PSYCHO-PASS サイコパス2 #05「禁じられない遊び」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

今回も虐殺祭ェ…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


潜伏場所に戻ってきた鹿矛囲と、「上手く行ったのね」とそれを出迎える酒々井さん。…完全に取り込まれてますやん、酒々井さんwww
バッグから青柳さんのドミネーターと取り出した鹿矛囲に「(青柳さんを)殺したの?」と尋ねる酒々井さんに、「執行官がね」と応える鹿矛囲。青柳さんが死に至った発端は酒々井さんの通信だっただけに「心が痛む?」と問う鹿矛囲。しかし酒々井さんは「分からない…。でも少し悲しい」と言う。…あぁ、これは洗脳されてますわw 判断能力が奪われてる。けど、「少し悲しい」とも答えたあたりはまだ彼女自身の心が残ってる…のか? もっとも、この彼女自身の心の最後の片鱗すら次回あたりには消えてしまってそうだけど。
「ちゃんと教えた容量を守ってるね」と酒々井さんが薬を服用したあとを認めた鹿矛囲は「色相を見てようか」と彼女にドミネーターを向ける…って、あぁ、やっぱり鹿矛囲はドミネーターを使うために酒々井さんの目を自分に移植したんか。
「綺麗だ…」と呟く鹿矛囲。「効かないって言われていた薬を少し飲んだだけで、こんなにも楽になれるなんて…」と言う酒々井さんに「人には固有の処方がある」「それを無視して、ただ強い薬を飲ませるのは暴力を振るっているのと同じ」と薬品への精通ぶりを見せる鹿矛囲。…しかし、元鬱病患者である私はちょっとその酒々井さんの気持ちは分からないでもない。精神科薬を飲むのに抵抗はあったけど、実際飲んだら楽になって「薬飲んで楽になるんだから、素直に薬飲んで鬱病と付き合っていくぐらいの気持ちでいたほうがいい」って思ったもんな。そして鹿矛囲の「ただ強い薬を飲むのは暴力と同じ」っていうのはメンヘラ界隈にはびこる『お薬ヒエラルキー』に対する風刺にも聞こえるわw
もっとも、この鹿矛囲の「ただ強い薬を飲ませるのは暴力を振るっているのと同じ」というのは、厚生省と製薬会社のズブズブの関係を指してるんだと思う。多分、特定の薬を売るためにその処方が厚生省から推奨されてて、その薬使うと医者にも金が入るからとにかく処方を乱発するという、我々の世界にもあるアレだろうな。
「どうして私をクリアにしてくれるの?」と問う酒々井さんに、鹿矛囲は「君自身の意志が欲しいから」と答える。…うわぁ、鹿矛囲も上手いこと暗示かけんてんなぁ…。判断能力を奪っておきながら、相手を隷属させているとは見せかけず、あえて自分の意志で選択させるように導く…っていうのが悪質だわぁ…。
「そばにいてくれ」と微笑む鹿矛囲に、酒々井さんは「私、何でもする」と陥落。…てか水絵、完全にダメ男に引っかかってる女だよ!!w
そして鹿矛囲は呟く。「シビュラよ、お前を裁くまであともう少しだ…」

一方、メンタルケア施設を現場検証中の1係。裏口を調べてくると朱から離れた東金。あまりの凄惨さにトイレでリバース中の美佳。物陰から朱にドミネーターを向けた東金は、あんな凄惨な現場を目の当たりにしてなお濁ることのない朱のサイコパスに「きれいなものだ…」と驚嘆する。そしてトイレから出てきた美佳がそれを目にし、「何なの、アイツ?」と怪しがる。
1期の小説版でメンタル美人と称されていた美佳だけど、実際はメンタル弱いんだな…というか、彼女がメンタル美人なのは、朱とは全く正反対の理由だよな。サイコパスが濁る危険性があるものは本能的に避けてきたのと、ネガティブなことは自分の内に抱え込まない(基本的に人のせいにする)とか、「心が強い」んじゃなくて「神経が図太い」。早い話が「自己中心的」ってやつなんだけど、自身のサイコパスを守ることが何よりの至上命題とされているこの社会って、究極の自己中心的社会だから、美佳の姿は間違ってはいないんだよね、この社会では。何よりこの社会の支配者である当のシビュラそのものが究極の自己中心的存在だしw


ついに…ついに雑賀先生が分析官に就任したぞー!!
…といっても臨時分析官という立場らしい(?)が、とりあえずサイコパスにおっさん枠が戻ってきたわけだ!
征陸のとっつぁんは相手を息子や娘のように包み込んで、そして背中を押してくれる父性なら、雑賀先生は基本自立した人間が相手だけど、時には寄りかからせてくれる、そして相手が自分からまた歩き出していくのを見守る父性だよなぁ…うん、おっさん枠はいいものですよ。
そしてな、私、ホントに今頃になって、雑賀先生の中の人と、軍師官兵衛安国寺恵瓊の中の人が同一人物であることにようやく気づいたわ…どっちも最初から見ているにも関わらず(私ってホントアホ)。
就任早々、事件の資料を全部読み終わってしまった先生に「さすが」と驚く朱。しかし先生は「流石なのはお前さんのほう」と、メンタルケア施設の事件から、まだたったの一晩なのに落ち着いている朱に嘆息する。「ホントに人間か」とからかう先生に「人聞きが悪いです」と返す朱。…先生、それは言っちゃならん。朱ちゃんにとっては、ゆきちゃんが死んだ時や狡噛さんがいなくなった時でもサイコパスが濁らなくて、「心とサイコパスが一致しないこと」で「自分は薄情な人間なのか?」というある種のトラウマになってるから。とはいえ、先生だからまだ許されてるところもあるけどな。
「ショックじゃないと言ったら嘘になる」「でも、それ以上に『やらなきゃ』っていう気持ちのほうが強い」と、落ち着きの理由を答える朱。1期の時もだけど、朱ちゃんって、悲しむ時間があったら、その時間で自分ができることをしなきゃ…ってひたすら前を向き続ける人間なんだよな。ゆきちゃんが槙島に殺された直後あたりはそれが頼もしさに見えたけど、狡噛さんがいなくなって以降はその姿に悲壮感を覚えるわ…。
5話後のニコ生ではなざーさんが「2期の朱は、狡噛さんがいなくなってしっかりしなきゃ、自分が1係を引っ張って行かなきゃ…という思いでいっぱいいっぱいになってる」と言ってたんだけど、はなざーさんのその言葉でその悲壮感の理由がハッキリと分かった。2期の朱が暴走監視官気味なのも、その「いっぱいいっぱい」な部分から発してて、多分2期の朱ちゃんって、突っ走ってしまってるがゆえに1期よりまわりが見えてないんだよね。その分2期のギノのほうがまわりが見えてるだけに、朱の理解者たろうとしてるし(でも止める時は止める…ただ朱は止まらないけどw)。
1期の朱ちゃんなら美佳ともっと上手くやれてるはずなのにな…という疑問も、「朱がいっぱいいっぱいでまわりが見えてない」とすれば合点がいく。1期のギノとのように互いに分かり合うために美佳とぶつかりあってる余裕がないから、美佳を受け流すので精一杯で、それが逆に美佳の神経を逆撫でしているという悪循環で1年半やってきたとすれば、この2期1係のギスギスっぷりには納得だな。そりゃギノどころか弥生も苦労するわけだ…。
「早速で悪いんですが…」と先生に増田代議士の聴取を依頼する朱。不自然なほどに落ち着いているという代議士に、「ヤツの存在自体がトラップの可能性」と朱の推理に同調する先生。

携帯端末のログの解析により鹿矛囲が潜伏している場所の特定にも成功し、そこにドローンを向かわせている、と朱は言うが、「結局、直接出向くハメになるだろうな」と先生。青柳さんを呼び出した酒々井さんの声は本人のものだった。監視官を懐柔するような相手が簡単に尻尾を掴ませてくれるはずがない…と言う朱に「買っているわけだ、鹿矛囲を」と、先生は指摘。
先生はサイコパスが測定できない、そして簡単に尻尾を掴ませない鹿矛囲の存在に、「槙島聖護を思い出しているのか」と朱に問う。
しかし朱は「似たような不気味さは感じる」「でも何かが決定的に違う」と槙島とは違う存在であることを感じていた。「その『何か』が分かれば、鹿矛囲の正体に大きく近づけるんだろうな」と言う先生に「だから先生と話している」と答える朱。…うーん、やっぱり2期の朱ちゃんの基本って「狡噛さんならどうするだろう」ってのがあって、雑賀先生と話をすること自体も「狡噛さんならどうするだろう」に含まれてる気がするよ。雑賀先生だから頼ってるというより、狡噛さんが雑賀先生を頼ったから頼ってるって感じ。雑賀先生から得る知識自体は朱自身も勉強になってるんだろうけど、回が進めば進むほど、朱がここまで狡噛さん依存というか、「狡噛さんならどうするだろう」っていうことに縛られすぎてるとは思わなんだ。
ただ、朱も我々も、「鹿矛囲が槙島に似ていること」、そして「槙島とは何かが決定的に違うこと」には気づいてるんだが、まだその「何か」には気づけてないんだよな。ぼんやりとした「違い」としては、

  • 槙島は「白」という色がまだあったが、鹿矛囲は「無色透明」であること
  • 槙島も鹿矛囲も「シビュラへの挑戦」という部分は共通しているが、その根源はおそらく正反対であろうということ
  • 槙島がシビュラを「暴く」なら、鹿矛囲はシビュラを「裁く」と目的が違うこと
  • 槙島はシビュラの正体を暴くことで人々が自らシビュラを捨てることを望んだが、鹿矛囲はシビュラを打倒することで人々をシビュラの支配から無理やり開放しようとしていること
  • (シビュラに認識されない)槙島が誰かに「見つけて欲しい」という欲求なら、鹿矛囲は「見つけられるかな?」と挑戦的であること
  • 槙島の犯罪は裏で槙島が手を引いていたとはいえ、犯罪自体はスタンドアローンだったが、鹿矛囲の犯罪は鹿矛囲が主導していること

他にも、槙島と似て非なる事柄はあるんだけど、まだ鹿矛囲が槙島と決定的に違う「何か」が何なのかは分からないにせよ、鹿矛囲と槙島の違いは回を進めるごとにハッキリとしてきている気がする。
おそらく、槙島も鹿矛囲も「シビュラに対する憎悪」という点では一緒なのかもしれないけど、そこから芽吹いて枝葉を伸ばしたベクトルが正反対なんじゃないかって気がする。…とするとだ。今のところ両者の一番の決定的な違いって「人間らしさを求めた槙島に対して、人間らしさを(洗脳で)消していく鹿矛囲」…かな?
だとすると、シビュラに認識されないことで「誰でもいいから自分を見つめてくれる存在」を欲した槙島に対して、鹿矛囲は「シビュラに認識されないなら、みんなシビュラに認識されなくなっちゃえ」という、槙島以上の駄々っ子理論に行き着いてしまうのだが…。…いや、でも多分、(槙島以上の存在にはしないと明言されてるだけに)鹿矛囲の動機って槙島以上にくだらない気がするよ。
朱からの信頼を感じつつ、「俺は手品師じゃない」と先生。
捜査は3係と共同で行うという朱に注意を促す先生。朱が立てた作戦に「よく局長が許可したもんだ」と漏らしつつも、作戦自体は後ろ向きだが、行う以上はリスクヘッジすべきという判断か…と、局長の判断にも理解を示す先生。「ホント…さすがです」と呟く朱。局長=シビュラの手のひらで転がされているされている自覚は…やっぱりあったかw

その頃、局長はシビュラと合議中。「彼女の行動には何ら正当性はない」「しかし単独で動かれるよりは命令系統の下に置いたほうが、まだ御しやすい」「いずれにしても現状の損害は問題にすべきほどではない」…ここで局長の言う「彼女」が誰を指すのか…朱なのか酒々井さんなのか…ミスリードを誘ってるんだろうけどw
彼女=酒々井さんだとすれば、ドミネーターを持ったまま行方不明の酒々井さんを泳がせていることに何か思惑があることになるし、朱だとすれば、朱の動きが実はシビュラには邪魔…ということになる。…いや、むしろそのどちらでもある…ってことも考えられないか?
ここまで来てるのに未だ酒々井さんを連れ戻そうともせずに泳がせていることにシビュラの思惑があることは、もはや疑いようがない。そして鹿矛囲を追おうとする朱の動きもシビュラにとっては邪魔。かつて槙島がシビュラ社会にとって脅威でありながら、シビュラシステムは免罪体質者として彼を求めたように、鹿矛囲もまたシビュラ社会にとっては脅威でありながらもシビュラシステムにとって何か利益をもたらす存在…なのではないだろうか?
シビュラ社会にとっての脅威は、イコール「シビュラシステムにとっての脅威」…ではないんだよな、そういえば。
だとすれば、シビュラが酒々井さんを泳がせ続け、鹿矛囲を追う朱の動きを邪魔に思うのも合点がいくぞ!?

壊滅状態になった2係の執行官たちは、1係と3係に割り振られることに…。
2係がどう割り振られたかはこちら
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1係に転属になった蓮池が荷物を持って引っ越してくると、刑事部屋にいたのは雛河ひとりだけ。チラリと蓮池を見ただけで全く気にも留めない雛河の態度に、「手厚い歓迎だ」と苦笑する蓮池。

一方、カウンセリング帰りのギノの前には須郷が…。なんかなー、このカウンセラー怪しいんだよなぁ…というか、前回出てきた時となんか違う気がする。前回出てきた時は胡散臭かったけど、今回のこのカウンセラーは1期の時にギノさんを気遣ってたあのカウンセラーっぽさが出てる気がする。もっとも、まだまだこのカウンセラーが鹿矛囲の協力者説は捨てきれないが。
須郷もまた1係に転属になっていた…というか、2期のグッズに須郷がいたのはコレか…ってことは、いない蓮池は…………あっ(察し)。
「青柳監視官はあなたの同期で友人だった」と、結果的に青柳さんをドミネーターで撃ったことになる須郷はギノに詫びようとするが、「お前は潜在犯を執行しただけだ。何も間違ったことはしていない」とギノはあくまでも職務を果たしただけ…と詫びを入れさせない。
しかし、やっぱりギノは割り切ることができず「しばらく俺の前には顔を見せないでくれ」と、ロクに須郷の顔も見ないで立ち去ってしまう。
でもギノの気持ちは分からないでもない。執行官としてのギノは、須郷は職務を果たしただけって割り切ろうとしてるんだけど、宜野座伸元個人としては「友人・青柳璃彩を殺された」って思いがあるから割り切れないんだよね。ましてやあのメンタルケア施設で青柳さんに何があったかギノは知らないわけだから、彼女が自身の正義を貫いた果てに死んでしまったなんて知る由もないし、彼女の死自体がギノにとっては納得行かないものだろう。とはいえ、ギノが彼女の死の真相を知ったところで納得できそうにもないけどな…ただ、彼女が正義を貫いた果てに死んだことにギノが救いを見出すかは別として。
結局のところ割り切れなくて自分でも感情を持て余してしまうギノさんって、1期からずーっとサイコパスという話において一番人間くさいキャラだなぁ…としみじみと感じたわ。

その頃、美佳は弥生の部屋を訪れいていた…。そういや1期では弥生の部屋だけ出てこなかったら、2期で初出か。意外に普通の女子の部屋でビックリだw 元ギタリストだからもっとロックしてるのかと思ってたけど、刑事部屋の私物とかから見ても、弥生自体はごくごく年齢相応の女子なんだな。感情を表に出さない*1彼女の内面が私物とか部屋から垣間見えた気がした。
「怖いんです…」と、正直な気持ちを弥生に吐露する美佳。メンタルケア施設での惨状を目の当たりにし、「自分が変わらずにいられるって自信が欲しい…」と弱音すら吐く。…あぁ、美佳もまだ19歳の女の子だしなぁ。
こうして弱音を吐かれると、彼女は彼女なりに気を張ってきたんだろうな…というのが分かるな。本当はそれを朱にぶつけていれば分かり合えただろうに…と思うのだが、この際、弥生に感情を吐露してくれただけでも御の字といえば御の字か。
ただ、このメンタルケア施設の惨劇を目にしてしまった美佳は、この先も目をそらすことはできない悲惨な事件を見続けていかなければいけないって分かったからこそ、「自分が変わらずにいられる自信が欲しい」と思ったわけで、これは成長の芽と期待していいのだろうか…?
そんな美佳の頭を優しく撫でた弥生は、「いいのよ…。監視官にだって泣く権利はある」と美佳に言う。…あぁ、1期8話のリプレイか。

ただ、ここで美佳は泣き出すようなことはせず、逆に子供扱いされたことに不貞腐れた表情を見せる。
そして、気持ちが落ち着いた美佳は、弥生に東金のことをどう思うかと問う。「判断力と実行力に優れた優秀な執行官だと思う」と言う弥生の答えに、「そうですね…」としか返せない美佳。
ともあれ、この場面での行動を見て、美佳に対して思うことはあれど、弥生は弥生なりに朱と美佳の間を取り持とうとしているのかな…とも感じた。ガチレズでレディーキラーの弥生さんなので、おそらく美佳が自分に気があることにはとっくに気づいてて、それを逆手に取ってる部分が多々見られるんだよねw それとなく美佳との間に入って、朱なりギノなりとの緩衝材に進んでなってる感じ。
結局のところ、彼女もまた「残された者」であり、残された者として1係を守ろうとしている…ってところに、1期から2期における弥生の成長を見た気がする。

シビュラの合議により中の人が変わった局長。「なるほど、この件に関しての担当者は『私』というわけ」…うぉ、演技が変わってる。ん? 女性っぽい? 今度の局長の中の人。
「しかしどんなに責められても、私には責任の取りようがない」「過去を覆すことなんてできない」「生まれてしまったものは、せいぜい活用しましょう」「我々の進化のために」と意味深なことを呟く局長。そして、「それに気にならない? 彼女が『あれ』にどんな影響を受けるか…」と朱を試しているような発言も…。
…ん? 今度の局長の中の人は、この事件=鹿矛囲に関係のある人物?
だとすれば、OPでも匂わされている飛行機事故を起こした犯人…とか? 見返してないからうろ覚えなんだけど、1期でシビュラが自分たちも免罪体質者(の脳)で、中には槙島よりも残忍な行為をした個体もいる…っていう説明のところに9.11を思わせる飛行機事故の絵もあった気がするんだよ。
だとすれば、鹿矛囲が生まれるきっかけになったかもしれない飛行機事故の犯人だから「責任の取りようがない」「過去を覆すことなんてできない」と言ってる…のか? そして、その事故によって鹿矛囲が生まれたのなら、だから「生まれてしまったものは活用する」…ってこと?
シビュラにとってはイレギュラーの出現すら想定の範囲内…だったな、そういえば。1期で「一定数のイレギュラーの出現はしょうがない」みたいなこと言ってたしな。
そして朱を試しているような発言は…そうか、自身の進化のために朱を観察しているんだったな、シビュラは。

鹿矛囲が潜伏していると思われる場所は軍事ドローンの実験場。1係と3係の共同作戦であるため、執行官は担当監視官にこだわることなく状況判断で適切な指示に従えと命令を出す朱。そんな中、須郷は「まさか、ここに戻ることになるとは…」と呟く。
そんな作戦に美佳は大所帯で行く意味があるのかと不満を漏らすが、人員配置に関しては局長の指示と言う朱にバッサリ切られる。増田代議士の聴取に、立てこもり現場の解析、朱から依頼されたホロの解析と美佳チームもやることがありすぎてパンクしそうだと訴える美佳だが、朱はそれぞれに作業を割り振ってあるから充分にこなせると判断したと返す。…あぁ、やっぱり朱、まわりが見えてそうで見えてないわ。
2期のちょっと雑な点って、朱の推理や捜査に対する対案を出すキャラがいないところだよね。1期だと狡噛さんの推理にギノさんがそんなわけないだろってギノさんはギノさんなりの捜査をしたりしたんだけど、2期は朱がすべてを主導してしまって「朱様スゲー」にしてるせいで、ぶっちゃけ「朱以外全員無能」に成り下がってるの。そのせいもあって、朱の「いっぱいいっぱいな部分」とかほとんど見えなくて、それが余計に朱が実はまわりが見えていない暴走監視官であることを描き切れてないという雑さが見えてきた気がする。
元々1期から尺が足りなくて必要最小限の情報量にとどめた結果、本編以外のところ(アニメ誌とかニコ生とか)で製作陣やキャストの発言で補完してたダメな部分はあったけど、2期の朱の描き方に関してはそのダメな部分が出てきちゃってるわぁ…。
ともあれ、2期の朱が「いっぱいいっぱい」で余裕がないから「自分がやるべきこと」にだけ突っ走ってて、そのために周囲をいいように巻き込んでる…から美佳が不満を漏らすのであって、美佳もただ嫉妬やプライドから朱に噛み付いてるわけじゃない…っていうことだよね。ようやく、美佳の立ち位置が立場を逆にした1期ギノさんだってことが分かってきた。…てか、確かに視聴者をイラッとはさせるけど、憎まれるだけのキャラじゃないってカワイイ部分も出てきた気がするわ、今回。
ドローンが調査済みの現場に向かう必要性を問う美佳だが、朱は実際に行ってみないと分からないこともあると答える。それを「時代遅れ」と否定する美佳に「進んだ時代が常に正しいとは限らない」と言い、現場に到着したと通信を切ってしまう。
…ねぇ、正直に言っていい? 私、今、最高に朱ちゃんにイラッとしたんだけど…
多分このイラッとした理由って、それこそ朱の「まわりが見えていなさ加減」なの。狡噛さんものめり込むとまわりが見えていないところはあったけど、それでもこんなにイラッとはさせなかったの(多分、狡噛さんの場合は、彼自身人を乗せるのが上手かったのと、それによる周囲のフォローもあったせい)。でも何だ…この朱ちゃんのイラッとさせ具合。なんか今回ばかりは美佳に同調しちゃう。
別に朱の行動が間違ってるとかそういうんじゃないの。ただ、ホントにあの1期の朱ちゃんと同一人物かと思うほどのまわりが見えていなさ加減で、ある意味、自ら周囲から孤立していってるとすら感じるほどの突っ走りぶりにイラッとする。
なんかね…朱ちゃん、アンタもっと周囲を頼りなよ!! って叫びたいほどイラッとする!!
…あぁ、そういうことか。「朱が孤立する」って意味は、朱が誰にも理解されないっていうより、朱が(周囲を頼らないことで)「誰にも理解させない」から自ずと周囲から孤立していってしまう…ってことか。
朱が周囲を頼らないのは、それこそ狡噛さんがいなくなってしっかりしなきゃ、自分が1係を引っ張っていかなきゃ…っていう「いっぱいいっぱいな部分」から生じてるんだけど、この朱ちゃんに対するイライラさ加減は、やっぱり彼女が真の覚醒(狡噛さん依存からの脱却)をしない限り解消されない気がしてきた…。
朱の対応に舌打ちする美佳。あやねるが音響監督から「いいわー、霜月イラッとするわ〜」と褒められた(?)舌打ちw
すると弥生が、増田代議士の色相改善を理由に釈放を求める通達が厚生省から届いたと知らせる。「圧力ですね…」と腕組みする弥生。
同じ頃、志恩さんも厚生省からの通達を突っぱねるわけにもいかないし、あれこれ誤魔化してもせいぜい1日か2日…と、雑賀先生とともにどう対処するか考えあぐねていた。

現場の軍事ドローン実験場は元々貿易港だったところが破棄され、無人倉庫となっていたところを、装備や部品の保管と安全面から、国防省の軍事ドローン開発研究部門が転用したところだった。
…ここか? 今週の(虐殺)祭の会場は(CV浅倉威)
そこで須郷は実験場の職員に声をかけられる。須郷が施設送りになって以来の再会を喜ぶ職員に、「今は公安の執行官だ」と答える須郷。それを見たギノは、かつて須郷がここに勤めていたことを知る。
…ってことはだ、わざわざ須郷のバックボーンを描くあたり、これは須郷がここで起こる事件でGJな働きをする…んだな?

施設内に異常がないことを確かめると、3係は「やる気満々の1係さんに任せて」「付き合わされるほうはたまったものじゃない」と待機に入る。…噛ませの3係確定じゃねぇかよw どう考えても次の餌食こいつらじゃねぇかよ!www しかし、3係に転属になったはずの元2係・波多野はどこ行った!?
倉庫区画を探索する朱と東金。関係者以外立入禁止で人が住んでいる可能性はない…と主任オペレーターは言ったが、透明人間にサイマティックスキャンは意味がない。逆に注意すべきは「人間の目」。スキャナーが配備された上で人通りがほとんどない場所。そこに目をつけた朱と東金は怪しい建物を見つける。
非常口を正面に設けた設計でありながら、裏側に当たるスペースが壁に区切られているのは不自然…と指摘する東金。構造上不必要な壁、サイマティックスキャンによる監視範囲内、そして人通りの少ない通路の最深部…東金が壁に手を差し入れると…それはホロだった。
「刑事の勘ってやつですよ」ホロをくぐる東金の後ろ姿に、朱は狡噛さんの姿を重ねたのか、かすかに微笑む。



一方、美佳は局長に幾度目かの朱の問題行動について抗議。「何度も報告書を提出」と言ってるんで、これは相当回スルーされてるんだなw 美佳ちゃん、告げ口は嫌われるで…されたほうにも受けたほうにも。
美佳が問題としている朱の行動を「大したことはない」と一蹴する局長。そりゃ美佳でなくても朱を「局長のお気に入り」って嫌味のように言うわなw
朱の問題行動を「大したことはない」と一蹴することは危険ではないか…と、なおも局長に食らいつく美佳。「過度な現場主義。確信のない事柄に執着する偏った思想。執行官の扱い。それら全てにおいて常守朱監視官は大きな問題を抱えています」と訴える美佳。…ただなー、それってなー、征陸・佐々山→狡噛→朱って受け継がれてきた刑事の勘とか魂なんだよなぁ…それを今の美佳に理解しろっていうのは難しいだろうなぁ…。
しかし、局長は「だから何だね?」と更に一蹴。ホント局長、美佳のことは駒にすら思ってないんだなw
「同僚の目を覚まさせるのも、職務の一環と心得ています」と言う美佳だが、局長は「要件はそれだけか?」と取り合おうともしない。「いえ、もう一点」と美佳は東金が朱にドミネーターを向けたことも問題行動として告げ口報告。それに対して局長は手段としては少々問題はあるが「君のように常守監視官の精神状態を知りたかったのかもしれない」と問題視せず。
局長にまともに取りあわれないものの、潜在犯である執行官の危険性を考えもしない朱が監視官では、いずれ必ず大きな問題が生じる。その時は朱の処遇について考えて欲しい…と訴える美佳に「考えておこう」という局長の返事。「今のお言葉、忘れないでください」と、ひとまずは満足して退出する美佳。
そして美佳が退出すると局長は溜息をつき、呟く。「あれは食われるな…」と。
美佳は駒にする価値もない…ってことか。「食われる」というのは、おそらくは美佳自身の負の感情…というやつにだろうか。美佳自身がまだまだ子供なせいもあるけど、美佳って基本的に問題を自分で対処しないで人に押し付けたり、自分の失敗も人のせいにすることでサイコパスをクリアに保っているタイプみたいだから、こうして局長にまともに取り合ってもらえなかったり、この先あるだろう、人のせいにしようがない明らかな自分の失敗によってどんどんサイコパスが濁っていく…という展開かしら?
ともあれ、局長=シビュラが美佳を駒にする価値すらないと判断した理由は、どう見ても美佳のその自己顕示欲…だと思うわね。シビュラが求めているのは「システムに従順な人間」であって、たとえ朱の行動に問題があるとしても、局長=シビュラが良しと判断したものに対して異を唱える存在は要らない…ってことよね。
ホント、シビュラさん、損得勘定と見切りの早さには定評があるわぁ…w

ホロの壁を抜け、鹿矛囲が潜伏していると思われる場所を探索する朱と東金は、ある部屋にたどり着く。
手術室とおぼしきその場所にあったのは、臓器や、顔の皮膚といった移植パックがズラリと並んでいた。「おかしい…。何故こんなものを…」と首を傾げる朱。
もしかして…なんだけどさ、こうして移植パーツがズラリとあるのって、鹿矛囲が人々をクリアにする…ひいては自分がクリアなことに関係がある? たとえばサイコパスがクリアな人間の組織を移植することでクリアにしてる…とか。
そしてその最たる鹿矛囲なんかは自身のオリジナルのパーツがひとつもなくて(あっても脳ぐらい)、様々な人間のパーツの繋ぎあわせだからサイマティックスキャンが効かない…とか?
もし、鹿矛囲が件の飛行機事故に関係あるとすれば、鹿矛囲はその事故でオリジナルの肉体を失い、臓器やその他もろもろを移植されることで助かった。サイマティックスキャンが(我々視聴者には)謎技術なので何を測定しているのかは分からないけど、複数の人間のパーツが存在することになる鹿矛囲では、サイマティックスキャンが複数の人間の反応を感じ取ってしまってエラー扱いになる→故に測定できない=透明人間扱いになる…ってことなんじゃないのかな?
あの槙島でさえ、(グソンのハッキングによって自身のID登録を消していたとはいえ)サイマティックスキャンは効いていた=犯罪係数は測定できてたのをみると、鹿矛囲にサイマティックスキャンが効かないのは免罪体質者とイコールではない。
そして、死人扱いだからサイマティックスキャンできない…というのも、1期1話でID登録されていないだろう廃棄区画の人間の犯罪係数を測定できたことから、また違う気がするんだ。
免罪体質者でも死人扱いだからでもない、他のカラクリがある。そんな気がしてならない。

増田代議士の演説映像を分析していた雑賀先生は何かに気づき、「とんだ茶番だ」と言い放つ。分析室を出て増田代議士の聴取に向かう先生。
ここ3年分の増田代議士の演説をすべて見たという先生。増田代議士の演説の特徴のひとつは、巧みな抑揚の付け方。聞かせるポイントであえてトーンを下げ、結果的に聴衆の注意力を高める。その加減が絶妙…と増田を褒める先生。しかし、先生は更に言う「だった…というべきか」と。
「最近の演説ははまるでなっちゃいない」…先生の気づいた部分はそこだった。
志恩さんが「膨大な情報を分析して取捨選択すること」に長けているのに対し、雑賀先生は「人間を分析してそこから情報を得る」ことに長けているので、これは分析室が最強の体制になったな!
個人的には今後の志恩さんと先生の絡みとか関係性が気になりますw
「よく似せちゃいるがな…」先生は増田代議士に問う。「アンタ…誰なんだ?」
そして表情を買えなかった増田代議士が、まるで機械のようなモーションで笑った。…え、まさか…義体!? 義体に皮膚パーツを移植してた…とか!? うぉぉぉ…ますますさっきの移植パーツが怪しいじゃねぇかよ!!
てか、鹿矛囲が酒々井さんの目を移植してる時点で、移植技術がある…ってことに気づけよ、俺w もっともこの世界じゃ手術はみんなロボットが行うから、医療技術というよりは知識…だろうな。もちろん、ある程度の技術も有してはいるんだろうけど。

車内でサボり待機している3係・錫木は人気ゲーム(ハングリーチキン)の新作の配信通知を受け、堂本の苦言にも耳を貸さず「ちょっとだけ」と遊び始める。しかし、これが今週の虐殺祭りのはじまりとも知らず…。
ゲームを始めると、施設内の軍事ドローンが起動。ゲームは軍事ドローンとリンクしていた。
ゲームで敵を攻撃するとそれはすなわち、現実世界でドローンが人や物に対して攻撃することになるのだった。もちろん、そんなことには気づきもしない錫木は「死ね、ザーコ」とゲームの敵を攻撃。現実世界ではドローンの攻撃によって職員が殺されていく…。

部屋の探査を続ける朱と東金は、部屋中にぶら下がる人体パーツ(義体パーツ?)を見つける。そして「我々が来ることは想定済みだった」と、またも東金が見つけた「WC?」の文字…。
…てか、なんかさ、ここまで連続して東金さんが「WC?」を見つけてると、東金さんが朱を鹿矛囲がいる場所へ導いているんじゃないか…って気さえするんですけど?
なんだろう…鹿矛囲・東金・シビュラって繋がりがある気がする。なんか東金さんからはスパイの匂いがするんだよなぁ…それもただのスパイじゃないっていうか、エヴァの加持さんみたいな二重スパイ的な。
そして雑賀先生は増田代議士(の偽物)に「お前はメッセンジャーだ」と言い、わざと逮捕され情報を公安に与え誘い込んだ…その目的は何だと問う。「公安の人間をおびき寄せ、何をさせたい…」
…しかし先生、なんかもう、遅いみたい…。

異常に気づいた職員がドローンを停止させようとするが、止まらない。そこに現れるドローン。爆発が起こり、地下にいた朱と東金も異常に気づく。そして現場に駆けつけたギノさんたちが目にしたのは、燃え盛る施設と、殺された職員の死体。
一方、市民たちはまさかゲームと軍事ドローンがリンクしていることなど知る由もなく、ゲームに熱中していた…。ひとり、またひとりとゲームを始めるごとに起動していく軍事ドローン。
停止信号が拒否された挙句、次々とドローンが起動していき、為す術がない施設職員たち。

ついに管理室も破壊され、ドローンを止める術を失った実験場。そしてそこから現れた鹿矛囲。
「ゲームスタートだ、公安局」刑事たちを皆殺しにし、鹿矛囲は何を企むのか…。
そして異常を察知し、地上に出た朱(と東金)は、その光景に驚く。

その頃、東金が気になる美佳は彼の部屋に侵入。執行官宿舎の103*2ってことは、どうやらギノはとっつぁんの部屋を受け継いで、東金さんが狡噛さんの部屋に入った…ってことでいいみたいだな。
部屋を調べる美佳は、東金の机の引き出しにしまわれた、膨大な朱の写真やデータに驚愕する。
…へ、変態だー!! 変態という名の紳士だー!!
…というのは置いておき、写真に書かれたメモを読む限りでは、朱ちゃんの表情とかを分析しているんだよな…。確かに東金さんは元セラピストだけど、それを差っ引いてもなんかおかしいんだよな…。もしかしてさ、東金さんってシビュラが朱ちゃんを分析するために差し向けた?
1期最終話でシビュラは朱ちゃんに対して「サンプルとなる」って言い放ってんのよね。
そう遠くない未来、シビュラはいずれ自分たちの正体を市民に開示することを明言している。おそらくシビュラは薬物でサイコパスをクリアに保ち続けることに限界を感じていて、自分たちが次のステップに進むためには、朱ちゃんのようにチートレベルなサイコパスを持ち、かつシステムに従順な人間を多数必要とした。そして朱ちゃんを分析することで「常守タイプ」ともいうべき強化人間を量産しようとしてるのではないだろうか?
その分析のためにシビュラから差し向けられたのが東金…ってことではなかろうか? もっとも、その東金自体もシビュラに従っているように見せかけて鹿矛囲と繋がっているフシもあるので、ここら辺は今後描かれるという彼が執行官になった経緯で明らかになりそう。
でもって前述した、鹿矛囲がシビュラ社会にとって脅威でありながら、シビュラシステムにとっては利益をもたらす存在なのではないか…という点は、もし鹿矛囲がそれこそ人体パーツの寄せ集めであるフランケンシュタインであることによって、どんな心理であろうとサイコパスがクリアであるのなら、それは常守タイプの強化人間を作り出すよりも手軽にシステムが求める人間を作り上げられる。もしくは(劇場版でシビュラシステムを海外に輸出することから)人為的に免罪体質者を作り出せる可能性を見出しているのではないだろうか。
ともあれ、おそらくシビュラは自分たちが時に「怪物」生み出すことは分かってて、その怪物たちを「いつでも潰せる」「自分たちの側に取り込める」と思ってるからこそ自分の手のひらで踊らせて楽しんでいるんだろうなとさえ思えてきた。
そして鹿矛囲フランケンシュタイン(移植パーツの寄せ集め)説なら、そこで鹿矛囲にサイマティックスキャンが効かない秘密がパーツによって反応が違うのでサイマティックスキャンは判定不能と出てしまう…とかだろうか? ともあれ飛行機事故が鍵だろうな…と。
飛行機事故でオリジナルの肉体を失い、そのオリジナルの肉体をホロで再現(成長)させている…から鹿矛囲がホロに強いこだわりを持つ…とも考えられそう。ともあれ、2話で出てきたホロの元になった女の子(飛行機事故の犠牲者・染水槇ちゃん)のことを頭の片隅においておく必要を、俺は藤間幸三郎の時に学習している…*3。鹿矛囲本人でなくても鹿矛囲に関わりのある人物(例えば事故の犠牲者たち)をホロで再現(成長させている)してる…とかさ。

でもって、もうひとつ出てきた怪しい部分が、東金さんの机の上にあった写真の女性(東金母or祖母)が局長に似ている…ということ。
もし東金母or祖母が局長と何らかの関係があるとすると、局長が言ってた「過去を覆すことなんてできない」「生まれてしまったものはせいぜい活用しましょう」っていうのが、鹿矛囲ではなく東金を指していることにもなる。朱が「『あれ』にどんな影響を受けるか」という部分は確実に東金さんを指してるんだろうけど、ますますここはミスリードを誘ってるなぁ…。
むしろ、やはりここは、鹿矛囲・東金・シビュラは何らかの繋がりがある…と疑ったほうがいい気がしてきたな。東金二重スパイ説とともに。

そして5話後のニコ生で2期後半のPVが公開されたんだけど

そこで出てきたのが「透明人間」「奪われたドミネーター」「最高値の犯罪係数」「シビュラへの挑戦」「185」というキーワード。
「185」だけが現時点では意味不明なので、この先出てくるキーワード…か。
このPVの新規カットやセリフに関しては先行組から6話で回収されているというので、気になるセリフについては次回6話のブログで…。

…ということで、なんとかギリギリ1週遅れで間に合ったよ!!
次回は何日遅れかなぁ…w もはや1週2週遅れようが最後まで完走することに意義を見出している、自己満足日記帳的な感想考察ブログなのでリアルタイム性はツイッターのほうでお願い致しますm(_ _)m
そしてコメントや拍手ありがとうございます。個別にお返事は致しませんが、励みになっております。


PROPLICA ドミネーター

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Fallen(初回生産限定盤)(DVD付)

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*1:SFマガジンのスピンオフ小説では、捜査協力者の少女から「感情を表現するのが苦手」と評されていた。

*2:ゼロにおいては佐々山が、1期においては狡噛さんが入っていた部屋

*3:のちのち振り返ってみると、あの時の藤間のデータや写真は意味ありげに出てきてた

PSYCHO-PASS サイコパス2 #04「ヨブの救済」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

青柳ハザード…の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime

老人(美馬)が籠城したメンタルケア施設。2係の執行官は青柳さんに連絡を取るも、青柳さんは気絶中。
老人はメンタルケアが「生きている実感を奪っている」と説き、監視カメラを破壊。「私は偽りの君たちを開放する、鹿矛囲のように…」と何かを始めようとする。…まぁ、大体予想はつきますわなw
一方、なおも「鹿矛囲を呼んでくれ」と叫ぶ増田代議士を移送中の美佳たち。美佳は増田代議士を公安局へ連行後、朱がその聴取を担当することに不満を抱く。
被疑者の口から立て続けに出てきた「鹿矛囲」の名。しかしギノさんは「偶然とは思えないが、確たる証拠がなければ喜汰沢の時の二の舞いだぞ」と朱に釘を刺す。朱はドローンからインパクト・アブソーバーが外されたスペースが人間ひとりを収納するにはちょうどいいサイズであることに気づく。…あぁ、なるほど、そこに酒々井さんを入れたのか。
しかしギノは、それが人為的に起こされたものなら記録に残るはず…と指摘。朱は鹿矛囲がドローンの記録を改ざんできる手段の持ち主だと推理する。
「あくまで(鹿矛囲が)実在することが前提か」と、朱の推理の軸を確認するギノに「捜査に賛同できませんか」と、反対しているのかと問う朱。だがギノは「気が済むまで付き合う」と朱の考えに一定の理解を示す。
一応、ギノは「朱の理解者」ではあるんだけど、どうしても心配症のオカン属性が働いてしまうのはしょうがないんだよな。ただ、朱が止めても止まらないのはギノ自身よく分かってるから、ある程度までは「しょうがないな」って朱に賛同する。だけど、かつてギノさんは狡噛さんを止めようとして止められなかった経験が2回(潜在犯落ちの時と槙島の時)もあるから、尚更、朱に関しては「コイツが道を踏み外すようなことがあれば今度こそ止めてみせる」という思いが強いんだよな。ギノが朱の理解者ではあるけど信者じゃないのはこういった部分があるからだと思う。
これは計画的な行動。自分たちが確証を得られず迷っている隙に鹿矛囲は動き続けているはず…と、朱は一刻も早く自分たちも対抗するために動かなければとギノに説く。
「私は疑わない。鹿矛囲は実在する」――朱はもう迷ってはいなかった。


青柳さんと連絡が取れない2係執行官は、志恩さんに施設内部の様子を伺えないかと相談するも、監視カメラにもスキャナにもアクセスできず、建物全体(の監視システム)が死んでいるのでは…と志恩さん。過去にそんな例はあるかと問う2係・須郷執行官に、あるとすれば火災などの大きな災害だが…と答える志恩さんだが、とてもそんな風には見えないとも答える。すると2係・蓮池執行官が建物内のエリアストレスが注意報レベルまで上昇したことに気づく。「監視官は何をしているんだ…」と中の様子が分からないことに焦る須郷。
ちなみに蓮池執行官の下の名前が「楓」で吹いたwww
施設内部では美馬老人が惨劇を始めようとしていた。…てか、サイコパスにおいて「女性の下着は上下が揃っている」のが当たり前なんですねw あと女性の下着に補正下着だのガードルだの妙にリアリティあるところにジワッと笑ったのだが、そういえば1期ではゆきちゃんがブラ外した時に跡まで描いたほど妙なリアリティにこだわるんだよな、ここの作画陣はw
「生きている喜び」を感じるかと人質たちに問う美馬老人。そこに人質のひとりが襲いかかるが、老人は意に介さず「そう、いいぞ」と逆に襲ってきた男を殴り倒す。恐怖に慄く人質たち。
美馬老人は説く。「誤った処方で心を癒やされるどころか、殺される寸前なのだから…」「ストレスを受け入れろ」「この世界に生きている証を…」と。そして無表情のまま先ほど倒した男の頭を踏み潰す。
「感じたまえ、苦痛を、命の鼓動を、君の人生を…」「生きてるって素晴らしいね…」表情なく、老人は言う。
この美馬老人の表情のなさが怖いんだけど、これが鹿矛囲の洗脳なのかもなぁ…。とはいえ、虐殺を楽しむよりも淡々と無表情に行われれる方が断然怖いんだけどね。あと、この無表情さが逆に老人の犯罪係数の低さをあらわしているって意味もあるのかもな。もちろん鹿矛囲の手によってサイコパスをクリアにされている部分が大きいんだろうけど、虐殺行為をなんとも思っていないからクリアという、「犯罪心理と犯罪係数が一致しない」怖さも見せている気がする。1期・2期とも「犯罪心理と犯罪係数が一致しない人間の怖さ」を描いてるしさ。
一方、もはや自分たちでは手に余る上、監視官不在では動きようがないと判断した2係・須郷は応援を要請。

2係からの応援要請は美佳で受けることに。タイミングがタイミングだから注意して処理に当たるよう助言する朱に対し、美佳は「大したことない」「閉じ込められた人たちがパニックになっているだけ」と、自分ひとりでも軽く対処できると聞き流し気味。逆に美佳は朱に「鹿矛囲がいるという証言者が増えて気分がいいのでは」と嫌味を言うが、朱は「むしろその逆」と苦笑う。聴取に向かうべく朱の背を見送る美佳は呟く。「余裕ですね…」と。
1期からエレベーターの扉のシーンは、「心の扉」のシーンと言われてるんだけど、これもまさにそれだなぁ…と。

1期18話の狡噛さんと朱ちゃんのエレベーターのシーンって、朱ちゃんが狡噛さんの心の扉をこじ開けようとするも、結局、狡噛さんはその扉を閉ざして朱の前から去る…っていうのをあらわしてたんだけど、このエレベーターのシーンは美佳が自分の心の中に入ってきた朱やギノさんを拒絶(排除)して心の扉をシャットダウンしている…というのをあらわしてるんじゃないなと。
美佳は視聴者からの憎まれ役なんで、とにかくこうイラッとさせるんだけど、「この世界においては美佳の反応が普通」だということを忘れちゃいかんな…と(とはいえ、かく言う私も結構忘れがちなんだけど)。
自分のサイコパス(メンタル)を守ることが何よりも最重要とされる世界だから、朱のように敵対する者とでさえ分かり合おうとする人物のほうが「異常」なのであって、美佳のように理解できないものを理解しようとすることを拒絶することがサイコパスを守る手っ取り早い手段。そしてシビュラに沿う(シビュラが指し示す通りに生きる)生き方こそが「(あの世界での)正しい生き方」。だからこそ、そのシビュラ世界で(というかシビュラの意に沿う)最も理想的な生き方をしている美佳が、その世界の価値観で生きていない我々視聴者に「異常」と見えるのは当たり前なんだよね。
そういう意味では、美佳は1期のギノさんに当たる立ち位置なんだけど、2期で美佳が1期ギノさんをはるかに上回る「視聴者からの憎まれ役」に据えられたのは、2期である=1期で説明されている部分の世界観の説明はしない以上、「この世界における一般的な人間の考え方」をあらわす立ち位置に美佳がいるからなんだよな。
単純に美佳にイラッとするのも反応としては間違ってないけど、サイコパス世界の価値観と、我々視聴者が生きるこの現実世界の価値観は違うってことを思い出して、頭の片隅においておく必要があることを思い出したわな…。
あとはまぁ…1期と違って狡噛さんや槙島という飛び抜けて超人的な人間がいないのと、1クールしかないという尺の関係で朱age美佳sageで、朱の未だ発展途上にある超人性を出していくしかない部分も少なからずあるんだろうけどw

何故、青柳さんがメンタルケア施設にいるのか疑問を抱くギノに、朱は今は聴取に集中するほうが先だと言う。
増田代議士に鹿矛囲とは何者かを問う朱だが、増田は「そんな奴は知らない」「記憶にない」と黙秘。「今更黙秘か」と呆れるギノだが、朱は聴取前とは打って変わって無表情の増田に違和感を覚える。
鹿矛囲の暗示(+薬物)→サイコパスがクリアになる→効力が切れる→スキャナに引っかかる…という流れなんだろうけど、美馬老人といい増田代議士といい、異様というか異質に感じられるまでの無表情さが気になるな。鹿矛囲がサイコパスをクリアにする方法って、何か副作用がある気がするんだよな…。

その頃、意識を取り戻した青柳さんは、自分が拘束されていることに気づく。
青柳さんの下着は期待を裏切らない黒!!
そうか、青柳さんは下着が黒でシャツに透けるからキャミソールを着ていたのか…(納得)。
動こうとする青柳さんにネイルガンを向ける施設職員・大津は、「何してるの?」と問う青柳さんに「(美馬老人に)命令されて…」と答える。見返しててふと思ったんだが、全員下着姿に剥かれてるのに、コイツ(大津)だけ服着たままという怪しさ…はこの先に繋がるのでここでの言及は先延ばし。
なおも人質に暴力をふるう美馬老人は「君たちは生きている」「人生は素晴らしい」と、まるで痛みや苦痛こそが生きている証のように言う。その光景を目の当たりにした大津は背後から老人にネイルガンを向けるが、青柳さんが制止。「全員必ず助ける。それが私の仕事だから」と、その役目は自分にあると言う。
…あ、青柳さん、死ぬわ。

メンタルケア施設前で2係の須郷・蓮池と合流した美佳たち。以前、施設内部の状況は分からず、エリアストレスは上昇する一方だった。「ここが(事件)現場なのはほぼ間違いない、外からこじ開けては」と提案する弥生に対し、「この場合はストレスの原因を調べるのが先」「迂闊に(中の人間を)開放すれば更に悪化する可能性ある」と、美佳は別の方法を取ることを選ぶ。それを聞いた須郷は内部との連絡の手段を探すしかないと言い、蓮池はエリアストレスの予想範囲を絞ってみた結果、余裕で警報レベルであることを美佳に伝える。
先程のエレベーターのシーンで、美佳がサイコハザードの類が苦手であることが示唆されてたんだけど、美佳が心の扉をシャットダウンしていることとも併せてみると、美佳はとにかくサイコパスが濁る…というか他人に濁らされるのを恐れている…ってことか。
1期でも確かにそういった部分はあった気がする。璃華子を怪しいと思ったのも、そういったサイコパスが濁るようなものを本能的に忌避する部分があったのだろうし、親友(加賀美)が危ない目に遭う可能性に気づいていながらも自分は関わりたくない(サイコパスを濁らされたくない)から突き放したり…。
美佳が監視官を志した理由も、「正義感」というよりは、犯罪者(潜在犯)に対する復讐…なんだと思う。璃華子(潜在犯)がいなかったら加賀美は殺されなかった→だから監視官になってこの世から潜在犯をすべて抹殺する…ぐらいは考えてそうだよ、あの子。そして子供だけど「犯罪係数の高い人間はすみやかに処分するべき」という考え方がシビュラに迎合したからこそ監視官の適性が出たんだろうと思う。…というか、基本的に監視官の適性って、エリート人種からそうやってシビュラに見出されてるんじゃないだろうか? 優秀でサイコパスが濁りにくくて、なおかつ潜在犯を憎悪して…って。まれに狡噛さんや朱みたいに「潜在犯だって同じ人間だよね」って珍種が採用されちゃうこともあるけど、逆にその珍種さがシビュラの興味を引いたのかもしれんし。
ただ、「犯罪係数が高い人間はすみやかに処分されるべき」っていうのは、実はあの世界では至極真っ当な「正義」なんだよね…。そういった意味では美佳の「正義感」は間違ってはいないんだな、コレが。

一方、朱は雑賀先生に連絡を取り、また鹿矛囲の名前が出たことと爆弾解体ドローンの部品損失を告げる。「それらが悪魔の証明の突破口になる…そう言いたいのか?」と朱に問う先生。連行された人物は何かを知っている…が、自分ひとりの力では正解にたどり着けない。「力を貸していただけませんか?」朱は先生に協力を求める。
いよいよ雑賀先生が分析官になる時が来るのだろうか…?
尺的にそろそろなっていただかないとキービジュアルとED詐欺です、先生!!
それにしても朱は先生を頼りすぎだなぁ…って思うんだけど、逆にそれは朱がまだまだ未熟な証拠なんだよな。師匠=狡噛さんがいなくなってしまったことで急激に成長するしかなかったんだけど、やっぱり朱はまだまだ未熟で、それで師匠の師匠=雑賀先生に頼るのは仕方のないことではあるよな。
今の朱は守破離で言えばまだまだ「守」の段階にいるんだよなぁ…。多分2期が「守」から「破」に至るまでを描いて、劇場版で「破」から「離」に至る朱を描くんじゃないかな…と思うんだけど、こういう師匠を頼る朱の未熟さに1期の朱ちゃんの部分が垣間見えるな。朱様・朱ニキさんな朱は頼もしくはあるんだけど、それが逆に切なかったりもするのよね…。あの「朱ちゃん」がこんな風になってしまったのか…って。でも「朱ちゃん」の部分が垣間見える時にホッとするというかといえば、実はそうでもなかったり…。結論=結局のところ、切ない。


施設内では、なおも美馬老人の暴力ショーが続行中。「私は救世主になりたいんだ! 救いたいんだよ、鹿矛囲のように!」と老人は叫ぶ。時々、美馬老人がドローンから酸素マスクを取って吸入してる場面があるんだけど、もしかしてその中に薬物入ってんのかしら…? 後々明らかにされる気もするけど。
隙を突いて青柳さんは大津と連携して手錠を外してもらうと、ネイルガンでドローンを行動不能にしてドミネーターを取り戻す。「そこまでよ!」と老人にドミネーターを向ける青柳さんだが…………なんだろう、死亡フラグがビンビンすぎて絶望感しか感じられないのは(´;ω;`)

増田代議士の色相が濁ったのが演説前であることを確かめた先生は、「そういう手合いは常に同じ状況下で色相が悪化するケースが多い」と、ここ数ヶ月の増田代議士の演説会の日程と通話履歴を洗ってみるよう朱に指示する。…なるほど、そこで鹿矛囲との線が繋がる…と。

美馬老人にドミネーターを向けた青柳さんは「何が救世主よ」と彼を執行しようとするが、犯罪係数は76でロックがかかってしまう。「どうして…」と戸惑う青柳さんに「いいぞ、その調子だ。だがもう少し私の話を理解したほうがいい」と、殴った人質をドミネーターの射程内に入れる老人。案の定、犯罪係数が112に上がってしまった人質のほうにドミネーターは照準を定めてしまう。「違う…彼じゃない」青柳さん…詰んだ。
ただ、青柳さんはもう、犯罪係数ではなく「犯罪行為そのもの」で裁くということを選んでるんだよね。前回ギノに「ドミネーターを握っている時だけは感情の蓋が外れる」と語った彼女はもう立派な「刑事」になってた。自分の中に「正義」をちゃんと持ってた。しかし、それはシビュラ社会じゃ死亡フラグなんだぜ、青柳さん…。同期である狡噛も宜野座も自分の中に「正義」を持った瞬間に潜在犯に落ちたんだぜ…。
これはもう、青柳さん死ぬな…。
同期3人のうち、狡噛と宜野座は自分の中に「正義」を持った瞬間に潜在犯に落ちた。でも最後のひとり、青柳さんは死を迎える…そうやって「監視官の死」を描くつもりなんだな、きっと。

一方、外では弥生がドミネーターの作動を確認し、青柳さんが使っていることに驚く美佳。それはイコール中に執行対象者がいるということ…。「どうしますか?」と問う須郷に、美佳は「どうもしないわよ」と青柳さんからの連絡を待つことを選択。「勝手に動いて何かあったら、私の責任になるじゃない」と呟く。
…おい美佳、お前また視聴者の色相濁らせたぞw とはいえ、美佳のこういうところは「まだ子供である」部分だよな。美佳自身は「1年半も監視官をやってる」と豪語するものの、実際のところ経験不足は否めないし(半年しか先輩でない朱が経験豊富に見えるのは朱がそれだけ壮絶な経験をし、それを糧に成長したということ)、自分の未熟さにすら気づいてない証左なんだよな。そして美佳が自分の未熟さに気づけないのは、飛び級で高等教育を卒業したのと、史上最年少で監視官の適正が出たという「エリートの自負」があるからで、おそらく1期から2期の間の1年半で美佳はこれといった挫折を経験してないんだろう。責任取りたがらないところを見ても、多分、失敗はあっても朱がフォローしただろうし、基本、彼女は失敗は人のせいにするタイプだろうな…そっちのほうがサイコパスも濁らんしw
おまけに相方は半年しか先輩でない朱だし、朱に対する恨みだってあるだろうからなぁ…璃華子事件の。美佳にしてみりゃ、朱(やギノ)は璃華子を取り逃がした「無能」でしかないんだもの。そこにエリートの自負があるから、(璃華子を取り逃がした無能である)朱より(飛び級卒業で史上最年少監視官登用のエリートである)自分が劣ってるわけがない…という思いがあるのは当たり前の流れかもねぇw
だとすると、美佳が覚醒するためには、明らかに「自分のせい」で取り返しがつかないこと(おそらく目の前で誰かが死ぬ)が起きる必要があるんだよな…。それを乗り越えるか壊れるか…は、彼女が劇場版に登場するか否かにかかってる気がするが。
そして増田代議士の通話記録を洗っていた朱たちに分析室からの返答が届く。予想通り増田は講演会前日に毎回誰かと連絡を取っていた。そしてその端末を特定する…と、使用者は不明だが、その端末の現在位置は件のメンタルケア施設だった――!

美馬老人によってまたも暴行される青柳さん。そこにタイミングの悪すぎる美佳からの通信。それによって施設前に公安局がいることが老人にバレてしまう…って、完全に美馬老人(と鹿矛囲)の思う壷だってばw
そして美馬老人は外へ向かってマイクで叫ぶ。「力で抑圧する者たちよ。私の言葉を聞きたまえ」と。「誤った処方により一切のストレスが消えた人間の成れの果てを」とユーストレス欠乏症の名を挙げた老人。
うおぉぉぉ、ここで1期と繋げてきたかー!!
それこそ璃華子事件の時に出てきた病名なんだけど、「メンタルケアの弊害」と「公式には秘匿されている」ことだけが語られてて、それ以上は切り込まれなかったんだけど、2期で切り込んできたぁ!! やっぱり2期は1期だのスピンオフだのあらゆるところから超ロングパスが飛んできてるなぁ…。
かつて美馬老人はユーストレス欠乏症で死にかけた身だった…。「私は告発する。生きる喜びを奪う、恐ろしいメンタルケアの実態を…」「そして、人々を救うのだ…鹿矛囲のように」と、この事件を起こした目的を老人は語る。
またも鹿矛囲の名が出たことに驚く弥生。一方、美佳は「イカれた人たちの共同幻想か何かなわけ!?」と取り合わない。ここで美佳は「ユーストレス欠乏症なんて、くだらない都市伝説」と信じてないんだけど、実はそのユーストレス欠乏症こそが璃華子が事件を起こした(父を殺した社会に復讐した)元凶であり、美佳が親友(加賀美)を失うことになり、監視官を志した発端に繋がっているというのが、なんとも皮肉が効きすぎてますわ。
青柳さんとの連絡が取れない。そして老人の演説。弥生は施設内で青柳さんらが老人に拘束されている可能性を指摘。美佳に犯人の制圧と人質の救出を訴える…が、案の定、美佳は「そんな要請は受けてない」と動こうと(執行官に命令を下そうとは)はしない。
…いや、スゲェ、1期のギノさんより使えないじゃーん! とか思うんだけど、「美佳はまだ子供」というのを差っ引くと、「お子様監視官の判断の限界はこんなもん」と諦めるしかないのかもな…。とりあえず極力、朱ageギノage美佳sageはやめよう…と思う。よく考えたら美佳ってシビュラの意に沿って生きてる人間の代表格なもんだから、「視聴者からの憎まれ役」「朱の優秀さの引き立て役」「1期ギノは決して無能じゃなかったという対比役」の3つを担う結構不憫な子なんだよな…。1話のギノじゃないけど「目の前の現実から目をそらしてちゃ大人になれないぞっ(*´艸`*)」って生温かく見守ったほうがいいのかもなw

メンタルケア施設へ急行する朱たち。朱は雛河に通信を入れ、周辺でホロをまとった人物がいないか調べるよう指示。「きっと雛河くんにしか見極められない」という朱…って、朱ちゃんよ、そういうのって絶対男を誤解させるから!! 雛河みたいなコミュ障とかは一発で誤解するから!! …あぁ、だから「雛河の片思い」とか言われるのかw 朱ちゃんさん、罪な女…。
異常なまで精巧なホロを作ることから、鹿矛囲はホロに強い執着を持っている可能性が高い…と東金。それをギノは「透明人間が着る服のようにか」と例える。
そして朱は「すべてが鹿矛囲の計画なら、目的は何? どうしてここまでするの?」と、鹿矛囲の思考に近づこうとする…。

すぐさま周囲でホロをまとった人間がいないかを探す雛河だが、該当する人物は見つからない。そんな雛河に気づき、咎める美佳。朱の命令と雛河は説明するが、美佳はあくまでもこの現場の指揮官は自分であると主張し、自分以外の命令は聞く必要がないと言う。
そこに到着する公安車両。3係が到着し、今からこの現場は3係が預かるのでこちらの指示に従えと美佳に告げる。納得できない美佳は「何の権限があって」と憤慨するが、3係・錫木監視官の「局長の命令だ」という言葉に、「局長が私を外した…」と信じられない顔をする美佳。
…え? 霜月さん、アナタ、あの局長に気に入られてるとか思ってたんです!? え…マジで!? それって幻想だったんじゃないんですか!? 大体ね、美佳ちゃん、監視官なんて所詮、局長=シビュラの駒なの。使えそうな監視官を駒にして公安局(警察機構)を動かして、(シビュラシステムおよびシビュラが支配する社会にとって)都合の悪いことは秘匿する…っていうのが局長なの。そしてね美佳ちゃん、アナタ絶対、その局長=シビュラからは駒にすら思われてないから!
まずもってね、美佳ちゃん、アナタが「(璃華子事件を解決できなかった無能のくせに)局長のお気に入り」と嫉妬している朱ちゃんでさえ、そのサイコパスの濁りにくさと遵法精神から「(そう遠くない未来)シビュラが市民に正体を開示するとき、市民を懐柔するための手法を探るためのサンプル」としてしか扱われてないの。だからね美佳ちゃん、アナタが局長に重用されてないと感じているのなら、それはアナタの歪んだまでのエリート意識が逆に局長にウザがられていると思うの。オバちゃん、あまりアナタをsageたくないんだけど、多分アナタ、「私は優秀です!(ドヤッ」って割に結果を出してないから局長に相手にされていないんじゃないかしら? 局長=シビュラ様は全部まるっとお見通しよ? なにせアイツら、損得勘定得意だから、使える人間に擦り寄るのと、使えない人間を切り捨てるのは早いでぇ…美佳ちゃん、気をつけなはれ。
3係に野次馬と報道機関の排除を命じる局長。その目的は、ユーストレス欠乏症の隠蔽…「そもそも、そんな妄言を信じる人間がこの社会に存在するはずもない」と呟く局長。
…そうだよな、普通であればその「妄言」を信じた瞬間に犯罪係数が上がって社会から排除されるんだから、「存在するはずもない」わな。そりゃ局長=シビュラも自信満々に言いますわw

朱は今回の事件と最初の(喜汰沢の)事件との共通点が「監視官を引き離し、孤立させること」であることを挙げる。狙いは監視官なのか…? しかし朱はもう一つの可能性を挙げる。それは、監視官自身ではなく「ドミネーター」ではないか…と。
普通ならありえないが、山門屋執行官を撃ったのは酒々井さんではなく、鹿矛囲――適性のない者が何らかの手段でドミネーターを使ったのではないか。あの事件そのものが、そのための実験だったのではないか…そう推理する朱。そして朱が深みに入っていくのを察したギノは「もういい加減にしろ」と止めるが、朱は推理をやめない。
「透明人間…姿は見えなくても残された足跡を追うことはできる」…と。

そしてついに3係が行動を開始。まずは施設の電力をシャットダウンする。人質はさらなるパニックに陥るが、美馬老人は「くだらんことを…」と動じない。
そこで意識を取り戻した青柳さんはガラス片を握り、老人に忍び寄る。「私は監視官」…あくまでも彼女は「正義を守る者」として戦おうとする。…アカン、アカンて青柳さん! 犯罪係数爆上がってるって!! 下手すりゃ死ぬって!!
雄叫びを上げ、青柳さんがガラス片で美馬老人を切りつけた瞬間、ついに現場にエリアストレス上昇特別警報が…。警報に驚きつつ、蓮池は「こりゃ中の奴はサイコパス保ってらんねぇな…」とドン引き。まさかその中で青柳さんが戦っているとも知らず…。

鹿矛囲がドミネーターの使い方を知ろうとしていることに気づいた朱は、今回の事件が公安局に包囲されることについても計算済みならば、今回の目的は自分が撃つことではない…と推理する。「誰かを(ドミネーターで)撃たせること」が目的なら、何故そんなまわりくどいことをして誰を? と問うギノ。
そして朱は気づく。目的は監視官――青柳さんではないか…と。

突然出てきた新型ドミネーター。とてもデジャブを感じると思ったら、戦隊のバズーカ系の武器だったわw でもさすがにこれはバンダイも作るまいw
障害物越しにでも犯罪係数を測定できる=撃てる…ってことか。多分、槙島事件での暴動の教訓から作られたんだろうけど、秘密兵器どころか穴だらけな気しかしないw そして測定された2つのうち片方が青柳さん…か。しかしドミネーターって監視官に向けたら警告出るはずじゃ…いや、犯罪係数が100を超えた時点で、もう「監視官」ではなくなる=「執行対象になる」ということか…orz
美馬老人から端末を奪った青柳さんは老人にドミネーターを向けながら施設のシャッターを開ける。美馬老人に向けたドミネーターがグリーンシグナル…ってことは、さっきの犯罪係数のもう片方は美馬老人で、そして青柳さんのドミネーターのロックは解除されている…ってことだよな?
「人と法を守るために、私はお前を――」そう叫び、ドミネーターの引き金を引こうとした瞬間、青柳さんが…青柳さんが…青柳さんが執行された―――――――!!
青柳さん死んだああぁぁぁ―――――――っっ!!
うあ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁうあ゙ぁあ゙ぁぁっっ!!
人質から悲鳴が上がるも、大津だけは無表情…てか、もしかしなくてもコイツ鹿矛囲だろ!! コイツだけ服を脱がされなかったのは、美馬老人の協力者なこともあるけど、ホロだから元から衣服を脱がせるのは不可能(おそらくレイヤーを重ねているので裸体の設定はあっても「服を脱ぐ」という行為ができないため逆に不審がられる)。そして青柳さんを助けるふりをして、彼女の犯罪係数が上がるように仕組んだ…とすれば、朱の言う「実験の目的」からしても合点がいくぞ!?
…あぁ、なんかだんだんぼんやりと…本当にぼんやりとだけど色々と繋がってきたぞ…点と点が。
多分、2話のカウンセラーもホロかぶった鹿矛囲…だったんじゃないか? そこで喜汰沢に暗示をかけて犯罪係数を下げ、朱の部屋に侵入したときに灰皿を見た=喫煙していると誤解した…とか。

遮蔽物があっても撃てる新型ドミネーター=強襲型ドミネーターの実戦投入の首尾は上々…と、満足気な3係・堂本監視官。しかし「エリミネーターが発動するほど、施設内の人々の心的負荷を高めるような真似をしておいてですか?」と憤る弥生。だが堂本は「命令に従ったまで」と取り合おうともしない。
「仕留めたのは犯人で間違いないな?」と撃った執行官に堂本は尋ねるが、「犯罪係数が高いほうを執行しただけ」と、青柳さんを撃ったことには未だ気づかず…。だよな、監視官がエリミネーターレベルまで犯罪係数を上げてるとか普通はありえないし、犯罪係数に従って執行するのが、あくまでも公安局監視官や執行官の仕事だよな…。
そして中から人質たちが飛び出してくるが、全員が執行対象。そしてエリミネーターレベル…。次々に執行されていく人質たち…彼らは被害者なのに…orz
…てか、エグいにも程がある!!
そりゃ、虚淵も「2期は俺が見ても引くくらいエグい」って言うわけだよ!!
ただな…ここで私が感じた「エグさ」ってグロ描写じゃないの。このレベルのグロいのは特段なんともないんですよ。なにせ仕事で鶏の解体…それも臓物担当して捌いてるもんで、臓物が飛び散るくらいの描写は平気でございます。
私がこの4話を見て「気持ちが悪くなった」のは、正義を貫こうとして執行された青柳さんの報われなさとか、何故に彼女が死ななければならなかったのかという憤りとか、「正義(システム)が(個人の)正義を殺す世界」に対してとにかく叫び出さずにはいられないような行き場のない気持ちがグルグルしたからなんだよ。
ただ、前述したように、サイコパスの世界は我々の現実世界とは価値観が違う。この世界における正義は「シビュラが定めた犯罪係数」…すなわち数字。「個人の正義」なんてものは「シビュラという正義」に殺される世界。この世界と我々の世界の価値観の相違を知った上で考えると、誰も間違ってないんだよ。
ドミネーターに従ってしか動けない美佳も、局長の命令を遂行しただけの3係も「正しいこと」しかしてないことには変わりないんだよ…。
だからこそ、その「どこにぶつけていいのか分からない胸クソの悪さ」がグルグルして気持ち悪くなった。…事実、放送後2時間ほど(夜勤中だったというのに)マジで寝込みました。
今回はな…我々視聴者が忘れていた「サイコパスって犯罪係数が正義を決める世界ですよ」という基本中の基本に立ち戻らさせてくれる話だったんだな。
1期で狡噛さんや朱が「己の正義」を貫き、2期も朱が己の正義を貫き続ける話なもんだから、すっかり忘れていた基本中の基本を、この4話で「忘れていやしませんか? この世界と貴方たち視聴者がいる現実世界では価値観が全く違うんですよ」と突きつけられたが故の胸クソの悪さ…これをエグいと言わずに何と言う。
そもそも、この世界においては「自分の中に正義を持つ」ことのほうが「異質」なんだよ。ましてやそれを最後まで貫き通すなんて困難。だから青柳さんは死ななければなかった…。彼女の中に芽生えた「正義」は間違ってはいない。だけどシビュラはそれを排除した。彼女は最後まで「監視官」――刑事たろうとし、それを貫き通したことで逆に命を落とさなければならなかった。おそらくこれがこの世界において「自分の中に正義を持った者」の末路としての普通なんだろう。
征陸のとっつぁんやギノのように「自分の中に正義を持った者」でも、社会と折り合いをつけることで生き残るものはいるけど、それでも潜在犯として社会から排除されてしまう。そして狡噛さんに至っては己の正義を貫き通すために社会から逸脱してしまったわけだ。
つまり、朱が「己の正義を貫き続ける力」がチートすぎることを我々視聴者は忘れてしまってたんだよな。あくまでも朱が己の正義を貫き続ける過程において犯罪係数が上がらない(サイコパスが濁りにくい)のは彼女のチートな部分であって、そのチートさ故に彼女は己の正義を貫き通すことができている。そこを忘れてしまっていただけに、極端な話「2期は朱以外全員無能」に見えてしまっていた。無論、そう思うのも間違いではない。我々の価値観ではそう見えるから。
ただ思い出させられたついでに忘れちゃいけないのは、基本このサイコパスという話における胸クソの悪さは、誰かが、何かが悪いではなく、あの世界の価値観と、我々がいる現実世界の価値観の相違から生み出されるものである…ということだ。
そしてそこまでたどり着く(考えを消化する)のに3日程かかりました、ワタクシ…。そしてなお、見返すたびに気持ちが悪くなるので、ようやくフォロワーさんの言う「癒やし枠」の必要性を真面目に感じましたw
マジでこの4話だけは色相浄化できるコンテンツを用意しない限り、見ちゃダメだと思う
そんな理由で私は配信組や録画組にはあえて視聴をおすすめしていません。次回(5話)と一緒に見なよ…と勧めているものの、先行組の「早く放送を見て欲しい」というコメントをどう受け取ったらいいのか分からない。期待して待てばいいのか震えて待てばいいのか…。
目の前の惨劇を目の当たりにし、美佳に止めるよう促す弥生だが、目の前の事実を受け入れられない美佳は「だって、もうこれは1係の事件じゃない」「私たちには関係ない」と現実逃避。そんな美佳に弥生が怒りすら覚えた瞬間、朱たちが到着。現状を目の当たりにしたギノは「やめろ!」と叫び、朱もまた「お前たち、何をやっている!」と怒りを爆発させる。
…んー、なんか朱ちゃんが「お前たち」とか「何をやっている」と言うのって、違和感。怒りでキャラが変わるタイプじゃないんだけどなぁ…朱は。ただ、この場を止めるためにあえてそういう口調にした…ってことも考えられはするんだけどさ。

監視官もドミネーターで裁く(殺す)ことができる…と確認した鹿矛囲は、美馬老人とともに逃走しようとするが、老人は「私は今、何色なんだろうか?」と鹿矛囲に問う。自分の存在を取り戻したことに満足した美馬老人は「このままここにいさせてくれ」と鹿矛囲だけ逃走するよう促す。「私にできるのはこのくらいだった」「君なら、世界を変えられる」「会えてよかったよ、鹿矛囲…ありがとう」…そう言い残し、老人もまたエリミネーターで執行される。
そして鹿矛囲はまた問う。
「見えているか。僕たちの流す血の色が」「僕たちが何色か」
…もしかしてさぁ、犯人たちが鹿矛囲に「自分は今何色だ?」って問うのって、それこそ鹿矛囲によって「色」をつけられてるからだよねぇ? そして鹿矛囲が「何色か」って問うのは、それこそ色を意図的につけることでしか存在できない自分の存在を問うている…ってこと?
どちらにせよ、自分の存在を否定するシビュラに対して挑戦する…という部分は槙島も鹿矛囲も一緒なんだけど、槙島が「シビュラでなくてもいい。誰でもいいから自分だけを見つめてくれる存在」を欲したのに対し、鹿矛囲には「シビュラが僕を見つけてくれないのなら、みんな僕と同じになっちゃえ」という槙島以上の駄々っ子理論を感じるんですけど…。
ともあれ、鹿矛囲の真相を知った時には「ああぁぁ…」ってなりそうな気がする。だから最初から「狡噛や槙島以上の存在は作らない」って示唆されてるわけよね…って。2期はまぁ、人物そのものが脅威なんじゃなくて、起こされる犯罪そのもののほうが脅威なんだろうとは思ってるけどさ。

施設内部に入った朱たち。そこでギノは血溜まりの中に破損した監視官デバイスを見つける。この中にいた監視官は――「嘘だろ…青柳」ギノは呻く。
そして東金はまたしてもあのメッセージを見つける。床に書かれた「WC?」の文字。
「これは、この社会のすべてに問いかけているのかもしれない」…そう呟く朱。「自分は何色か、そして…」
鹿矛囲もまた呟く。「シビュラ、お前は何色だ?」…と。
人混みに紛れて悠々と逃走する…というのが、1期11話の槙島のリプレイだなぁ…。「善良そうに見える人間が実は…」というこの皮肉感…いいね、これがサイコパスだよ!
胸クソ悪くなる青柳ハザードからのこの流れ…そう、この皮肉感こそがサイコパスだな。4話は何かと基本中の基本に立ち戻らせてくれる回だったな。今更世界観を説明しないから、こうしてズドンと視聴者を刺しにくるとか、上手いことやりやがったし、こちらはヤラれたわけだ。
でもって、サイコパスの世界の価値観と我々の現実世界との価値観の相違」がサイコパスの胸クソの悪さの源…と前述したんだけど、実はその価値観は地続きなんだよ…っていうのもなかなかの胸クソの悪さだと思う。
我々が「おかしい」と思うサイコパス世界の発端が、実はこの我々の現実世界にある…ということもサイコパスにおけるイイカンジの皮肉というか、SFにおける現代社会への警鐘なんだよなぁ…。今現在ある風潮だと「怪しい奴は犯罪者とみなせ」とか、モロにシビュラシステム的でしょ?
そういう「全く別世界の話」とはさせない、今現在から続く先に「あるかもしれない未来の可能性」という警鐘まで含まれてるからな、サイコパスの胸クソの悪さは。
改めて考えてみても、なかなかの「ディストピアもの」だわ、サイコパスって
そして鹿矛囲の顔にある傷…これはキーポイントだろうな。なんとなくだが、例の飛行機事故と繋がってそうな予感。徐々に…おぼろげではあるけど点と点が線で結ばれてきた…けど、果たしてどう繋がるのか?
ともあれ、塩谷いわく、この4話で2期の第1幕が終了。次回5話から第2幕…ってことなんで、もうひとつ事件が起こって、それが鹿矛囲に集約していって直接対決…ってことになるのかな?
…てか、4話にして青柳さん死ぬとか、あと何人死ぬんだよ!? 絶対最低でもあと2人は死ぬだろ!? 酷けりゃ5人は殺す気だろ!?
あとサブタイの「ヨブの救済」というので、サイコパスって意外と聖書引用が好きなんだけど、ヨブについて調べるとこれまたイイカンジの皮肉が効いてたわぁ…「信仰を保つために与えられた試練」とかさ…。「信じる者は救われる」を通り越して「信じなければ殺される」…それが正義(システム)が正義を殺す世界か。
確実に言えるのは、今のところ、この2期4話はサイコパス史上最高に胸クソの悪い、ただしサイコパスの世界の基本を最も描いている話だということだ冲方丁…恐ろしい奴め。
そしてお願いだから5話はライトにお願いします…マジで。

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PSYCHO-PASS サイコパス2 #03「悪魔の証明」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

青柳さんの死亡フラグスカイツリー状態でござる の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


鹿矛囲に囚われた酒々井さん。手にドミネーターを握らされたまま固定され、一体自分の身に何が起きているのかが分からない。
「時に興奮状態が色相の浄化に役立つ場合がある。常に穏やかでいようとするよりも」…そう声をかける鹿矛囲の傍らには溶液に入った眼球――「どうしても監視官の目が必要だった」と言う鹿矛囲に、それが自分の眼球であることに気づいた酒々井さんは大パニック。もちろん犯罪係数も爆上がり。
そんな酒々井さんに「恐怖は今だけだ」「君をクリアにしてみせる」と諭す鹿矛囲。
「君の苦しみはよく分かる」「君を縛りつけているのは君自身」「思い出すんだ。忘れてしまった本当の自分を」とまるでセラピーか暗示のように酒々井を落ち着かせていく鹿矛囲。すると酒々井の犯罪係数は85まで下がる。
…なるほど、薬物+暗示がサイコパスをクリアにするカラクリね。鹿矛囲が救世主然としてるのと合わせると、とっても宗教のニオイがしますなw
落ち着きを取り戻した酒々井に微笑みかける鹿矛囲は、彼女に言う。
「君とこの世界をクリアにしたい。限りなく透明に」
…うん、これは酒々井さんを使って公安局を内部から崩す作戦だ。

そして完成形ではなかったらしいOPにエフェクトがかかりました。

2期もOP比較をやってくれた職人がいたので、比較はこちらで。
D


自室の壁に「WC?」の文字を残された朱は、侵入者の痕跡を探るべく、ギノ・美佳・東金と調査。しかし、侵入者があった痕跡は皆無。
美佳は朱が正気を失って自分でやったと判断し、「今ならセラピーで解消できる」と言うが、当然そんなはずはない朱は憤る。ギノさんもスキャンデータなどから痕跡がない以上侵入者があったと判断できないと、ただ事実を言ったまでだが朱は自分を信用していないと受け取り、ならば自分にドミネーターを向けて正気かどうか判断しろと迫る。
「そんなことは…」とギノがたじろぐ間に美佳は朱をスキャンして色相と犯罪係数を調べるが異常なし。
その間も部屋内の調査を続ける東金は、「侵入者などいるはずがない。だが同時に監視官が正気を失ったとも考えられない。現状起こりえないことが2つ重なっている。しかし、必ずどちらかが起こった」「2つの可能性が等価なら、執行官は監視官を信じるべきだ」と、朱を信じるべきと言う。
狡噛さんほどの超推理ではないにせよ、起こった事象を客観的に分析して判断するあたり、やっぱ東金さんは狡噛さんをダブらせる人なんだけど、朱がどう傾いていくのか、それとも傾かないのか。1期最終回で朱が美佳に言った「執行官を信用する分、用心もしろ」とは元は狡噛さんの言葉(マンガ版)なんだけど、朱自身がそれを一番よく分かってるはずなので、たとえ東金さんがどれだけ狡噛さんを思わせる存在でも傾きはしないだろうと思うんだよな。当の狡噛さんであっても彼女の中にある「心の天秤」は揺れることはあっても絶対に傾かなかったし。それがある意味「正義の女神」*1でもある常守朱なんだよな。
もっとも、2期が「常守朱が自分の正義が正しいと常に証明し続ける戦い」である以上、彼女の心の天秤は揺らぐことはあっても決して傾いてはいけないんだけどな…なにせそういう呪いも狡噛さんにかけられてるし。ただ、朱の心の天秤を揺るがすことの2つ3つは起こるだろうし、それが朱の戦いなんだろうけど。
でもって美佳のコートが地味というかもっさりでビックリしたw これはノイタミナアパレルで商品化されないわ…商品化されたら笑うわ…というレベルでw

朱が何者かに狙われることになったため、(そのことに疑問は感じるが)規律に従い朱の両親は公安局に保護されることになるだろうと告げる美佳。しかし両親は大丈夫だろうが、動けない祖母はそうはいかないだろうと答える朱。
…これは朱の家族も狙われるフラグだな。

そして公安局へまっすぐ戻らずに朱が寄り道した先は潜在犯隔離施設。
先に戻ってよかったのにと言う朱に対して「監視官が隔離施設に何の用?」「私はそれを知る義務がある」と大見得を切ったものの、相手が雑賀先生と知って「気分が悪いので先に帰る」と踵を返す美佳。…ビビったなw
なんかこう…言うまでもなく美佳って「視聴者からの憎まれ役」なんだけど、なんでまた2期に限ってそれが必要なのかな…と考えてみた結果、2期って1期以上に群像劇だからかな…って。
1期は「狡噛と槙島の宿命の戦い」と「(それに巻き込まれた)朱の成長物語」という2つの軸があって、群像劇はそれに付随するものだったけど、2期は群像劇の中に「朱が自分の正義を証明し続ける戦い」があるんだな…と。
社会・組織の中で人はどう動くのか。その中で朱は自分の正義をどう貫くのか。
それが2期のドラマの描き方だとすると、確かに憎まれ役は必要だな…と。そしてその憎まれ役は主人公=朱のそばにいないといけないよな…と。

逃げ出した美佳を見て「あのお嬢ちゃん、よっぽど俺が怖いらしい」「俺と話せば犯罪係数が上がると思ったんだろ」と笑う雑賀先生。
「そういうものですかね」と不思議がる朱に「お前さんは変わり者なんだ。もっと自覚を持て」と言う雑賀先生…えぇ、朱ちゃんニュータイプですからw
雑賀先生に訪ねてきた理由を問われ、「私は正気に見えますか」と尋ねる朱。
事件の概要を説明し、「WC?」のメッセージを残せる可能性がある者の存在を雑賀先生に訊くが、逆に先生は「俺を鏡として使おうってわけか」と朱の目的を理解する。
「そういうのはもっと健全な人間にやってもらえ」と言う雑賀先生に「先生以上の人はいない」と答える朱。
多分、朱ちゃんがこうやって雑賀先生を頼るのって、狡噛さんとシンクロしきれない時とか、シンクロしてなお迷う時…なんだろうな。判断を仰ぐのではなく、知識や考察の違った切り口を見つける面で。狡噛さんがそうであったようにさ。
しかしキービジュアルやEDでは分析官になることが示唆されてる雑賀先生だけど、朱を突き放そうとしている面があって、さすが雑賀教授、一筋縄ではいかないぜ! そこにシビれる、憧れるぅ! なんだけど、この雑賀教授を朱ちゃんがどう口説き落として分析官にするのか…が非常に楽しみ。
朱の目的を理解した雑賀先生は「分かったんだろ、メッセージ」と、まずは朱の回答を聞く。
「【WC?】は『What Color?』のイニシャル」と答える朱に、「このご時世に妙なことを問うもんだ」と雑賀先生。
…待て、本当に「What Color?」でいいの!? 簡単に予想当たっちゃったけどいいの!? 2期ってば、犯罪ギミックは薬物+暗示とか、簡単に我々予想を当ててしまってるんですけど、本当にいいんですか!? 逆に「実はそうと見せかけて違う意味があるんじゃ…」って疑っちゃってますけど!?
色というのが色相を指すならわざわざ人に問う意味が分からない。その程度はチェッカーで簡単に確認できる…と「色を問う」意味が分からないと朱。そして「そもそも誰に対するメッセージだろうな」と雑賀先生。
現場にいた人物か、それを見ることになる公安の人間か…。
あるいは、自分自身への問いか――。
「自分自身への問いか」と言った朱を見た雑賀先生の表情が気になるな。そして多分これ、「自分自身への問い」…なんだろうな、鹿矛囲の。
…とすると、やっぱり鹿矛囲は槙島とは真逆…か。
「世界を透明にしたい」という鹿矛囲の動機を解き明かす必要があるにせよ、おそらく槙島と鹿矛囲は「シビュラへの憎悪」という根底の部分は一緒でも、そこから芽吹いて枝分かれした感情が真逆な気がする。シビュラに認識されないから誰かに見つけて欲しかった槙島に対して、鹿矛囲は自分がシビュラに認識されないから、みんな自分と同じ透明になってしまえばいい…という風に見えるんだよな。
あと槙島も鹿矛囲も人を引きつけるカリスマ性があるけど、槙島は周囲に人が(その個人の意志で)「集まってくる」のに対して、鹿矛囲は暗示で自分に従わせて「集めている」ようにも感じる。槙島の犯罪は(裏で槙島が手を引いていたとはいえ)スタンドアローンだったのに対して、鹿矛囲は現時点では起こった犯罪のその先にそのまんま鹿矛囲が見える組織的とも言えるものだし。
ともあれ、鹿矛囲を槙島以上の存在にはしないと言われている以上。鹿矛囲個人としては劣化槙島かそこまで至るかどうかというレベルなんだろうけど、彼が引き起こす犯罪が槙島事件以上の脅威を与えるのだろうな。
事件よりも槙島の存在が脅威だった1期に対して、鹿矛囲が起こした事件そのものが脅威の2期…そんなところか。

2つのメッセージの共通点は「現場の監視官以外書いた人物がいるはずがないということ」。青柳さんはそれを指して「透明人間」と言った。そして雑賀先生は「自分の色を失い、問うて回る透明人間」と、まるでお伽話だと言う。
この捜査を進めたい朱は、一筋縄ではいかない事を自覚し、「先生しかいない」と先生の助力を得たいと願う。
なんかね、「先生しかいないんです」って言う朱ちゃんの思いつめた顔がなんとも切ない…。多分な、朱ちゃんは捜査する時、「狡噛さんならどう考えるんだろう」って思考を狡噛さんとシンクロさせてるんだろうけど、当然シンクロしきれない時もあって、そういう時に先生を頼ってるのかもな…って。あの狡噛さんですら師匠=雑賀先生を頼ることがあったんだから、朱ちゃんはもっと頼るよな…と。
しかし、朱ちゃんから見たら雑賀先生は師匠(狡噛さん)の師匠なんだけど、雑賀先生から見たら狡噛さんと朱ちゃんは兄弟弟子…になるのか?
仕方がないとばかりに溜息をつきながらも、雑賀先生は朱に「変えようのない事象」「確実に起こった事実」を挙げさせる。
壁に書かれた「WC?」のメッセージ。そして一度は下がった喜汰沢の犯罪係数を挙げる朱。
ならば逆に「想像にすぎない事象」は?
スキャンをかいくぐり、メッセージを書いた人物の存在。喜汰沢の犯罪係数を下げたとされる鹿矛囲という存在。
「しかし、その鹿矛囲が存在しなくても、メッセージを書いた人物と喜汰沢の犯罪係数を下げた方法は確かに存在する」――いわゆる『悪魔の証明』だと答える先生。
現時点で「透明人間」の存在を証明する方法はない。だが逆にいないと断定することもできない。
つまり「お手上げ」だと言う先生。
だったら「透明人間」の存在を証明できれば、まだ手はあるということ…と尋ねる朱に、「俺と交渉しているつもりか?」と公安局に手を貸す気はないと突き放す先生。
酒々井さんが独走扱いのまま行方不明であることに先生なら思うことがあるはず。狡噛さんの逃亡に手を貸した自責の念から隔離施設に自ら進んで入った先生なら…と、朱は更なる協力を請う。先生は「情に訴えてどうにかなる相手だと思うのか?」と更に朱を突き放そうとするも、「僅かな可能性でも手を尽くすことの価値を知っている。先生はそういう人」と言う朱。
…おっと、先生の分析官就任フラグが立ったか?
そういやここでは「狡噛さんの逃亡に手を貸した自責の念」で先生が隔離施設に自ら進んで入ったことになってるけど、小説版にあった狡噛さんのお願い(公安局から何らかの取引があったら乗って欲しい)を受けて自ら出頭して*2隔離施設に収容された…ってことでいいのかしら?
とはいえ、先生が持ってる「自責の念」って、朱から見たら「狡噛さんの逃亡に手を貸した」なんだけど、先生自身は「槙島を殺すという汚れ仕事を狡噛さんに負わせた」ということなんだよな…。別に先生自身は狡噛さんが逃亡することも、狡噛さんが槙島を殺そうとする行為自体も否定はしてないし、それに手を貸したこと自体は間違ったことをしてないと思ってる。けど、「本来ならば社会(法)が裁くべきはずの犯罪者を狡噛さんに裁かせることで彼を犯罪者にしてしまった」ということを、先生は後悔しているというか、自分が社会に参加していたら違う方法があったかもしれない…と思っているフシはありそうなんだよな。ともあれ、この後、先生が分析官になるのに理由があるとしたら、「社会に参加してこなかったツケを払う」時が来たから…かもしれないな。

その頃、ギノさんの部屋を青柳さんが訪れる。
ギノさんの部屋はキッチンのイスやソファーを見るとどうやらとっつぁんの部屋をそのまま受け継いで、狡噛さんのところからトレーニング機材をもらってきた…ってところかな?

しかし、ギノさんとこにダイムがいて、なんだか安心した。失うばかりのギノさんだったけど、最後の「家族」だけは失わずに済んでいたんだな…と。そしてこうして見ると、インテリアとかコインのコレクションとか、「ギノの部屋」として個性を確立してるんだけど、とっつぁんの酒とか狡噛さんのトレーニング機材とかが同居してる部分が、ギノの「残された者」感(観)をあらわしてるな…と。
朱ちゃんが失った者を「なぞる」なら、ギノは失った者を「同居」させている。そして朱ちゃんが失った者をなぞって「消化(昇華)」していくのなら、ギノは失った者を同居させ、「澱のように沈殿させて」いくんだろうな…と。
…にしてもギノさんムキムキになりすぎwwwwwwwww

いつの間に狡噛さんレベルになりやがったwwwwwwwwwwwwww
そして素朴な(?)疑問として、そのラン…いや、タンクトップが部屋着なのか下着なのかと考えた挙句、下はどう見てもスーツのズボンである→ということは上着脱いでネクタイ外してYシャツ脱いだ状態→ギノは透け乳首気にしてYシャツの下に下着を着るタイプ…という結論に至ったよねw(しかもその議論をした相手は男性フォロワーさんだったw)
「親父の遺した酒だ」と青柳さんに酒を勧めるギノに青柳さんは「私は監視官よ」と断るが、そこに「そして人間だ」と言うギノは、青柳さんが自分を訪ねてきた理由をなんとなく察してるな。
なんかこう…ギノと青柳さんにはイイカンジの男女の友情を感じるよなぁ。ギノさんが監視官だった頃もこうだったとは思えないけど、ギノさんが執行官になってからはこういう穏やかないい関係なんじゃないかなぁ…って。あとよく考えたら青柳さんが愚痴とか弱音吐ける相手って、現状ギノさんしかいないんだよね。同期なのもあるし、もちろんギノさんが元監視官なのもあるし。しかし、お前らくっついちゃえよ…と思っても、ギノさんは絶対「いい人」で終わっちゃうキャラだよな。確かなんかのトークショーで「20歳ぐらいの時にギノさんは付き合ってるつもりの女性がいたが、相手はそんなつもりはなかった。ギノさんの彼女いない歴20年はそういう意味」*3って言ってたらしいしな…。
「監視官を10年勤め上げれば厚生省のポストが待っている。そこからは人生安泰のはずだった…。だけどうまくいかないものね」と愚痴る青柳さんに「嫌味か? 今の俺には耳が痛い」とギノは苦笑う。
ここで青柳さんの言う「うまくいかないものね」が何を指しているのかは分からないんだけど、小説版では狡噛さんの逃亡に手を貸した(局長命令を無視して狡噛さんをなんとか捜査に加えようとした)ことで昇進にストップがかかったされてるんだけど、もしかすると彼女も1期のギノさん同様、犯罪係数が結構危ない所まできてるのかもしれない…?
「どこで道、踏み外したんだろう?」…青柳さんは問う。1係に協力して狡噛さんを逃がそうとした時か、恋人でもあった神月執行官を撃った時か…。
「お前に責任はない。逃亡した執行官を撃つのは監視官の責務だ」と神月を撃ったことに非はないと慰めるギノ。まぁ、ギノにしてみたら、たとえ恋人でもドミネーターで執行官を撃つことができた青柳さんは、当時の自分より監視官の責務を果たしている、果たし続けている存在なんだよな…なにせギノは親友でもある執行官(狡噛さん)を撃てなかったわけだから。

「気持ちと責務は交わらない…そういうこともあるんでしょ」
当時のギノの気持ちを察してか、青柳さんはギノにそう答える。そして一度は断った酒を紅茶に入れた。
この酒のシーンで、「ギノのおかげでウィスキーが飲みたくなった。それもニッカを」と、サイコパスとマッサンの奇跡のコラボレーションが起こるというツイートを目にして笑ったw
「ふと思うことがあるの…。彼を殺した瞬間に、私の感情に蓋みたいなのができちゃったんじゃないか」と、青柳さんは監視官ではなく「ひとりの人間」としてギノさんに心情を吐露する。紅茶に酒を入れたのはそういうことか…。
「喜びも悲しみも一定量までいくとその蓋に引っかかってそれ以上溢れてこない。全力で何かを感じようとしても、蓋の外側の自分がどこか冷めた目で見てる。そんな感覚…」と言う青柳さん。なんだろう…1期で志恩さんが朱ちゃんに言ってた「心とサイコパスは別物」っていうのと一緒だな。ただ、朱ちゃんは悲しみに暮れてるのにサイコパスがクリアなことに苦しんだけど、青柳さんはそれと逆の状態にある気がする…。感情はフラットなのに犯罪係数がヤバい…みたいな。
「だけどね、ドミネーターを手にしている間だけは、その蓋が外れかける気がするの。外れそうになるから理性が止める。その理性こそが、私を監視官たらしめている」…青柳さん、それ、絶対ヤバいわ。
…あぁ、でもなんかな、青柳さんの苦しいところが分かってきた気がする。多分、青柳さんにとって神月って「生きてることを実感させてくれる存在」だったんじゃないかな? 佐々山が狡噛さんにとってのそれであったように。
多分、彼女も狡噛さんやギノさんと理由は違えども、「目の前の疑問を疑問として受け止めてた」わ…。生きていることを実感させてくれる存在=神月を失って感情に蓋をしてしまったけど、生きていることを実感していた過去がある以上、青柳さんは「そんな今の自分は果たして生きているといえるのか」という疑問を抱えてる。そしてドミネーターを手にしている間だけは生きていることを実感していることに気づいているけど、それがヤバいことだというのも自覚してる…。
青柳さん、アンタものっそ死亡フラグ立てましたぜ…
まずギノさん(同期、旧友)とこを訪れた時点で死亡フラグだし、あまつさえ心情吐露しちゃったらそれはもう死亡フラグ以外の何物でも…。おまけに青柳さん、アンタ「喜汰沢を撃った時も気分が良くなりかけた」って…。これはもう犯罪係数がぶっちぎってるのが原因でお亡くなりになりそうなんですけど…orz
でもって「今の私にはこの仕事しかない。しがみついてみせる」とか言わないで青柳さん!! そういうのものっそ死亡フラグですから! そして去り際に「もっと早く一緒に飲めたらよかったのにね」とか…あああああああああ、もうこれは青柳さん死ぬ…絶対死ぬ!!
青柳さんの背を見送ったギノは呟く。「昔の俺なら、酒など飲まなかったさ…」と。要するにこれはギノと青柳さんの「最初で最後の腹を割った会話」だ…うん、やっぱり死ぬ。青柳さんは死ぬ…(´;ω;`)
ギノの部屋を出た青柳さんに発信者不明の着信が。相手は酒々井さん…罠だ…青柳さん死ぬ!!
もう「青柳さん死ぬ」しか言えない…言えないよ、青柳さあああああん!!
2期は「監視官の死」を描くだろうとは思ってたけど、まさかの青柳さんか…もう8割以上死ぬフラグ立ててもうたよ、青柳さん!!


酒々井さんの失踪と何者かが残した「WC?」のメッセージの調査を、1係に優先的に行わせて欲しいと局長に願い出た朱(と美佳)。アッサリと局長に許可されると、美佳は局長から下がるように言われ、何故と思うも命令に従う。
2人だけになると、局長=シビュラは今回の件についての朱の見解を求める。すると朱は「質問があるわ」とシビュラに認識されない人間の存在を逆に問う。「そんなものは存在し得ない」と言う局長=シビュラだが、果たしてそれは真実か否か…。
「しかし今の問いで君(朱)がどう考えているのかは理解できた」局長=シビュラに「私の正気を疑う?」と朱。正気を疑うのが通常の判断だが、だが同時に興味深くもある。サイコパスがクリアな状態で正気を失うことがあり得るのか…と朱の行動を観察しようというシビュラ。
「勝手に観察者を気取ればいい」と退室しようとする朱を局長は呼び止め、東金さんの様子を逐一報告するよう命令。何故と問う朱にシビュラは語る。東金は(公式な記録では抹消されているが)観測史上最高値の犯罪係数を叩きだした人物だ…と。
「有用なモデルケース」だという局長=シビュラ。果たして東金は何者なのか…。
しかし、観測史上最高の犯罪係数ってどれくらいなんだろう? 1期の王陵璃華子が472だから、軽く500は超えてるってことかな…?
ともあれ1期の時点で犯罪係数は「どれだけ社会(シビュラ)と迎合する気があるか」を元にした数値と言われてたんだけど、それでも謎数値だからなぁ…。ただ、犯罪係数=「どれだけシビュラと迎合する気があるか」と仮定すると、最高値の犯罪係数を叩きだした東金さんは、それこそシビュラと迎合する気どころかその檻の外に抜け出して行った狡噛さんを彷彿とはさせるよな。
まぁ今のところ東金さんが執行官になった経緯がこの先描かれることは言及されているので、そこで彼の謎は明らかになるだろうが、明らかになった時に朱が揺らがされそうだな…。

酒々井さんの失踪と「WC?」のメッセージの調査を1係がすることを執行官たちに伝える朱だが、「本音を言え、常守。おまえが気にかかっているのは透明人間だろ」とギノさんには見抜かれていた。しかし、朱の気持ちは察しているので「業務の範囲内に収めろよ」と釘を刺す程度に留める。
まぁ、ギノさんは朱の副官ではあるんだけど、決して朱信者ではなく、「先輩」として釘を差すところは刺すし、異論だって唱えるんだよな。もちろんそれは朱を信頼してるからだし、1期の時とは違った意味で朱に自分たちの轍を踏んで欲しくないから苦言だって呈する。大体ギノさんだって、もうこれ以上は失いたくはないだろうさ、親しい人を…。あ、ギノさんやっぱオカンだわw そういや2期のギノさんのビジュアルが出た時に「ギノさんから未亡人の色気が漂う」って言ってたんだけど、割烹着が似合う未亡人系オカンだよな、ギノさんはw
志恩さんにも協力を仰いだところでエリアストレス上昇警報が鳴り、美佳は弥生と雛河を連れて出動。「鹿矛囲なんているはずがない。いもしない犯人を追いかけていればいい」と美佳は朱に吐き捨てる。…あぁ、1期でギノさんが狡噛さんに「(槙島という)いもしない幽霊を追いかけてる」と言ったアレのリプレイか。ギノさんはそのいもしない幽霊が実在した時に素直に狡噛さんに謝ったけど、美佳は…絶対素直に謝らないのがありありと想像できるわw

分析室に場所を移した朱たち。志恩さんがどれだけ探しても現場に不審な点はなかった。
鹿矛囲がいたとして、その人物は人質のふりをして公安をおびき寄せ、執行官を殺害し、監視官を誘拐した…「一体何故?」「目的は?」「メッセージの意味は?」「どうして私に目をつけたの?」推理する朱。そんな朱に「危険だ。のめり込みすぎだ」と警告するギノ。しかし東金は「常守監視官なら大丈夫。この程度で色相が濁る人じゃない」と自信たっぷりに言う。それは元セラピストとしての見解なのか、それとも…。
監視官が推理にのめり込んで執行官に「のめり込みすぎだ」って言われるのも、1期5話でギノさんが狡噛さんに「犯罪者の心理を理解しようとすると飲み込まれるぞ」って言われた時のリプレイなんだけど、それに対して朱はそんなタマじゃないってドヤ顔の東金さんを見たギノさんも多分、東金さんに狡噛さんとダブる部分を見たんじゃないかって気がする。…いや「テメーに常守の何が分かる!?」っていう気持ちも見え隠れしないでもないがw

そして美佳たちが急行した場所は国会議員・増田のパーティー会場。警報は増田の色相悪化によるものだった。何かの間違いだという増田を雛河に取り押さえさせ連行する美佳。それを見送りながら「これが正しいあり方なのに…。どうして局長はあんな人を」と朱を重用する局長に不満を抱く美佳。
そういや美佳は桜霜学園を飛び級で卒業した超エリートっていう設定があったんだったな。歴代最高得点で公安局入りしながらもエリート然としてなかった狡噛さんやエリートの自覚皆無の朱、父親が潜在犯であるがゆえに完璧なエリートであろうと努力していたギノさんとは正反対なんだな、美佳って。とにかく「自分はエリートである」という自負がありすぎるもんな。サイコパスがクリア(小説版で美佳はメンタル美人と称されていた)、飛び級で卒業、公安局監視官の適正…これはムダに高いプライドとやけに高い自己評価のコンボでもおかしくないわw 1期ギノの再来というよりは、ゼロに出てきた2係の霜村監視官(青柳さんの先輩で標本事件後に監視官10年務め上げて厚生省に上がっていった人)の再来だろうな。
その溢れすぎてるエリートである自負が、若さゆえ…といえばそれで片付くというか成長の余地が充分にあるんだけど、これはサイコパス…すでに1期で酷い目に遭った*4彼女がまた酷い目に遭わないわけがない。そして視聴者からの憎まれ役な点でも、朱と和解するにせよ、しないにせよ、美佳には何かしらの悲劇が待ってる気がするんだよなぁ…。悪いが私が彼女に期待しているのは「私ってホント馬鹿」な、さやか枠であるw(鬼だな)

一方、酒々井さんに呼び出された青柳さんは執行官を伴いメンタルケア施設へ。しかし「仕事を増やしたくないでしょ」と青柳さんは執行官たちに外で待機を命じ、単独で中へ。…罠だ、罠だよ、青柳さん!! 死亡フラグが立ちすぎてるよ青柳さん!!
青柳さんが酒々井さんとの待ち合わせ(?)の時間を気にしていると、施設の職員相手に「薬じゃ何も救われない」と叫ぶ老人が。「みんなも気づくべきなんだ。薬なんかに頼っていてはダメだって。本当に救われたいなら…」と興奮した老人は職員の首を絞める。なおも老人は訴える。「私は君たちを救わなければならない」と。
…あ、分かった。これ、「鹿矛囲教」だわ。鹿矛囲の暗示にかかった人たちが犯罪を起こすんだ。そして暗示にかかった人たちはサイコパスがクリアなままだからドミネーターが効かない…そういうことか。むしろ2期の犯罪ギミックは薬物よりも暗示(洗脳)のほうが強いのかな…? ともあれなんと言いましょうか…洗脳された(宗教めいた)集団が犯罪(テロ)を起こす…ってオウム事件を彷彿とさせますな。ものすごいチャチな理由なんだけどやってるほうは大真面目だったしガチだったという日本犯罪史上最悪のアレ…。
老人を止めるべくドミネーターを向ける青柳さんだが、案の定、老人の犯罪係数は23でロックがかかる。「そんな…」と驚く青柳さんに気づいた老人はそばにいた犬型ドローンに青柳さんを襲わせ、カウンターの非常ボタンを押して施設を封鎖してしまう。

その頃、朱たちは現場に出動した爆弾解体ドローンからインパクトアブソーバー(衝撃吸収シート)が外されていたことを突き止める。そんなものは自然に外れるとは考えにくい…では誰が? 「まさか…」と朱は何かに気づくが、その瞬間、美佳から着信が。
身柄を拘束された増田はしきりに「鹿矛囲を呼んでくれ。鹿矛囲ならクリアにしてくれる」と美佳に訴え、困り果てた美佳は朱に助けを求めた…のか?
そして封鎖されたケア施設では「私は救世主になりたいんだ…。みんなを救いたい。鹿矛囲のように」と、老人はサイコパスがクリアなまま青柳さんを殴打し始める。
青柳さんの死亡フラグスカイツリー状態!!
もうこれはね…青柳さん死ぬわ。絶対死ぬわ…。まさかの監視官死亡枠は青柳さんだよ絶対!! もうね…木曜に「貴重な谷間が…(´;ω;`)」ってお通夜ツイートするのが分かるもん! そうか…やっぱり2係壊滅で3係が投入されるという流れか…そうか、2係というか青柳さんは完全に噛ませだったのか…orz
そして先行組から4話バレを聞いて、虚淵が「2期は俺が見てもエグい」と言った理由が分かった…。もうね「うわあああああああああああ」って言うしかなかったよ、4話バレェ…orz

*1:朱のイメージは裁判所にある天秤を吊り下げている女神の像だそうな

*2:1期最終回EDに先生が局長室を訪れているカットがある

*3:ただし設定を考えた人(多分あの高羽だと思う)のイメージなので、公式設定ではないと言及されていた模様

*4:友人(想い人)を殺されている

PSYCHO-PASS サイコパス2 #02「忍び寄る虚実」

PSYCHO-PASS Sinners of the System

もしかして円盤CMは「2期はラジオやらないからコントはCMでやるわwww」という枠なの!? の巻。
ツイッターの実況および実況後の感想やら考察とか#pp_anime


2話のシャワーシーン…って、1期2話も朱ちゃんのシャワーシーンがあったので、ホント2期は1期のリプレイ多いなぁ。
2期における1期のリプレイって、視聴者に1期を思い出させてニヤリとさせる作りもしてるんだけろうけど、「公安局は同じことを繰り返している」=「サイコパスは繰り返し*1の物語」というのも暗示してる気がする。
前回ラストで鹿矛囲の手に落ち山門屋執行官を撃った(撃たされた)酒々井監視官がドミネーター(山門屋のもの)ごと失踪。
「正直ワケが分からん」と言うギノさんに、人間性は成長したけど、さすがのギノも推理力はまだまだとっつぁんや狡噛さんには及んでないなとちょっと安心したw ギノさんは執行官になってとっつぁんポジションに収まっても、結局背負うものは「中間管理職の悲哀」だと思うしw
でもって酒々井さんのプロフィールが、放送前にアニメイトで配布されていたしおりのプロフィールと誕生日と血液型が違ってるらしく、早くも「どっちが公式設定だよ」が発生した模様。だけど1期の時点でも狡噛さんのIDが2つ存在したり、狡噛・宜野座の学齢が1年間違ってたりといろいろやらかしてる公式様なので、結局は「こまけーこたぁいいんだよ」でいたほうがいいだろうなぁ…。
酒々井さんのプロフをよーく見ると、さすが官僚一家のお嬢様だけあって実家が成城だよ。んで、最初は厚生省医務局に入ってそこから公安局に異動とかあって、酒々井さんの年齢(24歳)的には1期で刑事課にいてもおかしくないのに2期から登場の謎が解けたわ。
そして現時点での手掛かりは現場に残された「WC?」の文字。
朱はその意味を推理する。

…で、前回はキャプるので精一杯だったので、OPで更に気になった部分をちょいと掘り下げ。

新1係のこの部分、よく見ると各人に対応した色がついてるのね。
美佳=白、ギノ=緑、弥生=水色、東金=なし、雛河=マゼンタ、志恩=赤
なんだけど、東金さんだけ色がないってーのが怪しい…。多分、彼の「色」ってーのも謎のひとつなのかもねぇ…。
あとここで出てくるフランス語が、全文ハッキリ出てないんであくまでも仮定なんだけど、「le coleur est-ce que tu ?」だとすると「あなたは何色?」(フランス語が分からないので、あくまでもグーグル翻訳さんを通した大雑把な訳)って訊いてるので、それでこの色かな…と。ギノ・弥生・志恩の3人は1期円盤でイメージカラーとして彼らの色はすでに判明してるしね。

あとFree Whiteのところの狡噛さんが黒→白に変わってるのも意味深。
さっきの「色」と合わせると、この部分って水色なんだけど、そういや狡噛さんの色ってダークブルー(慎也=深夜だけにミッドナイトブルーと言えばいいのか)で、白と混ぜると水色になるよなぁ…って、ふと思った。朱の中のダークな部分のない狡噛さん(白噛さん)の色なのかなー…とか。

そして続くようにエロ朱さんがだんだん狡噛さんになっていってやしないか…?
ともあれ、OPに出てくる狡噛さん(もしくは狡噛さんを思わせる表現)って、「朱の中にいる狡噛さん」をあらわしてる気がする。
…とすると、フォロワーさんが言ってた「2期は守破離の物語」っていうのも頷けるなぁ…と。
1期で成長して狡噛2号となった朱が更に成長するためには「狡噛依存からの卒業(脱却)」をしないといけないわけで、今のところ朱は「狡噛さんならどう考えるだろう?」というのが基本になってるけど、そこから離れるにせよ同化して自分のものにするにせよ、「狡噛さんならどう考えるだろう」から卒業(脱却)できた時に更なる成長があって、そして1期で狡噛さんにかけられた「呪い」が解けるんじゃないか…という気がする。


デスク配置からすると、ギノ=ハウンド1、弥生=ハウンド2、東金=ハウンド3、雛河=ハウンド4でいいのかね。てか、ものっそ自然にとっつぁんのデスク引き継いでるのな、ギノ。この調子だと執行官宿舎も引き継いでそうだな。
そして我々視聴者の色相を濁らせてくれることで定評のある美佳は、今週も開始6分ぐらいで我々の色相を濁らせてくれたwww
1期の桜霜学園編で登場した時からレズビアンであることは示唆されてたんだけど*2、明らかにギノ以下の男性執行官と弥生に対する態度が違うんだよな。
前回の事件の問題点と考察と言いながら、書いてることはおそらく朱批判(ドミネーターによる即時量刑をせず、説得して犯罪係数を下げようとした行動)と、ギノが2係の執行官にドミネーターを向けたことなんだけど、ホントに現時点での美佳は「頭がいいだけの子供」でしかない。これが物語を通して成長していくのか、それとも現実を見ることができずにドロップアウトしてしまうのか…という存在なんだろうけど、2期にして初めて「視聴者からの憎まれ役」を置いたことも意味がありそうだな。
アニメ誌での製作陣の発言にもあったけど、「チームワークの崩壊と再生」も2期の物語だとすると、朱率いる新1係のチームワークを壊すも作るも美佳次第な部分ではあるな。現状、朱の正義と美佳の正義は対立しているわけだし、1期同様、朱を挟んで三つ巴の正義の対立となるなら、ひとつ目の対立は1係内で、ふたつ目が鹿矛囲になるしな。ただ、2期は1期以上に複雑な対立構造にはなるだろうなという気がしている。当然シビュラの思惑とも対立するだろうし、2係3係が出てくる以上、彼らとの対立も避けられないだろうし、あと怪しいとしたら東金さんはバリバリ怪しいと思うし。
しかし、「元監視官の宜野座さんの経験から学ぶこともある」と弥生がアドバイスしても、「監視官を辞めたなら尚更聞く気はない」ってバッサリ切り捨てる…いや意地になる美佳に溜息をつく弥生…というか、あの弥生に溜息をつかせる美佳ってパネェわw
とはいえ、美佳はこの先、ギノの言うように「目の前の事実を現実として受け入れること」ができなければ、弥生が言うように「経験から学ぶ」ことができなければ成長は望めないわけなんだが、朱でさえ2クールかけて成長したのに、果たして美佳が1クールで成長できるのか…? さやかになるのか、朱の下位互換になるのか、そこは美佳次第…か。

美佳の報告書を局長に提出することにした朱。「いいのか?」と問うギノに、自分が許可したことだからギノが処罰されることはないと答える。
なんだろう…この朱ちゃんの「無理してる」感は。確かに狡噛さんがいなくなって「新たな1係の統率者」とならざるを得なくて、無理に成長してしまった結果がこれなんだろうけどさ…。別にギノや弥生のサポートが足りないとかそういうのではないんだ。朱ちゃん自身、シビュラの秘密という誰にも言えないものを背負っているという、頼りたくても頼れない状況だからしょうがないっちゃしょうがないんだけど、1期の「朱ちゃん」を知っているだけに、今の「朱ニキさん」は見ていて痛々しいというか…。
そして現場に残されたメッセージの解読を美佳たちに、ホロの解析を弥生から雛河に引き継がせ、自身は喜汰沢の聴取へ向かうが、その背を東金が呼び止める。

喜汰沢がサイコパスをクリアに保っていた秘密を尋ねる朱。しかし喜汰沢は錯乱状態であまり話にならない。
東金も人質をホロに偽装してまで公安を誘い出した理由を尋ねるが、喜汰沢は「ホロじゃなくてあの人」「俺をクリアにしてくれた」と、「あの人」と気になる存在を口に出す。

朱は2係の青柳さんからも話を聞くが、サイマティックスキャンに反応がなかった以上、人質は存在しなかった。喜汰沢の言う「あの人」は妄言でしかないと片付ける青柳さん。
酒々井さんについても尋ねるが、行方不明とはいえ断続的にGPSで行方が追跡できており、ドミネーターも正常に認証されていることを青柳さんは訝しんでいるものの、その行動がシビュラに容認されていると局長が判断している以上、酒々井さんは何ら違法性のある行動は取っておらず、現在もシビュラの認識下で捜査を行っている。ドミネーターの反応を信じるならそう判断するしかないと言う。山門屋さんも、逃亡を企てたことで酒々井さんに執行され、秘密裏に行動する必要があったために「WC?」のメッセージを残した…と言う青柳さんに「本当にそう思っているのか」と尋ねる朱。
もしもあの現場に公安以外の何者かがいたとして、その何者かが山門屋さんを撃ち、メッセージを書いたとしたら…と推理する朱。喜汰沢の妄言を信じるのかと言う青柳さんに「可能性の話」と答えるが、「シビュラシステムにも見えない人間なんているわけない。透明人間を探すなんて、私の仕事じゃない」と取りあわれることはなかった。
…あのぉ、もしかして青柳さんって、無能座ポジション引き継いじゃいました?
確かにギノが執行官になった以上、噛ませになる監視官がいないといけないんだけど、まさかの青柳さんかよ!www
確かに美佳があーなんで、無能座ポジションを割り振るとしたら青柳さんなんだろうけど…なんだろうけど…なんだろうけど…orz
とはいえ青柳さん。あなたは過去の経験上、「シビュラを欺く人間がいる」ということをもっと疑ったほうがいいと思うんですが…。ゼロで藤間、1期で槙島という存在がいたのをもうお忘れか?
しかし、そう突っ込んだところで青柳さんがもう10年近くも監視官を続けてきたことを考えると、彼女もまたシビュラの意に沿った=シビュラを疑わない人間なんだよな。同期の狡噛さんもギノさんも「目の前の理解を超えた現実から目をそらさなかった(疑問を疑問として疑った)」ことで犯罪係数爆上がりして潜在犯になってることから考えても、確かに彼女は切れ者だろうけど「目の前の理解を超えた現実」からは目をそらし続けたことでシビュラの意に沿い続けてた…ってことになるもんな。
でもって「透明人間を探すなんて私の仕事じゃない」というのは、なんかゼロでそんな話あったよね。被害者が無戸籍者でその身元を狡噛さんたちが探してたよね。そしてそれを探させたのは2係の監視官(当時青柳さんの先輩だった人)だったよね…………って、もしかしてこのシーン、軽くゼロのリプレイしてます?
しかし、視聴者から見ると朱の推理が正しくて、青柳さんが無能座ポジなのが分かるんだけど、朱にしてみたら孤独以外の何物でもないよな。ある意味、1期より前…朱が来る前の狡噛さんってこんな感じだったんだろうなと。誰にも理解されない。でも自分が間違っているとは思えない。そんなジレンマを抱えてるところで1期の狡噛さんには朱という存在が現れたけど、果たして2期の朱にそういった存在は現れるのか…。なんだ、これも1期のリプレイか。
こうしてみると上手いこと「繰り返しの物語」なんだなぁ…サイコパスって。ただそれがループ(円環)ではなくスパイラル(螺旋)を描いてるから一見そうは見えないけど、1期→2期と見るとホントにゼロの昔から「繰り返しの物語」になってるなーとホントによくできてるなと感心します。

一方、「WC?」の意味を考える美佳・ギノ・弥生。まずはギノがどのまま直球で「Water Closet=水洗トイレ」を出すと、普通は「World Cup=ワールドカップ」だろうとツッコむ美佳。そして「Wild Cought=人工飼育された野生動物」を出す弥生。「(Wild Coughtでは)意味が通らない」と言うギノに「だったらトイレもおかしいでしょ」とツッコむ美佳…って、もしかしなくてもギノと美佳ってコント枠!?w
事実、この後AパートとBパートの間に流れた円盤CMがまさかのコントCMで、ギノと美佳(別バージョンは朱と志恩さん)のコントだったwww
ただ、見当違いに見えるこの推理なんだけど、ツイッターで塩谷が「ギノの推理は意外と鋭いかも」って言ってて、ギノの推理も弥生の推理もまだ消去できないかな…と。

レーニングルームに朱が来ると、すでに東金がトレーニング中。喜汰沢の聴取に同席させてくれた礼を言う東金。本来であれば、喜汰沢の被害にあったOW(オー)製薬、その経営者である東金財団の関係者(親族)である自分を同席させないはず…と言う東金に、「あなたは感情で判断を間違う人間には見えない」とその理由を答える朱。朱は東金が元セラピストであるプラス要素を考慮して同席させていた。
自分の経歴を見た上で判断した朱に、東金は言う。「あなたはよく人を見ている」…と。
そしてOW製薬とラクーゼなんだけど、「PSYCHO-PASS ASYLUM」のグソンさん編に出てきてるのを思い出した。OW製薬ってーのがラクーゼ作ってる会社なんだけど、ラクーゼ(合法薬物)の流通量を増やすために違法薬物の一斉取り締まりで手を組んでるって話があったな…と。やはり2期の犯罪ギミックは薬物でいいのかしらねぇ? そして2期はスピンオフからのグランド違いの超ロングパス伏線が飛びまくってると考えてもいいのかしらねぇ? 確か東金財団の名前自体は「監視官 狡噛慎也」のほうにも出てきてたし。
…となると東金さんも怪しいのか?

雛河にホロの分析を任せたのも、雛河が元ホロデザイナーという経歴を活かしてのこと…と指摘する東金。
そして、トレーニング、タバコ…と、狡噛さんを思い起こさせる東金。トレーニング後にタバコに火をつけて吹かす仕草…あぁ、1期7話のリプレイかつ狡噛さんとの対比か。
そして「透明人間は存在する」「単独犯ではなく誰かが裏で糸を引いている」って朱の推理を肯定し同調する…うん、狡噛さんだ。狡噛さんをダブらせる存在だ。
そして、自分の考えが誰にも理解されない朱に同調してくれる人間が現れる…というのも1期狡噛さんのリプレイで、ホントに「繰り返しの物語」だな。
ただ、狡噛さんをダブらせる東金の存在…を考えた時に、ふと思ったのが、この場面を槙島が見たら笑うだろうなって。
「どんな人間でも代わりがきく」と言っていた槙島なら、朱の前に狡噛さんをダブらせる存在が現れたのを見て、それはそれは笑うだろうなと。
つまり槙島から見れば、「東金=狡噛さんの代わり」にしか映らず、もしこの場に槙島がいたら、朱に「常守朱にとっては狡噛慎也という存在ですらその程度のものだった」「代わりがいない存在としての狡噛慎也は自分だけのものだ」みたいなことを言って勝ち誇ったように笑うんじゃないか…そんな気がする。もちろんホモ抜きにして。
2期(+劇場版)は朱の守破離、狡噛依存からの卒業(脱却)の物語だと考えると、狡噛さんを彷彿とさせる東金の存在が朱を揺るがす気がする。そして狡噛さんに依存してた自分に気づいてそこから脱却する…それが2期の朱ちゃんの成長物語じゃないかと。
ただ、そう言われても朱ちゃんも槙島に言い返しそうなんだよな、「狡噛さんの代わりはいない」って。そういった意味では今のところ狡噛さんをなぞっている朱ちゃんだけど、最終的には狡噛さんと同化というか消化(昇華)しちゃうんだろうなという予感。

そこにホロの分析を終えた雛河が「このホロ、すごいよ」と飛び込んでくる。
そういえばさ、雛河の中の人が槙島の中の人なんだけど、声と芝居が違いすぎてもうすでにそんなことを忘れてしまっているのね…声優スゲェ。
分析室で更に志恩さんにも加わってもらうが、雛河はホロの外見の情報量の膨大さを指摘。見る人を騙すだけならこんなにレイヤーを重ねる必要はない…とも。そこまで精巧なホロを作れるものなのかと問う朱に、モデルがいれば可能と雛河は答える。早速志恩さんが検索するが厚生省のデータベースにはヒットせず。そこで雛河は鉢合わせする可能性があるので現存する人は使いにくい、だけど生きていない人なら…と指摘。そこで死亡被害者に検索先を変えたところ、1件ヒット。
外見の特徴から、15年前の飛行機事故の死亡被害者(染水槇・当時8歳)と判明するが、ホロは8歳の少女には見えない。要するにこのホロは死人を成長させたもの。15年後の今もし生きていたら…という設定で作られたものだった。
異常なまでの手の込みように「おかしい」と首を傾げる朱。
…あぁ、OPの飛行機が逆さになって鹿矛囲(と思われる人物)が出てくるのってこれか!!
そうか、透明人間の謎が繋がったぞ…多分。
ゼロの透明人間が「廃棄区画生まれの無戸籍者」なら、2期の透明人間は「死んでいるはずの人間」ってことじゃないかな?
飛行機が逆さになるのはそのまま直球ドストレートに受け取ってよかったわけだ。
…となると、1期の藤間の件もあるし、この染水槇ちゃんは覚えておいたほうがいいな。
そして2期はOPの草薙素子っぽい朱ちゃんといい、飛行機事故といい、攻殻機動隊(S.A.C)のオマージュが多いなぁ…と。
そうなると、やはり義体も出てきそうだなぁ…。もし義体が関わるとすれば鹿矛囲か? いや義体はすでに局長で出てきてるけど、「シビュラに認識されない」というカラクリを考えると義体の線は捨てずに持っておいたほうが良さげだな。

そんな朱に青柳さんから、喜汰沢の犯罪係数が執行対象外まで下がった…との報せが。

でもってここで円盤のコントCMの動画を貼ろうと思ったけど、公式さんがまだ上げてくれないので、上がったら貼ろうかと…(忘れてなかったらの話。そして公式さんが上げてくれたらの話)


犯罪係数が執行対象外(76.2)まで下がった喜汰沢。ここまで下がるのは過去に前例がない。
喜汰沢は「あの人のおかげだ」「あの人が会いに来てくれた。クリアにしてくれた」と笑う。面会記録を調べるが、彼と会ったのは公安局直属医療機関のセラピストひとりだけ。

そのセラピストに話を聞きに行く朱とギノだが、セラピストは通常通りの業務を行っただけだと言い、監視カメラにも怪しい点はなかった。
一見すると1期でギノさんがかかってたセラピストに見えるんだけど、確かさ、あの先生、向島って名前じゃなかったっけ? と思って1期のを見直したら役名は「カウンセラー」だった…。向島は小説とかで出てきただけだったか。蓬田になったのは単なるやらかしなのか、それとも別人なのか…。ともあれ、すでにこのセラピストも怪しいんだけどさw
蓬田は朱に働き過ぎを指摘。リフレッシュを勧められた朱は苦笑う。そして更に蓬田は朱に「喫煙は健康を害します」とも指摘。そこで表情が暗くなった朱をギノは気遣わしげに見る。
こうして見ると、ギノは朱を終始気遣わしげに見てて、望んで朱の副官についてるんだけど、ギノが朱の副官たろうとするのは、1係の長として自分が背負ってたものを、いくら1期終盤で急激に成長したとはいえ新人にすぎなかった背負わせてしまったという負い目からでもあるよな…と。この1期から2期に至る1年半で朱はギノが(中間管理職として)背負っていたものを知ったはずなんだけど、ギノにしてみれば「すまない」ってしか言えないよなぁ…。本当なら「俺が背負ってたものがようやく分かったか、この小娘」ぐらいは言ってもいいんだけどさ、ギノはw

サイコパスがクリアになった以上「犯罪者」ではなくなってしまった喜汰沢は医療施設に移送されることに。前代未聞の出来事に納得できない弥生と美佳だが、規定である以上しょうがないと言うギノ。そして美佳は1係が挙げた犯人なのに2係が移送することにも不満を抱き、朱に抗議する…が、朱は「セラピストに働き過ぎはサイコパスが濁ると脅された」と言い、早めに上がってしまう。
呆気にとられる美佳に、施設に入れば喜汰沢は公安の管轄から外れてしまうため、この移送が喜汰沢を取り調べる最後のチャンスであるため、朱が青柳の気持ちを汲んだことを察してやれと言う。
うーん…相変わらずシビュラはザルですな。槙島事件で何も学んでないのかよw とはいえ、むしろ「犯罪心理と犯罪係数が一致しない人間」をシビュラは泳がせてるところあるもんな…免罪体質者獲得のために。
とはいえ今回は免罪体質者ではない「犯罪心理と犯罪係数が一致しない人間」が生まれてるし、免罪体質者とは違う「シビュラに認識されない人間」も出てきてるから、シビュラ社会においては免罪体質者より恐ろしい脅威であることは確かだな。
しかし、「犯罪心理と犯罪係数が一致しない人間」って、ある意味狡噛さんもそんな人間だった気がする。彼は犯罪係数は高かったけど、最後には人を殺してしまったとはいえ、社会に害は為さなかったからな。おそらく、そういったシビュラ社会におけるパラドクスな存在が、この社会が生み出す「怪物」なんだろうな…槙島しかり、狡噛さんしかり、朱しかり。

自宅に帰った朱は「WC?」について検索。その傍らには狡噛さんのタバコ(SPINEL)が…。
実際に喫煙はせず、お香のように焚いているだけなんだけど、朱ちゃんよ…それでも匂いはつくんだよ!! そしてそんなもったいない使い方をするなよ!! と世知辛い世の中になった平成の喫煙者は拳を握りしめて訴えました…ハイ。てか、あの時代のタバコって1箱いくらなんだろう? 平成のこの世の中より高そうなんだけど…。
OPにもあるけど、こうして朱ちゃんがタバコをお焚き上げ(狡噛さんは悪霊か何かかw)してるのって、それこそ「狡噛さんならどう考えるだろう?」って自分を狡噛さんとリンクさせていく作業であり、かつては狡噛さんが佐々山を忘れないように…ってタバコを吸ってたように、朱ちゃんも狡噛さんを忘れないように…って思いがあるんだろうなぁ。あとSPINEL自体が佐々山→狡噛→朱と受け継がれてきた「正義」の象徴や絆みたいなものもあらわしてる気がする。
とすると、朱ちゃんの今の段階って、守破離の「守」から「破」に至りかけてる状態なんだよな。師匠の教えを守りつつ、自分の型を作りかけてるんだけど、迷うとやっぱり師匠に頼ってしまう…という。
タバコの煙に気づいたキャンディーに「副流煙は健康を害しますよ」と咎められるが、「うるさいな。分かってるわよ」と朱。「たまには部屋の掃除も」と朱に勧めるキャンディーが壁に傷がついていることに気づいて教えると、確かめるために部屋のホロを解除した朱は「そんなはずない」と驚く。同時に朱の端末に美佳からコールが入り、移送中の喜汰沢が逃走したとの報せが。そして壁に刻まれた「WC?」の文字を呆然と見つめる…。

2係が喜汰沢に爆弾の製造場所を尋ねたところビルの一室に案内されたが、そこで喜汰沢は部屋に隠していたナイフで青柳さんを切りつけ、用意して爆弾を所持したまま逃走。KTビルって、そういや1期1話でも出てきた名前なんだけど、同じとこかな?
「嘘よ…サイコパスがクリアな人間が…」と信じられない顔をする青柳さんよ。アンタは藤間と槙島で何を学んだんですか…と言いたいところだけど、彼女は免罪体質者の存在は知らないんだったな。「犯罪心理と犯罪係数が一致しない人間」がいるという現実を「事実」として受け止めてないし、受け止められないからこの反応なんだし。
しかし、こうして彼女にとっては3人目になるはずの「犯罪心理と犯罪係数が一致しない人間」の存在が青柳さんをヤバくしなきゃいいんだけど…。同期の狡噛さんもギノも「これはおかしいぞ」って疑問を疑問として疑ったところから犯罪係数上げて潜在犯になってるからな。
ただ、今のところサイコパスではスピンオフも含めて「執行官の死」はやったけど、「監視官の死」っていうのはやってないから、2期ではもしかしたら「監視官の死」が扱われそうな気がするんだよな…。となると、酒々井さん・美佳に加えて無能座ポジを引き継いでしまった青柳さんも結構ヤバいよな。
喜汰沢は現場付近にある下水路への侵入口から地下へ逃走したを推理する朱。侵入口のロックがあらかじめ解除されていたら可能と言う朱に、スキャナがあるからそれはありえないと反論する美佳。すると志恩さんから下水路への侵入口で喜汰沢を発見したの報が。しかもロックは解除されていた。
距離的に美佳チームの追跡は無理と判断した朱は、東金・雛河を回収して喜汰沢を追跡。逃走ルートを読んでいたのかと弥生に問われ、朱は答える。移送中に逃亡するなんて計画をひとりで考えつくとは思えない。逃走する指示をして下準備をした人間が必ずいる。その人間はサイマティックスキャンをかいくぐる手段を持っている…と。
そして「その人物は公安局に挑戦している」と朱は確信する。

逃走を続ける喜汰沢。そこには朱の読み通り、矢印で逃走ルートの指示がされていた。しかし、朱チームが喜汰沢を捕捉。
また爆弾を仕掛けたと言う喜汰沢にドミネーターを向けようとする東金と雛河だが、朱はそれを制止。再び説得を試みるが、逆上した喜汰沢は爆弾を爆発させ、爆弾はもうひとつあると更に脅す。逃走しようとする喜汰沢は朱に「アンタだって言っただろう? 俺は間違ってないって」と言い、自身の行為を正当化。それに対して朱は答える。「そうかもしれなかった。(爆弾の)スイッチを押すまでは…」と。さすがの朱ニキさんも堪忍袋の緒が切れた。

そこに東金がエリミネーターを向け、朱に発砲許可を求める。
ここでドミネーターを構えた東金さんの目が青く光らないとか、朱にいちいち発砲許可を求めるのが怪しい…と言われておりますが、どうなんだろう? ドミネーター構えても目が光らない演出は1期でもあったし、朱がエリミネーターを極力使いたくない主義を知っているのであえて許可を求めたとも受け取れるけど、「東金義体だから目が光らないんだよ説」とか「東金義体だからドミネーター使うのに何らかのロックがかかってて監視官の許可ないと発砲できないんだよ説」も、それは穿ちすぎだろと一蹴できないことを俺はシンケンジャーで学んでいる*3(CV狡噛さん)。
今度ばかりはエリミネーターで執行するのもやむなしと腹をくくる朱。逃げられないと悟った喜汰沢は「ごめんよ、鹿矛囲。せっかくクリアにしてくれたのに…」と呟く。
「鹿矛囲」が裏で糸を引いている人物であると感じた朱は、それが誰であるのかを尋ねるが、死の恐怖に震える喜汰沢は答えない。
「なぁ、教えてくれよ。俺は今、何色なんだ?」と喜汰沢が呟いた瞬間、朱は何か気づく…が、朱たちの後ろにはドミネーターを構えた青柳たちが。「何色? そうね、ドブみたいな色ね」と憎悪を込めてエリミネーターを撃つ青柳。喜汰沢は執行されてしまう。
「そうか。分かった…メッセージの意味」
朱は「WC?」のメッセージの意味に気づいた。

そして逃走経路の出口だっただろう場所に、ひとりの男が…。
「愚かな公安局…。彼はクリアにできた。まだ救えた…」と涙を流す男――鹿矛囲。
常守朱。君なら分かると期待したのに…」
一体、鹿矛囲は何を朱に期待していたのか? そして彼の目的は――?
意外にも鹿矛囲が救世主系犯人で驚いたんだけど、よく考えたら「見つけられるからなフフフ…」だと槙島とダダかぶりだということ3秒後ぐらいに気づいて、鹿矛囲が救世主系犯人だと仮定すると、もしかすると鹿矛囲はその「透明人間」さを利用されて救世主に祭り上げられた存在=更に彼を操っている存在がいるんじゃないかという気もしてきた。2期の犯罪ギミックが薬物(+暗示)だとすると、ラクーゼ=OW製薬(から繋がる東金財団)とか、鹿矛囲の背後に「社会の闇」があるんじゃないかって。そしてその「社会の闇」には当然シビュラの思惑も絡んでくるだろうし…。
さぁ、あと9話でどう組み立てて、どう落としてくる!?


そしてED映像は1期EDの進化形とも言える2期バージョン…というよりは、「サイコパスのEDのテンプレート」があって、その2期バージョンといったところか…。
ちなみに1期の5倍ぐらいは映像の情報量多くて目が疲れますw
相変わらず本編からEDへの入り方が絶妙だよな、サイコパスは。
でもってキービジュアルにもいた雑賀教授がEDで1係メンバーとしている…ということは、そろそろ登場だな!! というか先行組から次(3話)で出てくるような話を聞いたので、貴重なオッサン枠として雑賀教授には生き残って欲しい所存。あと雑賀教授が出てくるってことは、朱ちゃんとの会話に狡噛さんの名前が出てくるのも確定したようなもんだろ!!(重篤な狡噛欠乏症すぎて、OPはもとより本編で狡噛さんの名前が出てくるだけでも叫ぶ自信があるw)

そしてな…2話目にしてキャプ画の貼りすぎで、はてなフォトライフに金を払うハメになりましたw
1期もキャプ画の貼りすぎで金払ってたので、まぁそうなるだろうとは思ってたけど、2話目にしてとか…早すぎるだろうがー!!(CVギノ)
減らせばいいのは分かるんだけど、結局のところこのブログは「あとから見た時にキャプ画を見てなんとなく話が分かるように」という意味でキャプ画を貼ってる部分があるので、もうしょうがないかなと…ハイ。
あと気づいたね…キャプ作業を別にした上でもブログ書くのに8時間ぐらいかかるって。
何故そんなにかかるかって? キャプ画貼る→その部分の本編を見る→一時停止(戻しやコマ送り含む)→本文書く…を、ちまちまと繰り返してると8時間ぐらいになってたよwww
そんなアホみたいにちまちまとした作業で書いているこのブログが面白いのか面白くないのかはよく分かりませんが、一応最終回までやる予定なので、お付き合いいただけますと幸いです。

*1:ただしループ(円環)ではなくスパイラル(螺旋)

*2:小説版ではモロにレズだったがw

*3:シンケンレッド影武者説を「んなことあるかい」と一蹴してたらホントに影武者だった

PSYCHO-PASS サイコパス2 #01「正義の天秤<299/300>」

↑の日付タイトルはあくまで個人の感想ですw

PSYCHO-PASS Sinners of the System

正直、1期が終わった時点では「綺麗に終わったし、2期とか劇場版はいらないなぁ」と思っていたのだけど、新編集版が構成をまったく変えないにも関わらず新規カットを追加して狡噛VS槙島にちゃんと決着をつけてくれた(補完してくれた)おかげで、1期から2期へのスムーズな主人公交代と、1期(というか新編集版)がそのまま2期へ続く作りになってて、ようやっと「待望の2期」って言えるようになったよ…。
2期はなぁ…朱ちゃん…いや、朱ニキさんの物語なんだよなぁ…。

…あぁ、言うまでもない。
2期は最初からクライマックスに狡噛ファンは狡噛欠乏症だ。


都内で起こる連続爆破事件(の4件目)。ネットにアップされた犯行声明の男と、現場付近で急激に色相が悪化した男が一致。ビル解体現場の作業員・喜汰沢と特定される。
朱ニキさんはすっかり狡噛2号のベテラン監視官になっていたぜ…。
えーと説明しますと、新1係は朱ニキさん、ギノさん、弥生の他には、1期最終話で配属された霜月美佳監視官…までは1期最終話通りで、2期で新任の執行官が2人。

東金朔夜と雛河翔。
着任早々事件が起きるのはサイコパスのデフォなのかと…。
ベテランギノさんに美佳のフォローを頼む朱だが、美佳は不満そう。


そしてOPは期待通りの時雨サウンドだったぜ。

1期の時点でOPを考察したところで本編とは何ら繋がりがなかったんだけど、まぁ、あえて考察しましょうか。
とにかく「色」に溢れてるってことで、2期のテーマは「色」かな…と。
動きも多いし、2期は1クール11話なこともあって、とにかく最初から最後まで突っ走るんだろう…とも。
朱が狡噛2号になったのは1期終盤からなんだけど、推理するときにタバコの煙ってあたりはモロに狡噛2号だなと。アニメ誌で塩谷が冲方に「狡噛は去ったけど朱の中には狡噛が残ってる」という注文をつけたとかいう話なので、2話以降朱の狡噛2号っぷりは見られるのではないかと。
あと部屋でソファーに座っている人物が(今回の敵である)鹿矛囲なのか狡噛さんなのかで意見が割れてるんだけど、私は鹿矛囲派。部屋の「色」が代わるってーのがなんか怪しいというか、朱の「私という色を問う」っていう言葉からも今回(2期)の朱の戦いのキーワードが「色」だとすると、それを問うのは敵のほうじゃないかなと。
でもってやたらと怪しく描かれている東金さんだけど、これは裏切りフラグと見せかけて我々のミスリードを誘ってるんじゃないかな…と私は疑っているが、逆にそうミスリードするようにそのままズバリ怪しく描いている可能性もあるよなぁ。なにせ我々の予想を裏切ることに定評があるサイコパスだしw
飛行機が逆さになる描写も最初は劇場版(海外編)への布石だろうかと思ったんだけど、

>飛行機(フランス語でavion)がひっくり返って(noiva)裂け目からカムイらしき人が血をまき散らしながら出てくる。
>noivaはポルトガル語で「花嫁」つまりこれは出産シーン。
>カムイ(アイヌ語で「神」)も結婚した女性から生まれた、ただの人間ですって解釈

というのを目にして、あぁなるほど!! …と。
そういや1期の槙島も「結局はただの人間だった」っていうことだったし、サイコパスの物語自体が「ただの人間が事件を起こす」という話だったよな…と。
多分、事件自体は槙島事件に匹敵する恐ろしさだとは思うんだけど、それでも「ただの人間が事件を起こす」ことには変わりないのだろうと。
新編集版まとめの時に、2期は「朱が自分の正義が正しいと常に証明し続ける戦い」だろうと言ったんだけど、OPでも朱VS美佳の対立があって、あぁ予想通り…と思っているわけだけど、その対立する美佳と朱の間に拘束された狡噛さんらしき人がいるのをどう捉えたらいいのかな…と。
現時点では、朱の中に狡噛さんがいる(朱の中に狡噛さんをトレースした部分がある)んだけど、でも彼のように獣になってしまわないために戒められている…って解釈にしてるんだけど、その狡噛さんが消える…ってーのをどう解釈したらいいのか…。
朱の中の狡噛さんが消える時が1期で狡噛さんが朱にかけた呪い(狡噛さんが「常守朱の正義は正しい」と言い切ったことで朱が自分の正義が正しいと常に証明し続けなければいけなくなったこと)が解ける時なのか…?
そして沼(?)に落ちた朱が見た死体が誰なのかも気になるところ。脱いでる=狡噛さんと定義すると狡噛さん死んでますがな…なんだけど、ふとそこで1期で朱と狡噛さんが雑賀教授のところに行った時にした「深い沼」の話を思い出したのよ。朱はその時「狡噛さんならどれだけ深く潜っても戻ってきそう」って言ったんだけど、狡噛さんは「シビュラは俺が戻ってこれなかったと判断した」って答えたあの話。狡噛2号と化した朱がその深い沼に潜って(というよりOPだと「落ちた」感じだけど)見つけたものが、その「戻ってこれなかった」狡噛さんなんじゃなかろうかと。狡噛2号になって狡噛さんをトレースしていくことで朱は1期では分からなかった彼の負の部分を知っちゃうんじゃないかというか恐ろしく思っちゃうんじゃないだろうかとか。
でもって意味深な新キャラが出てくるんだけど、もしかして美佳と酒々井さんなのかなーとも。2期は刑事課のチームワークを揺るがす話にもなるらしいので、内部での対立もあるだろうし、そういった意味では2期からのキャラで代表的な美佳と酒々井さんがそっちのほうに回るのかな…とも。
そしてOPで最も意味深な「Free White」で出てくる狡噛さんも何を意味してるんだろうなぁ…と。パッと見ただけじゃ朱のスタンドだよ狡噛さんw ただ、1期では「黒」で表現されてた狡噛さんが白くなるってことに何か重い意味がありそう。ネット界隈では「槙島化」とか「免罪体質になる」とか言われてるんだけど、OPを通して朱=白で表現されてるのと、「Free White」っていうのを考えると、もしかして朱の色も「白」なんじゃないかと。
槙島は「何にも染まらない白」だったけど、朱はFree White=「何にでも染まる白」。いわば柔軟にどんな色にでもなれる(けど本質は白)
という「白」なんじゃないかと。そしてそのスタンドは白狡噛さん(獣性がないとか、純粋に彼の刑事としての面)ってことかなぁ?
最後の黒ドミネーターと白ドミネーターも、「何にも染まらない黒=シビュラ」VS「何にでも染まる白=朱」の対立…というか、「黒ドミ=シビュラの正義」VS「白ドミ=朱の正義」の対立だろうね。
本編に入る前に本編が絡んだ内容もだいぶ言ってしまってますが、私のOP考察は今のところこんな感じで。


犯人(喜汰沢)が逃げ込んだ現場に突入ではなく待機であることに不満を漏らす美佳。
普通ならテロを計画した時点でサイコパスが濁るはずなのに、爆破後に急激に悪化したことを考えると、何らかの手段で自分の色相をクリアに保ち続けた。その謎を解き明かす必要がある…と考えた朱。しかし、美佳はそれには取り合わず、二係の青柳監視官も周辺のエリアストレスの上昇を考えると新たな潜在犯が生まれる前に事件を解決すべきと二係に突入を命じる。

朱はこれまでの爆破事件が一般人の被害者がゼロだったことから、犯人の目的がエリアストレスの上昇と公安局への挑発であると推測。しかし、突入した二係は朱の推測通り待ち伏せの爆発に巻き込まれてしまう。

爆発に乗じて自動運転の暴走車だの暴走ドローンの陽動に遭う一係。そこを走り去る人質を乗せた暴走車。犯人の追跡を東金と雛河に任せた朱は、爆弾を背負った暴走ドローンをデコンポーザーで排除…ここでも朱ニキさんの狡噛2号っぷりがw
それにしても美佳の性格のキツさがツラい…というか色相濁る。
美佳は1期ギノに相当する役割だと思うんだけど、とにかく性格のキツさがハンパなくて、前情報以上にこれは我々の色相を濁らせてくれるなぁ…と。
1期の王陵璃華子事件で友人(というより片思いの相手*1)を殺されたことで美佳は監視官を志した=潜在犯への憎しみがあるんだけど、それに加えて元々の性格のキツさが潜在犯への憎しみを増長させてるのがすんごく分かる。1期ギノさんは潜在犯を憎む気持ちはあれど、周囲の潜在犯に身内(とっつぁんや狡噛さん)がいるために憎み切れない部分が相当にあったけど、美佳の場合は身内に潜在犯がいない分、「執行官を盾にすればいいのに」と潜在犯を同じ人間と思ってないし、ものすごく憎しみが直球なんだよね。
美佳の「犯罪係数の高い人間は速やかに排除すべき」というシビュラ社会に迎合した正義と、朱の「罪を憎んで人を憎まず」「罪は正しく裁かれるべき(犯罪係数で裁くべきではない)」「潜在犯(犯罪者)だって同じ人間*2」という正義の対立は当然の対立というべきか…。
確かに朱は1期でシビュラシステム(およびシステムに支配された社会)と戦うことを決めたのだが、その朱がまず最初に戦わなければならないものはシステムではなく、そのシステムに支配された社会を当たり前だと思う人間だからな…。まず社会で生きる人間の意識を変えなければ、朱が望むだろうシステムからの開放(シビュラが支配する社会が正しいとは思えないが、現時点ではシビュラがなくなると社会が成り立たない以上、シビュラを打倒するのではなく、人間がシビュラに頼らない社会を自らの手で作る=システムと決別すること)には繋がらないものな。
しかし、1期のギノ以上にシビュラ社会の正義そのものである美佳は、1期のギノに期待されていた(けどそうはならなかった)待望の「さやか枠」になるかもしれないという期待を抱いているのは私だけかのぅ?w
朱との対立がある以上、おそらく朱との和解があると思うんだけど、その先に悲劇が待っていないかなーーーーーーー? とか私はワクワクしているのであったw(鬼だな)
ただ、二係の酒々井さんも「官僚一家に生まれて自分のサイコパスにコンプレックスを持っている」という設定なので、もしかしたらさやか枠はそっちで、美佳はギノのリプレイをする可能性もあるよな…。なにせゼロ→1期→2期と「公安局(サイコパスという物語)は同じことを繰り返している」はずなので。


逃走中の犯人を追う一係。執行官とともに近隣住民の避難を割り当てられた美佳は「見くびらないで」と不満を漏らし、これにはギノも苦笑い(世界まる見え風)。
要所要所で1期のリプレイをしているのが、なんともニクいね! さすが「公安局は同じことを繰り返している」だぜw

そんな中、状況に変化が。東金・雛河とは別に(というか制止して)犯人を追っていた二係の酒々井監視官より犯人が人質を開放したとの報せが。朱も酒々井さんも不自然に思い、志恩さんに分析を依頼。すると「そんな人は存在しません」との回答が…。人質はホログラムだった。
これは犯人の罠だと読んだ朱。犯人=喜汰沢の過去(色相の濁りやすさからエリートの道を絶たれたこと)と犯行声明から、目的は「公安への攻撃による社会への報復」だと導き出す。

人質を追った先に爆弾がある…って推理する朱ニキさんが狡噛2号すぎてツラい。「導いてくれる人がいなくなったから、その人をなぞっていくしかない」という悲壮感のようなものが漂ってるんだよなぁ…2期の朱ちゃんは。…というか、狡噛さんはあの遺書(1期のあの手紙のこと。個人的には「刑事・狡噛慎也の遺書」であり、朱に「自分の正義が正しいと常に証明し続ける戦い」という業を背負わせた呪いでもあると思ってる)は朱に色んなモノ背負わせすぎ! 自分がなりたかったけどなれなかった刑事像まで託しちゃってるんだもの狡噛さんってばさ…。そしてその呪いっていつか解けるんだろうかと。

犯人を追い詰めた一係。犯罪係数は302…エリミネーターに変わるドミネーター。自爆する気満々の犯人だが、朱は微妙な犯罪係数の低下を見た朱は、「まだ間に合う」と東金を制止。「299」と呟く朱。そしてその意味を理解したギノは美佳を連れて朱の援護へ。

犯人を排除ではなく説得――エリミネーターによる執行ではなく、犯罪係数を299まで下げてパラライザーで済ませるために説得を開始した朱。その時間稼ぎのために避難誘導を行うギノと美佳(だが相変わらず美佳は不満を漏らす)。それを見咎める青柳さんに、ギノは「可能性にかけるあいつの愚かさを見逃してやってくれ」と逆に青柳さんを説得。そんなギノを「変わったわね」と言う青柳さん…てか、この二人というか青柳・ギノ・狡噛の3人って同期なんだよな。サブキャラだけど、青柳さんって「変わり続ける公安局」を一番見てきた存在だよなぁ…。そしてそんな中で10年近くも監視官続けてる青柳さんのタフさパネェ…。
ちなみに2期も相変わらず青柳さんの谷間をガン見してしまうわけだけど、同じ谷間なのに志恩さんはガン見しないで青柳さんはガン見してしまう理由が「志恩さんは当たり前にあるもの。しかし青柳さんの谷間はチラリズムに通ずるロマンをかき立てる」ということが新編集版で判明したことをここにご報告申し上げますw ついでにフォロワーさんが「青柳さんの谷間が1期より萎んだ」と言ってて、「神月(恋人)殺して揉む人がいなくなったから」という理由になったことも付け加えておくw(どうでもいいことですが、青柳さんの谷間は私には重要であるw)
でもってここでギノは「あいつ(朱)と長いことやってれば」って言ってるんだけど、2期は1期の1年半後(2114年秋から)の話なんで、ギノと朱の付き合いといっても2年ほどなのよね。それで「長い」っていうのもどうなんだろうと思ったら、公式の公安局の組織図見てビックリよ。
 ←クリックで原寸になります
1期と2期では刑事課全体の半分が入れ替わってるのよ!! ちみキャラでお馴染みの三係の百田と高見すらいないのよ!!(これはショックを受けた)
そう考えると「万年人手不足」と謳われる刑事課の入れ替わりって相当激しくて、たったの2年でも「長い」付き合いになる…ってことだよね。ってことは、20年以上執行官を続けただろう征陸のとっつぁんなんてレジェンドだし、青柳さんの監視官もうすぐ10年、佐々山の執行官8年、狡噛さんの監視官5年+執行官3年、ギノの監視官8年+執行官1年半とか、弥生の執行官5年とかですら、ものっそすごいレベルなんだな…と。その入れ替わりの激しさが殉職率なのか、はたまた色相・犯罪係数悪化によるものなのか…は、なんか2期で触れられそうな気がしないでもない。

隣のビルから二係の執行官も犯人を狙っていると朱から通信が入ったギノは、それを阻止するために追跡を開始。そして「299」の意味を悟った美佳は、わざわざ犯罪係数を下げて射殺を避ける朱の行動を非難する。
そんな美佳に「理解を超えたものから目をそらして否定するだけじゃ、いつか後悔することになる。目の前の現象を事実として受け入れろ。それが大人になる近道だぞ。お嬢さん」と、己の経験則を語り、笑うギノ。これもまた1期1話のとっつぁんのリプレイなんだけど、ギノ…ホントにお前成長したな!!
2期のギノはコートもとっつぁんカラーだし、立ち位置もとっつぁんに近いところにいるし、なんかこう「ホントに親父の跡継いだんだなぁ」と感慨深くなる…んだけど、前情報を読む限りでは執行官になっても中間管理職の悲哀は相変わらず背負ってそうだし、狡噛さんが背負ってた負傷やら死にかける枠も受け持ってそうだし、2期も死亡フラグは立ちまくってるんだよなぁ…ギノ。頼むからギノは死ぬならちゃんと己の信念に殉じて殺してくれよ、冲方・熊谷・虚淵・深見!!(ギノは死ぬとしても2期と劇場版どっちで死ぬか分からないしなぁ)
そんなギノの諫言を当然美佳は受け入れるわけもなく憮然とする。
美佳はこの先、成長はするんだけろうけど、それこそ1期最終回で期待された朱の後継者枠ではないという確信が出てきたわ。朱(やギノ)と対立して和解はするけど、それそこ1期ギノのようにその時には遅すぎて「私ってホント馬鹿」という最期を迎えそうな気が…。そこで和解して朱信者になるという可能性もあるだろうけど、酒々井=マミ枠、美佳=さやか枠じゃないかなーという現時点での予想(無論、サイコパスはこちらの予想を裏切られてナンボの話だと思っているので、予想は裏切られること前提)。

ついに逃げ場を失った犯人はシビュラが作った社会がおかしいことを朱に訴える。「一部の勝ち組だけが得をして、他の人間はいらない奴なのか」と叫ぶ犯人に朱は答える。「いいえ、そんなことはない。必要よ。あなたも、あなたが作った爆弾も」と犯人(喜汰沢という人間)を肯定する朱。
社会が必ず正しいわけじゃない。だからこそ私たちは正しく生きなければならない
間違いを正したいというあなたの心も、あなたの能力も、この社会には必要なもの
社会はひとりひとりが集まって作られるもの。あなたが正しくあることが、社会を正しくすることでもある
あなたの正義は尊いものだから
そう、犯人に説く朱。
…ん? 待てよ? これってさ…目の前の犯人に対して説いてるけど、もしかして、朱が「社会を逸脱してまで槙島を裁こうとした狡噛さんの正義」に対して1期では出すことができなかった答えなんじゃないか?
1期では朱は狡噛さんの正義が間違っているんだけど、それに対して明確に「どう間違っているのか」を答えることができなかった。というか「法を守る必要性」を語ることはできたけど、それでは狡噛さんを納得させられる答えを出せなかった。かといって、今のこの答えが狡噛さんを納得させられるのかといえば、それはまた別の話なのかもしれないけど…。

そこに東金も加わり「お前は部品なんかじゃない。社会が強制しても抗う心がある限り、ひとりの人間だ」と説く。
東金さんは元セラピストという設定で、何やら狡噛さんをダブらせる枠らしいので、彼の謎も物語の軸だろうなぁ…。

そんな朱の説得工作に「何ちんたらやってんだ」とドミネーターの引き金を引こうとする二係に執行官にドミネーターを向けるギノ。そしてそのギノにドミネーターを向ける青柳さん…という三すくみに「何なのこれ」と理解不能な美佳。
そして投降の意志を示した犯人に再度ドミネーターを向ける朱。犯罪係数は299。パラライザーに変わりドミネーターを撃つ朱。

無事犯人を確保した一係だが、犯罪係数を下げることをアテにして作戦を立てた朱を非難する美佳。それに対し朱は色相をクリアに保ったまま爆弾を作った方法を明らかにする必要があると答える。
当然、納得できるはずがない美佳は、朱の背に言う。「あなたは間違ってます」…と。
対象の犯罪係数を下げることでエリミネーターを使わずに済ませる…というのも1期1話のリプレイだけど、1期1話がそれこそ偶然であったのに対して、2期1話は朱は「それを狙った」という部分が成長であり、シビュラへの反抗でもあるな…と。
2期のキャッチフレーズが「正義<システム>に抗え――。」であることからしても、最初から抗ってるなぁ…。
そして、当初は「生かしておく価値がない」と判定したシビュラもその判定を覆したことが、この先の話で案外重要な意味を持ってくるんじゃないかという気が…。シビュラが恣意的に犯罪係数をいじれることは1期で判明済みなんだけど、その犯罪係数(サイコパス)の概念を揺るがす事件が2期のメインじゃないかな…と。

EDは1期と同じで2話以降映像が入ると思うんだけど、曲がOPでもおかしくないくらいの疾走感で、2期は1クール11話しかないこともあるし、この疾走感のままに最初から最後まで突っ走るんだろうなという気がしている。
劇場版が2116年の話で2期から少し間が空くのと、2期は2期で(映画へのアプローチはするけど)単独で物語を終わらせるっていう話らしいので、1話見ないと話が分からなくなる状態も発生しそうなジェットコースタードラマになりそうな部分も孕んでるよな…。毎回刑事課の誰かしら死にそうだしw

そして1話からあったCパート。
ホログラムだった人質を追う二係・酒々井チームは爆弾の存在に気づくが、しかしそれすらもホロだった。
「偽りは偽りであって、存在に対する無ではない。君たちはそれを見誤った」そう言って酒々井に近づく人質=ホロ。そして麻酔(?)を食らった酒々井は謎の男――鹿矛囲の手に落ちる。
「だから僕は、ここにいる」
そう言って鹿矛囲はドミネーターを握った酒々井の手を取り、同行する執行官にドミネーターを向ける。当然、執行官は監視官を撃てない。それを逆手に取りドミネーターを発砲する鹿矛囲――。壁に残された「WC?」の文字。
そう、これが新たな始まりだった。
私という色を問う、私自身の戦いの――。

…んで私さぁ、1話が終わった段階で、さも当たり前のように「WC?」=「What Color?」で、それが「私という色を問う戦い」のキーワードで、2期の犯罪のギミックはサイコパス浄化薬物だろうって思ったんだけど、よく考えたら「WC?」の謎ってこれから解いていくんだよな…?
1期円盤特典の「ちみキャラ」の話でサイコパス浄化薬物の話があったのと、2期の新キャラ雛河が薬物に詳しいとか東金が元セラピストとか、そういった事前情報でさも当たり前に「WC?」=「What Color?」で、2期に犯罪のギミックは薬物って決めつけてたけど…………うん、それしかやっぱり考えられないw
あと冒頭に出てきたラクーゼっていう薬とか、コミックガーデンの監視官狡噛慎也に出てきた東金財団とかは何かしらのリンク材料ではないかというネタをネット上で見受けたし、SFマガジンを筆頭にサイコパスの物語世界が広がっていってることからも、大なり小なりスピンオフからのリンクもあるんじゃないかと思うので、まさかの2期=ちみキャラからのグランド違いの超ロングパス伏線説を私は推すw
そして2期の犯罪ギミックが薬物であることを推す理由としては、すでに1期で「免罪体質」という最大のチートを出してしまっていることと、アニメ誌で「狡噛や槙島以上のキャラは作らない」と制作側が明言していることで、2期はシビュラが支配する社会であるがゆえに生まれる「イレギュラーな存在が怪物となり社会に脅威を与える」のではなく、「どこにでもいる人間が怪物となって(=誰でも怪物になることができる方法で)」社会に脅威を与えるのではないだろうかと。
ただ、鹿矛囲に向けられたドミネーターがまったく何も表示しなかったのは槙島以上の脅威を感じさせるけど、逆に考えるとチート槙島ですら犯罪係数(サイコパス)は測定できたのに鹿矛囲はサイコパスすら測定できないということに逆になにかギミックがあってしかるべきというか。
槙島と同じ「シビュラに認識されない」でも、「そんな人は存在しません」というのが怪しいな…と。
ID登録されていない廃棄区画生まれ(あの社会は生後すぐにDNAを登録してIDを発行されているって設定だと思ったので、IDを登録されてなければあの社会に「存在していない」と同じことみたいなことがゼロにあった気がする)あたりも頭の隅においておいたほうがよさげかな。1期の時点で「サイコパスを維持・クリアにするために薬物を使う」「必要悪としてその存在を黙認される廃棄区画」というのは設定としては出てきてたけど、それがどんなものなのか本編では掘り下げられてはいなかったから、1期では掘り下げられてないけど(スピンオフではなく)本編で掘り下げるべき設定としてはそこら辺が残ってるんじゃないかと。
だとすると、2期がイレギュラーな存在で存在である怪物が社会に脅威を与えるのではなく、「どこにでもいる人間が怪物となって社会に脅威を与える」話と仮定すると、鹿矛囲は廃棄区画生まれ(IDを持たない人間)という「存在の透明さ」と、サイコパスを測定できないという「存在の透明さ」で、「ならば自分という存在をお前たちは見つけられるのか?」と公安局や社会に挑戦してくる存在…ではないだろうかと。同じ「隠れた存在を見つけ出す」話でも、槙島が「見つけて欲しい」なら、鹿矛囲は「見つけられるかな?」。社会に挑むベクトルがまったく逆なんだろうと。
どちらにしても「社会の闇」が生み出した「怪物」が脅威であるんだけど、「どこにでもいる人間が怪物となって社会に脅威を与える」のが2期の話だとすると、逆に槙島より脅威になるから、だとしたらヤラれたと思う。1期で最大の脅威(槙島)を出してしまったけど、その手があったかと。
鹿矛囲は「カムイ=神」を彷彿とさせるけど、あの槙島ですら結局のところ「ただの人間」だったことを考えると、前述のOP考察のひとつじゃないけど、鹿矛囲も結局のところは「ただの人間」とみなすべきかなと思う。それにシビュラにしてみたら「この社会に神はふたつも要らない」だろうしな…。そしてもしあの世界にシビュラ以外の神が出てくるとしたら、それはやっぱり朱なんじゃないだろうかと…新世界の女神じゃないけどさ(もっとも彼女は神になろうとはしないだろうし、社会を変革させるにしてもあくまでもひとりの人間としてそれを成すだろうと思う)。
ただ、鹿矛囲が槙島以上に怖いとしたら、それはあの槙島ですら「白」という色があったのに、たとえ何か仕掛けがあるにしても、鹿矛囲はサイコパスが測定できない=「透明」という色を持たない(もしくは色を隠した)存在だということだろうか。確かに「色を問う」にはうってつけの存在だと思うわ…。
そこでキーワードになってくるのはOPの「Free White」…か?

ともあれ、1期1話同様「この先どうなるねん!?」と、この先の話が楽しみで引きこまれたサイコパス2期1話であった…。
そして1期から2歳年を食ったせいでブログ書きに使う体力が減っていた私は2期も全話ブログを完走できるのか…!?
次回以降キャプ画が減ったら申し訳ない…「BBA無理すんな」と心の中で呟いておいてくださいw


Enigmatic Feeling(期間生産限定盤)(DVD付)

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Fallen(初回生産限定盤)(DVD付)

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*1:無論、女子校なので相手も女子であるw

*2:1期で朱はこの先社会制度が発達すれば潜在犯の権利が広がる可能性もあると考えていた

PSYCHO-PASS サイコパス 新編集版

PSYCHO-PASS Sinners of the System

単なる再放送でも、2期前の復習ではなく、「新編集版」というだけあって、1期で綺麗に終わったはずの物語を、2期へ繋がるストーリーとして追加カットを加えて再編集したという点が、新編集版の評価点だと思う。
1期に対する感想はすでにこのブログで言い尽くしてしまっているので、ここでは新編集版を経て2期へ繋がる物語としての感想をザックリと。


まずは各話に追加された新規カットのおかげで、1期では希薄というか説明不足だった「狡噛と槙島の逃れられない宿命の対決感」がものすごく出たということ。
1期では「狡噛と槙島の宿命」は、それこそアニメ誌とかでそう言われているだけであって、本編を見ている限りでは、狡噛さんの一方的な片思いに槙島が面白がって付き合ったら本気になっちゃったよ…みたいな感じしかしなかったのに、追加カットで同時間軸の槙島の心情や内面が多く描かれたことで、「槙島も狡噛の存在を待っていた」ということが分かって、あぁ、互いに互いの存在に焦がれていたんだな、これは宿命の対決だったんだな、と1期より分かりやすくなった。
これは逆に槙島は最後までミステリアスでいて欲しかったという人には、槙島がどんどん小者化していく表現の仕方なので評価は分かれるかもしれないけど、私はこの同時間軸の槙島を描いたことは正解だったと思う。
1期では尺が足りなかったと言われればそれまでだけど、狡噛と槙島の対決って部分はアニメ誌等の製作陣の発言によって物語が補完されている部分が強くて、「常守朱の成長物語」だけで終わってしまった感が強かった。
しかし、新編集版で、その「狡噛と槙島の宿命の対決」部分が補完されたことによって、狡噛VS槙島の宿命の対決によって常守朱=2期主人公が成長/誕生した物語…という風に、物語の構成自体はいじってないにも関わらず見事に2期に繋げてきた。
…やるじゃねぇか、と。

シビュラ社会という蟲毒。そしてその中で戦う「怪物」たち。

新編集版が2期へ繋がる物語として浮き上がらせたのは、「怪物」は槙島聖護ひとりではなかった…ということ。
1期では「倒される怪物」だった槙島。しかし新編集版では、彼は免罪体質というイレギュラーたる「怪物」としてシビュラ社会が生み出したものだった。
そしてその「怪物を倒した勇者」だった狡噛慎也もまた、シビュラ社会が生み出した変異体たる「怪物」だった。
勇者が怪物を倒したのではなく、「怪物」同士が戦い、淘汰され、その中でまた新たな「怪物」が生み出され続ける物語。それがサイコパスという物語ではないのか…と、新編集版を見終わって私は思った。
つまり、シビュラシステムに支配された社会=蟲毒。その中で槙島や狡噛といった「怪物」が生まれ、戦い、より強い「怪物」が生き残る。
シビュラ社会(の『闇』の部分)を描くと、そんな物語ではないだろうか。
1期及び新編集版において生き残った「怪物」=狡噛慎也。しかし、自らの意志でシビュラ社会を逸脱した彼は最終回とともにこの物語から姿を消す。

狡噛慎也の『呪い』と常守朱の『業』。そして新たなる「怪物」。

槙島聖護は死に、狡噛慎也は物語から去った。
ならば、もう「怪物」はいないのか?
――――否。
先ほど私は、サイコパスという物語はシビュラ社会が「怪物」を生み出し続ける物語である、と言った。
新編集版が2期主人公誕生の物語とするならば、それは新たな「怪物」が誕生した物語でもあった。
常守朱である。
狡噛が槙島に出会わなければ「怪物」にならなかったように、朱もまた狡噛(と槙島)に出会わなければ「怪物」になることはなかったのだが、ふたりの人生がたとえ3ヶ月という短い時間であれ、しっかりと交錯してしまった結果、常守朱は「怪物」になってしまった。
それは、狡噛慎也の『呪い』である。
狡噛が朱に残した手紙。あの手紙で狡噛は「常守朱の正義は正しい」と言い切った。
それが狡噛慎也常守朱にかけた『呪い』である。
狡噛が「常守朱の正義は正しい」と言い切ったことで、朱は「自分の正義が正しいと常に証明し続けなければならない」という『業』を背負うことになった。
シビュラシステムが正しいとは思えない。だがこの世界にシビュラは必要である。ならば正義は誰が決めるのか…。
シビュラシステムの真実を知り、システムが進化する過程で有用な人間としてシステムに求められながらも、システムに抗うことを朱は選ぶ。
私の正義は私が決める――。常守朱は正義の在処を己の中に求めたのである。
故に朱は自分の正義が正しいと常に証明し続けなければならず、そしてその『業』を背負った瞬間から「怪物」となったのである。
「怪物」狡噛慎也が生み出した、おそらくは最大の「怪物」――それが常守朱=2期主人公なのだ。

生み出され続ける「怪物」たち。戦い続ける「怪物」たち。

1期では狡噛と槙島という「怪物」が物語から消え、そこで綺麗に終わったはずだった。
だが2期へ繋がる新編集版では、その「怪物」の手によって新たな「怪物」常守朱が生み出された。
つまり、サイコパスという物語は、「怪物」を生み出し続け、その「怪物」同士が戦い、淘汰される物語なのである。
ということは、2期ももちろん「怪物」と「怪物」が戦う物語だろう。それと同時に、狡噛慎也の呪いによって『業』を背負わされた朱が「自分の正義が正しいと常に証明し続けなければならない」物語でもあるだろう。
そしてふと考えるのだ。消えた「怪物」はどこへ行ったのだろうかと…。
今のところ2期に狡噛さんが出る気配など全くない(故に私は思いの外ヘコんでいる)。
しかし、シビュラ社会という蟲毒の壷から出て行った「怪物」はもう戦う必要がないのか? 彼もまた槙島聖護の呪いによって、死ぬまで戦い続けなければならない、すなわち「安息なき生」という業を背負っているのではないだろうか…そんな気がするのだ。



ちなみに新編集版の感想はツイッター#pp_animeタグで実況した他にも語っておりますので、興味を持たれましたらそちらもどうぞ…。


しかしね…本当にヘコんでいるのだよ。予想していたとはいえ、2期に全く狡噛さんの姿が影も形がないことに思った以上にヘコんで、これはもうギノとか朱ニキさんとかに楽しみポイント見つけるしかないじゃない! そうやって劇場版の特報待とうじゃない! って状態です。
2期が1期から生まれた「怪物」常守朱の物語だとすると、劇場版は物語から消えた「怪物」狡噛慎也の結末の物語であってほしい部分があるのですが…………お願い、もう1回狡噛さんを見せて! 三十路の狡噛さんを見せて!!(2期は1期の1年半後=狡噛・宜野座は30歳になっている)

PSYCHO-PASS 監視官 狡噛慎也 1 (BLADE COMICS)

PSYCHO-PASS 監視官 狡噛慎也 1 (BLADE COMICS)

コミックガーデンの監視官狡噛っていう楽しみはありますが、狡噛ファンは2期をどう楽しめばいいのだろうかと…。
…いやギノとか朱ニキさんとか青柳さんとか個人的には色々と楽しみな部分はあるんですけど、狡噛さんが出ないという喪失感をどう埋めたらいいんだ…と。


そんなわけで2期で毎回感想ブログが復活するのかはかなり微妙なのですが、ツイッター*1で実況したり語ったりはしますので、そちらもよろしくお願いします。

*1:@allred_risa