PSYCHO-PASS サイコパス2 #10「魂の基準」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

本当に次回で終わるの…か? の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


地下鉄をジャックし、ついに最終目的へと動き出した鹿矛囲たち。
管制室では鹿矛囲たちがジャックした地下鉄の異変に気づき、全運行列車の緊急退避措置を取るが、その措置もすでに鹿矛囲たちの計算に入っており、ポイント切り替えに失敗。鹿矛囲たちがジャックした列車を含む全列車が退避区画に集まってしまう。
てか、分かりやすいくらいの「交渉人 真下正義」オマージュだなw
フォロワーさんいわく、1期から端々に本広オマージュはあったけど、2期は更に本広オマージュが多いとのことなんだけど、これはもう誰が見ても真下正義まんまだわw
「…始めよう」ついに開始される作戦。地下で起こる爆発。爆発によって開いた穴から流れ込む汚染水。同時に水絵も地下でデコンポーザーによる破壊工作を開始。
同じ頃、公安局も地下の異変に気づく。列車が退避した区画は、周囲が汚染水の流入したことによって孤立。排水できない以上、乗客の脱出は不可能。…あぁ、さっき水絵が破壊してたのは排水装置か。
しかし、脱出できないのは中にいる鹿矛囲たちも同じこと――「自分たちごと閉じ込めた…その狙いは何だ?」首を捻るギノ。

国交省を骨抜きにしすぎたわね。鉄道の隣接エリアが浸水したままとは…」当然、この自体は局長(美沙子)=シビュラも察知。泉宮寺さんの時もそうだったけど、国交省は地下については随分と杜撰なようで…。
「そう…。彼らが再び我々に取って代わろうとした時のために、不祥事のネタを残していたわけね」その国交省の杜撰さも、厚生省(シビュラ)VS国交省という利権戦争の一部…厚生省側が仕掛けた国交省の不祥事のネタってわけか。で、それを鹿矛囲に使われてしまった…と。
「おかげで乗客500人以上が鹿矛囲の人質になったようよ?」と嘲笑う美沙子。
…うーん。この国交省の不祥事のネタ=地下についての杜撰さをワザと作ったというのもシビュラなんだけど、それを「鹿矛囲に使われちゃったわよ」と美沙子が嘲笑うあたり、やっぱりシビュラ内で、美沙子VS他シビュラメンバーの対立がありそうな感じだよなぁ。
「目的? …まさか。地獄の季節の再現だけで満足する程度なら、とっくに処分できているわ」美沙子は鹿矛囲の「本当の目的」に気づいているようで…。
地下鉄車内では鹿矛囲たちが乗客にドミネーターを向け始めていた。
そして、現場には3係が向かうが…。

一方、葵ばあちゃんを始末した東金は何食わぬ顔で朱の前へ。「何処へ行こうというんです?」と、状況の分析と作戦の立案をしようとする朱の前に立ち塞がる。肉親が人質になった時点で、朱は事件に関わることはできないと言う東金だが、「それを判断するのは、監視官である私」とあくまでも仕事――自分の使命に戻ろうとする朱。
そんな朱が刑事部屋から出てきたところを見た美佳は取り乱し、「私は悪くない」と連呼。自分が葵ばあちゃんの居場所を調べたのは脅されてやったことだと、罪悪感から逃れようとする。
朱の姿が消えた刑事部屋で東金は呟く
「そうだ。自分のせいで大切な存在が失われる苦しみを味わえ。――黒く染まれ、常守朱
…ゲスい。キモい通り越してゲスい。もうアンタ、ゲス金でいいよ、ゲス金で!

車内でドミネーターを撃ち始めた鹿矛囲たち。しかし、今回は「(犯罪係数が)300を超えそうな者からパラライザーで意識を奪え」と指示し…って、え!? 虐殺祭じゃない…だと!?
…あぁ、基本的に殺したいのはシビュラの尖兵である公安局であって、一般人を殺す気は毛頭ないんだったな。今回は「ドミネーターを使う」という行為に目的があるのか。
次々に、そして無慈悲に発砲されるドミネーター。
乗客を無差別にドミネーターで撃つことに憤る六合塚。朱が局長命令で待機であることから、「私が1係のトップなんだ」と笑みを浮かべる美佳。「大丈夫。私はシビュラの意思に従っただけ。サイコパスが濁るわけがない」と自分に言い聞かせる。
…てかさー、思うんだけどさぁ、ここまで来てなお、美佳ってキャラの扱いはこれでいいの? って思うんだけど…。
朱とは違う方法で強靭なサイコパスを保てる存在、対比として美佳が存在しているのは分かるんだけど、ここまで美佳を視聴者からの憎まれ役、朱ageの道具としてしか存在させないのもどうよ? 劇場版もこれで行くの? 霜月美佳ってキャラは本当にそれでいいの?
元がモブキャラ*1だから霜月美佳ってキャラに製作陣自体が愛着なくてもしょうがないのは分かるけど、正直ここまで美佳の扱いが酷いと、いっそのこと2期で退場させてくれよとか思うのだけど、最終回で1発逆転あるの? ないなら霜月美佳ってキャラがかわいそうだと思うんだが、2期は小物で終わっても劇場版で成長してる可能性が微レ存?
てか、2期さぁ、「仲良しチームだった1係を1回崩壊させる」とか言われてたけど、実際のところは、朱と美佳がそれぞれ独走して、それに執行官たち(主に雛河)が振り回されてるだけなんだよね。朱と美佳がギスギスしてるだけで、ギノや弥生はちゃんと立ち回れてるし、確かに「仲良しチーム」とは言えないけど、1係のチームワークが崩壊しているわけではないし、アニメ誌で言われていた「朱が孤立する」という状況も、朱の精神的な問題(しかも「孤立」というよりは、朱が自ら精神的に「孤独」な方向へ向かっていっている)であって、立場ではない。
1期よりマシとはいえ、やっぱりサイコパスって尺の関係*2で情報量をその尺に入れられる最大公約数で切ってしまうから、どうしてもアニメ誌とかで製作陣が発言することによって補完される部分がかなりあるんだけど、2期もやっぱりそうだったか…orz
そしてギノもいつ「苦しい立場」に立ったんだと疑問なのだが、もしかして、須郷さんが青柳さんを撃ったことで割り切れない気持ちになった時がそれだったのだろうか?
ともあれ、2期で残念なところをひとつ挙げろと言われたら、私は迷うことなく「霜月美佳というキャラクターの描き方」を挙げるわ。
別に美佳が朱に対立するキャラクターである分にはいいんだ。朱の対比(シビュラ社会における退屈なほど模範的な市民)として描かれるのもいいんだ。ただ、終盤になるに従ってどんどん「朱ageの道具」として描かれていっていることに失望したんだ。
3係が噛ませなのはしょうがないにせよ、一応メインキャラクターである美佳まで朱ageの道具にしてるのを見るとねぇ…そりゃ失望するよね。
だって中盤までは上手い具合に「朱と対比」になってたのよ? なのにシビュラの真実を知った途端に小物化して、結局、視聴者の憎まれ役でザマァされるだけの役割とかね…ホントにキャラに愛がないね。
そういう失望よね…2期に対する失望感があるとすれば。
まぁ、美佳には「劇場版で成長してるかもしれない可能性」に賭けるしかないわな…。
てか、劇場版で新たな敵に立ち向かうためには、この鹿矛囲の事件を経て1係のチームワークが再生しないと勝てない相手なんじゃ…って思うので、どうか劇場版で美佳が、別に朱様マンセーしろとは言わないけど(むしろしてたほうが嫌だけどw)、朱のことを認める部分は認め、違うことは違うと言えるような存在に成長してくれてたらいいなと願うわけで…。
「鹿矛囲ってドミネーター効かないのに、どうやって…」怖気づく雛河だが、「だからって出動しないわけにはいかないでしょ」と弥生。
今になって気づいたけど、2期の弥生って頼もしいわ…。1期から「自分にできることをする」「自分が置かれた状況の中でベストを尽くす」人だったけど、1係の中では最もベテランの執行官*3という立場とか、雛河という年下キャラがいるとか、「頼れるお姉さん的頼もしさ」が2期ではさり気なく滲み出てるよね。

「せめて鹿矛囲の目的が分かればな…」と言うギノ。
美佳は「鹿矛囲の目的は東金財団への報復」「今回も何らかの形で(鹿矛囲と東金財団が)繋がっている」と朱に自分の推理を告げるが、「それを報復だとする根拠は?」と朱に問われる。
美佳は鹿矛囲と東金財団の繋がりを調べた報告書を朱に送付し、東金美沙子が鹿矛囲の手術を推進したことから、鹿矛囲が東金財団に恨みを抱いていると推測したと答える。
「脳の多体移植…」鹿矛囲に行われた手術内容を知る朱。そして朱は何かに気づく。
ここで美佳があの報告書を朱に送ったことが、朱にヒントを与えたんだけど、これって美佳の罪悪感からだろうなぁ…。
美佳が葵ばあちゃんの居場所を調べたことで、桑島に危害を加えられたり、ゲス金に殺られたりしたわけなんだけど、「私は(東金に脅されてやったんだから)悪くない」と自分に言い聞かせつつも朱に対して後ろめたさがあるから、朱に「恩を売る」ことで後ろめたさと相殺した…ってことよね。
こういう責任転嫁と図太さが美佳のクリアを保つ秘訣である以上、やっぱり最終回での一発逆転はなさそうよねぇ…orz
ただ、劇場版にも美佳が登場するってことは、自分のしでかしたことに対する罪悪感に潰されることもなく、この事件を終了するってことだから、やっぱり劇場版でも美佳のスタンスは変わらないってことなのかしらねぇ…?
1話でギノが「理解を超えたものから目をそらして否定するだけじゃ、いつか後悔することになる。目の前の現象を事実として受け入れろ。それが大人になる近道だ」と美佳に言ってたけど、最終回でこれがなきゃ美佳は劇場版でもこのままだろうなぁ…。
…あ、そうか。美佳=渡る世間における赤木春恵かw
あぁ…そう考えたほうが腑に落ちるというか、半ば無理やりなところもあるけど腑に落とすことができるかもしれないわ。
なるほどなぁ…霜月美佳っていうキャラクターはそういう立ち位置か。美佳=(渡る世間における)赤木春恵と考えたら、もう美佳というキャラクター(の作られ方・描かれ方)に失望はしないで済むかもしれんねw 必要悪という言い方も変だけど、物語上必要な身内の憎まれ役という。…てか、1係は幸楽なのかよw

地下で撃ち続けられるドミネーター。「これだけ飛ばせば…」ここまでドミネーターを乱射する目的――。
「…これは。やはりそうきたわね」美沙子はその目的に気づく。
ドミネーターが捉えた情報によって、罪に応じた裁定が必ず下される。これだけ絶え間なく一挙に動作すれば、データは膨大となり、通常の処理では追いつかない。そうなった時使用されるのがネットワークに現れるバイパス経路。
「バックアップのデータ経路はセキュリティが一段劣る。それを使わせるの目的というわけね」――バイパス経路を掴むことで知りたいのは…。
「ドミネーターを集めていたのはシビュラシステムの位置を知るため――そうなのね、桐斗くん」
…なるほど。ドミネーターで虐殺祭がしたかったんじゃなくて、ドミネーターを使うことでシビュラの位置を知るためだったのか。
そうなると、鹿矛囲はどこまで槙島事件について知っていたのか気になるところだな。まぁ、あのグソンさんがそう簡単にデータを漏らすわけもない(漏れるようなところに保存しているわけがない)し、データの在処を知っていた当の本人も、知っていただろう槙島も、とうにこの世にはいないからな。むしろ鹿矛囲本人は槙島事件というか、槙島聖護自体は全く知らない可能性のほうが高そうだな。
しかし、槙島が鹿矛囲(と鹿矛囲の犯罪)を見たら、鹿矛囲が槙島(と槙島の犯罪)を見たら、互いにどんな感想を抱くのかは知りたいところではあるな。

そこへやって来たのは朱。「待機を命じたはずだが」と言う美沙子に、「そんな悠長なことを言っている状況ではないはず」と朱。
「そうか、ならば別の任務を与えるとしよう」と言われた朱は「鹿矛囲桐斗の暗殺…」と返す。「その通りだ」と美沙子。その反応に「やはりそう…」と朱は自分の推理に確信を抱く。
「今までに起こした事件の性質や、地獄の季節という接点を考慮すれば、鹿矛囲の目的が東金財団ではないことは明白」
「彼が問うているのは色――その相手はシビュラ」
「鹿矛囲の始末を急ぐのは、今まさに彼がシビュラに触れようとしているから」
推理を述べる朱。
鹿矛囲の目的が東金財団=美沙子への復讐…ってーのはミスリードだった…ってことかい?
この部分、アニメ誌での塩谷の発言でも強調されたけど、別にミスリードでも一向に構わないんだけど、なんか強引だなぁ…。
この強引さ、まさに1期の狡噛さんの槙島に対する執着の理由がTV放送だけでは全く見えてこなかった*4けど、とにかく「運命なんです」って製作陣の発言で強調されまくってた強引さに似てるわw
逆に鹿矛囲の目的が東金財団=美沙子への復讐でない分、シビュラ多数派が美沙子を排除しにかかっている可能性は高まったけどね。
「相変わらず余計なことを考えるのが好きだな」と美沙子。朱の推測通りことが進めば、あと1時間もしないうちに鹿矛囲は目的を果たす。「無論、そんなことを許すつもりはない」美沙子は3係に命じて、鹿矛囲たちが立てこもっている区画の頭上に爆弾を設置していた。
「あそこには500人以上の人質がいるのよ!?」叫ぶ朱。しかし美沙子は、閉鎖空間で一方的に狩られる側となった人間がサイコパスをクリアに保てる可能性は極めて低い。すでにほとんどが潜在犯化しているだろうから見殺しにしても構わないと言う。
「だからって見殺しにしていいわけがない。こんなふざけた作戦」と憤る朱だが、決定事項なのだと有無を言わせない美沙子は、「君の任務でもある。起爆の指揮をとれ。君の手で終わらせろ」と命じる。
「白々しい…。鹿矛囲を殺したいだけでしょ」と吐き捨てる朱。しかし美沙子は「社会とシビュラを守るためだ。鹿矛囲による秩序崩壊を止めねば、遥かに多くの犠牲が出る」と、朱が社会秩序維持のためにシビュラは必要と認めている部分を突く。

「それと、今しがた残念な知らせを受けてね…」美沙子は告げる。「常守葵の遺体が倉庫街で発見された」映し出される遺体画像。
拘束された状態で撲殺…ゲス金ェ…。
身を震わせる朱に美沙子は命じる。「最後の引き金は君に委ねよう。我々の住むこの社会を守りたまえ」…と。
そしてその頃、葵ばあちゃんを殺した東金は不気味に笑う。
「鹿矛囲を殺せ、常守朱。己の無力さを思い知れ。自分を取り戻すための殺意を肯定しろ。そうすれば必ず黒く染まる」
鹿矛囲に殺意を抱きかける朱。刑事部屋に朱の叫びが響き渡る。
そこに聞こえた「殺すのか? 奴を」という声――こ…狡噛さああぁぁぁぁんっっ!!
狡噛さんのスタンドは朱に問いかけた。
…てか、朱、東金=かつての狡噛さんの席に座ってんだよな。


その頃、現場に到着した美佳たちは3係が受けた爆破命令が最優先だと伝えられ、自分の出る幕がないことに落ち込む。
「一刻を争う状況だというのに、どうなってるんだ!?」ギノもまた事態が飲み込めない。

狡噛さん(のスタンド)に「殺すのか? 奴(鹿矛囲)を」と問われた朱は「分かりません。でもそうすべきなのかも」と自分の無力さを訴える。
そんな朱に狡噛さんは「らしくないな」と言い、かつて朱が狡噛さんに言ったこと――「法が人を守るんじゃない。人が法を守るんだ」それを信じているから、朱は狡噛さんを止めようとしたんじゃないのか…と言う。
「そうでした…あの時は」無力さに打ちひしがれる朱は、そうとしか返すことができない。そんな朱を見て、「まぁ、俺が言えた義理じゃないか」と苦笑う狡噛さん。
「シビュラに鹿矛囲は裁けない。でも鹿矛囲を止めなくちゃいけない。もう手段がないんです」そう訴える朱。

「もう手段がない」と言う朱に、狡噛さんは「違うな」と言い、「『もう手段がない』んじゃない『今は手段がない』だけだ」と告げる。そして「可能性のピースはもう揃ってるはずだ。アンタがためらってるだけで…」とも。
「失敗は許されない。でも…」決断できない朱に、狡噛さんは言う。「賭けてみてもいいんじゃないか?」と。
そして「負けるなよ」と言い、狡噛さんは朱の背を叩く。
…つ、ついに狡噛さんのスタンドが質量を持った!!
ついに質量を持った狡噛さんをスタンド召喚した朱ちゃんは、もう狡噛スタンド使いでいいw
きっと劇場版で「野生の狡噛」をゲットして狡噛マスターになるんや、朱ちゃんは…。

「あっ…」いきなりのことに驚く朱。当然、振り返っても狡噛さんはいるわけがなく…。
そういやさ、朱ちゃんが狡噛さんのスタンド召喚した時って、ふたりの視線が合わないというか、絶対に向き合わないんだよね。

7話でスタンド召喚した時は背中合わせ、今回は狡噛さんが朱の方を向いている=つまり文字通り朱の背中を押すために現れた。おそらくもう最終回はスタンド召喚ないと思うから、次に狡噛さんが朱の前に現れるとすれば、劇場版でそれこそ生身の姿…しかもちゃんと朱と向き合う形で現れるはずなので、すんごいロングなステップね…これw
朱ちゃんが狡噛さんのスタンド召喚してる時に、その内容を海の向こうの狡噛さんが「夢」って状態で見てたら面白いのに…とか思うんだけど、今は海の向こうの狡噛さんなんて1期の時点ですでに槙島のスタンドを召喚させる能力があるだけに、朱ちゃんのスタンドも召喚する能力を持っている可能性も微レ存?
…いや、奴のことだから槙島の他にも、佐々山やとっつぁんら死者のスタンドは召喚可能な気がしてならん…てか、むしろ死者召喚ならSPECか? 狡噛さんなら槙島・佐々山・とっつぁん・縢と死者召喚のSPEC持ってても不思議じゃないよw 朱ちゃんスタンド使いなら、狡噛さんはSPECホルダーだなw
そこにいたはずはないのに感触だけが残っていて、思わず笑う朱。
「ありがとうございます」
狡噛さんに背中を押され、朱の心は決まった。

取調室に入った朱は、桑島に「頼みがある」と協力を求める。
そんな朱の行動に、朱が置かれている状況を知る先生は呆気に取られ…。

朱は桑島から鹿矛囲との連絡方法を聞き出し、鹿矛囲に連絡を入れると「シビュラは乗客ごとあなたを葬る気よ」と告げる。
「その前に出口は見つかる」と言う鹿矛囲に、その場合、全ての監視官・執行官が鹿矛囲たちの前に立ちふさがるだろうと牽制する朱。しかし鹿矛囲は「僕がそれを恐れるとでも?」と答える。
朱は鹿矛囲に人質を開放するなら「私があなたの望みを叶える」と言う。
地下のマップデータを鹿矛囲に送り、目印の地点まで来るように告げる朱。

「何を考えている?」そこに割り込む美沙子。だが朱は動じることなく美沙子に告げる。
全能者のパラドクス――鹿矛囲の目的はシビュラシステムを裁くこと。シビュラはそれを受け入れるべきと言う朱。
「それが鹿矛囲を裁くことにも繋がる」
シビュラは免罪体質者という、裁くことができない例外を取り込むことで完全な裁きを実現させてきた。しかし、新たな例外が生まれた。
個人ではなく「集合体」として形をなす鹿矛囲。彼を裁くには、彼を成り立たせている概念をシビュラが認めるほかない。
「君は何を口にしているのか分かっていない」反論する美沙子。
鹿矛囲を裁くには集合体としてのサイコパスを計測する必要がある。だがそうなれば――。
「集合体であるシビュラも裁きの対象になる」そう答える朱。
それが鹿矛囲の狙いだった。自ら社会の脅威となることで「集合的サイコパス」を認めざるを得ない状況を作り、シビュラをパラドクスに追い込んだ上で、裁く――。
…ん? 待てよ。鹿矛囲の目的が東金財団=美沙子への復讐ではなく、あくまでも「シビュラを裁くこと」=「(集合体としてサイコパスを計測させ)集合体としての自分を裁かせること」だとするならよ? 鹿矛囲は事故で生き残ったことこそが自分の「罪」で、それをどうしても裁いて欲しい…って考えることができないか?
8話で「犯罪を起こし裁かれることを期待した」と語ったように、「自分の罪を裁いて欲しい」というのが鹿矛囲の根源なんじゃなかろうか?
槙島が「誰かに認めて欲しい」なら、鹿矛囲は「誰かに裁いて欲しい」――だからこそ朱を裁きの見届け人として選んだ…と。
…そういうことか! 槙島と鹿矛囲の決定的な違いって、コレか!!
鹿矛囲はシビュラに「認めて」欲しいんじゃないんだ。あくまでも誰かに「裁いて」欲しいんだ。…なんかやっと腑に落ちる、槙島とは決定的に違う理由を見つけられた気がするぞ。
「ならば余計に奴らをシビュラに近づけるわけにはいくまい」美沙子は、朱がシビュラシステム本体の場所を鹿矛囲に送ったことに気づいていた。
「そして裁くことなく彼を処分するの? 自らの完全性を否定して…」あくまでも朱は「法による裁き」を実行するつもりだ。
朱は目先の目的にとらわれ、事の重大さを理解していないと言う美沙子は「集合的サイコパスを認めた社会がどのようなものになるかを…」と問う。
「個人個人がクリアでも、集団として裁かれる可能性がある社会。そのリスクは理解しているわ。…でも、今まで目を背けていたその問題を直視することは、あなたたちの進化にも繋がるはず」もう朱はシビュラの手の上で転がされるだけではなかった…。
「逆にこの問題から目を背け、鹿矛囲の処分という逃避を選ぶなら、あなたたちに未来はない」朱はシビュラに突きつけた。
「君の御託は聞き飽きた」苛立つ美沙子は、独走するなら朱の監視官権限を剥奪すると脅す。そして社会から抹消することも考えねば…とも付け加える。
「あなた個人の見解はどうでもいいと言っているの、東金美沙子!」
朱は局長の中の人の正体を見破っていた。

「シビュラシステム…」美沙子ではなく、シビュラシステム全体に朱は言う。
シビュラがこの社会に存在を許されている理由は、平等で完璧な裁きを行えるから。その完全性に綻びが生まれた今、シビュラシステムの存在価値そのものが揺らいでいると言っていい。
「知ったふうな口を」吐き捨てる美沙子。
「あなたたちがこの社会に必要であり続けるため、何を選択するべきか…『全員で』じっくり考えることね」そう告げる朱。
そしてその会話は、ゲス金も聞いていた…。
…あぁ。「全員で」って朱が脅して言ってるってことは、東金財団に絡むラインは、やっぱりシビュラ別派が美沙子を排除するためのラインか。
となると、シビュラさんたちは記憶と知識を共有していることで鹿矛囲と東金財団の因縁を当然知ってるから、鹿矛囲の事件で美沙子を「担当者」として禾生に入れた時から、反美沙子派シビュラは鹿矛囲を利用して美沙子排除を開始してたってことね。
ただ、美沙子以外のシビュラ全員の落とし所を何処に持ってくるかよね…。
朱の言うように「集合的サイコパス」を認めるのか、鹿矛囲に「東金美沙子」を裁かせることで「シビュラシステムを裁いた」ことにさせるのか…。反美沙子派シビュラの目論見としては後者だと思うんだけど、劇場版に繋げるとしたら前者の可能性もあっておかしくないしなぁ…。落とし所が全く見えねぇわ。
でも、朱を利用して鹿矛囲を始末しようとした東金親子が、逆に鹿矛囲と朱を利用した反美沙子派シビュラによって排除される…っていう落とし所は見えてるので、あとは最終回でこれが合ってるのかどうかという答え合わせだよな。
そして鹿矛囲は死ぬにしても槙島同様目的を果たして一人勝ちして勝ち逃げ…という結果と。

通信を傍受した東金は隙を見て現場から姿を消す。
地下では3係が爆破命令を受け、その起爆スイッチを押す…が、起爆しない。
起爆しないことに首を捻る3係・兵頭に撃たれるドミネーター。エリミネーターだったそれは兵頭の上半身を爆散させる。
撃ったのは…もちろん水絵。公安に爆薬が配備されない以上、使うとなれば事件で押収したものを流用するしかない。それを読んでいた鹿矛囲は喜汰沢の爆弾を自分の側で優先的にコントロールできるよう細工していた。
「こんな風に何もかも見通せるからこそ、鹿矛囲はみんなをクリアにしてあげられるの」ウットリと鹿矛囲の素晴らしさを説く水絵。
「あとは公安をここに縛り付けておくだけ…」首に注射打つ水絵…アカン、コイツ、ヤク中や!!
「もう少しで鹿矛囲が世界をクリアにしてくれる!」そう叫ぶ水絵は…えぇ、本当にヤク中でした。本当に(ry
てか、女海賊水絵で登場した時にツイッターで言った(というかブログに書き忘れてそのまんまだった)んだけど、水絵って、いいとこのお嬢様が悪い男に捕まって、「とりあえずこうしたら悪く見えるだろう」というステレオタイプのセンスだけで悪ギャルデビューした…という分かりやすいくらいにテンプレ通りなのに、挙げ句の果てにはヤク中にされて風俗に沈められる(捨てられるってことまで本当にテンプレ通りなのな水絵!!
でもって水絵=さやか枠は当たったんだけど、この水絵は…「私ってほんとバカ」って気づかないで死ぬよね、絶対w

そしてヤク中水絵が、まんま薬物中毒の啓発ポスターに使えそうな顔だったので、やっつけで作っちまったわw

そうこうしているうちに別の排水施設を利用することで地下の水位が下がり、乗客たちは開放される。
人質が開放されたことで、犯人確保に向かうギノたち。「霜月監視官!」ギノが美佳に声をかけるが、美佳は葵ばあちゃんが殺されたことを知り、「そんな…違う、私のせいじゃない。こんなの…!」と、自分のしでかしたことのデカさを受け止められずにいた。
「…東金執行官は?」雛河が東金がいなくなっていることに気づく。「…っ!!」東金の目的を知る美佳は、奴もまた目的のために動き始めたことに気づくが…。
さぁ美佳よ、一発逆転するのか? それともずーっと渡る世間における赤木春恵ごとく、憎まれ役の朱age要員でザマァされ続ける存在のままで終わるのか?

地下を歩く朱を待ち構えていた東金。白々しく「局長から話を聞いた」と同行を願い出る東金だが、朱は「何故?」と問う。
東金は、朱は東金美沙子と鹿矛囲の関係に気づいているはずだと言い、母が怪物を生み出した責任を負うのは息子である自分だと答える。
更に「たとえこの手を血で汚すことになっても…」と言う東金に、「殺すつもりですか? 鹿矛囲を」と問う朱。
「狡噛執行官ならそうしたはずだ」と答えた東金を、朱は笑う。そして訝しむ東金に朱は言う。
「お芝居はもうやめませんか、東金さん」
朱は東金の目的にも気づいていた。
「あなたの母親が鹿矛囲に行った脳の多体移植…。私はそれによく似たシステムを知っている」
もちろん美沙子も知っていたことになる。でもそれはこの社会では許されないこと。「免罪体質者を除いて――」
東金美沙子が免罪体質者なら、システムに組み込まれているはず。そして今回の件で、責任者として活動を強いられている可能性が高い。
「つまり、今、禾生局長の皮をかぶっているのは――東金美沙子」

東金・美沙子・シビュラの繋がりを推理する朱。しかし東金は「何の話かさっぱり」とシラを切る。
「あなたの経歴データを見せてもらいました。隠匿していた本当のデータを」東金の正体を知っていると告げる朱。
美佳の報告書には、東金の経歴と矛盾する点が多々あった。それでファイルを調べ直した朱は東金の正体を知った。
「監視官をことごとく潜在犯に陥れてきたその経歴。正直信じたくなかった。もしくは、意図してやっているわけではないと思いたかった」
「雑賀先生のように?」正体を知られてなお、東金は動じない。
「でも、あなたは違った」朱は断言する。
「今までのあなたの言動を振り返れば、だんだんと分かってくる…あなたがどうしたかったのか」
朱は東金の目的に気づいた。
私を黒く染めたかった…そうですね?」
おそらく、東金は狡噛さんをトレースすることで朱の心理的ガードを下げて信頼を得たところで裏切る→そして朱を黒く染める…という作戦だったんだろうけど、狡噛さんトレースでは朱のほうが優ってるんだよな。
朱も確かに一瞬、2話のあたりでは狡噛さんと重なるものを見たかもしれないけど、それ以降はどれだけ東金が狡噛さんトレースをしても「この人は狡噛さんじゃない」って、むしろ朱のほうが線引してたようにも思える。6話で鹿矛囲を撃とうとした時に狡噛さんが重なってしまった時を除いては。
2期は「朱の守破離の物語」と前に何度か言ったんだけど、これって、朱が東金を通して狡噛さん依存を卒業するんじゃなくて、朱が似てる誰かに狡噛さんを重ねることなく、自分の中に「明確な狡噛慎也像を持つ」ことで、「自立した刑事になる」ってことだったのか。守破離で言えば「破」の段階までようやく進んだ…ってとこか。
よく考えると、刑事としての朱を形成したのが狡噛さんである以上、朱は狡噛さんからは完全に卒業はできないと思うのよ。
いずれ朱は今回みたいに迷った時にスタンド狡噛さんが背中を押さなくてもひとりで決断できるようにはなるんだろうけど、それでも朱の根っこの部分には狡噛さんによって形成された「刑事としての魂」があるし、それは永遠に消えることがないものだろうから、朱が守破離の「離」の部分に達する時が来るとしたら、それは自分の中に持った狡噛慎也像を自分に同化(昇華)させた時…なんだろうな。
東金に誤算があったとしたら、それはやっぱり狡噛トレースなら朱のほうが何枚も上手だった…ってことだろうな。
まぁ東金もそれに気づいてたんだろうから、途中からは狡噛トレースよりも朱に精神的ダメージを食らわせるのには何が有効かを考えたんだろうし。

「彼女は君程度には染められないよ」そこに現れた鹿矛囲。
「好都合だ」東金はナイフを取り出す。「貴様の存在が母さんを貶める。だから…」
ナイフで殺そうとするところまで狡噛トレースのゲス金さんマジでお疲れ様です。というか、それだけ「オリジナリティがない」ってこと(の描写)なんだろうな。
生まれた時から母に盲従し、それが自分の意志に見えるけど実は自分の意志じゃないという……って、コレ、水絵たち鹿矛囲信者と一緒だ。
鹿矛囲もまたドミネーターを東金に向ける。はじき出された犯罪係数は――769。
「貴様は存在してはならない!」鹿矛囲に襲いかかる東金。
「駄目!!」エリミネーターに変わるエリミネーターを見た朱はふたりを止めようとするが…。
「散れ、漆黒」鹿矛囲はドミネーターの引き金を引く。
…って、オイ! 本当にコレ、次回で終わるのかよ!!
全くもって…というか、2割ぐらいしか着地点見えてこねぇよ!
7話ぐらいから「本当に全11話で終わるのか?」という危惧をしているんだけど、製作陣は「2期は2期でスッキリと終わります」と明言してるのが逆に怖いのよね…。
もう、かのディケイド最終回のようにひたすら草を生やすだけにならなきゃそれでいい。ディケイドなんか完結と残された謎を劇場版にぶん投げんたけど、完結もしてなきゃ謎も解けてないのに、それでも「TVはTVで完結したんです」って言い切ったもんなw
…てか、「ディケイド最終回より酷くなきゃいい」ってかなりハードル低くないか?w 別にサイコパス2期に(今のところ)失望はしてないけど、最終回に対する期待のハードルを最低ラインに下げざるを得ない状況ってどういうことだ狡噛!?
ちょっと残念だなぁ…とか、ちょっと強引だなぁ…と思う部分はあるにせよ、サイコパス2期の出来自体はいいものだと思うのよ。
先に劇場版の脚本が上がっている状態からスタートして、1期と劇場版との整合性を取らなければならないガチガチの中で、鹿矛囲という新たな革命者を作り出してシビュラ社会の穴をつく犯罪を生み出し、そこから劇場版へと繋がる布石を敷いていくという物語作りは、そりゃぁ「ちょっとこれはガバガバだろ」とか「ご都合展開じゃね?」と思う部分はあったにせよ、(現時点で劇場版を見てないにせよ)1期と劇場版を繋ぐ2期としては緻密に作られていたと思う。
少なくとも、このラスト1回前ですら着地点が見えてこないという予測不可能さこそがサイコパスだと思うし、予想が当たっても裏切られても気持ちよくさせてくれるのがサイコパスだと思っているので、最終回でガックリするということはないと思っている。
少なくとも、どんな結果であれ、劇場版への期待はさせてくれるはずだしな。
ただ残念なのが、公開日(1/9)の関係上、どうしても2期放送中に劇場版の予告を出さざるを得なかったために、2期の生存者=劇場版登場キャラが分かってしまって、そのことがキャラの生死でハラハラするという楽しみ(?)を奪ってしまったのがねぇ…美佳とか美佳とか美佳とか。
…そしてアレか。今回も復帰しなかった須郷さんは、最終回も登場することなく、あとはもう劇場版まで出てこない流れ?
2期における須郷さんって、劇場版の前に顔見世しただけだったんかい?
あー、あとそうねぇ…最終回に期待することといったら、ギノたち執行官を活躍させてくれよ…ギノパンチ1回だけとか寂しいだろ…。でもこの流れだともう、アクション成分は劇場版にぶん投げられた気が…。

ラジオCD「PSYCHO-PASSラジオ 公安局刑事課24時」復活SP

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ノイタミナ クロニクル (ムック)

ノイタミナ クロニクル (ムック)

*1:1期6〜8話(女子校編)に出てきた、友人を璃華子に殺されるキャラ。そのことがきっかけで監視官を志し、1期最終話ラストシーンで1係に配属される。

*2:ちなみにノイタミナは通常のアニメより本編放送時間も放送話数も少ない

*3:公安局に所属している年数なら、もちろんギノのほうが長い

*4:その代わり尺が長くなって新規カットが入った新編集版では上手く「運命感」「宿命感」出せていた