プレミアムステージ特別企画・戦後60年SPドラマ「実録・小野田少尉 遅すぎた帰還」。

http://wwwc.fujitv.co.jp/onoda/index2.html
夜勤だったのに録画をかけてくるのを忘れたので、終盤しか見ることができなかったが、それでも泣けた。
終戦も皇太子(天皇陛下)御成婚も東京オリンピックベトナム戦争も、みんなラジオを聞いて知っていてなお戦い続けた小野田さんの頑なさに切なくなった。
そして上官の帰還命令のシーンではウルッとキタ。
更に帰還後の会見で「(30年間楽しいことなど)何ひとつなかった」というセリフや、最後の「共に生きる人間同士が戦わなければいけないことは悲しいことだ」という小野田さんの言葉にボロ泣き…。
戦後60年、もはや戦争は遠い出来事となったが、戦争を体験した世代が少なくなってきたからこそ、こういった第2次大戦をテーマにしたドラマは折りに触れて企画してもらいたい。
個人的には、戦争ネタとしてはあまり取り上げられないシベリア抑留を題材にしたドラマを見てみたい。
ウチのじーさんは満州終戦を迎え、そのままソ連軍の捕虜となってシベリアに抑留されたのだが、(ワシ自身進んで訊かなかったこともあるが)過酷な体験からか、シベリア抑留の多くを語ってはくれなかった。
何年か前のNHK朝ドラで、確か主人公の祖父だったか*1がシベリア抑留者で、シベリアの春を千昌夫の「北国の春」に例えていたシーンを見ていたウチのじーさんが「そんなのは嘘っぱちだ」と憤っていたのがワシは忘れられない…。
ウチのじーさんは年寄りの割には野菜をよく食べる人で、それは極寒のシベリアでは野菜がなく栄養の偏りで大変な目に遭った経験からだという話を聞かされたし、シベリア抑留のすべてを語らなかったウチのじーさんの断片的な話でさえ過酷に感じるのだから、その実態はワシの想像以上に過酷…いや、「過酷」というたった2文字で表わせるものではないのだろうと思う。
ウチのじーさんのように、それを生き抜いて帰って来た人もいれば、願い叶わず帰ることができなかった人もいる。
横井庄一さんや小野田さんほど遅すぎたわけではないが、ウチのじーさんのように遅い「終戦」を迎えた人たちは数多くいるのだ…。

*1:確か演じていたのは中条静夫さんだったと思う。