言う。
人間性を犠牲にした、この理想社会で『正しい裁き』とは何でしょう?」向島は問う。
「俺は、あれが裁かれるのが見たい!」萩野*1が叫ぶ。
それを聞いた朱は「別の可能性もある」と答える。
「あなたも…いえ、あなたたちも気づいてるんでしょう? 望んだ答えが得られるとは限らない。それでも進むの?」
シビュラ本体の元へ行くとはいえ、シビュラが朱の提案を受け入れるとは、そして鹿矛囲の望みが叶えられるとは限らない。それでもこの先へ進むのか…朱は問う。
「僕たちが死んだ理由…死んだまま生きる意味を探して、ここに辿り着いた…」鹿矛囲が口を開く。
「大勢の願いを託されて…」鹿矛囲に向島が重なり、そして語る。
「みんな、癒やしという暴力に苦しんでる」大津は泣く。「救わなきゃいけないんだ」重なる鹿矛囲もまた、涙を流す。
「シビュラに報いを。それ以外に救いはない」そう言い切る染水。「人の怒りが社会をクリアにするのよ…」――果たして語っているのは鹿矛囲なのか、向島や染水たちなのか…。
おそらくは、それぞれの人格。向島・大津・染水・萩野は鹿矛囲の別人格というか、繋ぎ合わされた脳の人格なんだろう。多重人格のように「個」が切り替わるのではなく、シビュラのように知識も感情も共有しながら「鹿矛囲桐斗」を成している…と考えたほうがよさそうだな。
「これはゲームなのさ!」萩野は怒り叫ぶ。「俺たちとシビュラの」鹿矛囲もまた怒りを露わにする。
「違うやり方もあったはず」それを聞いた朱は言う。「社会を恨む人たちの思いばかり背負わずに」
「そんな選択肢は存在しない。もっと早く君と話せていたとしても…」きっとこうなる運命だった…とばかりに鹿矛囲は答える。

「私の実験動物が、こんな騒ぎを起こすとはね」シビュラ本体の入り口の前で待ち構えていた美沙子は、鹿矛囲にドミネーターを向ける。
「まだ答えは出ていない。そうでしょ?」恣意的にドミネーターをいじることで鹿矛囲を殺処分する気だと気づいた朱は、美沙子ではなく『シビュラ』の答えを聞こうとする。
常守朱。あなたの監視官権限はたった今剥奪されたわ」そう告げる美沙子。「ここを出て野垂れ死ぬといい」美沙子はシビュラではなく個人=禾生の権限で朱の監視官権限を奪った。
しかし、朱は動じることなく言う。「それがシビュラの答えか、あの扉の向こう側で聞くわ」
一触即発の美沙子と朱。しかし、そこで鹿矛囲が前に出る。
「僕たちという存在をかけて聞こう。シビュラよ、僕たちの色が見えるか?」鹿矛囲も美沙子にドミネータを向け、問う。

一方、朱たちを追いかけるため、東金は何とか手錠から抜けようとしていた。
「母さんさえいれば、他に何も要らなかった…なのに」回想する東金。
東金は子供の頃――おそらく10歳の時、母・美沙子に突然別れを告げられる。「この社会を司るものとひとつになるの。これはとても素晴らしいことなのよ」免罪体質者である美沙子はシビュラ入りすることに。そのことで東金に別れを告げるも、シビュラ入りすることに歓喜していた。
「あなたもいずれ、同じ場所に導かれるわ」まだ人工的免罪体質者であった東金もまた、美沙子同様にシビュラ入りするだろうことを暗示する美沙子だったが、愛する母と別れたくない東金は「母さんは僕だけのものだ」と美沙子を殺害してしまう。
…あ、あぁ、なるほどね。東金が史上最高値の犯罪係数を叩きだした理由ってそれね。これほど直接的にシビュラを憎めば、そりゃ700も超えるわw
しかし、8話での記録では、美沙子が死んだのは5年前になってるんだが、鹿矛囲の手術(15年前)にも立ち会っていたような描写だし、これはダミー美沙子=義体を使ってた可能性が高いな。小説でも高級官僚の義体にシビュラ脳たちが入って息抜きしているという説明もあったし、美沙子がシビュラと義体を行き来しながら東金財団に都合のいいようにシビュラをコントロールしていたと考えたほうが自然だもんな。
東金は施設に収容され、美沙子は脳を取り出され、シビュラの一員となった。

「そして俺は黒く染まった…」
執行官になり、母に再会した東金は、担当監視官のサイコパスまで意図的に悪化させ執行したことで「何故そんな真似を?」と問われる。
「それが俺の存在理由だからです」と答える東金。「黒いものはより黒く。清いものすら黒く染める。そうすることで母さんは美しく輝き続ける。全ては、あなたへの愛ゆえに」そう言い、子供のように笑う東金。しかし、美沙子は表情を動かさない。
果たしてこの時の局長は美沙子だったのか? 東金が美沙子だと思っただけで、実は中身は他のシビュラメンバーで、そこでちょうど鹿矛囲の手術の件もあって、東金母子を危険視したシビュラ反美沙子派が美沙子を排除するために画策し始めていたとしたら…。
「母さん…」思い出に涙をこぼす東金。
手錠から抜け出すため、万年筆を取り出すと東金は手に突き刺…したと思ったんだけど、どうやらあとの場面のキャプ画像を見ると、手首に傷があるんで、無理やり手錠を壊したみたいだな。
痛みに呻きながらも歪んだ笑みを浮かべる東金。…今回のゲス金ときたら、顔芸素材の宝庫すぎて困るw

鹿矛囲が美沙子に向けたドミネーターは案の定ロックがかかる。「無駄よ」と笑う美沙子はドミネーターを恣意的にエリミネーターへと変化させる。…やっぱりかいw
それを見ても鹿矛囲は動じることなく、問う。「シビュラシステムよ。裁きの神を気取るなら選べる道はひとつだ。お前たちがお前たちでいるために乗り越えねばならない存在が、目の前にいるぞ!」鹿矛囲は叫ぶ。美沙子ではなく、その奥のシビュラシステムに。「裁けるか、僕たちを! 問えるか、僕とお前の色を!」と。
――その瞬間、動きを止めるシビュラ。
「犯罪係数オーバー300。執行モード・リーサル・エリミネーター」鹿矛囲のドミネーターから発せられる音声。そしてエリミネーターへと変形する。「何!?」免罪体質者である自分に対してドミネーターが変形したことに驚く美沙子。
鹿矛囲のドミネーターに表示された美沙子の犯罪係数は325.7。「これがお前の色か、東金美沙子」引き金を引く鹿矛囲。
ドミネーターの光で鹿矛囲のホロが揺らぎ、彼の本来の顔が一瞬露わになる。184人の遺体を移植された継ぎ接ぎの体――そう、「鹿矛囲桐斗」の姿すら、ホロだった
「認めない! こんな…変化を!!」撃たれた美沙子は頭部を爆散させ倒れる。苦々しくそれを見つめる朱。
下顎から上の頭部を失った美沙子…いや、局長の義体の脇をすり抜け、シビュラ本体へを向かう鹿矛囲と朱。

「裁きの時だ」シビュラ本体と対峙する鹿矛囲。そして朱。
鹿矛囲と184人の犠牲者がシビュラにドミネータを向ける。発せられた犯罪係数はオーバー300。エリミネーターへと変化するドミネーター。
「これがお前の色か、シビュラ――」引き金を引こうとする鹿矛囲。しかしその瞬間、シビュラの声が…。
「ようこそ、鹿矛囲桐斗」その声に動きを止める鹿矛囲。
「協議により、私たちは貴方たちを認識することを、決断しました」「また、常守朱の提案通り、集合的サイコパスを成立させます」
ユニットから浮かび上がる数十体の脳たち。
「その上で、私たちの犯罪係数を上昇させる要因を廃棄します」浮かび上がった脳から生命維持装置的なものが外され、黒く濁っていく脳ユニット。その中でバラバラになり溶けていく脳。
…なるほど、集合的サイコパスを成立させ、そして犯罪係数上昇要因であった美沙子と美沙子派であろう脳を排除することでシビュラのクリアさを保ち、かつ鹿矛囲の裁きを成立させたか。…ん? 大体の予想当たっちゃったじゃん!?w
「今、私たちは新たな認識と完全性を獲得しました。これが、私たちの進化の形です」集合的サイコパスの成立によって、シビュラは進化を果たした…んだが、結構な脳を廃棄したけど、大丈夫なのか?
「対象の脅威判定が更新されました――犯罪係数ゼロ」
ロックされる鹿矛囲のドミネーター。これでまたシビュラはドミネーターでは裁けない免罪体質へと戻った。
鹿矛囲の裁きを見届けた朱は「これが答えよ、鹿矛囲桐斗」と、彼の背にドミネーターを向ける。
「あなたを逮捕します」今度は朱が鹿矛囲を裁く――。


一方、3係は犯人たちが立てこもる車内に突入し、最後のひとりを執行。ギノもボロボロの水絵に投降を呼びかける。
「もうよせ」と叫ぶギノに「まだよ…私が鹿矛囲の道になる」と、3係が設置した爆弾のボタンを押そうとする水絵。そこで物陰から水絵を狙う強襲型ドミネーター…こ、これは!!
強襲型ドミネーターに撃たれ、倒れる水絵。誰が撃ったとギノと雛河がその方向を見ると、そこにいたのは…す、須郷さん!!
須郷さん…待ってた、須郷さん! 超待ってた!!
「遅くなりました」姿を見せた須郷さんに「全くだ」と安堵の息をつくギノ。
「今回は間に合ったな」と、須郷の仕事を褒めるギノに「はい」と頷く須郷さん。そんな須郷さんを見て微笑むギノ…あぁ、やっと2人のわだかまりが解けたか。そして須郷さんもやっと1係メンバーになったんだな。
「大丈夫、生きてる」雛河が水絵の無事を確認。「お前の後輩を取り戻したぞ、青柳」穏やかな顔で意識を失っている水絵を見て、ギノは今は亡き青柳さんに報告する。
…てか、よかった。須郷さんもだけど、青柳さんの存在が忘れられてなくてよかった。彼女が自身の正義と信念を貫いた果てに命を落としたことは、朱もギノも知るよしがなく、我々視聴者しか知らないんだけど、それでも朱やギノが彼女の死に報いるべく自分の務めを果たそうとしてたことが、この最終回で描かれてよかった。
そして劇場版に登場することは分かっているのに一向に復帰しない須郷さんは、もう劇場版まで出てこないで終わるんじゃないかと思ってたけど、ここで復帰してよかったε-(´∀`*)ホッ
6話で、ちょっとだけわだかまりは解消してたけど、和解という意味では今回がそうだろうし、青柳さんを死なせてしまったという自責の念にかられている須郷さん自身が前に進むためには、このエピソードは必要だったな…と。
あと劇場版予告を見て、2期は雛河と須郷さんの顔見世と、強襲型ドミネーターの登場が必要だったってことが分かったので、ホントに上手くこのふたり(と強襲型ドミネーター)を活躍させるエピソードを作ったなぁ…と感服してるわ。

手錠を壊した東金は、朱と鹿矛囲の後を追い、その途中で美佳を呼び出す。…あ、親指プランプランしてるから、手錠に引っかかる親指の付け根部分を切るか折るかしたのか。
そしてシビュラ本体の入り口までたどり着いた東金が目にしたものは…頭部を飛び散らせた局長の義体=美沙子。
「母…さん」再び愛する母を失い、絶望の叫びを上げる東金。
一方、東金に脅され続ける美佳は「このままじゃないけない。全てアイツが悪いんだ」と、自身のサイコパスのために東金を排除することを決意する。
局長の命令で別任務に向かうと嘘をつき、現場を離れる美佳。しかし、弥生は美佳の行動に何かあると気づく。

ドミネーターから発せられた鹿矛囲の犯罪係数は400。エリミネーターへと変化する朱のドミネーター。
「僕は今、何色かな?」朱に問う鹿矛囲。そしてシビュラは朱に速やかな執行を求める。しかし朱は撃とうとせず、鹿矛囲に投降を呼びかける。
「感じるよ…。あれの中にも自分の色を取り戻せて喜んでる者たちがいる」そう語る鹿矛囲。そして「君こそ、何故シビュラにドミネーターを向けない」と朱に問う。
「集合的であるならば、ドミネーターを向ける者もまた、その一部になる。別の誰かが向ければあれは違う色になるかもしれない」
朱は気づく。鹿矛囲の真意に――。
「シビュラはもう後戻りはできない」鹿矛囲はなおも語る。「いつか本当の裁き手が現れた時、あそこにいる脳が最後のひとつになっても、犯罪係数は下がらないままかもしれない」
「まさか…最初からそのつもりで」朱は気づいてしまった。シビュラは全能者のパラドクスを解決するために集合的サイコパスを成立させた。それはシビュラ自身の集合的サイコパスを濁らせる要素を排除していくこと。そしてそれをし続けることでシビュラを構成する脳は減り続け、いずれシビュラはシステム=自身を維持できなくなる可能性がある――鹿矛囲の真意はそこにあった。
「もしかすると、その裁き手は、今、僕の目の前にいる人かもしれない」朱こそが真にシビュラを裁ける存在であることを、鹿矛囲は見出していた。もしかすると、それは最初から…。
「やめて…私はあなたじゃない。誰彼構わず人の願いを受け入れたりしない」否定する朱。
「せめて、血を流さない道を選んでいれば!」鹿矛囲と自分は分かりあえたかもしれない…。しかし朱にはもう鹿矛囲を裁くしか道は残されていない。
「そんな選択肢は、存在しないんだ」しかし、鹿矛囲たちは答える。こうするしかなかった…と。
その瞬間、「そこから出ろ、冒涜者ども!」と東金が現れる。

立ちふさがる朱に、東金は自分が葵ばあちゃんの殺害したと暴露する。朱は憎しみを募らせ、犯罪係数が80まで上昇。朱が濁り始めたことに笑う東金。
しかし、その瞬間「別の可能性もある。君も気づいているだろう」と鹿矛囲は朱に語りかける。
君が願う法の精神。もしそれが社会という存在に等しく正義の天秤となるなら、いつかその精神こそが、あそこにいる怪物を本当の神様に変えるかもしれない
その言葉に、自分を取り戻す朱。
それは朱が賭けた可能性。朱が願う未来――社会の形。そして、鹿矛囲が選ばなかった道。
「あり得ない」今まで黒く染められなかった人間はいなかったのに、朱の犯罪係数が下がり始めたことに動揺する東金。
「お前などが、母さんより清らかなものか!!」
おそらく、東金は気づいていたのかもしれない。免罪体質者ではあるが故に美沙子は数々の罪を犯していたことに。母を殺したことで「罪の概念」を持つに至ったが故に、東金は母・美沙子の犯罪を許容できなかった。しかし、母への愛が勝った東金は、ならば周囲の人間の犯罪係数を上げることで母の罪を薄めようとしたのかもしれない。そして母に敵対するものを排除することでしか、母の愛を得られなかった(得られたと感じられなかった)、そんな哀れな子供。
そして、母を奪ったシビュラを憎みながらも、シビュラとなった母を愛するしかないパラドクスに陥っていた、そんな哀れな子供。
…でもね、41歳という、いい年こいたオッサンになってもそれっていうのは、ドン引きですよ、ゲス金さん。
朱を突き飛ばし、東金にドミネーターを向ける鹿矛囲。

互いにエリミネーターを撃ちあう東金と鹿矛囲。エリミネーターが命中した鹿矛囲は朱に笑みを見せ、そしてその身を爆散させる。
やっぱり2期も鹿矛囲のひとり勝ちかい!!
サイコパス名物の「同じことを繰り返す理論」だと、1期で槙島が目的を果たして満足して死んでいったように、2期も鹿矛囲が目的果たして満足に死んでいくENDじゃないかと思ったら、やっぱりかい!!
てか、朱ちゃんってもうこのパターンがお約束なの!?
1期最終回の時にも、「朱ちゃんは欲張りすぎて目的を達成できないタイプ」って言ったんだけど、今回もまさにそのパターンやな。
…いや、厳密にはシビュラに集合的サイコパスを認めさせることによって鹿矛囲の犯罪係数を計測することができた=裁く寸前までは行けたけど、「エリミネーターによる執行」を避けたがために、結局は鹿矛囲に勝ち逃げされてんのよ、朱ちゃんさん。
小説版では朱ちゃんエリミネーターで執行している描写はあるんだけど、アニメ本編では一貫して朱本人はエリミネーターによる執行はしてないのよね。それは「人を殺すこと」を厭っているんじゃなくて、あくまでも「(シビュラによる)死刑回避の選択」なんだよね。朱の正義と信念が明確になっている2期は特に。
とはいえ、朱が死刑制度を否定しているかというと、そこはどうかな…っていう気もする。あくまでも1期終盤(狡噛さん脱走)以降の朱が否定しているのは「犯罪係数300以上は死刑」というシビュラの法制度を否定しているのであって、死刑という制度自体はまだ否定してない気がするんだよね。ただ、今後の社会の変化によって、朱が死刑制度を否定する可能性は充分にあるとは思う。
鹿矛囲が散り逝くさまを唖然と見つめるしかできない朱。
「何故だ…何故染まらない!?」鹿矛囲のエリミネーターは東金の腕をかすめただけだったが、それでも右腕1本を持って行くことはできた。
「東金朔夜。反逆行為、並びに常守葵の殺害容疑で、あなたを逮捕します」東金に告げる朱。
しかし、東金は朱ではないものを見て震えていた。――シビュラシステム。その本体を見て悲鳴を上げ、逃亡する東金。
だが、朱は追いかけなかった。

そんな朱にシビュラは語りかける。「あなたの提案により、私たちの中で議論され続けてきた問題が解決を迎えたのは、喜ばしいことです」
…あぁ、やはりシビュラ自体も美沙子と美沙子派を排除するためにはどうしたらいいかって思ってたわけか。なんかそう思うと、鹿矛囲が事件を起こしたこと自体が、シビュラの手のひらの上で転がされてたようにすら思えるな。
島風に言うなれば、偶然ではなく「必然」で起こった事象…ってことか。どこまでが「偶然」で、どこからが「必然」として仕組まれていたのか…。はたまた最初からシビュラが必然の事象として導いていたのか…。
少なくとも我々に分かるのは、朱を使ってシビュラを脅かす鹿矛囲を排除しようとした東金母子が、逆に朱と鹿矛囲を使ったシビュラから排除された…ってことだけだわな。
2期は「全てがシビュラの手のひらの上で転がされている感」が複雑かつ緻密だったし、1期以上に際立ってたよな。皮肉と絡めて。
「ただし、今の処理能力では、まだ社会全体の集合的サイコパスは成立し得ない。その日のために今後も社会に貢献し、健やかに生きることを推奨します」シビュラの真実を知る者として、そしてシビュラの観察対象として、朱にはまだその価値がある…とシビュラは判断した。
それに何も答えることなく、シビュラ本体から去る朱。

ついに倒れた東金は、美佳がやってきたことに気づく。美佳にドミネーターを向けられた東金。その犯罪係数は899。
「何がシビュラの子よ…真っ黒」美佳が呟くと、東金もまた「母さん…」と呟く。
「あなたも俺も、結局はシビュラの奴隷でしたね…」
シビュラである母に従い、尽くした自分も、そしてそのシビュラから排除された母も、結局は要らなくなれば捨てられる存在であった…と気づいた東金。
1話でさぁ、東金が喜汰沢に「お前は部品なんかじゃない。社会が強制しても抗う心がある限り、ひとりの人間だ」って説いたんだけど、それって彼の本心だったんじゃないか…って気がしてきたんだよね。
東金は自身が母、ひいてはシビュラに利用されていることとか色々と気づいてたのに、「母への愛」しか拠り所がなかったがために全てに目をつぶってしまって、自立できなかったんだろうな。
1期が狡噛・槙島・朱という、似たもの同士でありながら相克する3人組の対比だったけど、2期は朱・鹿矛囲・東金・美佳という、似たもの同士でありながら相克する4人組の複雑な対比だったな…と。
自立という面では朱と東金は立派な対比になっていたんだな。狡噛さんを拠り所にしながらも刑事として自立していった朱と、母しか拠り所がなかったがために自立できなかった東金…と。
そして、朱や東金と対立しながらも結局は東金と似たもの同士だった美佳の選択は…。
「あなたに従った自分が許せない。こうしなきゃ、私がクリアじゃなくなるの」東金を始末することを決意した美佳。
その呟きに、東金は力なく笑う。
この娘が、新しい奴隷というわけですか
シビュラの真実を知りながら、シビュラを否定せず、そして自らをクリアに保つためには手段を選ばない。まるで東金と鏡写しのような存在である美佳に東金は言う。「せいぜいシビュラを美しく保つためだけに、生きて…」
「私を濁らせる人間なんて、消えればいい…!」引き金を引こうとする美佳。しかし、その瞬間、ドミネーターにロックがかかる。
東金は絶命していた。
「私、ここから先へは進みません」それは文字通り、先へ進んでシビュラの本体を見ることなのか。それとも、自分をクリアに保つために人を殺すことすら厭わないと思う心か…。
引き金を引こうとしたタイミングで東金が絶命したことで、美佳は自分をクリアに保つために人を殺さずに済んだ…と考えるなら、後者だろうな。すでにシビュラの真実を知っているから、別に今更美佳はシビュラの本体を見る必要もないだろうし。
「秘密は守ります。いえ、全部忘れます! 何も知りません!」シビュラに向かって叫ぶ美佳。
「私、シビュラを信じます。私、この社会が大好きですから!!」泣きながら叫ぶ美佳。
美佳はもう、自分が後戻りできないところに来てしまったのを知ったよね。シビュラの真実を知ってしまったことで、シビュラに嫌悪感は抱けない。自分がしてしまったことへの後悔や罪悪感はあるにせよ、それに潰されてはいけない。
東金を殺すことでその罪悪感から逃れようとしたけど、今回は東金が殺す前に死んでくれたおかげで、新たな罪悪感に苛まれずに済んだ。
しかし、美佳はこの先、シビュラへの服従と己の正義や罪悪感との葛藤をし続けなくてはいけなくなったわけだ。
ちなみに私はウッカリ劇場版のバレを見てしまったわけだけど、どうやら劇場版でも美佳はこの美佳のままらしくて、そう考えると2期は「霜月美佳の物語」でもあったんだなぁ…と。
おそらく、劇場版を見た時に「いかにして霜月美佳はあぁいうキャラになったのか」という話を描いたのが2期になるんじゃなかろうかと。
美佳が朱と対極する位置に至った理由がこの2期にある。そう考えたら、まぁ…2期におけるこの美佳の描かれ方はしょうがないというか、こう描くしかなかったんだろうなあ…。朱との対比に加えて東金とも対比するキャラクター=美佳だから、これはもうどうしょうもなく嫌悪されるキャラにしかならないというか。
ただやっぱり、読み取り方を気をつけないと美佳というキャラは朱ageの道具としてしか見えてこないのが難点だわな。

地上に上がった朱は、監視官権限が剥奪されたという通達を受けた3係によって捕縛されそうになるが、ギノと雛河が監視官権限が戻っていることを伝える。
「私は今、何色ですか?」朱は問う。
その意味を受け取ったギノは朱にドミネーターを向ける。ロックがかかるドミネーター。
「綺麗なもんだ」朱に伝えるギノ。
そして朱は美佳から、東金が執行前に死亡したという報告を受ける。

雑賀先生は分析官を辞し、施設へ戻ることに。
先生のサイコパスは回復傾向にあり、戻る必要はないという朱に、回復の理由は分かっていると言う先生。
「依存するのは性に合わないんでね」東金に指摘されたことで朱に依存していることを自覚した先生は、あえて施設に戻ることで朱との距離を保とうとしたのだった。
「また来ます」と部屋に入っていく先生の背に言う朱。「楽しみしてるよ」先生は振り向くことはなかったが、拒絶はしなかった。
「触れたらサイコパスが濁る男、か…。いないとなると、ちょっと惜しい気もするのよね」そして先生が去った分析室では、志恩さんがその存在を惜しんでいた。
志恩さんと先生って、なかなかいいコンビだったと思うんだ…確かに惜しいです。同感です、志恩さん!!

一方、弥生の部屋を訪れた美佳は、桑島の証言から葵ばあちゃんの情報を流したのは東金だと判明したと告げられる。
「しかし、彼がどうやって情報を手に入れたかは今となっては分からない」と言う弥生に、「残念です」とシラを切る美佳。
そんな美佳に「誰であれ、許す気はないわ」とキッパリと告げる弥生。
「…同感です」カマをかけられていると美佳は気づくが、それでもシラを切るしかない。
ここで弥生がシャツのボタンを外してて、美佳も上着を脱いでて、「ん?」と思ったんだけど、ベッドらしきものに上着が無造作に置いてあったりすることから、もしかしなくても弥生さん、美佳を食っちゃったんですねw
おそらく弥生は、美佳が自分に対して好意を持っていることを知っていて、それを利用したんだろうね。
5話のように、自分に対しては本音を言うはずの美佳がシラを切ったのは弥生の誤算かもしれないけど、それでも「弥生に嫌われたくない」という美佳の気持ちを利用して、朱と美佳の微妙なパワーバランスを保つ(美佳のほうには傾けさせない)役割を担おうとしてるのかも…というよりは、弥生は彼女の居場所である「1係」を守ろうとしている…と言ったほうがいいのかもな。少なくとも美佳の存在は1係を危うくする存在なんだけど、執行官である弥生は監視官には反逆できない。でも、死んだ佐々山や征陸のとっつぁんに縢、そして逃亡した狡噛さんから受け継いだ「1係」を壊そうとする美佳に対する精一杯の反逆行為が彼女の気持ちを利用すること…と。
「優れた観察者」である弥生が、あえて自らの立ち位置を踏み越えたぐらいだから、弥生は相当、美佳の存在を危険視してる気がする。

そして局長=新体制となったシビュラのもとを訪れる朱。
今回の件でシステムに多くの空席が生まれ、そのことで朱をシステムに迎え入れてはどうかという案が出ているという。「変革を望むなら内側から試みてはどうだ」そう説く局長=シビュラ。
しかし朱は「そこまで私に興味はないくせに…挑発?」と意に介さない。
「断る…ということかね?」と問う局長=シビュラに、「今は、ね」と答える朱。
あなたたち自身が廃棄を選択する時が来たら、一緒に地獄に行ってあげる
朱はシビュラに抗いながら、シビュラと運命を共にする覚悟を決めた。
しかし、1期で予想して外れた「朱がシビュラ入りして、まどかのごとくシビュラの概念となる」というのが今ここで復活するとは…。
おそらく、美佳という「シビュラにとって退屈なほど模範的な市民」が出てきたことで、もはやシビュラにとって朱はイレギュラーな存在なんだよね。そして朱もそれを自覚している。
「今は、ね」とあくまでも現段階でのシビュラ入りを断っているけど、「一緒に地獄に行く」という覚悟もしているあたり、もしこの先、自分がシビュラに入ることでしか変革を望めないのなら、朱はシビュラ入りすることも考えるのかもしれない…無論、最後の手段として。
「集合的サイコパス…」局長=シビュラは語る。
遠くない将来、集団が基準となる社会が訪れる。個人としてクリアでも、集団としてはクリアでない可能性。その疑心暗鬼が混乱を招き、かつてない魔女狩り社会が訪れ、その結果、裁きは大量虐殺へと変貌を遂げるかもしれない。
「その扉を開いたのは、君だ」皮肉を浮かべて笑う局長=シビュラ。
…なぁ、あんまり考えたくないんだけどさぁ。今回、あまりにもシビュラが朱寄りで、まさかアイツがシビュラの中に入ってるんじゃねぇか…とか疑っちゃうんだけど?
あのさ…。鹿矛囲で脳の多体移植=脳を繋ぎ合わせるっていう技術があることが判明しちゃったわけよね。とするとさ、狡噛さんに脳天撃たれて損傷したはずの槙島の脳が、他の免罪体質者(例えば藤間とか)の脳と繋ぎ合わされて「ひとつの脳」としてあのユニットに入れられてる可能性も否めないよねぇ?
今回さぁ、あまりにも朱寄りなのと、もしも槙島がシビュラに入っていたら取りそうな行動――美沙子の排除とか集団的サイコパスの認知とかが行われてて、それこそ美沙子の企みが出てきたあたりで「槙島がシビュラに入ってたら朱の味方をしてくれそうなのに…!」って願ったことが起きちゃったわけよ。
そして朱を「変革するならシビュラの内側からやってみろ」と挑発したり、集合的サイコパスで社会が変貌することによってもたらされるかもしれない危険性を皮肉るとか、なんかこう…槙島を彷彿とさせるんだけど、穿ちすぎでしょうかねぇ?
逆に今の段階では穿ちすぎてても、もし3期をやるとしたらロングパス要件にはなるかもしれないよね。「実はシビュラに槙島がいた。さぁどうする朱に狡噛!?」みたいな感じの。
…いや、むしろ3期以降を続けるなら、いっそのこと集合的サイコパスが浸透した次世代の話にするべきだと思うけどね。
例の試写会での発言*2がどこまでがジョークでどこからが本気なのかは推し量れないけど、サイコパスという作品が本来ターゲットとしたサイバーパンク好きの男性をファン層に取り込めなかったことに悔いているのなら、3期でキャラを一新することで作りなおせばいいんじゃねぇの? と思わないこともなくてな。
まぁ、それでなくてもサイコパスをサーガ化して続けていくのであれば、いずれキャラの世代交代は行わなければいけないし、何よりも「常守朱が主人公の刑事ドラマ」という縛りであれば、朱が監視官でいられる10年間の話しかやれないから、そこでサイコパスという物語を終わらせるもよし、朱の次の世代へ繋げていくのもよし、あとは「どこまで続けるか」という見極めを制作側がやればいいだけの話ではあるがね。
ただ、フジは続編をダラダラと作り続けることでそのコンテンツを殺してしまうことに定評がある*3ので、そこら辺は要注意かな…。
個人的には来たる劇場版で(本編としては)締めてもいい気がするけど、いかんせん夏に謎のイベントがあることで、3期や劇場版2が来る可能性は結構高い気がするんだよねぇ…。
…って締めに入りかけてたわ。本編に戻ろう。
「私はそこまで悲観しない。訪れるのは、正しい法と秩序。平和と自由かもしれない」そう言って踵を返す朱。
「君らしい楽観だ」とその背に返す局長=シビュラ。「楽観だろうと、選ばなければ実現しない」朱は立ち止まる。
社会が人の未来を選ぶんじゃないわ。人が社会の未来を選ぶの。私は、そう信じてる」
それが、今回の事件を通して出した、朱の答えだった。
…てか、それ、選挙前に言って欲しかったわぁ…
今の有権者ってそうじゃない? 社会(政治家)が選ぶ未来に希望が持てないから選挙してもムダ…みたいに思って、棄権や白票を投じることで政治不信を表明するとかバカなこと言う奴までいるじゃん。あくまでも社会の未来を選ぶのは我々なのよ。
新編集版の頃にツイッターで、「サイコパスって話は現代から切り離された近未来SFに見えるけど、実はサイコパスの世界はこの今の世界と地続きになっているかもしれない未来の可能性のひとつであるという警鐘」みたいなことを言ったんだけど、2期でもそれを最後に出して警鐘を鳴らしたな…と。
我々が社会の未来を選ぶことを放棄した結果が、「決断力」をいうものを放棄して、システムに管理され、決断されるあの世界。そういう可能性を現代社会はもうすでに秘めているんだよ…というのが、サイコパスという物語がSF的警鐘を鳴らしている部分じゃなかろうか。
そして思うのは、前述した本来ターゲットとしたサイバーパンク好きの男性をファン層に取り込めなかったって理由の一因になり得ているのかは分からんけど、SF(サイバーパンク)としてはあまりにも現代社会に近すぎたせいかもしれんね。
ドミネーターという突出したSFガジェットやはあるにせよ、ホロなんかはあと一歩の技術だし、こまごまとしたガジェットがあまりにも現代社会寄りすぎて、変にリアル感がでてSFらしさを感じさせなかった…ってーのはあるよね。
SFだけどサイバーパンクってよりは、俄然、刑事ドラマ色のほうを強く感じるし、正直、あの例の発言は「どの口が言う」としか言えないわw むしろこれでサイバーパンク好きの男性ファンが多数つくと思っていたのかと…キャラデザなんかも含めて。

そして新たな日常へ…。
1係には正式に須郷が加入…てか、須郷さん、その机の位置は新ハウンド3っすか!?
ギノと仲良くやってる…とか、腐ったお姉さん方の胸が熱くなるじゃないですかー!!(人のこと言えんのかよw)
雛河も1係に馴染み、美佳はやっぱり美佳のままw
そして施設に収容された水絵は自分の目で世界を見る…。自分を見つめなおした水絵には、ぜひとも穏やかに生きてもらいたいもの。潜在犯になってしまったので穏やかにも何もないだろうけど、それでも今度こそありのままの自分で生きていって欲しいと願うよ。

そしてED後のCパート。
綺麗に片付けられた朱の部屋。タバコを消し、部屋を出て行く朱。
ものっそ綺麗に終わった―――――ぁ!!?
前回まで「本当にあと1回で終わるのか!?」と危惧していたのが嘘のように綺麗に終わった…。
…でもね、…ないよね? アレが、ないよね!? そう、「シビュラはどうたら…」っていう文言。
あ、そうか、劇場版に続く…というか、劇場版で出てくるのか、新しいその「シビュラはどうたら」っていう文言。
しっかしまぁ、ホントに綺麗に終わらせたよねぇ…見事なくらい綺麗に終わらせて感服したわ。
変に劇場版を意識した終わり方でないのがまたいいよね。逆にこれ、劇場版へ繋がるような終わり方だったら萎えてたと思う。
あくまでも2期単体でENDマークを付けたのは正解だと思う。
1期→劇場版として作られていたところに、そこを繋ぐために作られた2期なんだけど、ホントによく作ったなぁ…ってとにかく感服しかできない2期だわ。1期があって、そして先に劇場版があったというガチガチの制約の中で、新たなシビュラの穴を見つけ出し、鹿矛囲という革命者に犯罪を起こさせ、そして更に複雑に絡まりあったドラマを、ホントよくぞ描いた!!
細かい部分ではモヤッとしたりモニョる部分もあるけど、とにかく気持ちのいい終わり方だった。1期に比べたら爽快感は倍以上あるよね。
そして、全く劇場版へ繋げる要素もなく終わったのに、この爽快感が更に劇場版を楽しみにさせてくれるね。
ただ、2期をまとめるには、劇場版を見ないことにはまとめられない気がしている。おそらく、劇場版を見ることで分かる部分って結構ありそうな気がするし。
しかし、それでも現段階で2期をまとめるならば、1期があり、そして先に劇場版の脚本があり、その2つを前提としたガチガチの制約の中で、よくぞここまで緻密に、複雑に2期のドラマを作り上げたもんだと、ただただ感服するばかり。
ただ、1期および新編集版を超えたかと問われると、私は頷くことはできないけど、それでも「優れた刑事ドラマ」として私はサイコパス2期はお勧めできる。
そして1期は「未来に希望が持てたらいいよね」という終わり方だったけど、2期は朱が集合的サイコパスをシビュラに認めさせたこともあって、「もしかしたら未来に希望が持てるかもしれない」という一歩前に進んだ終わり方だったのもまた良かったよね…と。多分、2期の終わり方に感じた爽快感はそこかな。
「一歩前に進んだ」というのは、シビュラが集合的サイコパスを認めたことで「進化」したということなんだけども、ここでサイコパスという物語を見るにあたって必要な「2つの価値観*4」が出てくるのよ。
シビュラが集合的サイコパスを認めることで自らも裁きの対象となった。そのことで個人個人はクリアでも集団としては潜在犯となる社会となり、それが市民の疑心暗鬼を産んで魔女狩り社会になる危険性を孕むことになった。すなわちそれは、シビュラは進化しつつも旧社会へと「退化」して行くことになるのかもしれない。
それに、朱の望みはおそらく人々が自らの手でシビュラと決別することを選択する社会なのだと思うのだけど、早い話が自分で考え自分で選択するという旧社会への退化なんだよな。「シビュラが進化」することで「社会が退化」するってーのも、なかなかSFらしい皮肉ではある。
とはいえ、あくまでも「進化が退化という皮肉」…いうのは、我々視聴者の価値観での話。
サイコパスのあの社会は、人間が思考や決断といったものを放棄した世界。今回、シビュラが集合的サイコパスを認めて「進化」したことにより、もしかしたら市民(人間)が自ら考え、決断する要素は増えていくのかもしれない。
自分で思考することなく、シビュラに決断を委ねている人間たちが、シビュラの進化によって思考力や決断力を取り戻せば、それはあの世界の価値観では「進化」に当たるんだよね。
自分で思考することなく「決断力」を放棄し、シビュラに決断を委ねた人間たちが、そのシビュラが「進化」することで決断力を取り戻す…。進化であり、退化であり、原点回帰でもある…ってことか。
ループしているようで実は螺旋を描くスパイラルな物語でもあるサイコパスらしいっちゃサイコパスらしいし、1期とは違って、そこに希望を持たせた2期の終わり方は、それもまたスパイラルな物語であるサイコパスらしい終わり方だったのだろう。
…しかし、前述の通り3期や劇場版2をやって欲しいかというと、素直に頷けない部分が大きいのも確か。
最初に槙島(免罪体質者)というチートを出してしまったことで、それ以上の犯罪者はいないと詰んだはずの2期で出てきたのが、プチシビュラとも言える集合体である鹿矛囲。ならば3期or劇場版2で出てくる犯罪者は…?
探せばあるんだろう。なにせ今回「集合的サイコパス」という新たな概念が生まれた。ならば3期or劇場版2は、お手軽にそこつけばいい。
しかし、続ければ続けるほど、どんどん設定はガチガチになっていく。そしてそのうちサイコパスファンであるクリエーターしか物語を作れなくなる。この先続けていくことによってどんどん内輪受けの作品になるかもしれない…そんな危険性をもう孕んでしまったわけだ。この2期と劇場版で。
派生するスピンオフならまだいい。しかし、アニメ本編は内輪受けの作品になるべきではない…と私は思う。2期で冲方丁と熊谷純という新しいクリエーターを入れたように、この先も続けるならば、然るべきタイミングで新しいクリエーターを入れて風通しを良くしないと、攻殻機動隊シリーズのように「ファンにしか受けない作品」にサイコパスもなってしまう気がするんだよなぁ…。
ただ、個人的にはサイコパスという話がサーガ化していくことには賛成というか、あの社会が長い目で見た時にどうなっていくのか、その社会の中に生きる人間たちはどうあがいていくのかというのは興味があるし、できることならば見てみたい。
それに「常守朱が主人公の物語」としては、朱が監視官でいられる10年間しか描けないし、劇場版時点で2116年ということは、あと6年分…おそらくはあと1回か2回しか「常守朱が主人公の物語」は描けないはず。そしてその間に朱がどれだけ社会を変えられるというのか…。
とはいえ、「シビュラを打倒する物語ではない」ので、朱がシビュラを打倒する必要はないし、道半ばで物語が終わることだって充分にありえるわけで、要は、1期・2期、そして劇場版もそうであろう「綺麗に終わらせた」はずの物語をダラダラと続けてサイコパスというコンテンツが死んでしまう前に綺麗に終わらせることが最も重要だと思うので、そういった意味では、やはりこの劇場版で終わっとくべきという気もする…。
これはあくまでも2期が終わった今現在の気持ちなので、劇場版を見たら、もしかしたら「いや、やっぱり3期やろうよ、このメンバー(キャラクター)で」って気持ちになるかもしれないし、「やっぱり劇場版で終わっとくべき」という気持ちのままかもしれない。
もうなんかグダグダと言ってるけど、早い話が早く劇場版見たいってことですよ、今はw


そして、各話最大1週間遅れの範囲で何とかサイコパス2期のブログも完走出来ました。
拍手やコメント、ツイッターでの感想やコメント、ありがとうございました。
多分、劇場版までブログを書くと思うので、もし良かったらもう少しお付き合いいただけると幸いです。


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ラジオCD「PSYCHO-PASSラジオ 公安局刑事課24時」復活SP

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*1:鹿矛囲のホロのひとつだった5話の軍事ドローン施設のオペレーター

*2:女性ファンの多さというか男性ファンの少なさに本広以下の製作陣が驚いたという話

*3:踊るシリーズや海猿なんかがいい例

*4:我々視聴者が持つ現代社会の価値観と、サイコパスという物語社会の価値観

PSYCHO-PASS サイコパス2 #10「魂の基準」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

本当に次回で終わるの…か? の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


地下鉄をジャックし、ついに最終目的へと動き出した鹿矛囲たち。
管制室では鹿矛囲たちがジャックした地下鉄の異変に気づき、全運行列車の緊急退避措置を取るが、その措置もすでに鹿矛囲たちの計算に入っており、ポイント切り替えに失敗。鹿矛囲たちがジャックした列車を含む全列車が退避区画に集まってしまう。
てか、分かりやすいくらいの「交渉人 真下正義」オマージュだなw
フォロワーさんいわく、1期から端々に本広オマージュはあったけど、2期は更に本広オマージュが多いとのことなんだけど、これはもう誰が見ても真下正義まんまだわw
「…始めよう」ついに開始される作戦。地下で起こる爆発。爆発によって開いた穴から流れ込む汚染水。同時に水絵も地下でデコンポーザーによる破壊工作を開始。
同じ頃、公安局も地下の異変に気づく。列車が退避した区画は、周囲が汚染水の流入したことによって孤立。排水できない以上、乗客の脱出は不可能。…あぁ、さっき水絵が破壊してたのは排水装置か。
しかし、脱出できないのは中にいる鹿矛囲たちも同じこと――「自分たちごと閉じ込めた…その狙いは何だ?」首を捻るギノ。

国交省を骨抜きにしすぎたわね。鉄道の隣接エリアが浸水したままとは…」当然、この自体は局長(美沙子)=シビュラも察知。泉宮寺さんの時もそうだったけど、国交省は地下については随分と杜撰なようで…。
「そう…。彼らが再び我々に取って代わろうとした時のために、不祥事のネタを残していたわけね」その国交省の杜撰さも、厚生省(シビュラ)VS国交省という利権戦争の一部…厚生省側が仕掛けた国交省の不祥事のネタってわけか。で、それを鹿矛囲に使われてしまった…と。
「おかげで乗客500人以上が鹿矛囲の人質になったようよ?」と嘲笑う美沙子。
…うーん。この国交省の不祥事のネタ=地下についての杜撰さをワザと作ったというのもシビュラなんだけど、それを「鹿矛囲に使われちゃったわよ」と美沙子が嘲笑うあたり、やっぱりシビュラ内で、美沙子VS他シビュラメンバーの対立がありそうな感じだよなぁ。
「目的? …まさか。地獄の季節の再現だけで満足する程度なら、とっくに処分できているわ」美沙子は鹿矛囲の「本当の目的」に気づいているようで…。
地下鉄車内では鹿矛囲たちが乗客にドミネーターを向け始めていた。
そして、現場には3係が向かうが…。

一方、葵ばあちゃんを始末した東金は何食わぬ顔で朱の前へ。「何処へ行こうというんです?」と、状況の分析と作戦の立案をしようとする朱の前に立ち塞がる。肉親が人質になった時点で、朱は事件に関わることはできないと言う東金だが、「それを判断するのは、監視官である私」とあくまでも仕事――自分の使命に戻ろうとする朱。
そんな朱が刑事部屋から出てきたところを見た美佳は取り乱し、「私は悪くない」と連呼。自分が葵ばあちゃんの居場所を調べたのは脅されてやったことだと、罪悪感から逃れようとする。
朱の姿が消えた刑事部屋で東金は呟く
「そうだ。自分のせいで大切な存在が失われる苦しみを味わえ。――黒く染まれ、常守朱
…ゲスい。キモい通り越してゲスい。もうアンタ、ゲス金でいいよ、ゲス金で!

車内でドミネーターを撃ち始めた鹿矛囲たち。しかし、今回は「(犯罪係数が)300を超えそうな者からパラライザーで意識を奪え」と指示し…って、え!? 虐殺祭じゃない…だと!?
…あぁ、基本的に殺したいのはシビュラの尖兵である公安局であって、一般人を殺す気は毛頭ないんだったな。今回は「ドミネーターを使う」という行為に目的があるのか。
次々に、そして無慈悲に発砲されるドミネーター。
乗客を無差別にドミネーターで撃つことに憤る六合塚。朱が局長命令で待機であることから、「私が1係のトップなんだ」と笑みを浮かべる美佳。「大丈夫。私はシビュラの意思に従っただけ。サイコパスが濁るわけがない」と自分に言い聞かせる。
…てかさー、思うんだけどさぁ、ここまで来てなお、美佳ってキャラの扱いはこれでいいの? って思うんだけど…。
朱とは違う方法で強靭なサイコパスを保てる存在、対比として美佳が存在しているのは分かるんだけど、ここまで美佳を視聴者からの憎まれ役、朱ageの道具としてしか存在させないのもどうよ? 劇場版もこれで行くの? 霜月美佳ってキャラは本当にそれでいいの?
元がモブキャラ*1だから霜月美佳ってキャラに製作陣自体が愛着なくてもしょうがないのは分かるけど、正直ここまで美佳の扱いが酷いと、いっそのこと2期で退場させてくれよとか思うのだけど、最終回で1発逆転あるの? ないなら霜月美佳ってキャラがかわいそうだと思うんだが、2期は小物で終わっても劇場版で成長してる可能性が微レ存?
てか、2期さぁ、「仲良しチームだった1係を1回崩壊させる」とか言われてたけど、実際のところは、朱と美佳がそれぞれ独走して、それに執行官たち(主に雛河)が振り回されてるだけなんだよね。朱と美佳がギスギスしてるだけで、ギノや弥生はちゃんと立ち回れてるし、確かに「仲良しチーム」とは言えないけど、1係のチームワークが崩壊しているわけではないし、アニメ誌で言われていた「朱が孤立する」という状況も、朱の精神的な問題(しかも「孤立」というよりは、朱が自ら精神的に「孤独」な方向へ向かっていっている)であって、立場ではない。
1期よりマシとはいえ、やっぱりサイコパスって尺の関係*2で情報量をその尺に入れられる最大公約数で切ってしまうから、どうしてもアニメ誌とかで製作陣が発言することによって補完される部分がかなりあるんだけど、2期もやっぱりそうだったか…orz
そしてギノもいつ「苦しい立場」に立ったんだと疑問なのだが、もしかして、須郷さんが青柳さんを撃ったことで割り切れない気持ちになった時がそれだったのだろうか?
ともあれ、2期で残念なところをひとつ挙げろと言われたら、私は迷うことなく「霜月美佳というキャラクターの描き方」を挙げるわ。
別に美佳が朱に対立するキャラクターである分にはいいんだ。朱の対比(シビュラ社会における退屈なほど模範的な市民)として描かれるのもいいんだ。ただ、終盤になるに従ってどんどん「朱ageの道具」として描かれていっていることに失望したんだ。
3係が噛ませなのはしょうがないにせよ、一応メインキャラクターである美佳まで朱ageの道具にしてるのを見るとねぇ…そりゃ失望するよね。
だって中盤までは上手い具合に「朱と対比」になってたのよ? なのにシビュラの真実を知った途端に小物化して、結局、視聴者の憎まれ役でザマァされるだけの役割とかね…ホントにキャラに愛がないね。
そういう失望よね…2期に対する失望感があるとすれば。
まぁ、美佳には「劇場版で成長してるかもしれない可能性」に賭けるしかないわな…。
てか、劇場版で新たな敵に立ち向かうためには、この鹿矛囲の事件を経て1係のチームワークが再生しないと勝てない相手なんじゃ…って思うので、どうか劇場版で美佳が、別に朱様マンセーしろとは言わないけど(むしろしてたほうが嫌だけどw)、朱のことを認める部分は認め、違うことは違うと言えるような存在に成長してくれてたらいいなと願うわけで…。
「鹿矛囲ってドミネーター効かないのに、どうやって…」怖気づく雛河だが、「だからって出動しないわけにはいかないでしょ」と弥生。
今になって気づいたけど、2期の弥生って頼もしいわ…。1期から「自分にできることをする」「自分が置かれた状況の中でベストを尽くす」人だったけど、1係の中では最もベテランの執行官*3という立場とか、雛河という年下キャラがいるとか、「頼れるお姉さん的頼もしさ」が2期ではさり気なく滲み出てるよね。

「せめて鹿矛囲の目的が分かればな…」と言うギノ。
美佳は「鹿矛囲の目的は東金財団への報復」「今回も何らかの形で(鹿矛囲と東金財団が)繋がっている」と朱に自分の推理を告げるが、「それを報復だとする根拠は?」と朱に問われる。
美佳は鹿矛囲と東金財団の繋がりを調べた報告書を朱に送付し、東金美沙子が鹿矛囲の手術を推進したことから、鹿矛囲が東金財団に恨みを抱いていると推測したと答える。
「脳の多体移植…」鹿矛囲に行われた手術内容を知る朱。そして朱は何かに気づく。
ここで美佳があの報告書を朱に送ったことが、朱にヒントを与えたんだけど、これって美佳の罪悪感からだろうなぁ…。
美佳が葵ばあちゃんの居場所を調べたことで、桑島に危害を加えられたり、ゲス金に殺られたりしたわけなんだけど、「私は(東金に脅されてやったんだから)悪くない」と自分に言い聞かせつつも朱に対して後ろめたさがあるから、朱に「恩を売る」ことで後ろめたさと相殺した…ってことよね。
こういう責任転嫁と図太さが美佳のクリアを保つ秘訣である以上、やっぱり最終回での一発逆転はなさそうよねぇ…orz
ただ、劇場版にも美佳が登場するってことは、自分のしでかしたことに対する罪悪感に潰されることもなく、この事件を終了するってことだから、やっぱり劇場版でも美佳のスタンスは変わらないってことなのかしらねぇ…?
1話でギノが「理解を超えたものから目をそらして否定するだけじゃ、いつか後悔することになる。目の前の現象を事実として受け入れろ。それが大人になる近道だ」と美佳に言ってたけど、最終回でこれがなきゃ美佳は劇場版でもこのままだろうなぁ…。
…あ、そうか。美佳=渡る世間における赤木春恵かw
あぁ…そう考えたほうが腑に落ちるというか、半ば無理やりなところもあるけど腑に落とすことができるかもしれないわ。
なるほどなぁ…霜月美佳っていうキャラクターはそういう立ち位置か。美佳=(渡る世間における)赤木春恵と考えたら、もう美佳というキャラクター(の作られ方・描かれ方)に失望はしないで済むかもしれんねw 必要悪という言い方も変だけど、物語上必要な身内の憎まれ役という。…てか、1係は幸楽なのかよw

地下で撃ち続けられるドミネーター。「これだけ飛ばせば…」ここまでドミネーターを乱射する目的――。
「…これは。やはりそうきたわね」美沙子はその目的に気づく。
ドミネーターが捉えた情報によって、罪に応じた裁定が必ず下される。これだけ絶え間なく一挙に動作すれば、データは膨大となり、通常の処理では追いつかない。そうなった時使用されるのがネットワークに現れるバイパス経路。
「バックアップのデータ経路はセキュリティが一段劣る。それを使わせるの目的というわけね」――バイパス経路を掴むことで知りたいのは…。
「ドミネーターを集めていたのはシビュラシステムの位置を知るため――そうなのね、桐斗くん」
…なるほど。ドミネーターで虐殺祭がしたかったんじゃなくて、ドミネーターを使うことでシビュラの位置を知るためだったのか。
そうなると、鹿矛囲はどこまで槙島事件について知っていたのか気になるところだな。まぁ、あのグソンさんがそう簡単にデータを漏らすわけもない(漏れるようなところに保存しているわけがない)し、データの在処を知っていた当の本人も、知っていただろう槙島も、とうにこの世にはいないからな。むしろ鹿矛囲本人は槙島事件というか、槙島聖護自体は全く知らない可能性のほうが高そうだな。
しかし、槙島が鹿矛囲(と鹿矛囲の犯罪)を見たら、鹿矛囲が槙島(と槙島の犯罪)を見たら、互いにどんな感想を抱くのかは知りたいところではあるな。

そこへやって来たのは朱。「待機を命じたはずだが」と言う美沙子に、「そんな悠長なことを言っている状況ではないはず」と朱。
「そうか、ならば別の任務を与えるとしよう」と言われた朱は「鹿矛囲桐斗の暗殺…」と返す。「その通りだ」と美沙子。その反応に「やはりそう…」と朱は自分の推理に確信を抱く。
「今までに起こした事件の性質や、地獄の季節という接点を考慮すれば、鹿矛囲の目的が東金財団ではないことは明白」
「彼が問うているのは色――その相手はシビュラ」
「鹿矛囲の始末を急ぐのは、今まさに彼がシビュラに触れようとしているから」
推理を述べる朱。
鹿矛囲の目的が東金財団=美沙子への復讐…ってーのはミスリードだった…ってことかい?
この部分、アニメ誌での塩谷の発言でも強調されたけど、別にミスリードでも一向に構わないんだけど、なんか強引だなぁ…。
この強引さ、まさに1期の狡噛さんの槙島に対する執着の理由がTV放送だけでは全く見えてこなかった*4けど、とにかく「運命なんです」って製作陣の発言で強調されまくってた強引さに似てるわw
逆に鹿矛囲の目的が東金財団=美沙子への復讐でない分、シビュラ多数派が美沙子を排除しにかかっている可能性は高まったけどね。
「相変わらず余計なことを考えるのが好きだな」と美沙子。朱の推測通りことが進めば、あと1時間もしないうちに鹿矛囲は目的を果たす。「無論、そんなことを許すつもりはない」美沙子は3係に命じて、鹿矛囲たちが立てこもっている区画の頭上に爆弾を設置していた。
「あそこには500人以上の人質がいるのよ!?」叫ぶ朱。しかし美沙子は、閉鎖空間で一方的に狩られる側となった人間がサイコパスをクリアに保てる可能性は極めて低い。すでにほとんどが潜在犯化しているだろうから見殺しにしても構わないと言う。
「だからって見殺しにしていいわけがない。こんなふざけた作戦」と憤る朱だが、決定事項なのだと有無を言わせない美沙子は、「君の任務でもある。起爆の指揮をとれ。君の手で終わらせろ」と命じる。
「白々しい…。鹿矛囲を殺したいだけでしょ」と吐き捨てる朱。しかし美沙子は「社会とシビュラを守るためだ。鹿矛囲による秩序崩壊を止めねば、遥かに多くの犠牲が出る」と、朱が社会秩序維持のためにシビュラは必要と認めている部分を突く。

「それと、今しがた残念な知らせを受けてね…」美沙子は告げる。「常守葵の遺体が倉庫街で発見された」映し出される遺体画像。
拘束された状態で撲殺…ゲス金ェ…。
身を震わせる朱に美沙子は命じる。「最後の引き金は君に委ねよう。我々の住むこの社会を守りたまえ」…と。
そしてその頃、葵ばあちゃんを殺した東金は不気味に笑う。
「鹿矛囲を殺せ、常守朱。己の無力さを思い知れ。自分を取り戻すための殺意を肯定しろ。そうすれば必ず黒く染まる」
鹿矛囲に殺意を抱きかける朱。刑事部屋に朱の叫びが響き渡る。
そこに聞こえた「殺すのか? 奴を」という声――こ…狡噛さああぁぁぁぁんっっ!!
狡噛さんのスタンドは朱に問いかけた。
…てか、朱、東金=かつての狡噛さんの席に座ってんだよな。


その頃、現場に到着した美佳たちは3係が受けた爆破命令が最優先だと伝えられ、自分の出る幕がないことに落ち込む。
「一刻を争う状況だというのに、どうなってるんだ!?」ギノもまた事態が飲み込めない。

狡噛さん(のスタンド)に「殺すのか? 奴(鹿矛囲)を」と問われた朱は「分かりません。でもそうすべきなのかも」と自分の無力さを訴える。
そんな朱に狡噛さんは「らしくないな」と言い、かつて朱が狡噛さんに言ったこと――「法が人を守るんじゃない。人が法を守るんだ」それを信じているから、朱は狡噛さんを止めようとしたんじゃないのか…と言う。
「そうでした…あの時は」無力さに打ちひしがれる朱は、そうとしか返すことができない。そんな朱を見て、「まぁ、俺が言えた義理じゃないか」と苦笑う狡噛さん。
「シビュラに鹿矛囲は裁けない。でも鹿矛囲を止めなくちゃいけない。もう手段がないんです」そう訴える朱。

「もう手段がない」と言う朱に、狡噛さんは「違うな」と言い、「『もう手段がない』んじゃない『今は手段がない』だけだ」と告げる。そして「可能性のピースはもう揃ってるはずだ。アンタがためらってるだけで…」とも。
「失敗は許されない。でも…」決断できない朱に、狡噛さんは言う。「賭けてみてもいいんじゃないか?」と。
そして「負けるなよ」と言い、狡噛さんは朱の背を叩く。
…つ、ついに狡噛さんのスタンドが質量を持った!!
ついに質量を持った狡噛さんをスタンド召喚した朱ちゃんは、もう狡噛スタンド使いでいいw
きっと劇場版で「野生の狡噛」をゲットして狡噛マスターになるんや、朱ちゃんは…。

「あっ…」いきなりのことに驚く朱。当然、振り返っても狡噛さんはいるわけがなく…。
そういやさ、朱ちゃんが狡噛さんのスタンド召喚した時って、ふたりの視線が合わないというか、絶対に向き合わないんだよね。

7話でスタンド召喚した時は背中合わせ、今回は狡噛さんが朱の方を向いている=つまり文字通り朱の背中を押すために現れた。おそらくもう最終回はスタンド召喚ないと思うから、次に狡噛さんが朱の前に現れるとすれば、劇場版でそれこそ生身の姿…しかもちゃんと朱と向き合う形で現れるはずなので、すんごいロングなステップね…これw
朱ちゃんが狡噛さんのスタンド召喚してる時に、その内容を海の向こうの狡噛さんが「夢」って状態で見てたら面白いのに…とか思うんだけど、今は海の向こうの狡噛さんなんて1期の時点ですでに槙島のスタンドを召喚させる能力があるだけに、朱ちゃんのスタンドも召喚する能力を持っている可能性も微レ存?
…いや、奴のことだから槙島の他にも、佐々山やとっつぁんら死者のスタンドは召喚可能な気がしてならん…てか、むしろ死者召喚ならSPECか? 狡噛さんなら槙島・佐々山・とっつぁん・縢と死者召喚のSPEC持ってても不思議じゃないよw 朱ちゃんスタンド使いなら、狡噛さんはSPECホルダーだなw
そこにいたはずはないのに感触だけが残っていて、思わず笑う朱。
「ありがとうございます」
狡噛さんに背中を押され、朱の心は決まった。

取調室に入った朱は、桑島に「頼みがある」と協力を求める。
そんな朱の行動に、朱が置かれている状況を知る先生は呆気に取られ…。

朱は桑島から鹿矛囲との連絡方法を聞き出し、鹿矛囲に連絡を入れると「シビュラは乗客ごとあなたを葬る気よ」と告げる。
「その前に出口は見つかる」と言う鹿矛囲に、その場合、全ての監視官・執行官が鹿矛囲たちの前に立ちふさがるだろうと牽制する朱。しかし鹿矛囲は「僕がそれを恐れるとでも?」と答える。
朱は鹿矛囲に人質を開放するなら「私があなたの望みを叶える」と言う。
地下のマップデータを鹿矛囲に送り、目印の地点まで来るように告げる朱。

「何を考えている?」そこに割り込む美沙子。だが朱は動じることなく美沙子に告げる。
全能者のパラドクス――鹿矛囲の目的はシビュラシステムを裁くこと。シビュラはそれを受け入れるべきと言う朱。
「それが鹿矛囲を裁くことにも繋がる」
シビュラは免罪体質者という、裁くことができない例外を取り込むことで完全な裁きを実現させてきた。しかし、新たな例外が生まれた。
個人ではなく「集合体」として形をなす鹿矛囲。彼を裁くには、彼を成り立たせている概念をシビュラが認めるほかない。
「君は何を口にしているのか分かっていない」反論する美沙子。
鹿矛囲を裁くには集合体としてのサイコパスを計測する必要がある。だがそうなれば――。
「集合体であるシビュラも裁きの対象になる」そう答える朱。
それが鹿矛囲の狙いだった。自ら社会の脅威となることで「集合的サイコパス」を認めざるを得ない状況を作り、シビュラをパラドクスに追い込んだ上で、裁く――。
…ん? 待てよ。鹿矛囲の目的が東金財団=美沙子への復讐ではなく、あくまでも「シビュラを裁くこと」=「(集合体としてサイコパスを計測させ)集合体としての自分を裁かせること」だとするならよ? 鹿矛囲は事故で生き残ったことこそが自分の「罪」で、それをどうしても裁いて欲しい…って考えることができないか?
8話で「犯罪を起こし裁かれることを期待した」と語ったように、「自分の罪を裁いて欲しい」というのが鹿矛囲の根源なんじゃなかろうか?
槙島が「誰かに認めて欲しい」なら、鹿矛囲は「誰かに裁いて欲しい」――だからこそ朱を裁きの見届け人として選んだ…と。
…そういうことか! 槙島と鹿矛囲の決定的な違いって、コレか!!
鹿矛囲はシビュラに「認めて」欲しいんじゃないんだ。あくまでも誰かに「裁いて」欲しいんだ。…なんかやっと腑に落ちる、槙島とは決定的に違う理由を見つけられた気がするぞ。
「ならば余計に奴らをシビュラに近づけるわけにはいくまい」美沙子は、朱がシビュラシステム本体の場所を鹿矛囲に送ったことに気づいていた。
「そして裁くことなく彼を処分するの? 自らの完全性を否定して…」あくまでも朱は「法による裁き」を実行するつもりだ。
朱は目先の目的にとらわれ、事の重大さを理解していないと言う美沙子は「集合的サイコパスを認めた社会がどのようなものになるかを…」と問う。
「個人個人がクリアでも、集団として裁かれる可能性がある社会。そのリスクは理解しているわ。…でも、今まで目を背けていたその問題を直視することは、あなたたちの進化にも繋がるはず」もう朱はシビュラの手の上で転がされるだけではなかった…。
「逆にこの問題から目を背け、鹿矛囲の処分という逃避を選ぶなら、あなたたちに未来はない」朱はシビュラに突きつけた。
「君の御託は聞き飽きた」苛立つ美沙子は、独走するなら朱の監視官権限を剥奪すると脅す。そして社会から抹消することも考えねば…とも付け加える。
「あなた個人の見解はどうでもいいと言っているの、東金美沙子!」
朱は局長の中の人の正体を見破っていた。

「シビュラシステム…」美沙子ではなく、シビュラシステム全体に朱は言う。
シビュラがこの社会に存在を許されている理由は、平等で完璧な裁きを行えるから。その完全性に綻びが生まれた今、シビュラシステムの存在価値そのものが揺らいでいると言っていい。
「知ったふうな口を」吐き捨てる美沙子。
「あなたたちがこの社会に必要であり続けるため、何を選択するべきか…『全員で』じっくり考えることね」そう告げる朱。
そしてその会話は、ゲス金も聞いていた…。
…あぁ。「全員で」って朱が脅して言ってるってことは、東金財団に絡むラインは、やっぱりシビュラ別派が美沙子を排除するためのラインか。
となると、シビュラさんたちは記憶と知識を共有していることで鹿矛囲と東金財団の因縁を当然知ってるから、鹿矛囲の事件で美沙子を「担当者」として禾生に入れた時から、反美沙子派シビュラは鹿矛囲を利用して美沙子排除を開始してたってことね。
ただ、美沙子以外のシビュラ全員の落とし所を何処に持ってくるかよね…。
朱の言うように「集合的サイコパス」を認めるのか、鹿矛囲に「東金美沙子」を裁かせることで「シビュラシステムを裁いた」ことにさせるのか…。反美沙子派シビュラの目論見としては後者だと思うんだけど、劇場版に繋げるとしたら前者の可能性もあっておかしくないしなぁ…。落とし所が全く見えねぇわ。
でも、朱を利用して鹿矛囲を始末しようとした東金親子が、逆に鹿矛囲と朱を利用した反美沙子派シビュラによって排除される…っていう落とし所は見えてるので、あとは最終回でこれが合ってるのかどうかという答え合わせだよな。
そして鹿矛囲は死ぬにしても槙島同様目的を果たして一人勝ちして勝ち逃げ…という結果と。

通信を傍受した東金は隙を見て現場から姿を消す。
地下では3係が爆破命令を受け、その起爆スイッチを押す…が、起爆しない。
起爆しないことに首を捻る3係・兵頭に撃たれるドミネーター。エリミネーターだったそれは兵頭の上半身を爆散させる。
撃ったのは…もちろん水絵。公安に爆薬が配備されない以上、使うとなれば事件で押収したものを流用するしかない。それを読んでいた鹿矛囲は喜汰沢の爆弾を自分の側で優先的にコントロールできるよう細工していた。
「こんな風に何もかも見通せるからこそ、鹿矛囲はみんなをクリアにしてあげられるの」ウットリと鹿矛囲の素晴らしさを説く水絵。
「あとは公安をここに縛り付けておくだけ…」首に注射打つ水絵…アカン、コイツ、ヤク中や!!
「もう少しで鹿矛囲が世界をクリアにしてくれる!」そう叫ぶ水絵は…えぇ、本当にヤク中でした。本当に(ry
てか、女海賊水絵で登場した時にツイッターで言った(というかブログに書き忘れてそのまんまだった)んだけど、水絵って、いいとこのお嬢様が悪い男に捕まって、「とりあえずこうしたら悪く見えるだろう」というステレオタイプのセンスだけで悪ギャルデビューした…という分かりやすいくらいにテンプレ通りなのに、挙げ句の果てにはヤク中にされて風俗に沈められる(捨てられるってことまで本当にテンプレ通りなのな水絵!!
でもって水絵=さやか枠は当たったんだけど、この水絵は…「私ってほんとバカ」って気づかないで死ぬよね、絶対w

そしてヤク中水絵が、まんま薬物中毒の啓発ポスターに使えそうな顔だったので、やっつけで作っちまったわw

そうこうしているうちに別の排水施設を利用することで地下の水位が下がり、乗客たちは開放される。
人質が開放されたことで、犯人確保に向かうギノたち。「霜月監視官!」ギノが美佳に声をかけるが、美佳は葵ばあちゃんが殺されたことを知り、「そんな…違う、私のせいじゃない。こんなの…!」と、自分のしでかしたことのデカさを受け止められずにいた。
「…東金執行官は?」雛河が東金がいなくなっていることに気づく。「…っ!!」東金の目的を知る美佳は、奴もまた目的のために動き始めたことに気づくが…。
さぁ美佳よ、一発逆転するのか? それともずーっと渡る世間における赤木春恵ごとく、憎まれ役の朱age要員でザマァされ続ける存在のままで終わるのか?

地下を歩く朱を待ち構えていた東金。白々しく「局長から話を聞いた」と同行を願い出る東金だが、朱は「何故?」と問う。
東金は、朱は東金美沙子と鹿矛囲の関係に気づいているはずだと言い、母が怪物を生み出した責任を負うのは息子である自分だと答える。
更に「たとえこの手を血で汚すことになっても…」と言う東金に、「殺すつもりですか? 鹿矛囲を」と問う朱。
「狡噛執行官ならそうしたはずだ」と答えた東金を、朱は笑う。そして訝しむ東金に朱は言う。
「お芝居はもうやめませんか、東金さん」
朱は東金の目的にも気づいていた。
「あなたの母親が鹿矛囲に行った脳の多体移植…。私はそれによく似たシステムを知っている」
もちろん美沙子も知っていたことになる。でもそれはこの社会では許されないこと。「免罪体質者を除いて――」
東金美沙子が免罪体質者なら、システムに組み込まれているはず。そして今回の件で、責任者として活動を強いられている可能性が高い。
「つまり、今、禾生局長の皮をかぶっているのは――東金美沙子」

東金・美沙子・シビュラの繋がりを推理する朱。しかし東金は「何の話かさっぱり」とシラを切る。
「あなたの経歴データを見せてもらいました。隠匿していた本当のデータを」東金の正体を知っていると告げる朱。
美佳の報告書には、東金の経歴と矛盾する点が多々あった。それでファイルを調べ直した朱は東金の正体を知った。
「監視官をことごとく潜在犯に陥れてきたその経歴。正直信じたくなかった。もしくは、意図してやっているわけではないと思いたかった」
「雑賀先生のように?」正体を知られてなお、東金は動じない。
「でも、あなたは違った」朱は断言する。
「今までのあなたの言動を振り返れば、だんだんと分かってくる…あなたがどうしたかったのか」
朱は東金の目的に気づいた。
私を黒く染めたかった…そうですね?」
おそらく、東金は狡噛さんをトレースすることで朱の心理的ガードを下げて信頼を得たところで裏切る→そして朱を黒く染める…という作戦だったんだろうけど、狡噛さんトレースでは朱のほうが優ってるんだよな。
朱も確かに一瞬、2話のあたりでは狡噛さんと重なるものを見たかもしれないけど、それ以降はどれだけ東金が狡噛さんトレースをしても「この人は狡噛さんじゃない」って、むしろ朱のほうが線引してたようにも思える。6話で鹿矛囲を撃とうとした時に狡噛さんが重なってしまった時を除いては。
2期は「朱の守破離の物語」と前に何度か言ったんだけど、これって、朱が東金を通して狡噛さん依存を卒業するんじゃなくて、朱が似てる誰かに狡噛さんを重ねることなく、自分の中に「明確な狡噛慎也像を持つ」ことで、「自立した刑事になる」ってことだったのか。守破離で言えば「破」の段階までようやく進んだ…ってとこか。
よく考えると、刑事としての朱を形成したのが狡噛さんである以上、朱は狡噛さんからは完全に卒業はできないと思うのよ。
いずれ朱は今回みたいに迷った時にスタンド狡噛さんが背中を押さなくてもひとりで決断できるようにはなるんだろうけど、それでも朱の根っこの部分には狡噛さんによって形成された「刑事としての魂」があるし、それは永遠に消えることがないものだろうから、朱が守破離の「離」の部分に達する時が来るとしたら、それは自分の中に持った狡噛慎也像を自分に同化(昇華)させた時…なんだろうな。
東金に誤算があったとしたら、それはやっぱり狡噛トレースなら朱のほうが何枚も上手だった…ってことだろうな。
まぁ東金もそれに気づいてたんだろうから、途中からは狡噛トレースよりも朱に精神的ダメージを食らわせるのには何が有効かを考えたんだろうし。

「彼女は君程度には染められないよ」そこに現れた鹿矛囲。
「好都合だ」東金はナイフを取り出す。「貴様の存在が母さんを貶める。だから…」
ナイフで殺そうとするところまで狡噛トレースのゲス金さんマジでお疲れ様です。というか、それだけ「オリジナリティがない」ってこと(の描写)なんだろうな。
生まれた時から母に盲従し、それが自分の意志に見えるけど実は自分の意志じゃないという……って、コレ、水絵たち鹿矛囲信者と一緒だ。
鹿矛囲もまたドミネーターを東金に向ける。はじき出された犯罪係数は――769。
「貴様は存在してはならない!」鹿矛囲に襲いかかる東金。
「駄目!!」エリミネーターに変わるエリミネーターを見た朱はふたりを止めようとするが…。
「散れ、漆黒」鹿矛囲はドミネーターの引き金を引く。
…って、オイ! 本当にコレ、次回で終わるのかよ!!
全くもって…というか、2割ぐらいしか着地点見えてこねぇよ!
7話ぐらいから「本当に全11話で終わるのか?」という危惧をしているんだけど、製作陣は「2期は2期でスッキリと終わります」と明言してるのが逆に怖いのよね…。
もう、かのディケイド最終回のようにひたすら草を生やすだけにならなきゃそれでいい。ディケイドなんか完結と残された謎を劇場版にぶん投げんたけど、完結もしてなきゃ謎も解けてないのに、それでも「TVはTVで完結したんです」って言い切ったもんなw
…てか、「ディケイド最終回より酷くなきゃいい」ってかなりハードル低くないか?w 別にサイコパス2期に(今のところ)失望はしてないけど、最終回に対する期待のハードルを最低ラインに下げざるを得ない状況ってどういうことだ狡噛!?
ちょっと残念だなぁ…とか、ちょっと強引だなぁ…と思う部分はあるにせよ、サイコパス2期の出来自体はいいものだと思うのよ。
先に劇場版の脚本が上がっている状態からスタートして、1期と劇場版との整合性を取らなければならないガチガチの中で、鹿矛囲という新たな革命者を作り出してシビュラ社会の穴をつく犯罪を生み出し、そこから劇場版へと繋がる布石を敷いていくという物語作りは、そりゃぁ「ちょっとこれはガバガバだろ」とか「ご都合展開じゃね?」と思う部分はあったにせよ、(現時点で劇場版を見てないにせよ)1期と劇場版を繋ぐ2期としては緻密に作られていたと思う。
少なくとも、このラスト1回前ですら着地点が見えてこないという予測不可能さこそがサイコパスだと思うし、予想が当たっても裏切られても気持ちよくさせてくれるのがサイコパスだと思っているので、最終回でガックリするということはないと思っている。
少なくとも、どんな結果であれ、劇場版への期待はさせてくれるはずだしな。
ただ残念なのが、公開日(1/9)の関係上、どうしても2期放送中に劇場版の予告を出さざるを得なかったために、2期の生存者=劇場版登場キャラが分かってしまって、そのことがキャラの生死でハラハラするという楽しみ(?)を奪ってしまったのがねぇ…美佳とか美佳とか美佳とか。
…そしてアレか。今回も復帰しなかった須郷さんは、最終回も登場することなく、あとはもう劇場版まで出てこない流れ?
2期における須郷さんって、劇場版の前に顔見世しただけだったんかい?
あー、あとそうねぇ…最終回に期待することといったら、ギノたち執行官を活躍させてくれよ…ギノパンチ1回だけとか寂しいだろ…。でもこの流れだともう、アクション成分は劇場版にぶん投げられた気が…。

ラジオCD「PSYCHO-PASSラジオ 公安局刑事課24時」復活SP

ラジオCD「PSYCHO-PASSラジオ 公安局刑事課24時」復活SP

ノイタミナ クロニクル (ムック)

ノイタミナ クロニクル (ムック)

*1:1期6〜8話(女子校編)に出てきた、友人を璃華子に殺されるキャラ。そのことがきっかけで監視官を志し、1期最終話ラストシーンで1係に配属される。

*2:ちなみにノイタミナは通常のアニメより本編放送時間も放送話数も少ない

*3:公安局に所属している年数なら、もちろんギノのほうが長い

*4:その代わり尺が長くなって新規カットが入った新編集版では上手く「運命感」「宿命感」出せていた

PSYCHO-PASS サイコパス2 #09「全能者のパラドクス」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

ついにこのブログも1週以上遅れになったでござる…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


シビュラの真実を知らされた美佳。どんな反応を見せるかと思いきや、美佳は「素晴らしい」と受け入れる姿勢を見せる。
「社会が是とするものを無条件で受け入れるその姿勢。確かに理想的な市民のモデルケースではあるわね」
前回、シビュラの真実を知った美佳の立ち位置が「シビュラの秘密を知りながらも、シビュラに疑問を抱かない者」になるのでは…と予想したんだけど、まさにその通りだったw
「退屈なほど理想的な市民」である美佳は、目の前の現実を受け入れることを拒否(思考停止)し、シビュラに対して生理的にどんな感情を持とうとも盲従するということで朱とは違ったサイコパスの濁りにくさを発揮したんだろう。
要は、基本的に美佳は徹底的に自己保身に走ることでクリアさを保っている…ってことか。
しかし、2期の美佳を見ていると、じゃあ1期で加賀美を失ったことで監視官を志したはずの彼女の「正義感」って何処行ってしまったんだろうな…って残念になってくるんだが、美佳の「正義感」って、あくまでも「理由の如何を問わず潜在犯をこの社会から抹殺すること」にあるから、我々視聴者から見たらとても残念な正義感であって当然というかしょうがないというか…。1期最終回で勝手に朱の後継者を期待した我々が間違ってたよねー…って話だわなw
そんな美佳を「極めてクリアな存在」と語る東金。そんな東金に局長=美沙子は「あなたとは違ってね」と皮肉を飛ばす。

美沙子の実験によって人工的に作られた免罪体質者――それが東金朔夜だった。
…てか、被験体ナンバー398…それで朔夜って名前なのかよwww*1
実験で小動物を残虐に殺しても濁ることのないサイコパスを賞賛する美沙子。
…あ、キモ金さんの「黒く染めたい」欲望の裏から感じる、悲痛なまでの「愛して欲しい」って叫びと繋がったわ。
そうか、東金は人工的免罪体質者としては失敗作だったことで母の愛を得られなくなったのか。それで「愛して欲しい」って叫びが常に「黒く染めたい」発言の裏にあったわけか…。てか、自分のドM感知センサーの感度の良さにビックリだよw
10歳で史上最高値の犯罪係数を叩きだしたってことは、そのあたりに「(実験で)自分がしていることが何なのか」ってことに気づいたんだよな、きっと。そこで芽生えた罪悪感やら、知ってしまったであろう出生の秘密とかで濁りに濁りまくって真っ黒になった…と。
そして美沙子も息子に皮肉を投げるあたり、かつてのようには愛していないようだし…というか、美沙子は元々「東金朔夜」という存在を愛してたんだろうか?
イレギュラーな人格を持つ免罪体質者に「愛」はあるのか…という疑問があるけど、もし美沙子が東金を愛していたとしても、それは「成功例である実験体」として東金であって、「息子」としての東金ではないよね。
ただ、失敗作である東金を即処分しなかったのは、東金に対して情があるというよりは、東金の「息子」という立場と、そして愛されたいが故に母に盲従する心を利用していると感じる。

「私、感動しました。これは法の理想の形です」と免罪体質者によるシステム運用および支配と統治を賞賛する美佳に、「もう染める理由はない」と言う東金。そして「別の使い道がある」とも。
「へぇ…どんな?」と問う美沙子に、東金は答える――「常守朱を黒く染めるために」


「人を裁く完全な存在がいたとして、その存在を裁くことは可能ですか?」雑賀先生に尋ねる朱。「全能者のパラドクス…ってやつだな」そう答える先生。
全能者は自分でも持ち上げることのできない重い石を創造できるか? ――もし、持ちあげることができない石を創り出せたなら、石ができた時点で全能者ではなくなる。――そして、石が創り出せないなら、その時点で全能者ではない。
「どちらにしても矛盾が生じてしまう」そう言う先生は朱の問いに答える。
裁きを下すその存在が完全なら、自分をも裁かねばならない
…おっと、今のシビュラさん状態じゃねぇかw
パラドクスの解決法を問う朱。
先生は「前提か過程か結論のどこかに誤りがある。もしくはそれらのうち、どれかが実は正解だと証明すること」と答える。
「誤りか…正解か…」呟く朱。そんな朱を見て先生は「何故こんな話題になったんだろうな? 俺たちはシビュラの話をしていたはずなんだが…」と苦笑う。
…先生、実はシビュラの話なんです、コレw

自宅に刻まれた「WC?」のメッセージを眺める朱。
鹿矛囲が知りたいのは「シビュラの色」。そして「鹿矛囲自身の色」――もしも、それら2つが同じものだとしたら…。
朱はその可能性に気づく。
「この世界の神様か…」同じ頃、雑賀先生はひとりごちる。「そんな危なっかしい話はするなと言うべきだろうに、あいつの答えに期待してしまっている」「俺も大概だな」東金に指摘された朱への依存を自覚する先生。「鹿矛囲のシンパどもも、これと同じ気分だったってわけか…」

一方、拘留中の升嵜のもとに訪れたのは局長=美沙子と東金。「会うのは桐斗くんの手術以来かしら」と語る美沙子=禾生に「やはり生きておられたのですね、東金院長」とその正体を悟る升嵜。…てか、消されるだろコレw

全能者のパラドクスの解消手段――そのひとつは、全能者は同じ瞬間に全能である必要はないということ。
自分でも持ちあげられない重い石を創りだしたあと、軽くする――これなら全能性を保てる。そして今のシビュラシステムが採用しているのも、この解消手段。
シビュラは自分に裁けない免罪体質者を自らに組み込むことで完全性を保っている。しかし、鹿矛囲は他人をクリアにすることで、事実上あらゆる人間を免罪体質者に等しくした。結果、パラドクスの解決を封じてしまった。
その上で鹿矛囲は更に疑問を投げかけている――シビュラはシビュラを裁けるのか…と。
裁けないなら、シビュラはシビュラ自身の例外となる。解決は自分を自分に組み込むことだが、もちろんそんなことは不可能であり、シビュラの完全性は失われる。
では、シビュラが自分を裁けるなら――「裁けない者はない」という点で完全性は保たれる。しかし、もしそうならシビュラを構成する者たちをもう免罪体質とはいえず、裁くべき者を裁かなかったことになってしまう。
「このパラドクスの解決は、ひとつだけ――」朱は気づく。その瞬間、朱のデバイスにコールが。

拘留中の升嵜が殺された。使われたのはドミネーターと判明。「また話し相手を失っちまった」と残念そうに呟く雑賀先生。
「ドミネーターが使用された以上、鹿矛囲の犯行と見るべき」と言う東金だが、自分の正体を知っている美佳に、余計なことを言うなとばかりの目線を送る。怯える美佳。
志恩さんの調べで公安局内の監視カメラのログデータが別日のデータに上書きされていることが判明。「公安のシステムに侵入されたということか」と驚くギノに「痕跡らしいものも残ってる」と言う志恩さんだが、「これが不思議なのよねぇ…」とも。
分かりやすいくらいに升嵜消されたわwww
そしてキモ金さんてば白々しいwww白々しいにも程があるwww
いい加減、美佳もゲロればいいのに…と思うが、余程でないとゲロんないだろうなぁ…美佳だものw
しかし、東金の「黒染めたい」欲望は、欲望ではなく「母の邪魔をする者を黒く染めて排除する」ことだとしたら、母の愛を得たい東金の心理に一致する。人工的免罪体質者としては失敗作でも、汚れ仕事で母の役に立つことで愛を得ようとしている…そういうことか。
そして知りすぎた者を残酷に殺すことにこだわるのも、かつて幼少時の実験で「残酷に殺せば殺すほど母が喜んだから」だとしたら、悲しいくらいのマザコン…というか、悲しすぎる子供だな、東金

美佳を呼び出した東金は「升嵜は知りすぎた」「母さんの秘密に触れる者は排除すべきだ」と、彼を殺した理由を告げる。「やっぱりあなたが…」と、東金に更なる嫌悪感と敵愾心を抱く美佳。
だが東金は「どうした、俺が怖いのか?」と、意に介さない。「その感情は誤りだ。なぜなら俺は、母さんの…シビュラの申し子なのだから」とドヤ顔の東金…安定のキモさだよ、キモ金さん!!
「俺の意志は社会の意志。俺の目は社会の目。遵法精神を誓う以上、お前は俺を否定することはできない。たとえどんなに潜在犯を嫌悪していようともな」と美佳の弱点――どんなものであれ社会=シビュラが是としたものに盲従することでクリアさを保っている美佳が、そのシビュラ=美沙子が是としている東金を否定することは、そのまま美佳のサイコパスが濁ることに直結する――を突く。
「…要件は何?」東金に屈する美佳。東金は朱の祖母の居場所を美佳に調べさせる。
「彼女には鹿矛囲を殺す役目を担ってもらう」
…なるほど。朱に鹿矛囲を殺させることで、鹿矛囲と朱、両方を排除できるって算段か。
それにしても、自身を「シビュラの申し子」と称する東金だけど、これは自分に言い聞かせてるっぽいように聞こえるんだが…。おそらく東金自身、母が自分を愛してないし、母に利用されているって自覚だって薄々はあるんだろうけど、「シビュラの申し子」って自分に言い聞かせることで、潜在犯である自分が利用価値があるから生かされてることを「母の愛」だって自分に錯覚させてるんだろうなぁ…悲しい子供だよなぁ、東金。とはいえ、していることは許されることじゃないし、全く同情はしませんがね。


弥生の調べで、ここ最近、国交省の役人が頻繁に会合を開いていることが分かる。主催者は桑島浩一*2
桑島は省内一の若手ホープと目される国交省の役人で、例の飛行機事故の1週間前に転校して難を逃れた鹿矛囲の同級生だった。
更に桑島は鹿矛囲の隠れ家だった港の管理会社の株主でもあり、桑島が協力者ならば、彼を介して鹿矛囲が各界の大物と接触できたことにも説明がつく。
「その点も本人に聞いてみましょう」朱は桑島を確保することに。

桑島が開いたパーティー。自らを「茶番のセレモニーマスター」と称する桑島。このパーティーには何らかの目的があるようで…。
役人たちが口々に「これでシビュラを排除できる」「やっと我々の時代が来る」と言うことからも、鹿矛囲の手によってクリアにされたことで堂々と(?)シビュラを否定できる反シビュラ・反厚生省派の役人や議員…ってことか。
「君がいるから皆安心してシビュラを否定できる。それだけでも革命的だ」予想通り、桑島は鹿矛囲の協力者ってことね。
そんな役人たちの姿を見て溜息をつく鹿矛囲。「そろそろやってしまおう。見るに耐えない」
「君たちの役目はこれまでだ」謎の言葉とともに役人たちの前に運ばれた料理。桑島は言う「最後にメインディッシュを用意させていただきました。ご堪能ください」
首を傾げる役人たちがそれを開けると――饗された料理は全て人肉だった。
悲鳴が上がり、人肉を食べていたことに混乱する役人たち。そんな役人のひとりにドミネーターを向けた水絵は「かわいそうに」と嘲笑う。

何故と問う役人に「それはこちらのセリフだ」と鹿矛囲。「地獄の季節を黙認し、数多の犠牲者を貪って今の地位を手に入れ、更には自らをクリアに保つため人の命を弄んだ」このパーティーの目的は、地獄の季節で利益を得た役人たちへの報復だった。
命乞いをする役人たちに「これが君たちの本当の色だ」と冷たく言い放つ鹿矛囲。そしてエリミネーターが放たれ、虐殺祭開始。

水絵のドミネーターが使用されたことを感知した志恩さんは朱に知らせる。場所を聞かされた朱と美佳は、今まさにそこへ向かおうとしていた。
朱は現場一体をドローンで封鎖することを指示し、現場へと急ぐ。

「ありがとう。これでみんなに謝ることができる」と礼を言う桑島に「君が責任を感じることじゃない」と鹿矛囲。
自分だけが助かった罪悪感で潜在犯になりかけた桑島。「社会秩序を守るシビュラシステム。そのエゴ故に184人の友が殺され、俺は社会から消えるとこだったよ」と語る桑島に「君を曇らせはしない」と言う鹿矛囲。
「行こう。ともに裁きの場へ」桑島を促す鹿矛囲だが、桑島は「俺はお前のように人を導けない。結局俺もこいつらと同じ救われた側の人間だ」と断る。
桑島の決意が変わらないことを知った鹿矛囲。立てこもり事件の美馬老人や升嵜医師のように鹿矛囲のために身を挺する桑島に鹿矛囲は何を思うのか…。
そこに「半信半疑の情報だったが、無事、切り札を手に入れた」と桑島。「必要ないといったはずだ」と鹿矛囲は言うが、「常守朱は最大の障害になり得る。行動を封じるに越したことはない」と桑島。…あ、葵ばあちゃん死ぬわ。てか、この情報流したのキモ金だろ?
だが鹿矛囲は「その程度で彼女は止まらない。どんな状況でも自分の色を保ち続ける彼女だから、裁きの証人になって欲しいんだ」と語る。
「ならこれで彼女を試せるさ」と自分は自分なりに動くという桑島は、「行け、桐斗」と鹿矛囲を促す。
「俺はここで役目を果たす」そう鹿矛囲に告げる桑島。同時に水絵も公安が来ることを鹿矛囲に告げる。
「君は再会するずっと前から、もう僕たちの大切な仲間だったよ」――鹿矛囲のその言葉は果たして本心なのか…。
洗脳するために相手を肯定する言葉を吐き続ける鹿矛囲だけど、同じ飛行機事故によって傷を負った同級生でもある桑島に語った言葉は果たして鹿矛囲の本心なのか…。それとも「同級生である国交省の役人」を利用したのか…。それは鹿矛囲にしか分からない。
「お前たちなら世界を変えられる。お前たち全員でシビュラを裁け」桑島は屋敷に火を放つ。

現場――屋敷に到着した朱たちを「さすがに早いな」と出迎える桑島。
「鹿矛囲は何処?」と問う朱に「彼は行った」と答える桑島。
「だが、無駄足ではないよ。代わりに彼らを見送ってやってくれ」燃え盛る屋敷を見る朱たち。そこに見えたのは動物のホロをかぶった人間――それも無残に切り刻まれ、歪にその姿を変えられていた。
「酷い…なんてことを」「これが人間にやることか」憤る弥生とギノ。「まさに地獄絵図…だろ。身の毛もよだつ行為だ」桑島は答える。
「これをやったのは鹿矛囲か?」と問う東金に「冗談を言うな」「こんな遊びでしかサイコパスを保てなかったのは、あの中で残骸になっている役人どもだ」と吐き捨てる桑島。
「これはその報復だと?」朱は問う。その問に、桑島は答える。密入国者を甘い言葉で集め、臓器移植に利用した挙句、人体をおもちゃにした…と。
「こんな真似をしておきながら、いざ犯罪係数が上がったら奴らは鹿矛囲に救いを求めた」それが鹿矛囲の逆鱗に触れた。
…あ、そうか、ちょっと間違ってたかもしれん。鹿矛囲が移植を主導してると思ったけど、サイコパスをクリアにするために移植をしていたのは役人たちで、鹿矛囲はその臓器から役人たちを突き止めて接触してた…ってこと?
それとも臓器移植自体も鹿矛囲が主導してたけど、移植に使われた密入国者の身体を切り刻んでおもちゃにしたことに鹿矛囲が怒ったってこと?
必要な臓器移植であれば鹿矛囲も否定はしないと思うんだけど、この場合、臓器移植自体が人体をおもちゃのように弄ぶことだから、前者な気がするんだけど。
「焼いてくれと願ったのは、家畜にされた人々だ」「彼らはもう、元の姿には戻れない…鹿矛囲がそうであるように」歯噛みする桑島。

「同行に応じてもらえますか」と言う朱に、「もちろんだ。だがその前に、これを」と小箱を差し出す桑島。
中を開けた朱は「何をした!?」と桑島に掴みかかる。
朱の異変に駆けつけ、抑えるギノは弥生に箱の中身を調べるよう指示。箱の中身を見た弥生は驚き、慌ててスキャンする。
そしてスキャンして出てきた結果は…「常守葵…!?」――葵ばあちゃんの耳だった。
そうか、葵ばあちゃんのピアスが意味ありげに光ったのはこれのフラグだったのか…orz
自分のしたこと――葵ばあちゃんの居場所を東金に教えたことで何が起こったのかを知った美佳は恐怖する。そんな美佳を見てニヤリと笑う東金。
もう東金さんはキモ金さん通り越して、ゲス金さんでいいかな?
怒りに震える…いや、憎悪の炎を燃やす朱。

桑島を取り調べる雑賀先生は「なんでも俺と話すとサイコパスが濁るそうだ」「本当にそんなことができるのか試してみたくなったのは初めてだ」と語る。
「要求は何だ」と問われた桑島は「常守朱は鹿矛囲に近づいた。厄介だし、冒涜ですらある。少しおとなしくして欲しい」と葵ばあちゃんに危害を加えた理由を話す。
その行為が桑島の独断だと判断した先生は「鹿矛囲は常守に来て欲しがってるだろう」と言い、鹿矛囲の居場所を問う。
桑島は答える「この都市の、腸(はらわた)に――」
またもノナタワー襲撃…なのか!?

地下鉄に乗り込んだ鹿矛囲たちは、いともたやすく地下鉄をジャック。その姿は監視カメラにも捉えられていた。
一緒にいる仲間は年齢も職業もバラバラだが、先生から「15年前、交通・航空の関係で親しい人間を失ってないか調べろ」と指示が飛び、志恩さんが調べると、全員が交通・航空事故で家族を失っていた。
「やはり、接点は皆、地獄の季節か」その問いに頷く桑島。
今まで透明人間として振る舞ってきた鹿矛囲が姿を見せながら行動を起こした。つまり…決着をつけようとしている。
どうする、朱!?

そしてな…まさかのCパートがあったんや…。

地下駐車場に止められた車のトランクを開けると、そこには葵ばあちゃんが。
「あーちゃんのお仲間さんかい?」そう問われた東金は「えぇ…」と微笑みながらも、彼女にドミネーター振り上げる。
そして…(殴る音)
逝った…葵ばあちゃん殺されたあああぁぁぁぁ!!
朱ちゃん酷い目に遭いすぎワロエナイ…。
シビュラというか東金親子が、朱に鹿矛囲を殺させることで両者を排除しようとしているのは明白なんだが、あまりにも東金親子の独断すぎて、果たしてこれが本当に「シビュラ」の総意なのか怪しいすぎるんだよなぁ…。
「全能者のパラドクス」を解消する方法として考えられるのは、鹿矛囲がそうしようとしているように、全てを無にする=シビュラをなくすことなんだけど、「全能者は同じ瞬間に全能である必要はない」としたら、シビュラの一員である「東金美沙子」をスケープゴートにして「自らを裁くことができる」という手法を取ることもできるんじゃないかって気がするんだよね。それこそ恣意的に美沙子の犯罪係数をいじってさ。
…しかし、まったくもってあと2話で終わる気がしねぇ\(^o^)/
てかこのブログを書いている段階で10話を見てしまってるわけだが、それでも残り1話で終わる気が全くしないんだな、これが\(^o^)/

ラジオCD「PSYCHO-PASSラジオ 公安局刑事課24時」復活SP

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PROPLICA ドミネーター

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*1:もっとも、佐々山も名前の「光留(みつる)」にかけて誕生日を3/26に設定されていたので、そういうお遊び的な要素とも考えられる。

*2:「くわ」は「桑」の旧字体なのだが、このブログでは字化けしてしまうため「桑」の字を使用