「人間の証明」最終話。

なんで他のフジのドラマより1週早く(10話で)終わるのかとか、それなのに何故15分拡大最終回じゃないのかとか、「白い巨塔」同様、ちと文句がある最終回ではあるのだが、なかなかいい終わり方だったと思う。
「人が人であることの証明」。
他人を、人間の心を信じない棟居が最後に賭けたものは、郡恭子の中にあるはずの「人間としての心」。
皮肉といえば皮肉だ。しかしそれは、棟居自身が「人の心を信じたい」という思いであったことには違いない。
そして、棟居の読む麦藁帽子の詩に涙し、ようやく感情を解き放った郡恭子を見て、感情のない女の仮面をかぶるしかなかった彼女は、本当は早く楽になりたくて仕方なかったのかもしれない…そう思った。
「生きていくために過去を捨て続けるしかなかった」という郡恭子に、「生きていくためには過去と向き合うしかない」と言う棟居。無論、ワシも棟居のほうが正論だと思う。本当に過去を捨てることなんてできないのだから…。
しかし、郡恭子の言う「過去(トラウマ)とどう向き合えっていうの?」という言葉を否定することはできないな。逃れられない、向き合っても乗り越えがたいトラウマも確かに存在するのだから…。
「人が人であることの証明」。
おそらく、棟居と郡恭子は救われたのだろうと思う。